英雄の末裔も(語り継がれないけど)英雄

Ariasa(ありあーさ)

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二章 ―少年から青年へ― (読み飛ばしOK)

三章公開直前! 二章のあらすじを楽しくざっくりおさらい☆

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 ここは現実と夢の狭間。なんでもありの無法地帯である。

※表記説明
『レ:』…レイロンド
『兄:』…ロライト
『弟:』…ロヘリオ


兄:「ロヘリオ、俺は見てはいけないものを見てしまった気がする」
弟:「俺も同じ気持ちだよ。ロライト」
兄:「レイドが…レイドが化けて出てきたー!」
弟:「きゃー(笑)!」
レ:「ゴルファット兄弟、遊んでいないで始めるよ。あと、作者から説明があったよね? ここは無法地帯だから本編で死んでいても出演可能な所なんだよ」
兄:「まったく、相変わらず冗談が通じないやつだなぁ」
弟:「だからレイドの所に女の子が来ないんだよ」
レ:「余計なお世話だよ。あと、私にはちゃんと婚約者がいたからね。彼女を不安にさせたくないし」
兄:「政略結婚なのに、律儀なことだねぇ」
レ:「政略結婚だろうと、私に嫁ぐということは大変なことだからね。なるべく不安は抱かせたくなかったし、私が努力して排除できる不安なら、徹底的に排除したかった。まあ…まさか私が死ぬとは思わなかったけどね」
弟:「本当だよな~。俺、レイドに取り立ててもらうために媚び売ってたのに~」
レ:「……まあ、いいけど、これからはリオを支えてね」
兄・弟:「言われなくても、分かってるよ」
兄:「だから安心して成仏しろよ」
レ:「これが終わったらね。ということで、ここではリオの兄である私、レイドことレイロンドと」
兄:「二話の【賊の襲撃事件】で出てきたゴルファット兄弟の双子兄、ロライト・バルドル・ゴルファットと」
弟:「双子弟、ロヘリオ・アルフ・ゴルファットの三人が喋りながら二章の内容をおさらいしていくよ」
レ:「内容を忘れたり、二章全てを読むのは面倒だけど三章から読んでみたいと思う方、私達の会話に興味がある方、暇つぶしに読もうと思う方々に読んでもらえればと思っているよ」
弟:「作者のみが知るエピソードもあるから、読んでみたら?」
兄:「ということで、おまけページの~」
レ・兄・弟:「始まりだよ/ぜ!」



【一話・母との再会】

弟:「これはたしかドラゴンが九歳くらいの時の話だったよな」
兄:「俺達がまだ陰でドラゴンを苛め…遊んであげていた時だな!」
レ:「ドラゴンを苛めていたのかい? それは許しがたいね。これが終わったら私と一緒に冥界に行こうか」
兄:「レイドが怒ることは滅多にないからレアだけど、物騒だな!?」
弟:「リオにも言ったけど、俺達がいじめっ子をコントロールして、ドラゴンに重傷を負わせないようにしていたんだよ!?」
レ:「問答無用。家族に手を出す者はちゃんと懲らしめないとね?」
兄・弟:「ギャー!」

