うちの家族が過保護すぎるので不良になろうと思います。

春雨

文字の大きさ
30 / 32
7歳

大切な日3(茜side)

しおりを挟む

気合いを入れてみたものの中々扉を開けることが出来ない。

若林さんも車を停めに行ってしまったし、交代時間なのか庭には誰も居なくて私一人だ。

「ふーーーー。」
大きく息を吐いてドアノブに手をかけた。



「ただい「「「お誕生日おめでとう!!」」」」

「えっ」

「茜ねーさま!お誕生日おめでとうございます!」
キラキラと嬉しそうに笑う優に戸惑いが隠せない

「茜ちゃんおめでとう」
お母様...なんで、今日仕事じゃ……直哉兄様、月都、寿人、父様、アリサみんないる屋敷のみんなここに居る


「な、んで私の誕生日…忘れてたんじゃないの…?」
良かった良かった。安心してポロポロと涙が出てくる。

「え、え、おねーさま泣いて…お母さまどうしよう僕のせいですよね……僕がサプライズしようって言ったから」

サプライズ……そうだったんだ。

「グスッありがとう、優。姉様嬉しい!!」
不安な顔を見せた優を抱っこして頭を撫でると嬉しそうに顔が綻んだ。

「よし。夕食にしようか。今日はスペシャルなご飯だよ」
父様が私の頭を撫でながらそう言った。

スペシャル……?


みんな私のために集まってくれたのかな
久しぶりの家族全員揃っての夕食にワクワクする。

「お姉さま!ぼくもプレゼント用意したので楽しみにしててください!」
可愛い可愛い優の言葉にキュゥと胸が閉まる。

そうだよ。私の誕生日を忘れる家族みんなじゃないもん。

「茜様」

「アリサ?」
スっと後ろから顔を出したアリサは不安そうな顔を私に向けた。

「大変申し訳ございません。お祝いの言葉を言いたかったのですが止められていた為言えなかったのです。お嬢様がご不安になるならば…」
アリサは私が不安だったこと知っていたんだ。でも

「大丈夫よ。ありがとうアリサ。優のサプライズのおかげで嬉しさも倍になったわ!ありがとうアリサ、優」


ダイニングルームに着くとみんな決まった席に座った。
いつも中々埋まらない席が埋まるとこんなに嬉しいなんて思ってもみなかった。
それほど揃って食事をしていなかったのだ。

学校が忙しい時はここへ来ず自室で食べることもあった。中等部の時は簡単だった勉強も高等部に上がると難易度がグンと上がり生徒会や習い事も相まって勉強に集中できないことがあった。その時は部屋に籠っていた。

今思うとストレスが溜まっていたのかなと思う。そんな私を癒してくれたのは優だった。夕食に顔を出さない私の部屋に毎日来て少し話をして帰っていくのだ。そんな短い瞬間が楽しくてなんとか自分を保てた。


「おねーさま?」

「あぁ、うん。ごめんね、ありがとうね」

ありがとうという言葉が何を指しているか分かっていない優がハテナを浮かべて首を傾げている姿がとても愛らしい


「よし!改めて茜ちゃんお誕生日おめでとう。あんなに小さかった茜ちゃんがこんなに大きく可愛く綺麗になってお母様はとても嬉しいわ。17歳の誕生日おめでとう!」

「ありがとうございます…!」
お母さんの言葉に涙がこぼれそうになる

「茜、おめでとう!もう17歳か早いなぁ…17歳楽しんで。愛しているよ。」

みんな一人一人お祝いの言葉を言ってくれてもうこれだけで顔がぐちゃぐちゃになりそうだけど最後まで綺麗な顔で居たいもん……

ーーーーーーーーーーー

って思ってたけど最後の優とアリサの言葉で撃沈。誰にも見せれないような顔になっている

「お姉様……大丈夫?」

「ヴッ、ンだいじょっブ」

「みくさんおねがーーい!」
優が大きな声で叫ぶとズラズラと料理人が夕食を持ってくる。



私の大好物ばっかりだ。優が決めてくれたのかな?

