8 / 32
5歳
決行2
しおりを挟む「わ、わあ」
ドアを開けた瞬間夜気にふれ、
ヨーロッパの庭園のような景色が目いっぱい広がった。
すごい綺麗
部屋から見る景色とはまた違うモノにドキドキが止まらない。
やっと…やっと外に出れた!!!
物心ついた時からずっと部屋に居た優。
だからか、ものすごく感動している。
静かにドアを閉めてゆっくりと歩いた。
その瞬間玄関に電気がつく
びっくりした…多分センサーが俺に反応したんだろう。誰かにバレないうちに早く庭園を堪能しよう。
にしても広いなあ!
前世でも見たことの無い光景に興奮しながら足を進める。
真っ暗ではなく、街灯があるため歩きやすい。
玄関から出てすぐ横に、大きめのテーブルやイスなどがいくつか置いてあった。
ここでお茶が出来るようになっているようだ。
……俺もここで兄様達とお茶を飲んで、遊びたいな
「さむっ」
ブルッ
夜の寒さに凍えながら散策する。
不思議だなあ
色んな形の木が所々にある。
太っちょな気だったり痩せ細った木だったりものすごく小さい木だったり
他にも、公園なんかでしか見たことの無い噴水や海外に良くありそうな天使の石像なんてのもあった。
流石お金持ちだ庭園に掛けている額は相当だろう。
そんな庭を俺だけ見せてくれないなんて……ケチ……
「すごい!」
バラ園のように沢山の色のバラが植えてあり、その一角一角にスポットライトが当てられている。
部屋からみたら、どんな花かまでは分からないから、いつも気になってたんだ。
バラが好きな俺はすごくテンションが上がる
赤や白、ピンク、オレンジなんて色もあってとても楽しい
さっきまでのアンニュイな気分が吹き飛んだ。
「うわ、めっちゃキレイ」
目に付いたのはソーダブルーのバラだった。少ししか咲いていない変わった色のバラは特に異彩を放っていた。
1輪持って帰っちゃだめかな??
……流石にバレちゃうしね、諦めよう。
その後も散々きゃっきゃっして疲れきった俺は、庭園の少し奥にあった西洋風のあずまやみたいな建屋にテーブルとベンチがあったので休憩することにした。
「つかれたあ」
テーブルに突っ伏して体を伸ばす。
横を向くと屋敷の外観が見えた
でかいな…
思ってたよりも大きい屋敷に驚きを隠せない。本当にヨーロッパの屋敷みたいだ。
こんな大きな屋敷、日本に建てられるんだ……どんだけだよ……
チクッ
何故か足の裏に少し痛みを感じる。
あ。そうだ、俺裸足だったんだ。
庭園に夢中だったから全く気づかなかった…
足の裏を見ると傷だらけだった。
小さいバラの棘のようなものが刺さっている。思ったよりも痛い。
自分では抜けないような小ささなので我慢するしかない…。
うわぁこれで帰れるかな……てか無事バレずに帰っても絶対この傷見てバレるパターンだよこれ。
なんか頭もふわふわするし
……もう帰るか……
今日は十分楽しめた。
初めての脱出は思ったより簡単に成功したが、冒険みたいでとても楽しかった。
…次はあの正門を出て本当の外に行きたいなぁ
さて部屋に戻ろう。
少し遠い玄関へと歩く
「ふぁあぁあ」
足の裏が痛いのに眠い……なんだこれ
帰り際にもバラを見ながら歩く。
うん。綺麗だ。
あともう少しで玄関
……と言うところで人と目があってしまった……
「……」
「……」
「優…様?」
よし。逃げよう。
咄嗟にそう判断した俺は今来た道を全速力で走る。
「優様!」
体力も無いしそんなに足が早くない俺は、すぐに追いつかれると思い、薔薇の木に囲まれている、大きな2つの木の真ん中のコンクリートベンチの上に座った。
少し奥にあり、木に囲まれているため小さな俺は見つかりにくいだろう。
……誤算だった。
こんな時間に掃除してるなんて誰が思うよ…多分夜勤の人だよな……
てかどうせバレるのになんで逃げてんだ俺
立ち上がろうと腰を持ち上げるが力が抜けて上がれない。
ふらふらする……なんか熱い……
やばい……熱出てるかも……
座るのも疲れて冷たいベンチの上に横たわる。
「きもちい」
ガンガンする頭を冷たい所にあてる。
そうすれば頭痛が良くなるような気がしたからだ。
ゆう!
遠くから月都兄様の声が聞こえた。
292
あなたにおすすめの小説
たとえば、俺が幸せになってもいいのなら
夜月るな
BL
全てを1人で抱え込む高校生の少年が、誰かに頼り甘えることを覚えていくまでの物語―――
父を目の前で亡くし、母に突き放され、たった一人寄り添ってくれた兄もいなくなっていまった。
弟を守り、罪悪感も自責の念もたった1人で抱える新谷 律の心が、少しずつほぐれていく。
助けてほしいと言葉にする権利すらないと笑う少年が、救われるまでのお話。
学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語
紅林
BL
『桜田門学院高等学校』
日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する幼少中高大院までの一貫校だ。しかし学校の規模に見合わず生徒数は一学年300人程の少人数の学院で、他とは少し違う校風の学院でもある。
そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語
ある日、人気俳優の弟になりました。
雪 いつき
BL
母の再婚を期に、立花優斗は人気若手俳優、橘直柾の弟になった。顔良し性格良し真面目で穏やかで王子様のような人。そんな評判だったはずが……。
「俺の命は、君のものだよ」
初顔合わせの日、兄になる人はそう言って綺麗に笑った。とんでもない人が兄になってしまった……と思ったら、何故か大学の先輩も優斗を可愛いと言い出して……?