~しばらくお待ちください~

レ:「無法地帯は本当に何でもできるんだね」
兄:「おいレイド! これはどういう事だよ!? 俺に何をした!」
弟:「こ、こんな姿、誰かに見られたら死ねる……」
レ:「読者の皆に状況を伝えてあげるよ。今二人は──」
兄:「ギャー! やめてくださいレイド様! こんな姿を実況されたら恥ずかしすぎてもう出演できない!」
レ:「じゃあ、張り切って実況しなくちゃね」
弟:「ものすごくいい笑顔でそんなこと言わないで!?」
レ:「はぁ…じゃあ選んでね。冥界に連れていかれるか、実況されて恥を晒すか。どっちがいい?」
兄・弟「究極過ぎるんだけど!?」
兄「というかレイド! 俺達の実況より、内容説明をしろよ!」
レ:「そうだね。実況はまた後でにしようか。それまでその格好で内容説明をしてね」
弟:「くぅ…ロライトが口を滑らせたせいで災難だよ…」
兄:「すまん」
レ:「では気を取り直して、この時にドラゴンは、ドラゴンのお母さんと再会を果たすんだったね」
兄:「最初は戸惑いの方が強かったみたいだけどな」
弟:「でもさぁ、離婚していなかったのは予想外だったよな」
兄:「確かに。しかも失踪の理由(笑)」
弟:「迷子とか(笑)」
レ:「誰もが予想をしていなかった理由だったよね。ドラゴンのお父さんがドラゴンとザギを家に置いて出ていったけど二人が捨てられていた訳ではないという事も分かったし、私としては安心したよ」
弟:「確か、ドラゴンとザギの父親が二人を置いて行った理由は道中の魔物を警戒してのことだったんだよね。でもさ、ちゃんと母親を迎えに行くことを言ってから出ていかなきゃ、捨てたも同然だよな」
兄:「同感」
レ:「ま、受け入れられない気持ちはドラゴンも同じだったね。母親と父上から説明を受けたあと、ドラゴンは混乱して泣きじゃくりながら応接室を飛び出したんだ。可哀想にね…。まあ、その翌日にはリオに引っ張られて近衛騎士団の朝の訓練に連れて行かれて倒れるまで体を動かしたんだ。そのお陰で吹っ切れることができ、王宮に残ることを決意したみたいだけどね」
兄:「その時に、近衛騎士になることを決めたんだよな」
弟:「それからは少しずついじめっ子にも立ち向かうようになったよな」
兄:「立ち向かうというよりは、攻撃を避けるという要素の方が強いかもな。いくらフラムスティード侯爵家が後見人だとしても手を上げたら問題になるからな」
レ:「初めてデルトアの家名が明かされたね。ちなみにデルトアのフルネームは、デルトア・ルフ・フラムスティードなんだよ」
兄・弟:「二章終わりのおまけのページでようやく明かされる名前フルネーム
レ:「これは作者の過失だよね。登場人物の紹介でも『デルトア』としか紹介されてなかったし」
兄:「悪意を感じるわ~」
弟:「ほんと~」
レ:「まあ、とりあえずデルトアの名前は置いておいて、続きを話すよ」
兄:「吹っ切れたあと、ドラゴンは陛下に決意を話して、そのあと母親と城内の庭園を散策するんだよな」
弟:「あぁ」
レ:「そうそう、その時に私は少し気になったことがあったから作者に聞いてみたんだけど」
弟:「お? 何を聞いたんだ?」
レ:「方向音痴なレイリア殿が傭兵だった時の話なんだけど、傭兵だったら普通は方向音痴は致命的だよね」
兄・弟:「確かに」
レ:「だから、どうしていたのか聞いたんだ。そうしたら、常に誰かが彼女の側にいたんだって教えてくれた。彼女が一人で行動することは絶対にないように徹底していたみたいだね」
兄:「その傭兵ギルドすげぇ(笑)」
弟:「首輪でもしていたんじゃね?」
レ:「動き回って危険な時は首輪をしていたとか、していなかったとか……」
弟:「その傭兵ギルドやべぇ(笑)」
レ:「まあ、元傭兵だから迷子になって魔物と遭遇しても、よほど強い魔物でない限りは切り抜けることが出来ていたってことだね」
兄:「母は強しってことだな」
弟:「逞しいねぇ」
レ:「そうだね。じゃあ話を戻そうか。庭園を散策して、二人は東屋で華茶を一緒に飲んで話をするんだったね」
兄:「その時にドラゴンが近衛騎士団に入団することを母親に明かすんだよな」
弟:「母親の方も、ドラゴンの意思を尊重して一緒に来た父親と一緒にナシュ村に帰っていったんだよな」
レ:「母親の方とは和解することが出来たけど、やっぱり父親の方とは和解できなかった。ま、当たり前だと思うけどね」
兄:「声があからさまに冷たくなったなぁ~」
弟:「怖いこわい。ま、でもこの話のあらすじはこれで全てだね! さあレイド、俺達はこの恥辱的な格好で一つの話の解説をしていたから、元の姿に戻してくれ」
レ:「じゃあ、次の話のあらすじ説明をしに行こうか」
兄・弟:「無視!?」



