391 / 561
ベナード商会と新たな遺構
遺構とキャラバン
翌日、フレヤに頼んでブラスコと待ち合わせをした。
彼には営業前の焼肉屋に足を運んでもらい、予定した時間通りに話を始める。
未開の遺構に行けることへの期待で胸の高鳴りを感じていた。
「遺構に向かう準備ができたので、現地へ案内してもらえますか?」
「もちろん、そのつもりだったから。こっちの準備は万端だよ」
「俺の方でも探索に必要なものは揃えました」
ブラスコがもたらしてくれた情報であり、それに感謝する面が大いにある。
心身の状態は整い、すぐにでも出発するつもりでいた。
「潜在的な価値が高い場所だから、詳しい位置は到着するまで秘密にさせてもらうね」
「そうですよね。ベナード商会の社長が目をつけるくらいですから」
「わしも商人の端くれだから、商機は逃したくないんよ」
当然ながら端くれというのは謙遜だろう。
ランス王国の人間が見つけられなかった遺構を見つけたことは、偶然ではなく彼の嗅覚によるところが大きいはずだ。
「婿殿の本気度は分かるから、ぼちぼち行こうかね」
「もしかして、試されてました?」
「ふふん、二つ返事で引き受けるのはよくないよねー」
ブラスコは不敵に笑った。
こちらがおんぶにだっこでという姿勢であれば、のらりくらりとかわされて連れていってもらえなかったかもしれない。
「たびたびで悪いけど、また店の留守を頼むよ」
俺とブラスコの会話を見守っていたフレヤに声をかけた。
「分かった。気をつけてね。危ない時はルカを頼って」
「そうだね。フレヤの槍の師匠だし、彼は頼りになりそうだ」
俺はフレヤと言葉を交わして、店の準備をしてくれていたシリルにも声をかけた。
店の帳簿を確認したが、二人が貢献してくれたことを把握している。
シリルは順調に成長しているようで、フレヤは大商人の娘ということで一般人よりも初期値が高い。
この店の規模であれば、十分に対応できるだけの能力はあると思う。
出発の準備が整い、俺はブラスコと二人で竜車のところに向かった。
彼の話した通りに荷物がすでに積んであり、すぐに出発できた。
「食料は少なそうですけど、あれで足りるんですか?」
「遺構の近くにキャラバンがベースキャンプを設営したんよ。婿殿の食料も向こうで補給できるから心配無用だよん」
「それは助かります。規模や深さは調査中ですよね」
「うんうん、前人未踏となれば散歩感覚では危ないから」
御者台のブラスコはご機嫌なようだ。
ベナード商会が遺構を押さえることができた以上、そこで手に入るものは彼らが得ることが優先される。
自然と気分がよくなるのは当たり前のことだ。
客車の外の景色が流れるようにすぎていった。
前回と同じように地竜が快足を飛ばしている。
ランス王国の国内であれば、遺構のある場所までにそこまでかからないはずだ。
しばらくは街道を走っていたが、途中から脇道を移動するようになっていた。
街道ほど整備されておらず、客車に伝わる振動が増えている。
地元の人間でもなければ用のない場所で、俺自身は足を踏み入れたことのない道だった。
「こんな方に遺構があるなんて盲点だと思います。よく見つけましたね」
「わははっ、藪の中で誰も気づかなかったみたいなんだ。キャラバンに開拓のプロがいて、彼の直感を信じて見つけた感じだよ」
ブラスコの言葉が示すように、茂みをかき分けて進んだような痕跡がある。
馬車を通りやすくするために、道の地ならしをしたような節も見られた。
「ここまで来たらあと少し。いよいよ到着だよ」
人目につかないことが意識されているようで、通過できる最低限の幅しか通れないようになっている。
竜車がさらに奥へ進むと前方に切り立った岩山がそびえており、広い空間にテントや馬車がいくつか見えた。
「社長、お戻りでしたか」
「客人を連れてきたよ」
声をかけてきたのはベナード商会の従業員のようだ。
ブラスコに対して低姿勢で服装がアラビアンな雰囲気だった。
「はじめまして、マルクといいます」
「私はベナード商会のエンリケ。今回のキャラバンのリーダーです」
エンリケは三十歳前後の青年で日に焼けたような肌をしている。
黒い短髪で引き締まった身体つき。
精力的に働いているように見受けられた。
「エンリちゃん以外は出払ってる?」
「ルカさんが安全を確認できた範囲まで、皆で見に行きました。今のところモンスターは出ていないようで、採取の中心は鉱物になりそうです」
「いいじゃん、順調だね」
エンリケの報告を受けて、ブラスコは喜びの色を露わにした。
金銀、あるいは銅や鉄――何が採れるか分からないにしても、ランス王国がベナード商会に優先権を認めているのなら、一定の利益が見こめる可能性がある。
「社長、そちらのマルクさんも遺構に入りますか?」
「うんうん、そのために来たんだもん」
「俺はそのつもりです。よろしくお願いします」
エンリケは顎に手を添えて少し考えるような間があった後、再び口を開いた。
「ルカさんが戻ってきたら、次に入るタイミングを調整してもらうとしましょう」
「それで大丈夫です。お任せするので」
「まとまったみたいだね。とりあえずまあ、婿殿とわしは休憩にしよう。エンリちゃん、お茶をよろしく」
「承知しました」
ブラスコはのほほんとしたおじさんに見えるのだが、エンリケが素直に従っているのを見ると社長なのだなと実感する。
そんな社長に案内されて、野外に置かれたテーブルと椅子のところに移動した。
彼が座るのを確認して、同じように腰を下ろした。
「社長、いつもの茶葉で用意してあります。もう少ししたらどうぞ」
「あんがと。エンリちゃんもどう?」
「私はストックの確認をします。遠慮なくおくつろぎください」
エンリケは俺たちに一礼して、この場から離れていった。
彼には営業前の焼肉屋に足を運んでもらい、予定した時間通りに話を始める。
未開の遺構に行けることへの期待で胸の高鳴りを感じていた。
「遺構に向かう準備ができたので、現地へ案内してもらえますか?」
「もちろん、そのつもりだったから。こっちの準備は万端だよ」
「俺の方でも探索に必要なものは揃えました」
ブラスコがもたらしてくれた情報であり、それに感謝する面が大いにある。
心身の状態は整い、すぐにでも出発するつもりでいた。
「潜在的な価値が高い場所だから、詳しい位置は到着するまで秘密にさせてもらうね」
「そうですよね。ベナード商会の社長が目をつけるくらいですから」
「わしも商人の端くれだから、商機は逃したくないんよ」
当然ながら端くれというのは謙遜だろう。
ランス王国の人間が見つけられなかった遺構を見つけたことは、偶然ではなく彼の嗅覚によるところが大きいはずだ。
「婿殿の本気度は分かるから、ぼちぼち行こうかね」
「もしかして、試されてました?」
「ふふん、二つ返事で引き受けるのはよくないよねー」
ブラスコは不敵に笑った。
こちらがおんぶにだっこでという姿勢であれば、のらりくらりとかわされて連れていってもらえなかったかもしれない。
「たびたびで悪いけど、また店の留守を頼むよ」
俺とブラスコの会話を見守っていたフレヤに声をかけた。
「分かった。気をつけてね。危ない時はルカを頼って」
「そうだね。フレヤの槍の師匠だし、彼は頼りになりそうだ」
俺はフレヤと言葉を交わして、店の準備をしてくれていたシリルにも声をかけた。
店の帳簿を確認したが、二人が貢献してくれたことを把握している。
シリルは順調に成長しているようで、フレヤは大商人の娘ということで一般人よりも初期値が高い。
この店の規模であれば、十分に対応できるだけの能力はあると思う。
出発の準備が整い、俺はブラスコと二人で竜車のところに向かった。
彼の話した通りに荷物がすでに積んであり、すぐに出発できた。
「食料は少なそうですけど、あれで足りるんですか?」
「遺構の近くにキャラバンがベースキャンプを設営したんよ。婿殿の食料も向こうで補給できるから心配無用だよん」
「それは助かります。規模や深さは調査中ですよね」
