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第1章 本章
第26話 隣町の静かな夜に・前編
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各自、席についている。今この部屋にいるメンバーは、町長、私、リン、スターク、シティリアの5人。
リンが頭を抱えながらポツリと話し始めた。
「さて、始めますかね…」
スタークも話に参加する。
「なんだ! 元気ねぇな! 気持ちは分かるけどもよ。俺たちがそんなんじゃ、どうしようもねぇだろ。それに、やる事は決まってんだろ?」
リンは気持ちを切り替えて、順を追って説明し始めた。
「スタークの言うとおりね。それじゃ先ずは町長さんに、王都まで伝書バトを飛ばしてもらうわ。内容は、敵の数や、現在の状況。それに、“軍隊”と“第二陣の冒険者たち”の出動要請も合わせてね」
町長はこれを了承する。
「分かりました。準備しておきましょう」
リンは続けて話す。
「次に、実際にゴブリンがどのあたりに潜んでいるのかの確認。まぁつまり偵察ね」
シティリアが挙手をして提案する。
「それについては、考えがあるわ。町長。“防衛の時に倒したゴブリンの亡骸”あるかしら?」
「ありますよ。全て燃やしてしまったと思いますが、それが何か?」
シティリアは、会議場のテーブルの上に、ポケットから何かを取り出した。
「これは、私たちが山道で遭遇したゴブリンが持っていたものなんだけどね」
スタークがそれに気づいた。
「ん? あの魔法を使った個体が持ってたヤツか。魔道具か何か…か?」
シティリアは頷きながら説明を再開する。
「そう。もしも、私たちが遭遇したゴブリンが、町を襲ったゴブリンと同じ集団だとしたら、潜んでいる方向が分かるかもしれない」
スタークが疑問に思ったようだ。
「ん? どういうことだ? それに、俺たちが遭遇したゴブリンは、どう考えても同じ集団だろ? 分かれて王都まで進んできたんじゃねぇのか?」
シティリアは補足するように言葉を付け足す。
「そう…ね。私もそう思うわ。けど、違うかもしれない。だから、町を襲ったゴブリンたちの持ち物を調べて、同じ集団に属するゴブリンかどうかを調べるのよ」
シティリアはテーブルの上に置いた魔道具を手に持ち、続けて説明する。
「もしも、燃やしてしまったゴブリンの亡骸に、私が今持っているコレと同じ物があれば…。そう。燃えカスでもいいわ。結果、同じだと判明すれば、私が持ってきたこの遺品を元に、私の広域探知魔法で、ある程度の潜んでいる方角が分かるはず」
リンもこれに納得したようだ。皆も、静かにシティリアの話を聞いている。
シティリアは眉をひそめて、もうひとつ言葉を放った。
「細かい場所を特定するには、そこから更に短距離探知魔法に切り替えないといけないけど……。そこまでするには森の奥深くまで入らないといけないから、術者が危険だけどね」
町長は、事前に対策が取れる事に対して、徐々に顔に明るさが戻ってきている。
「なるほど……。でしたら、後でゴブリンの遺体の場所を案内しましょう」
リンは続けて話題を変える。
「そうね。次に私たちがとるべき行動は、【王都から援軍が到着するまで持ちこたえる事】ね」
スタークが手を挙げて声を上げた。
「ははっ。任せとけ。俺は町の防衛に加わるぜ」
シティリアも後に続く。
「私も魔法で町を守れるわ。防衛組ね」
私は、静かに皆の話を聞いていた……。
ひとつ。そう、私もひとつ。考えがある。
だが、迷っていた…。
私の顔の表情に気づいたリンが、声を掛けてきた。
「どうしたの? ライチャスネス。何か意見があるなら、述べてもいいのよ」
考えがまだ、纏まらないが……。
「ああ。ひとつ考えていることがあってな。そう、突拍子もない話だと笑われるかもしれない……。信じてもらえないかもしれない。そんな話なんだ」
スタークがテーブルに肘をついて、気前の良い言葉を発する。