【二話・賊の襲撃事件】

レ:「この話の中で私は命を落とすことになったんだ」
兄:「リオが意気揚々と戦いに行ったから、居てもたってもいられなかったんだろ?」
レ:「あぁ。リオもドラゴンも訓練を重ねて、それなりに戦える事も知っていたし、私が出ていっても邪魔になるだけである事も分かっていた。でも、行かずにはいられなかった」
弟:「お人好しだなぁ、レイドは。まあ、レイドのお陰でドラゴンは助かったけどな」
レ:「そうだね。ドラゴンを救えて良かった」
兄・弟:「良くない」
兄:「お前は自分の命の重さを解ってないんだな?? だから、あんなアホな行動を取れたって事なんだな!?」
弟:「お前以上に王の側近にふさわしい奴は居なかった。それを簡単に死にやがって……!」
レ:「ドラゴンを助けるのは当たり前だよ。大切なんだから」
兄:「だからって!」
レ:「はぁ…ハイハイ、私が軽率だったよ。バニーガール(笑)」
兄・弟:「いきなりバラした!?」
レ:「うさ耳、二人とも似合ってるよ」
兄:「やめろ! いや、まじで止めてください!」
弟:「読者の皆の脳内で男のバニースタイルが想像されて吐き気をもよおすかもしれないだろう!?」
レ:「レオタードもよくお似合いで(笑)」
兄:「絶対に思ってないよな!?」
弟:「終わった……。もう、俺達お嫁にいけない」
レ:「お嫁(笑)すっかりオンナノコになったね」
弟:「はっ…!」
兄:「自爆したな」
レ:「さて、説明に移ろうかな。この話はドラゴンが母親と再会を果たしてから六年後の話になるんだ。私も無事成人して、レイロンド・イーリス・ルディン・アークス=ナヴァルになった。それで、私が王位継承権を剥奪される所から始まるんだ」
兄:「陛下がレイドの王位継承権剥奪をしたという知らせを受けたとき、俺達も驚いたよ」
レ:「でも、私の王位継承権を剥奪した理由はちゃんとあったんだ」
弟:「人間王に備えられている〈先見〉が発動して、戴冠の儀を行う日にレイドが殺される未来が見えたから、それを回避するために王位継承権を剥奪したんだったな」
レ:「そう。でもね、私は王位継承権の剥奪に納得したけど、リオはやっぱり受け入れきれなかった。リオは今までにないくらいに反発し、「王」になることを拒んだんだ。私としてはやっぱりショックだったよ。リオがあんなに私に反発することは今までなかったからね」
兄:「レイドとリオが喧嘩して、ドラゴンはお前達の暴言によって結構傷ついていたよなぁ。まあ、それでもドラゴンはお前たちが大好きなんだな。情報屋に行って情報収集をしていたよ」
弟:「そこで賊が王宮を襲撃する計画を立てていることを知るんだけど、その時の反応といったら、もうね」
兄:「めちゃくちゃ取り乱していたな。ま、ドラゴンの居場所はもはや王宮にしかなかったからな。居場所を守ろうとしていたんだろう」
弟:「でも情報屋を出たあとドラゴンは暗殺者に殺されかけるんだよね。まあ、近衛騎士団の副団長であるトレイシー君がドラゴンを助けたから事なきを得たけどね」
レ:「え、ドラゴンが暗殺者に殺されかけていたのかい!? しかも、情報屋に行っていたことも私は知らなかった……」
弟:「ドラゴンを愛してる王族方々に情報屋に行ってる事を知られたら、一緒についていこうとするだろう? それを危惧したドラゴンが隠していたんだよ」
レ:「…確かに、ドラゴンが情報屋に行っているなんて知ったら私もついてくよ。裏路地は治安が良くないところがあるからね。危険な所にドラゴンを一人で行かせるわけにはいかないよ。父上も母上もリオも同じことをするだろうね」
兄:「ドラゴンの判断は懸命だったってことだな(笑)」
弟:「それで、ドラゴンは騎士見習いになって、外傷を受けることへの過度な反応を徐々に克服していったんだ」
レ:「ドラゴンは一度いじめによって死にかけたから、傷つくことで死にかけた時の記憶がフラッシュバックしてくるようになっていたんだ。だから、暗殺者に後れを取った…そうだよね」
兄:「そういう事。まったく…俺達がさんざんこれ以上やったらやばいからやるなって言ったのに、殺しかけるって何やってるんだよ」
弟:「ほーんと、俺達の忠告もむなしくなってくるよな~」
レ:「でも、ドラゴンはちゃんと克服できたんだね。私の生誕祭には立派な近衛騎士見習いになっていたよ」
兄:「二十一歳の誕生日で本来レイドは戴冠をする予定だったんだよな。だけど、王位継承権を剥奪されたから例年通りの生誕祭になった」