「ふふっ」

「?どうかじましたかっ、?なおやにーさまズビ」

「茜大丈夫?」

「ぁい」

「茜ねーさま!じつはねじつはね!このご飯僕が考えて僕も一緒にお料理したんだ!」

……?

…………?

………………?

優が?私の可愛い可愛い優が

ギラッと直哉兄様を睨むと降参と言わんばかりに両手を挙げた

「大丈夫。火や包丁とか危ないものは使わせてないよ。盛り付けとかだよ安心して。そんなの僕がさせるわけないでしょ」

たしかに直哉お兄様がそんな失態を起こすことはない。

「お姉様……嫌だった……?」

ブンブンと首を横に振り優に抱きついた

そんなわけないじゃない!!の優が私の作った料理を喜ばない訳が無いじゃない!!


「ありがとう…ゅう」
やばいまた涙が出てきちゃう



ーーーーーーーーーーー



「ごちそうさまでした。」

優の作ってくれたご飯は美味しくて一生残しておきたい位だった。

誰か開発してくれないかな?

プレゼントも沢山貰って幸せで幸せで時が止まればいいのにと何度思ったか。

プレゼント貰う度に号泣する私は見事に目が腫れている。
そんなことどうでもいいくらい楽しい楽しい時間だった。



「今日は本当にありがとうございました!」










こんな幸せな日々がずっとずっと続きますように。












しおりを挟む
感想 31

あなたにおすすめの小説

たとえば、俺が幸せになってもいいのなら

夜月るな
BL
全てを1人で抱え込む高校生の少年が、誰かに頼り甘えることを覚えていくまでの物語――― 父を目の前で亡くし、母に突き放され、たった一人寄り添ってくれた兄もいなくなっていまった。 弟を守り、罪悪感も自責の念もたった1人で抱える新谷 律の心が、少しずつほぐれていく。 助けてほしいと言葉にする権利すらないと笑う少年が、救われるまでのお話。

学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語

紅林
BL
『桜田門学院高等学校』 日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する幼少中高大院までの一貫校だ。しかし学校の規模に見合わず生徒数は一学年300人程の少人数の学院で、他とは少し違う校風の学院でもある。 そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語

ある日、人気俳優の弟になりました。

雪 いつき
BL
母の再婚を期に、立花優斗は人気若手俳優、橘直柾の弟になった。顔良し性格良し真面目で穏やかで王子様のような人。そんな評判だったはずが……。 「俺の命は、君のものだよ」 初顔合わせの日、兄になる人はそう言って綺麗に笑った。とんでもない人が兄になってしまった……と思ったら、何故か大学の先輩も優斗を可愛いと言い出して……? 平凡に生きたい19歳大学生と、24歳人気若手俳優、21歳文武両道大学生の三角関係のお話。

俺がこんなにモテるのはおかしいだろ!? 〜魔法と弟を愛でたいだけなのに、なぜそんなに執着してくるんだ!!!〜

小屋瀬
BL
「兄さんは僕に守られてればいい。ずっと、僕の側にいたらいい。」 魔法高等学校入学式。自覚ありのブラコン、レイ−クレシスは、今日入学してくる大好きな弟との再会に心を踊らせていた。“これからは毎日弟を愛でながら、大好きな魔法制作に明け暮れる日々を過ごせる”そう思っていたレイに待ち受けていたのは、波乱万丈な毎日で――― 義弟からの激しい束縛、王子からの謎の執着、親友からの重い愛⋯俺はただ、普通に過ごしたいだけなのにーーー!!!

義兄の愛が重すぎて、悪役令息できないのですが…!