「うんうん、前人未踏となれば散歩感覚では危ないから」
御者台のブラスコはご機嫌なようだ。
ベナード商会が遺構を押さえることができた以上、そこで手に入るものは彼らが得ることが優先される。
自然と気分がよくなるのは当たり前のことだ。
客車の外の景色が流れるようにすぎていった。
前回と同じように地竜が快足を飛ばしている。
ランス王国の国内であれば、遺構のある場所までにそこまでかからないはずだ。
しばらくは街道を走っていたが、途中から脇道を移動するようになっていた。
街道ほど整備されておらず、客車に伝わる振動が増えている。
地元の人間でもなければ用のない場所で、俺自身は足を踏み入れたことのない道だった。
「こんな方に遺構があるなんて盲点だと思います。よく見つけましたね」
「わははっ、藪の中で誰も気づかなかったみたいなんだ。キャラバンに開拓のプロがいて、彼の直感を信じて見つけた感じだよ」
ブラスコの言葉が示すように、茂みをかき分けて進んだような痕跡がある。
馬車を通りやすくするために、道の地ならしをしたような節も見られた。
「ここまで来たらあと少し。いよいよ到着だよ」
人目につかないことが意識されているようで、通過できる最低限の幅しか通れないようになっている。
竜車がさらに奥へ進むと前方に切り立った岩山がそびえており、広い空間にテントや馬車がいくつか見えた。
「社長、お戻りでしたか」
「客人を連れてきたよ」
声をかけてきたのはベナード商会の従業員のようだ。
ブラスコに対して低姿勢で服装がアラビアンな雰囲気だった。
「はじめまして、マルクといいます」
「私はベナード商会のエンリケ。今回のキャラバンのリーダーです」
エンリケは三十歳前後の青年で日に焼けたような肌をしている。
黒い短髪で引き締まった身体つき。
精力的に働いているように見受けられた。
「エンリちゃん以外は出払ってる?」
「ルカさんが安全を確認できた範囲まで、皆で見に行きました。今のところモンスターは出ていないようで、採取の中心は鉱物になりそうです」
「いいじゃん、順調だね」
エンリケの報告を受けて、ブラスコは喜びの色を露わにした。
金銀、あるいは銅や鉄――何が採れるか分からないにしても、ランス王国がベナード商会に優先権を認めているのなら、一定の利益が見こめる可能性がある。
「社長、そちらのマルクさんも遺構に入りますか?」
「うんうん、そのために来たんだもん」
「俺はそのつもりです。よろしくお願いします」
エンリケは顎に手を添えて少し考えるような間があった後、再び口を開いた。
「ルカさんが戻ってきたら、次に入るタイミングを調整してもらうとしましょう」
「それで大丈夫です。お任せするので」
「まとまったみたいだね。とりあえずまあ、婿殿とわしは休憩にしよう。エンリちゃん、お茶をよろしく」
「承知しました」
ブラスコはのほほんとしたおじさんに見えるのだが、エンリケが素直に従っているのを見ると社長なのだなと実感する。
そんな社長に案内されて、野外に置かれたテーブルと椅子のところに移動した。
彼が座るのを確認して、同じように腰を下ろした。
「社長、いつもの茶葉で用意してあります。もう少ししたらどうぞ」
「あんがと。エンリちゃんもどう?」
「私はストックの確認をします。遠慮なくおくつろぎください」
エンリケは俺たちに一礼して、この場から離れていった。
あなたにおすすめの小説
家ごと異世界転移〜異世界来ちゃったけど快適に暮らします〜
奥野細道
ファンタジー
都内の2LDKマンションで暮らす30代独身の会社員、田中健太はある夜突然家ごと広大な森と異世界の空が広がるファンタジー世界へと転移してしまう。
パニックに陥りながらも、彼は自身の平凡なマンションが異世界においてとんでもないチート能力を発揮することを発見する。冷蔵庫は地球上のあらゆる食材を無限に生成し、最高の鮮度を保つ「無限の食料庫」となり、リビングのテレビは異世界の情報をリアルタイムで受信・翻訳する「異世界情報端末」として機能。さらに、お風呂の湯はどんな傷も癒す「万能治癒の湯」となり、ベランダは瞬時に植物を成長させる「魔力活性化菜園」に。