弟:「俺、レイドが人間王になった姿を見たかったなぁ。式典の時に陛下が着ているあの衣装、すごく立派で神々しいから、レイドが着ている姿を見たかったな」
兄:「確かに、絶対に似合っていただろうな」
レ:「過ぎたことをいつまでもぐちぐちというのは良くないよ。それでドラゴンは本来城外警備だったけど、私の我がままで舞踏会に出てもらうことになったんだ。デルトアがちゃんと衣装を用意していてくれてよかったよ」
兄:「デルトア殿の用意周到さはちょっと引くよな」
弟:「あー、ストーカーみたいだよな(笑)」
レ:「でも、おかげで舞踏会に来てくれたから嬉しかったよ」
兄:「まあな~、舞踏会に来てくれたから久し振りに俺達もドラゴンに会えたし」
弟:「ドラゴンのおかげで女の子達とたくさんおしゃべりできたし~」
レ:「でも、舞踏会のメインであるダンスが中盤に差し掛かってきた頃に賊が押しかけて来たんだ」
兄:「あれは驚いた」
弟:「うんうん。でも、王宮の使用人はすごかったな。あの混乱の中でも冷静に誘導していたからな。おかげで俺達は無傷で避難できたよ」
レ:「それは良かった。王宮の使用人は定期的に緊急時の対応訓練をしているからね。その時は近衛騎士と王城衛兵が賊役と守護役に分かれて不意打ちで訓練をするんだ。だから、使用人も騎士達も冷静に対応できるようになっているんだよ」
兄:「さすが王宮」
レ:「要人がたくさん出入りするからね。安全対策は万全にしておかないと」
弟:「で、ドラゴンだけではなくリオまで戦闘に参加し始めたからレイドが心配でたまらなくなって戦場にしゃしゃり出て、ドラゴンの死角にいた賊からドラゴンを守ろうとして斬られるんだよな」
レ:「言い方にトゲがあるように感じるのは気のせいかな?」
兄・弟:「気のせいじゃないと思うよ?」
レ:「……」
兄:「まあ、ドラゴンはホートラルド城を賊が襲撃することを情報屋から聞いて知っていたから、どうして防げなかったのかと後悔していて隙だらけだったんだよな~」
弟:「やっぱり、ドラゴンもまだまだだよな~」
レ:「私が死ぬ間際に見たドラゴンの表情かおは見ていて胸が締め付けられたよ。私が原因だからなおさらね。私はドラゴンにあんな悲愴な顔をしてほしくはなかったんだけど、結果的にドラゴンを追い詰めてしまった」
弟:「だから言っただろう? 命の重さはお前とドラゴンとじゃ全然違うんだって。王族というのは何よりも、誰よりも重要で、絶対に死んではならない存在なんだって。俺達の父上もよくそう言っていた」
兄:「ま、その重圧とかしがらみが嫌で父上は王位継承権を返上して駆け落ちしたんだけどな」
レ:「そうだったんだ」
兄:「だから、俺が王位継承権を持っていた可能性もあったんだよな~。…ま、いらないけど」
弟:「俺も同じく。俺達は王サマってガラじゃないし」
レ:「確かにね。君たちが王になったら国が大変なことになりそうだ」
兄・弟:「……さりげなく俺達をけなしたね」
レ:「気のせいだと思うけど?」
兄:「サヨウデゴザイマスカ」
弟:「んで、内容に戻るけど、レイドが死んだあとのドラゴンは本当に怖かったね」
兄:「あぁ、感情が希薄になったドラゴンは本当に何を考えているのか分からないから、怖かったな」
弟:「無表情だし?」
兄:「言葉数が少なるなるし?」
兄・弟:「戦いのときだけ狂気的な笑顔になるしな」
レ:「私の死によってそんなにドラゴンが変わってしまったのか……。ドラゴン…すまない」
兄:「結局のところ、王の見た〈先見〉が現実となってしまったという結果になるんだ」
弟:「陛下の〈先見〉は怖いねぇ。俺だったらそんなの見たら狂いそうだわ」
兄:「確かに」
レ:「だからこそ、王の側には絶対に一人は半身と呼べるような側近がいるんだ。父上であればデルトアがそうだね。父上にとってデルトアは半身のような存在で、なくてはならない唯一無二の存在だよ」
兄:「いつもデルトア殿は陛下に文句ばかり言ってるけどな(笑)」
レ:「それがいいんだと思うよ。父上にあんな風に言えるのはデルトアくらいだし、あれが互いの信頼の証だと思ってるよ」
弟:「じゃあレイド、とりあえずこの格好どうにかしてくれない? もういいでしょう?」
レ:「え? 最後までバニーガール姿でいなよ。あと一つなんだし(笑)」
兄:「頼むから元の姿に戻してくれぇぇぇぇぇ!」
レ:「じゃあ、最後の話の解説に移ろうか」