「なんだ? 細けぇことは気にするな。言ってみな?」
スタークの言葉に後押しされ、私は提案してみることにした。
「ゴブリンの潜伏している場所。大体の場所は分かるという話は理解できた。さらに、その正確な敵の集団の位置について、私に偵察させてくれないか?」
リンがしかめっ面で答える。
「危険すぎる」
「俺もそう思う」
「なら、なんで?」
「皆には話してはいない事があって、私は他の人とは違う特殊な能力があってね。詳細は省くけど、私なら、目視した魔物の位置が分かる」
スタークが疑問を投げかける。
「目視した魔物の位置が分かるだと…? 仮にそれが本当だとして、どう分かるんだ?」
「たぶん。一度でも視界におさめれば、能力を解除しない限り魔物の位置が分かるはず」
スタークが曖昧な顔に変わる。
「なんだ? たぶん。とか、はずって」
私はスタークの疑問に答える。
「実はまだ、この能力を試したことは無いんだ。なのでぶっつけ本番という事に……」
シティリアが苦言を呈する。
「論外ね。突拍子もないし、死体が一つ増えるだけだわ」
私は内心、まぁ。そうだろうなとは思っていた。どこかで一度でも試しておけば良かっただろうか。
リンが私の方を見て、私の意思を確認するかのように質問をしてきた。
「ねぇ。ライチャスネス。貴方のいう事が本当だとして、魔物の位置が分かるとしましょう。例えば、ゴブリンの襲撃を事前に察知できる?」
私はリンの目を見つめ。意を決し、発言する。
「ああ。出来る」
リンは考え込んだ。私のせいで、余計な混乱を招いてしまっただろうか…。
「分かった。私とライチャスネスは、ゴブリンの潜伏場所を探索しに行く」
スタークは驚き、椅子から立ち上がりテーブルに勢いよく手をついた。
「何を言っている!? 危険も甚だしいぞ! リン!」
リンはスタークのほうへ手の平を向け、静止を促す。
「期間は短いけど、私はライチャスネスがどんな人間か見て来たわ。彼はウソをつくような人間ではない」
スタークは椅子に座り、困惑したように腕を組む。
「まぁ……。ライチャスネスの事を信用してないわけじゃねぇ…けどよ……?」
シティリアもため息を吐きながらリンの方を向く。
「信じるのね? ライチャスネスを」
「信じる」
間を置かずリンが言葉を放った。その一言に、彼女の気持ちの全てが現れていた。
私も、スタークも、シティリアも、町長さんも、リンの真剣な表情に釘付けになっていた。
「ふふっ。皆さん。私の町に対して、真剣に……。ありがとうございます。来てくれたのが皆さんで良かった。例えどんな結果になったとしても、私だけは皆さんの事を信頼しますよ」
黙って聞いていた町長さんが発言した言葉で、場の雰囲気が転換する。
スタークは大きく息を吸って吐いた。
「町長さんにまでそう言われちゃしょうがねぇな! ま、このパーティーのリーダーはリンだ。お前に任せるぜ?」
シティリアも続けて笑顔になる。
「フフッ。そうね。私もその言葉に賭けさせてもらうわ。私の信頼をね」
リンの表情も崩れ、顔から笑みがあふれ出す。
「みんな、ありがとう。よし。これで何をするべきか、決まったわね! そうと決まればライチャスネス!!! 今更臆した所で、もう遅いわよ?」
リンの鼓舞に私は応じる。
「ははっ。自分で言い出したことだ。必ずやり切って見せるさ」
町長は、笑顔で席を立ち、肩を回し始めた。
「ん-っ! では、まずは、シティリアさん。ゴブリンの遺体の場所を案内しましょう。皆さんもついて来てください」
私たちは、町長の後について行く。私の心には、静かな炎が灯り始めていた。
リンが頭を抱えながらポツリと話し始めた。
「さて、始めますかね…」
スタークも話に参加する。
「なんだ! 元気ねぇな! 気持ちは分かるけどもよ。俺たちがそんなんじゃ、どうしようもねぇだろ。それに、やる事は決まってんだろ?」
リンは気持ちを切り替えて、順を追って説明し始めた。