健太はこれらの能力を駆使して、食料や情報を確保し、異世界の人たちを助けながら安全な拠点を築いていく。
平凡冒険者のスローライフ
上田なごむ
ファンタジー
26歳独身、動物好きの主人公大和希は、神様によって魔物や魔法、獣人等が当たり前に存在する異世界に転移させられる。
彼が送るのは、時に命がけの戦いもあり、時に仲間との穏やかな日常もある、そんな『冒険者』ならではのスローライフ。
果たして、彼を待ち受ける出会いや試練とは如何なるものか。
ファンタジー世界に向き合う、平凡な冒険者の物語。
転生三男のまったり開発記 ~魔法がなくても、前世の知識とガラクタいじりで世界を便利に変えていきます~
戯言の遊び
ファンタジー
【前世のオタク知識で、不便な異世界をちょっと便利に大改造!】
前世は「何でも屋」の息子で、機械の解体と研究をこよなく愛する技術オタク。
そんな俺が転生したのは、魔法が存在するものの非常に不便な中世レベルのファンタジー世界だった。
しかも、辺境を治める貧乏男爵家の三男坊という、家督の重圧もない完全なる「自由枠」
豊かな自然という名の素材の宝庫を前に、俺の技術オタクとしての血が騒がないわけがない!
風で飛んでいく洗濯物と手荒れに悩むメイドのため、ただの木切れを削って作った『洗濯バサミ』
それが屋敷中で大絶賛されたのを皮切りに、気難しい凄腕の鍛冶職人や、利益の匂いに敏い若き女商人を巻き込んで、俺の「ちょっと便利なモノづくり」はどんどんエスカレートしていくことに!?
大げさな魔法もチートもない。
けれど、前世の知識と底なしの探究心で、不便な世界をまったりと便利に成り上がっていく、三男坊の領地開発記!
転生無双なんて大層なこと、できるわけないでしょう! 公爵令息が家族、友達、精霊と送る仲良しスローライフ
幸運寺大大吉丸◎ 書籍発売中
ファンタジー
アルファポリス様より書籍化!
転生したラインハルトはその際に超説明が適当な女神から、訳も分からず、チートスキルをもらう。
どこに転生するか、どんなスキルを貰ったのか、どんな身分に転生したのか全てを分からず転生したラインハルトが平和な?日常生活を送る話。
- カクヨム様にて、週間総合ランキングにランクインしました!
- アルファポリス様にて、人気ランキング、HOTランキングにランクインしました!
- この話はフィクションです。
オレの異世界に対する常識は、異世界の非常識らしい
広原琉璃
ファンタジー
「あの……ここって、異世界ですか?」
「え?」
「は?」
「いせかい……?」
異世界に行ったら、帰るまでが異世界転移です。
ある日、突然異世界へ転移させられてしまった、嵯峨崎 博人(さがさき ひろと)。
そこで出会ったのは、神でも王様でも魔王でもなく、一般通過な冒険者ご一行!?
異世界ファンタジーの "あるある" が通じない冒険譚。
時に笑って、時に喧嘩して、時に強敵(魔族)と戦いながら、仲間たちとの友情と成長の物語。
目的地は、すべての情報が集う場所『聖王都 エルフェル・ブルグ』
半年後までに主人公・ヒロトは、元の世界に戻る事が出来るのか。
そして、『顔の無い魔族』に狙われた彼らの運命は。
伝えたいのは、まだ出会わぬ誰かで、未来の自分。
信頼とは何か、言葉を交わすとは何か、これはそんなお話。
少しづつ積み重ねながら成長していく彼らの物語を、どうぞ最後までお楽しみください。
====
※お気に入り、感想がありましたら励みになります
※近況ボードに「ヒロトとミニドラゴン」編を連載中です。
※ラスボスは最終的にざまぁ状態になります
※恋愛(馴れ初めレベル)は、外伝5となります
52歳のおっさん、異世界転移したら下水道に捨てられた――下水の汚物は宝の山だった
よっしぃ
ファンタジー
【祝!3/22~25 ホットランキング第1位獲得!】
皆様の熱い応援、本当にありがとうございます!