【三話・ドラゴンの初恋】

兄:「ドラゴンも一丁前に恋をするようになったんだな」
弟:「俺達と一緒にいた時は可愛い子を紹介しても興味無さそうだったのにな!」
レ:「ドラゴンが言っていたけど、貴族の令嬢だと本気で惚れても、結局結ばれることはないと思っていたから綺麗な人でも惚れることが出来なかったんだって」
兄・弟:「庶民ならではの悩みってことか」
レ:「まあ、事実として貴族と町に住む民が恋に落ちたとしても、結ばれる可能性は本当に低いからね。ドラゴンがためらうのも無理ないよ」
弟:「貴族の中で一番低い爵位の男爵でも、庶民と結ばれることは難しいからなぁ。まあ、新興貴族の次男とかで、長男が優秀であれば可能性はなくもないけど、その場合はきっと次男は家を出ていくことになるから、貴族としての生活は望めないね」
兄:「ま、今はどうでもいい話だから内容説明に移ろう」
レ:「この話はドラゴンが成人して正式に近衛騎士団に入団するところから始まるんだ。ちなみに、この世界の人間の成人は一律として十八歳と決まっているんだよ」
兄:「そして、貴族は大人になった証として神殿か国王から新しく名前を貰うんだよな。俺もバルドルの名前を陛下から貰ったし」
弟:「俺はアルフの名前を貰った。だけど、ドラゴンは平民だから特にそういう名前を貰うことはなかったな」
レ:「ま、新たに名前を貰うという事は発言力を得ることになるし、確かにドラゴンはデルトアが後見人になっているとしても爵位を持っているわけではないからね。新しい名前を与えることが出来ないんだよ」
兄:「だからドラゴンは正式な近衛騎士団入りのみだったんだな」
弟:「でもさ、あのドラゴンが立派に近衛騎士になるなんて、なんか感慨深いよな」
兄:「確かにな。あの泣いてばかりいて弱かったドラゴンが、誇り高き近衛騎士になるなんてなぁ」
レ:「泣かせていたのは君たちいじめっ子だってこと、忘れないでね」
兄・弟:「ハイ……」
レ:「でも驚いたな。ドラゴンの制服授与式にユリーゼが来ていたなんて。騎士団長を辞めてから一切王宮に来たことはなかったのに」
兄:「そういえば、ユリーゼは団長を辞めていたんだったな。確か、魔狼討伐で多くの部下を死なせた責任とザギを敵の手に渡した責任を負って近衛騎士団団長の称号剥奪と辞任を言い渡されたんだっけ?」
弟:「…それ、一話目で説明しなきゃいけない話じゃない? すっかり説明するの忘れてたね」
レ:「じゃあ、現在の近衛騎士団のスリートップを説明しておこうか。現在の近衛騎士団長はラエルで、ラエルは本当はユリーゼと一緒に騎士団を辞めようとしたんだけど、父上がラエルに団長になるように言い渡したんだ。ある意味残酷だよね。そして、副団長がトレイシー。一章では千人隊長補佐として魔狼討伐ではラエルの代わりに城を守ってくれていた。そして、千人隊長が初登場のリカルド。彼はとにかくだらしなくてね。制服をいつも着崩しているんだ。でも、実力はピカイチで、頼りになるんだよ」
弟:「制服を着崩していてよく許されているよな」
兄:「普通は怒られるよな」
レ:「ラエルも最初は指摘していたけど、何度言っても改善されないから諦めたみたいだね。そのかわりに給料は改善されるまで何割か減らされるみたいだけど」
弟:「それでも改善されないのかよ(笑) すげぇな」
レ:「彼のポリシーなのかもしれないね。それで内容に戻るけど、ユリーゼは入団祝いに投擲用のダガーをドラゴンにプレゼントしたんだ。一級品だからドラゴンも喜んでいたね」
兄:「それで、王妃様から祝福を受けて近衛騎士団の制服を貰って、陛下の所に行くんだろう?」
弟:「そして、陛下に近衛騎士になるための誓いを立てるんだけど、その時に前代未聞のことが起こったんだよな」
レ:「ドラゴンらしいよね。『王家』ではなく『リオ個人』に絶対の忠誠を誓うなんてさ。もしかしたら、私が最後に言い残した「リオを支えて欲しい」という言葉を忠実に守ろうとしてくれているのかな」
兄:「ドラゴンは馬鹿が付くほど真面目だからな。あり得るな」
弟:「忠犬みたいだな~」
兄:「でも、そんな忠犬ドラゴンのおかげでリオもより一層、王への意識が強くなったと思うぜ」
レ:「リオとドラゴンは互いに高め合う存在としてあってほしいね。そしてきっと、ドラゴンがリオの半身になってくれるんだと私は思う」
兄:「楽しみだな。リオが人間王になるその日が」
レ:「そうだね。リオが王になる姿を間近で見られないことが残念だよ」
兄:「それで、確かドラゴンは正式に近衛騎士団に入団して部隊に配属されたんだよな」
レ:「若い近衛騎士がたくさんいる第四小隊に配属されたね。ちなみに、小隊の人数は大体五十人前後で、五つの班が一つになって小隊になるんだ」
弟:「フーン、そういう風になっているんだな。それでそれで? ドラゴンが近衛騎士団に入団した翌日に美人を助けてその子に惚れるんだよな? 羨ましい奴だぜ」
兄:「美人を救出できるなんて、ドラゴンも強運を持ってるよなぁ」
弟:「本当だよねぇ~。でも、彼女のおかげでドラゴンは笑顔を取り戻したんだよな」
レ:「あと、凍り付いていた感情が溶けるきっかけでもあったね」
兄:「でも、ドラゴンが助けた少女…アイネだったか? 彼女もドラゴンに惚れていたから、二人は次に会った時に付き合うことになったんだよな」
弟:「告白もアイネちゃんからだったね~。熱烈で、ドラゴンも思わず動揺するくらいだったね(笑)」
レ:「微笑ましいね。それから二人は幸せなお付き合いをしていくし、ドラゴンも仲間に彼女を紹介するくらい彼女を愛していたみたいだね」
兄:「だがしかし、ドラゴンの不幸体質はここでも発揮されるんだよな」
弟:「アイネちゃん、賊の頭だったんだよねぇ~。きっとアイネちゃんも騎士であるドラゴンに惚れるなんて許されないと思っていただろうなぁ。それでも、好きという気持ちを偽らなかったアイネちゃんは強い!」
レ:「ドラゴンには幸せになってもらいたいんだけどね。どうしてこうも運命は彼を苦しめるんだろうね」
弟:「そしてドラゴンが選択した道は、アイネちゃん達を捕縛する事だった」
兄:「だけど、ドラゴンはより多くの情報を得るために一時的にアイネが率いる賊グループに属することにしたんだよな」
レ:「その時のドラゴンは幸せそうだったね。…騎士として守るべき民を傷つける時以外は」
兄:「……愛する人と過ごす幸せと守るべきものを傷つける苦しみの間で苦悩していたな。でも、偽物レプリカの制服を燃やしたこととちゃんと賊としての働きをすることを評価されて、たった二週間で信頼を得て賊たちの集会に参加することが出来たんだよな」
レ:「そしてその集会で得た情報をリカルド千人隊長に流して、最終的に捕獲する日にちをアイネ率いる賊グループが襲撃を行う日に決定した」
弟:「さすがドラゴン。間諜としても活躍できそうだぜ」
レ:「でも、その心中は穏やかではなかっただろうね。愛する人を裏切ることになるんだから」
兄:「つらっ」
レ:「でもドラゴンは近衛騎士として、リオに絶対の忠誠を誓った者として、愛する人よりも国を選んだんだ。そこは騎士の鏡だよね」
弟:「でも、愛する人の一人も守れないようじゃ、国も守れないと思うけどな」
レ:「ドラゴンにとって、彼女を賊という反社会的な立場からか抜け出させることが、彼女を救済することであると考えたんだ。悪事を重ねれば、それだけ罪は重くなっていくからね。最悪処刑という事になってしまう。ドラゴンはそうなってほしくないから、彼女を捕縛する事に決めたんだと思うよ」
兄:「複雑だろうけど、それがドラゴンの精一杯の愛だったんだろうな。どんな形でも、少しでも長く生きていて欲しいから、そして願わくば犯罪行為をしなくても幸せになれるようになってほしいから。だから、ドラゴンは最愛の彼女を裏切ったんだろう」
レ:「そうだね。そしてドラゴンも一時的かつ戦略的とはいえ、賊グループに属して略奪行為などを行った罪が問われるんだけど、多くの情報によってたくさんの賊グループの捕縛に成功したから罪は軽くなったんだ」
兄:「まあ、それでも心に負った傷はまた増えたけどな」
弟:「ドラゴンの初恋は苦いものになって、この話が終わるんだ」
兄:「相変わらず、幸せになれないねぇ」