「スタークの言うとおりね。それじゃ先ずは町長さんに、王都まで伝書バトを飛ばしてもらうわ。内容は、敵の数や、現在の状況。それに、“軍隊”と“第二陣の冒険者たち”の出動要請も合わせてね」
町長はこれを了承する。
「分かりました。準備しておきましょう」
リンは続けて話す。
「次に、実際にゴブリンがどのあたりに潜んでいるのかの確認。まぁつまり偵察ね」
シティリアが挙手をして提案する。
「それについては、考えがあるわ。町長。“防衛の時に倒したゴブリンの亡骸”あるかしら?」
「ありますよ。全て燃やしてしまったと思いますが、それが何か?」
シティリアは、会議場のテーブルの上に、ポケットから何かを取り出した。
「これは、私たちが山道で遭遇したゴブリンが持っていたものなんだけどね」
スタークがそれに気づいた。
「ん? あの魔法を使った個体が持ってたヤツか。魔道具か何か…か?」
シティリアは頷きながら説明を再開する。
「そう。もしも、私たちが遭遇したゴブリンが、町を襲ったゴブリンと同じ集団だとしたら、潜んでいる方向が分かるかもしれない」
スタークが疑問に思ったようだ。
「ん? どういうことだ? それに、俺たちが遭遇したゴブリンは、どう考えても同じ集団だろ? 分かれて王都まで進んできたんじゃねぇのか?」
シティリアは補足するように言葉を付け足す。
「そう…ね。私もそう思うわ。けど、違うかもしれない。だから、町を襲ったゴブリンたちの持ち物を調べて、同じ集団に属するゴブリンかどうかを調べるのよ」
シティリアはテーブルの上に置いた魔道具を手に持ち、続けて説明する。
「もしも、燃やしてしまったゴブリンの亡骸に、私が今持っているコレと同じ物があれば…。そう。燃えカスでもいいわ。結果、同じだと判明すれば、私が持ってきたこの遺品を元に、私の広域探知魔法で、ある程度の潜んでいる方角が分かるはず」
リンもこれに納得したようだ。皆も、静かにシティリアの話を聞いている。
シティリアは眉をひそめて、もうひとつ言葉を放った。
「細かい場所を特定するには、そこから更に短距離探知魔法に切り替えないといけないけど……。そこまでするには森の奥深くまで入らないといけないから、術者が危険だけどね」
町長は、事前に対策が取れる事に対して、徐々に顔に明るさが戻ってきている。
「なるほど……。でしたら、後でゴブリンの遺体の場所を案内しましょう」
リンは続けて話題を変える。
「そうね。次に私たちがとるべき行動は、【王都から援軍が到着するまで持ちこたえる事】ね」
スタークが手を挙げて声を上げた。
「ははっ。任せとけ。俺は町の防衛に加わるぜ」
シティリアも後に続く。
「私も魔法で町を守れるわ。防衛組ね」
私は、静かに皆の話を聞いていた……。
ひとつ。そう、私もひとつ。考えがある。
だが、迷っていた…。
私の顔の表情に気づいたリンが、声を掛けてきた。
「どうしたの? ライチャスネス。何か意見があるなら、述べてもいいのよ」
考えがまだ、纏まらないが……。
「ああ。ひとつ考えていることがあってな。そう、突拍子もない話だと笑われるかもしれない……。信じてもらえないかもしれない。そんな話なんだ」
スタークがテーブルに肘をついて、気前の良い言葉を発する。
「なんだ? 細けぇことは気にするな。言ってみな?」
スタークの言葉に後押しされ、私は提案してみることにした。
「ゴブリンの潜伏している場所。大体の場所は分かるという話は理解できた。さらに、その正確な敵の集団の位置について、私に偵察させてくれないか?」
リンがしかめっ面で答える。
「危険すぎる」
「俺もそう思う」
「なら、なんで?」
「皆には話してはいない事があって、私は他の人とは違う特殊な能力があってね。詳細は省くけど、私なら、目視した魔物の位置が分かる」
スタークが疑問を投げかける。
「目視した魔物の位置が分かるだと…? 仮にそれが本当だとして、どう分かるんだ?」
「たぶん。一度でも視界におさめれば、能力を解除しない限り魔物の位置が分かるはず」
