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プロローグ
前世の記憶
しおりを挟む「ほらゆう、あーん」
僕の口に向けられたスプーンを抗うことなく受け入れる。
うん。おいしい…って違う!
「兄さま。ぼくじぶんでたべれます!」
舌足らずな喋り方で兄に訴えた。
「だーめ。この間熱出したばっかりなんだからまだ頭いたいいたいでしょ?僕が食べさせてあげるよ。」
ニコッと笑い、その後も散々あーんをさせられた。
食事が終わるとお昼寝の時間だと言って俺をベッドに潜らせて電気を消して出ていった。
てかこの間って1週間前のことなんだけど完全に治ってるし。
てか眠くないし…
僕、いや俺の名前は有栖川 優 5歳。俺は前世を所々覚えている。思い出したのはこの間の熱の時。病弱な俺は良く熱を出すのだが今回の熱は少し長引いてしまった、三日三晩寝込んで死の淵をさまよった後に目覚めたら前世の記憶を思い出していた。
前世の俺は平々凡々な高校1年の男子だった。特に秀でた才能もなく、俺をパシリにする3歳と4歳離れた2人の兄貴と共働きな両親の元ですくすく育った。
高校では気の合う友達が出来たり初めての彼女が出来たり楽しかった思い出がたくさんある。
だが、俺の頭には俺が覚えていたいことしかないのだ。
例えば大切な家族や友人、楽しかったこと、嬉しかったこと、ムカついたこと、嫌いだった奴、などが頭の中にある。逆に名前も知らないクラスメイトや近所の人の顔、どうでもいい=記憶しなくていいことがごっそりと抜けているのだ。
けど一つ分からないことがある。それは自分の死因だ。いつどこで死んだのかも分からないし…殺されたのかな?恨みを持った覚えはないけどね。
まぁ正直自分の死因なんて思い出しても嫌になるだけだろうから良かったかもしれない。
記憶が戻って気になることがある。今の俺の家族の事だ。両親と兄が3人姉が1人の7人家族なのだが、みんな過保護すぎると俺は思う。
実は外に行ったことがない。というかこの家から出たことがないのだ。だから家の見た目も知らない。俺1人じゃ大きすぎる洋風な部屋に高そうな家具、廊下も長いしこの家3階以上あるらしい。そんな大豪邸を外から見たいのだが1度も見たことがない。
熱が出た時も家を出ずともお医者さんが直ぐにやってくる。メイドや執事もいるから正直どこにも行かなくてもいいのだ。だが流石に産まれてから5年も経って1度も外に行ったことがないのはおかしくないか??
前世で5歳の時なんてバリバリ公園で遊んでたんだけどな
流石にずっと家の中じゃ健康に悪くないか??
とりあえずダメもとで兄達に聞いてみるしかない。
あと確かめたいこともあるのだ。ここは前世と名前は同じ日本らしいのだが前世と同じ日本なのか疑問になることが多々ある。もし前と同じなら、前の家族が元気かそれだけが気になる。
とりあえず徐々に兄達を説得して…それが無理なら強行突破するしかないか?
とりあえず頑張ってみることにした。
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