ずー子
BL
戦争に負けた貴族の子息であるレイナードは、人質として異国のアドラー家に送り込まれる。彼の使命は内情を探り、敗戦国として奪われたものを取り返すこと。アドラー家が更なる力を付けないように監視を託されたレイナード。まずは好かれようと努力した結果は実を結び、新しい家族から絶大な信頼を得て、特に気難しいと言われている長男ヴィルヘルムからは「右腕」と言われるように。だけど、内心罪悪感が募る日々。正直「もう楽になりたい」と思っているのに。 「安心しろ。結婚なんかしない。僕が一番大切なのはお前だよ」 なんだか義兄の様子がおかしいのですが…? このままじゃ、スパイも悪役令息も出来そうにないよ! ファンタジーラブコメBLです。 平日毎日更新を目標に頑張ってます。応援や感想頂けると励みになります。   ※(2025/4/20)第一章終わりました。少しお休みして、プロットが出来上がりましたらまた再開しますね。お付き合い頂き、本当にありがとうございました! えちち話(セルフ二次創作)も反応ありがとうございます。少しお休みするのもあるので、このまま読めるようにしておきますね。   ※♡、ブクマ、エールありがとうございます!すごく嬉しいです! ※表紙作りました!絵は描いた。ロゴをスコシプラス様に作って頂きました。可愛すぎてにこにこです♡ 【登場人物】 攻→ヴィルヘルム 完璧超人。真面目で自信家。良き跡継ぎ、良き兄、良き息子であろうとし続ける、実直な男だが、興味関心がない相手にはどこまでも無関心で辛辣。当初は異国の使者だと思っていたレイナードを警戒していたが… 受→レイナード 和平交渉の一環で異国のアドラー家に人質として出された。主人公。立ち位置をよく理解しており、計算せずとも人から好かれる。常に兄を立てて陰で支える立場にいる。課せられた使命と現状に悩みつつある上に、義兄の様子もおかしくて、いろんな意味で気苦労の絶えない。

アイドルくん、俺の前では生活能力ゼロの甘えん坊でした。~俺の住み込みバイト先は後輩の高校生アイドルくんでした。

天音ねる(旧:えんとっぷ)
BL
家計を助けるため、住み込み家政婦バイトを始めた高校生・桜井智也。豪邸の家主は、寝癖頭によれよれTシャツの青年…と思いきや、その正体は学校の後輩でキラキラ王子様アイドル・橘圭吾だった!? 学校では完璧、家では生活能力ゼロ。そんな圭吾のギャップに振り回されながらも、世話を焼く日々にやりがいを感じる智也。 ステージの上では完璧な王子様なのに、家ではカップ麺すら作れない究極のポンコツ男子。 智也の作る温かい手料理に胃袋を掴まれた圭吾は、次第に心を許し、子犬のように懐いてくる。 「先輩、お腹すいた」「どこにも行かないで」 無防備な素顔と時折見せる寂しげな表情に、智也の心は絆されていく。 住む世界が違うはずの二人。秘密の契約から始まる、甘くて美味しい青春ラブストーリー!

推しの完璧超人お兄様になっちゃった

紫 もくれん
BL
『君の心臓にたどりつけたら』というゲーム。体が弱くて一生の大半をベットの上で過ごした僕が命を賭けてやり込んだゲーム。 そのクラウス・フォン・シルヴェスターという推しの大好きな完璧超人兄貴に成り代わってしまった。 ずっと好きで好きでたまらなかった推し。その推しに好かれるためならなんだってできるよ。 そんなBLゲーム世界で生きる僕のお話。

俺以外美形なバンドメンバー、なぜか全員俺のことが好き

toki
BL
美形揃いのバンドメンバーの中で唯一平凡な主人公・神崎。しかし突然メンバー全員から告白されてしまった! ※美形×平凡、総受けものです。激重美形バンドマン3人に平凡くんが愛されまくるお話。 pixiv/ムーンライトノベルズでも同タイトルで投稿しています。 もしよろしければ感想などいただけましたら大変励みになります✿ 感想(匿名)➡ https://odaibako.net/u/toki_doki_ Twitter➡ https://twitter.com/toki_doki109 素敵な表紙お借りしました! https://www.pixiv.net/artworks/100148872

処理中です...