スタークが曖昧な顔に変わる。
「なんだ? たぶん。とか、はずって」
私はスタークの疑問に答える。
「実はまだ、この能力を試したことは無いんだ。なのでぶっつけ本番という事に……」
シティリアが苦言を呈する。
「論外ね。突拍子もないし、死体が一つ増えるだけだわ」
私は内心、まぁ。そうだろうなとは思っていた。どこかで一度でも試しておけば良かっただろうか。
リンが私の方を見て、私の意思を確認するかのように質問をしてきた。
「ねぇ。ライチャスネス。貴方のいう事が本当だとして、魔物の位置が分かるとしましょう。例えば、ゴブリンの襲撃を事前に察知できる?」
私はリンの目を見つめ。意を決し、発言する。
「ああ。出来る」
リンは考え込んだ。私のせいで、余計な混乱を招いてしまっただろうか…。
「分かった。私とライチャスネスは、ゴブリンの潜伏場所を探索しに行く」
スタークは驚き、椅子から立ち上がりテーブルに勢いよく手をついた。
「何を言っている!? 危険も甚だしいぞ! リン!」
リンはスタークのほうへ手の平を向け、静止を促す。
「期間は短いけど、私はライチャスネスがどんな人間か見て来たわ。彼はウソをつくような人間ではない」
スタークは椅子に座り、困惑したように腕を組む。
「まぁ……。ライチャスネスの事を信用してないわけじゃねぇ…けどよ……?」
シティリアもため息を吐きながらリンの方を向く。
「信じるのね? ライチャスネスを」
「信じる」
間を置かずリンが言葉を放った。その一言に、彼女の気持ちの全てが現れていた。
私も、スタークも、シティリアも、町長さんも、リンの真剣な表情に釘付けになっていた。
「ふふっ。皆さん。私の町に対して、真剣に……。ありがとうございます。来てくれたのが皆さんで良かった。例えどんな結果になったとしても、私だけは皆さんの事を信頼しますよ」
黙って聞いていた町長さんが発言した言葉で、場の雰囲気が転換する。
スタークは大きく息を吸って吐いた。
「町長さんにまでそう言われちゃしょうがねぇな! ま、このパーティーのリーダーはリンだ。お前に任せるぜ?」
シティリアも続けて笑顔になる。
「フフッ。そうね。私もその言葉に賭けさせてもらうわ。私の信頼をね」
リンの表情も崩れ、顔から笑みがあふれ出す。
「みんな、ありがとう。よし。これで何をするべきか、決まったわね! そうと決まればライチャスネス!!! 今更臆した所で、もう遅いわよ?」
リンの鼓舞に私は応じる。
「ははっ。自分で言い出したことだ。必ずやり切って見せるさ」
町長は、笑顔で席を立ち、肩を回し始めた。
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日々注目されることに辟易した章は、能力を使う内にこう思う様になった。
「もしかして、この能力を金に変えて食っていけるかも?」
──これは転移を手に入れてしまった少年と、それに巻き込まれる現地住民の異世界ドタバタコメディである。
序章まで一挙公開。
翌日から7:00、12:00、17:00、22:00更新。
序章 異世界転移【9/2〜】
一章 異世界クラセリア【9/3〜】
二章 ダンジョンアタック!【9/5〜】
三章 発足! 異世界旅行業【9/8〜】
四章 新生活は異世界で【9/10〜】
五章 巻き込まれて異世界【9/12〜】
六章 体験! エルフの暮らし【9/17〜】
七章 探索! 並行世界【9/19〜】
95部で第一部完とさせて貰ってます。
※9/24日まで毎日投稿されます。
※カクヨムさんでも改稿前の作品が読めます。
おおよそ、起こりうるであろう転移系の内容を網羅してます。
勇者召喚、ハーレム勇者、巻き込まれ召喚、俺TUEEEE等々。
ダンジョン活動、ダンジョンマスターまでなんでもあります。
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