ファンタジー部門6位獲得しました!感謝です!
【書籍化作家の本気作。まず1話、読んでください】
電車でマナー違反を注意したら、逆ギレされて殴られた。
気がついたら異世界召喚。
だが能力鑑定は「なし」。魔力適性も「なし」。
52歳のおっさんに、異世界は容赦ない。
結論――王都の地下下水道に「廃棄」。
玄湊康太郎。職業、設備管理。趣味、健康管理。
血管年齢は実年齢マイナス20歳。
そんな自慢も、汚物まみれの下水道じゃ何の役にも立たない。
だが、転んだ拍子に起きた「偶然の浄化」が、すべてを変えた。
下水には、地上の連中が気づかない「資源」が眠っている。
捨てられた魔道具。
長年魔素を吸い続けた高純度魔石。
そして、同じく捨てられた元聖女、セシリア。
チート能力なし。異能なし。魔法も使えない。
あるのは、52年分の知識と経験、そして設備屋としてのプロ意識だけ。
汚物を「資源」に変え、捨てられた者たちと共に成り上がる。
スラムから始まる、おっさんの本気の逆転劇。
この作品には、現代の「病気」と「健康」に対する、作者の本気のメッセージが込められています。
魔力は毒である。代謝こそが命である。
軽い気持ちで読み飛ばせる作品ではありません。
でも、だからこそ――まず1話、読んでください。
【最新情報&著者プロフィール】
代表作『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』(オリコンライトノベル部門18位記録)の著者が贈る最新作!
◆ 2月に待望の【第2巻】刊行!
◆ 現在、怒涛の展開となる【第3巻】を鋭意執筆中!
◆ 【コミカライズ企画進行中】!
すでにキャラデザが完成し、3巻発売と同時に連載スタート予定です。絶対的な勢いで駆け上がる本作に、ぜひご期待ください!
異世界ママ、今日も元気に無双中!
チャチャ
ファンタジー
> 地球で5人の子どもを育てていた明るく元気な主婦・春子。
ある日、建設現場の事故で命を落としたと思ったら――なんと剣と魔法の異世界に転生!?
目が覚めたら村の片隅、魔法も戦闘知識もゼロ……でも家事スキルは超一流!
「洗濯魔法? お掃除召喚? いえいえ、ただの生活の知恵です!」
おせっかい上等! お節介で世界を変える異世界ママ、今日も笑顔で大奮闘!
魔法も剣もぶっ飛ばせ♪ ほんわかテンポの“無双系ほんわかファンタジー”開幕!
異世界召喚されたけどスキルが地味だったので、現代知識とアイテムボックスで絶品料理を作ったら大商会になっちゃいました
黒崎隼人
ファンタジー
手違いで剣も魔法もない異世界に召喚された、しがない日本のサラリーマン、湊カイリ。
彼に与えられたのは、無限に物が入る【アイテムボックス】と、物の名前が分かる【鑑定】という、あまりにも地味な二つのスキルだけだった。
戦闘能力は皆無。途方に暮れるカイリだったが、異世界の食事が絶望的に不味いことを知り、大きなチャンスに気づく。
現代日本の「当たり前」の知識は、この世界ではとんでもない「宝」なのだと!
「醤油?味噌?そんなものがあれば、この世界の食文化はひっくり返るぞ!」
ひょんなことから出会った没落貴族の美少女・リリアナと共に、カイリは現代知識と地味スキルを駆使して屋台から商売をスタート。
絶品料理で人々の胃袋を掴み、さらには便利な生活用品を次々と発明していく。
伝説の神獣の幼体「フェン」やドワーフの鍛冶師など、頼れる仲間たちも加わり、彼らが立ち上げた「サンライズ商会」は瞬く間に大躍進!
迫り来る悪徳商会や腐敗した貴族の妨害も、現代のマーケティング術と知恵で痛快に打ち破る!
これは、平凡なサラリーマンが異世界の常識を覆し、食と生活に革命を起こして一代で大商会を築き上げる、痛快成り上がりファンタジー!
美味しい料理と、もふもふな相棒、そして仲間との絆。
人生、逆転できないことなんて何もない!