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あのまま浴室へ連れて行かれたアリアナは、体の隅から隅までロゼの手によって丁寧に洗われた。その間、恥ずかしさとくすぐったさに終始赤面して身悶えていたが、ロゼに「エッチしてる所を私は全部見てたのよ? 恥ずかしい事なんてもう無いでしょう?」と容赦なくとどめを刺されて撃沈し、結果的にのぼせてしまった。
そして再びロゼに抱き抱えられた状態で部屋に戻ると、すでに料理の準備が整っており、ティオンが椅子に座って待っていた。
「あ、お帰り~。お腹すいたでしょ? 美味しいものを用意したから座って座って。ロゼちゃんはどうする? 一緒に食べるならティタが持ってくるよ」
「そうね、じゃあ一緒に食べようかしら」
アリアナを椅子に座らせ、自分はティオンが座っていた椅子に座ると、ティオンは「了解」と笑顔で言い、ドアを開けて廊下に顔を出す。そして大きく息を吸ったと思ったら大声で「ティタぁぁぁああ!」と呼んだ。するとすぐにガラガラとワゴンの音が近づいてきて、猛スピードで来たワゴンが部屋の前で急停止した。
「待たせた」
「ありがとう、ティタ。しかし相変わらず、よくそんな速度でワゴンを押してぶつからないわね。感心するわ」
「前の職場はワゴンを正確かつ早く動かせないと回らない程忙しかった」
「何年経ってもこの癖は抜けないんだよね~」
話をしながらも、テキパキとロゼの前にも料理を並べていく双子の手際はとてもあざやかで、洗練された動きであることが素人目のアリアナにも分かった。そして準備が整うと双子は一度部屋から出て行き、すぐにそれぞれ椅子を持って戻ってくる。
「ロゼさん、ティオンがアリアナの餌付けをすると聞いた。俺もロゼさんに餌付けしたい」
「ティタにしては積極的ね。珍しい。いいわよ、やらせてあげる」
「ありがとう」
双子は鏡合わせのようにロゼとアリアナの隣に椅子を置いて腰を下ろすと、それぞれ笑顔でスープを匙ですくい、口元まで持っていった。
「はい、あーん」
同時に発されてハモる声に多少の感動を覚えるアリアナはポカンと開いた口に匙を突っ込まれ、ロゼは自分から迷いなくその匙を口の中へ受け入れてスープを味わった。アリアナは驚いてむせそうになりつつも、口に広がるコンソメの味に思わず頬が緩み、自然とふにゃっとした笑顔になった。
「アリアナちゃん、相変わらず美味しそうに食べてくれるよね~。もう、その笑顔を見てるだけで癒されるよ~」
「分かる。アリアナの笑顔はオアシスのような癒しを感じる」
「私も、いつも眺めてるけど飽きないのよね」
三人ともアリアナの笑顔をジッと見つめてそれぞれ感想を言っていると、それを聞いたアリアナはハッとして見つめる三人に対してムッと恥ずかしさを隠すように不貞腐れた顔をした。
「みんなして私をからかわないでくださいよ。仕方ないじゃないですか。美味しいんですから」
「あー、可愛すぎてツラい。ロゼちゃん、アリアナちゃんが可愛い」
「当たり前ね。アリアナは私が唯一嫌悪しない可愛い女の子ですもの」
「ロゼさんの見立てはいつも正確だ。人も物も、良いものを選ぶ」
誰もが笑顔のこの空間はとても和やかで、とても居心地が良かった。アリアナはそんな居心地のいい場所に居られる喜びを噛みしめながら、ティオンに朝食を食べさせてもらったのだった。
そして再びロゼに抱き抱えられた状態で部屋に戻ると、すでに料理の準備が整っており、ティオンが椅子に座って待っていた。
「あ、お帰り~。お腹すいたでしょ? 美味しいものを用意したから座って座って。ロゼちゃんはどうする? 一緒に食べるならティタが持ってくるよ」
「そうね、じゃあ一緒に食べようかしら」
アリアナを椅子に座らせ、自分はティオンが座っていた椅子に座ると、ティオンは「了解」と笑顔で言い、ドアを開けて廊下に顔を出す。そして大きく息を吸ったと思ったら大声で「ティタぁぁぁああ!」と呼んだ。するとすぐにガラガラとワゴンの音が近づいてきて、猛スピードで来たワゴンが部屋の前で急停止した。
「待たせた」
「ありがとう、ティタ。しかし相変わらず、よくそんな速度でワゴンを押してぶつからないわね。感心するわ」
「前の職場はワゴンを正確かつ早く動かせないと回らない程忙しかった」
「何年経ってもこの癖は抜けないんだよね~」
話をしながらも、テキパキとロゼの前にも料理を並べていく双子の手際はとてもあざやかで、洗練された動きであることが素人目のアリアナにも分かった。そして準備が整うと双子は一度部屋から出て行き、すぐにそれぞれ椅子を持って戻ってくる。
「ロゼさん、ティオンがアリアナの餌付けをすると聞いた。俺もロゼさんに餌付けしたい」
「ティタにしては積極的ね。珍しい。いいわよ、やらせてあげる」
「ありがとう」
双子は鏡合わせのようにロゼとアリアナの隣に椅子を置いて腰を下ろすと、それぞれ笑顔でスープを匙ですくい、口元まで持っていった。
「はい、あーん」
同時に発されてハモる声に多少の感動を覚えるアリアナはポカンと開いた口に匙を突っ込まれ、ロゼは自分から迷いなくその匙を口の中へ受け入れてスープを味わった。アリアナは驚いてむせそうになりつつも、口に広がるコンソメの味に思わず頬が緩み、自然とふにゃっとした笑顔になった。
「アリアナちゃん、相変わらず美味しそうに食べてくれるよね~。もう、その笑顔を見てるだけで癒されるよ~」
「分かる。アリアナの笑顔はオアシスのような癒しを感じる」
「私も、いつも眺めてるけど飽きないのよね」
三人ともアリアナの笑顔をジッと見つめてそれぞれ感想を言っていると、それを聞いたアリアナはハッとして見つめる三人に対してムッと恥ずかしさを隠すように不貞腐れた顔をした。
「みんなして私をからかわないでくださいよ。仕方ないじゃないですか。美味しいんですから」
「あー、可愛すぎてツラい。ロゼちゃん、アリアナちゃんが可愛い」
「当たり前ね。アリアナは私が唯一嫌悪しない可愛い女の子ですもの」
「ロゼさんの見立てはいつも正確だ。人も物も、良いものを選ぶ」
誰もが笑顔のこの空間はとても和やかで、とても居心地が良かった。アリアナはそんな居心地のいい場所に居られる喜びを噛みしめながら、ティオンに朝食を食べさせてもらったのだった。
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