平凡に生きたい19歳大学生と、24歳人気若手俳優、21歳文武両道大学生の三角関係のお話。
俺がこんなにモテるのはおかしいだろ!? 〜魔法と弟を愛でたいだけなのに、なぜそんなに執着してくるんだ!!!〜
小屋瀬
BL
「兄さんは僕に守られてればいい。ずっと、僕の側にいたらいい。」
魔法高等学校入学式。自覚ありのブラコン、レイ−クレシスは、今日入学してくる大好きな弟との再会に心を踊らせていた。“これからは毎日弟を愛でながら、大好きな魔法制作に明け暮れる日々を過ごせる”そう思っていたレイに待ち受けていたのは、波乱万丈な毎日で―――
義弟からの激しい束縛、王子からの謎の執着、親友からの重い愛⋯俺はただ、普通に過ごしたいだけなのにーーー!!!
義兄の愛が重すぎて、悪役令息できないのですが…!
ずー子
BL
戦争に負けた貴族の子息であるレイナードは、人質として異国のアドラー家に送り込まれる。彼の使命は内情を探り、敗戦国として奪われたものを取り返すこと。アドラー家が更なる力を付けないように監視を託されたレイナード。まずは好かれようと努力した結果は実を結び、新しい家族から絶大な信頼を得て、特に気難しいと言われている長男ヴィルヘルムからは「右腕」と言われるように。だけど、内心罪悪感が募る日々。正直「もう楽になりたい」と思っているのに。
「安心しろ。結婚なんかしない。僕が一番大切なのはお前だよ」
なんだか義兄の様子がおかしいのですが…?
このままじゃ、スパイも悪役令息も出来そうにないよ!
ファンタジーラブコメBLです。
平日毎日更新を目標に頑張ってます。応援や感想頂けると励みになります。
※(2025/4/20)第一章終わりました。少しお休みして、プロットが出来上がりましたらまた再開しますね。お付き合い頂き、本当にありがとうございました!
えちち話(セルフ二次創作)も反応ありがとうございます。少しお休みするのもあるので、このまま読めるようにしておきますね。
※♡、ブクマ、エールありがとうございます!すごく嬉しいです!
※表紙作りました!絵は描いた。ロゴをスコシプラス様に作って頂きました。可愛すぎてにこにこです♡
【登場人物】
攻→ヴィルヘルム
完璧超人。真面目で自信家。良き跡継ぎ、良き兄、良き息子であろうとし続ける、実直な男だが、興味関心がない相手にはどこまでも無関心で辛辣。当初は異国の使者だと思っていたレイナードを警戒していたが…
受→レイナード
和平交渉の一環で異国のアドラー家に人質として出された。主人公。立ち位置をよく理解しており、計算せずとも人から好かれる。常に兄を立てて陰で支える立場にいる。課せられた使命と現状に悩みつつある上に、義兄の様子もおかしくて、いろんな意味で気苦労の絶えない。
アイドルくん、俺の前では生活能力ゼロの甘えん坊でした。~俺の住み込みバイト先は後輩の高校生アイドルくんでした。
天音ねる(旧:えんとっぷ)
BL
家計を助けるため、住み込み家政婦バイトを始めた高校生・桜井智也。豪邸の家主は、寝癖頭によれよれTシャツの青年…と思いきや、その正体は学校の後輩でキラキラ王子様アイドル・橘圭吾だった!?
学校では完璧、家では生活能力ゼロ。そんな圭吾のギャップに振り回されながらも、世話を焼く日々にやりがいを感じる智也。
ステージの上では完璧な王子様なのに、家ではカップ麺すら作れない究極のポンコツ男子。
智也の作る温かい手料理に胃袋を掴まれた圭吾は、次第に心を許し、子犬のように懐いてくる。
「先輩、お腹すいた」「どこにも行かないで」
無防備な素顔と時折見せる寂しげな表情に、智也の心は絆されていく。
住む世界が違うはずの二人。秘密の契約から始まる、甘くて美味しい青春ラブストーリー!
推しの完璧超人お兄様になっちゃった
紫 もくれん
BL
『君の心臓にたどりつけたら』というゲーム。体が弱くて一生の大半をベットの上で過ごした僕が命を賭けてやり込んだゲーム。
そのクラウス・フォン・シルヴェスターという推しの大好きな完璧超人兄貴に成り代わってしまった。
ずっと好きで好きでたまらなかった推し。その推しに好かれるためならなんだってできるよ。
そんなBLゲーム世界で生きる僕のお話。
俺以外美形なバンドメンバー、なぜか全員俺のことが好き
toki
BL
美形揃いのバンドメンバーの中で唯一平凡な主人公・神崎。しかし突然メンバー全員から告白されてしまった!
※美形×平凡、総受けものです。激重美形バンドマン3人に平凡くんが愛されまくるお話。
pixiv/ムーンライトノベルズでも同タイトルで投稿しています。
もしよろしければ感想などいただけましたら大変励みになります✿
感想(匿名)➡ https://odaibako.net/u/toki_doki_
Twitter➡ https://twitter.com/toki_doki109
素敵な表紙お借りしました!
https://www.pixiv.net/artworks/100148872
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる