英雄の末裔も(語り継がれないけど)英雄

Ariasa(ありあーさ)

文字の大きさ
55 / 65
三章 ―旅立ちの時― (ここからが本番)

―不穏な予兆― ?

しおりを挟む
【とある国の廃墟にて】


「時は満ちた。さあ、俺達の復讐戦いを始めよう」
 満月を背に爛々とアメジストの瞳を輝かせる男性は、思わず畏怖してしまうほど美しく、そして神々しかった。
「私達の敵は全ての人間と魔族、そして私達の計画を邪魔しようとする全ての存在よ」
 男性の隣にはあでやかな女性が立ち、憎しみを写すアメジストは目が離せないほど綺麗だった。
「我らの目下の目的は人間王とその血族を根絶やしにする事。まず王族から排除し、一気に人間を衰退させよ」
 どこか人形のような美しさを持ち、アメジストの瞳を憂いに染める人間は胸が締め付けられるほど儚かった。
 壇上に立つ三人はどこか現実離れをした美しい紫色の瞳を持ち、三人の言葉を聞いた仲間は誰もが見惚れ、彼らの言葉に心酔したようにうっとりと聞いていた。
「ようやく、わらわも動くことができるのう。黒羽くろは虎影とらかげ、そち達の働きに期待するぞ」
「はい、姫様」
「はい、姫君の為なら何でもしますよ。同胞殺しさえも、ね」
 艶やかな黒髪と黒曜石を思わせる黒い瞳の男女は、その瞳に憎しみの炎をちらつかせ、腐りきった祖国を憎む。
「……チビ巫女。俺がお前の足になってやる。俺の背に乗れ」
 茶褐色の髪の亜人はヒトの姿から獅子の姿になり、金色の瞳に密かな恋情をちらつかせ、巫女を見つめる。
「私はルヴィラよ。チビ巫女と呼ばないで」
 人間のせいで右脚の機能を失った小さな巫女は、壇上にいる人間の髪と同じ色の瞳に憎しみを覗かせる。
「エルフを守るダークエルフさんがいるなんて珍しいわね。ねぇ、私達とチームを組みましょう?」
「私達、人間が大嫌いなの。戦闘特化のダークエルフさんと一緒に人間を殺したいわ」
 白い髪に綺麗な青い瞳を持つ亜人の双子は、息を呑むほどの殺意を瞳に宿して両脇にそれぞれ腕を絡め、ダークエルフを見上げる。
「……俺の目的の邪魔をしないと約束するなら、承諾する」
 赤い瞳に絶望と失意を色濃く映すダークエルフは、双子の殺意は利用できると踏み承諾する。
「……」
 喪のドレスに身を包み壇上の人間を静かに見上げる女性は、ベールの奥の暗い瞳に密かな悲しみと愛を交錯させてただ静かにそこにいた。
今度こそ・・・・、人間を滅びへ導かん」
 壇上の男は手に持っていた盃を掲げてそう言うと、酒を一気に飲み干し、魔力で盃を粉々に砕いた。それに続いてその場にいた全員が盃を煽り、盃を魔力で粉々に砕いた。
「健闘を祈る」
 男がそう言うと各々が各々の復讐戦いを果たすために各地へ散っていったのだった。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

三十年後に届いた白い手紙

RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。 彼は最後まで、何も語らなかった。 その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。 戴冠舞踏会の夜。 公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。 それは復讐でも、告発でもない。 三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、 「渡されなかった約束」のための手紙だった。 沈黙のまま命を捨てた男と、 三十年、ただ待ち続けた女。 そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。 これは、 遅れて届いた手紙が、 人生と運命を静かに書き換えていく物語。

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

最強スライムはぺットであって従魔ではない。ご主人様に仇なす奴は万死に値する。

棚から現ナマ
ファンタジー
スーはペットとして飼われているレベル2のスライムだ。この世界のスライムはレベル2までしか存在しない。それなのにスーは偶然にもワイバーンを食べてレベルアップをしてしまう。スーはこの世界で唯一のレベル2を超えた存在となり、スライムではあり得ない能力を身に付けてしまう。体力や攻撃力は勿論、知能も高くなった。だから自我やプライドも出てきたのだが、自分がペットだということを嫌がるどころか誇りとしている。なんならご主人様LOVEが加速してしまった。そんなスーを飼っているティナは、ひょんなことから王立魔法学園に入学することになってしまう。『違いますっ。私は学園に入学するために来たんじゃありません。下働きとして働くために来たんです!』『はぁ? 俺が従魔だってぇ、馬鹿にするなっ! 俺はご主人様に愛されているペットなんだっ。そこいらの野良と一緒にするんじゃねぇ!』最高レベルのテイマーだと勘違いされてしまうティナと、自分の持てる全ての能力をもって、大好きなご主人様のために頑張る最強スライムスーの物語。他サイトにも投稿しています。

エリクサーは不老不死の薬ではありません。~完成したエリクサーのせいで追放されましたが、隣国で色々助けてたら聖人に……ただの草使いですよ~

シロ鼬
ファンタジー
エリクサー……それは生命あるものすべてを癒し、治す薬――そう、それだけだ。 主人公、リッツはスキル『草』と持ち前の知識でついにエリクサーを完成させるが、なぜか王様に偽物と判断されてしまう。 追放され行く当てもなくなったリッツは、とりあえず大好きな草を集めていると怪我をした神獣の子に出会う。 さらには倒れた少女と出会い、疫病が発生したという隣国へ向かった。 疫病? これ飲めば治りますよ? これは自前の薬とエリクサーを使い、聖人と呼ばれてしまった男の物語。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結】

星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。 だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。 しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。 王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。 そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。 地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。 ⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。

処理中です...