レ:「という事で、これで二章の内容がすべて説明されたね」
兄・弟:「じゃあ、この格好をどうにかしてくれ!」
レ:「……じゃあ、私に誓ってくれないかい? ドラゴンをもう二度と苛めないって」
兄・弟:「誓う!」
兄:「というか、今のドラゴンを苛めようとしても、まったく通じない気がする」
弟:「確かに。逆に俺達が返り討ちに遭いそうだよな」
レ:「そうだね。じゃあ、私もそろそろ男のバニーガール姿に吐き気を覚えてきたし、元に戻そうかな」
兄・弟:「じゃあやるなよ!!」

~しばらくお待ちください~

兄:「よ、ようやく元の姿に戻れた……」
弟:「もうあんな露出の多い服は着たくねぇ……」
レ:「うん。あとは風邪をひいて、さらに苦しめばいいよ」
兄:「うわぁ…レイドの呪いは怖いわ~」
弟:「レイドを怒らせるのは得策じゃないね」
レ:「当たり前だよ。私は怒ると怖いんだから」
兄・弟:「自分で言った(笑)」
レ:「何か言ったかい?」
兄・弟:「いや、何も」
兄:「…って、あれ? 俺の身体が透けてきてる!?」
弟:「俺も透けてきた! まさか、レイドの呪い!?」
レ:「違うよ。失礼だね。もう現実むこうに戻る時間ってことだよ。私もそろそろあの世あっちに戻る時間になるし」
兄:「そうか。レイド、ちゃんと成仏して転生して来いよ」
弟:「いつまでも幽霊でいるんじゃないぞ!」
レ:「余計なお世話だよ。ほら、さっさと現実に戻りなよ。じゃないと、私があの世に連れていくよ」
兄・弟:「怖いこわい(笑)」
レ:「ふっ、思ってもないことを。二人とも長生きしなよ」
兄・弟:「あぁ! じゃあな、レイド!」



レ:「それでは、私もそろそろお暇させていただきます。読者の皆様、私達のあらすじ説明に付き合ってくださりありがとうございます。公開される三章をお楽しみください。では、失礼しますね」



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王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。 だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。 しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。 王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。 そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。 地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。 ⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。

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