現実世界のカルマ ~『行為としての結果』が私の能力となる。転生しなかった代わりに神様から貰ったこの力でお助けマンを頑張ります~

行進12番

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第1章 本章

第26話 隣町の静かな夜に・中編

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 町長は役場の人にお願いして、伝書バトを王都の冒険者ギルドへ向けて飛ばしてくれた。その後、私たちは、町長に案内されてゴブリンの遺体を焼却した場所まで来ている。入口で、施設の管理者も加わり、建物の中に入っていく。
 本来はゴミなどを燃やす施設のようで、他にも様々な焼却予定のゴミが蓄積されていた。施設の奥の方まで進むと、様々な臭いが鼻につく。夜勤従事者の作業員の方々に軽く会釈をしながら、施設の管理者の案内のあとをついて行く私たち。

 一般的な焼却設備とは別に、小型の焼却炉がある場所を案内された。
 肉の焦げる臭いが鼻に突く。まだ未燃の部分も若干残っているようだ。

 町長は、案内がてら説明をしてくれる。

「作業員の方にお願いして、臨時で処理をおこなってくれているんです」

 建物の管理者も説明に加わる。

「えーと、ゴブリンの亡骸の件ですね。ゴブリンが身に着けていた武器や、革製品は後ほど処分する予定だったので、一か所にまとめて置いてあります。こちらです」

 私たちは、ガラクタが積まれている一山ひとやまを見つめ、その中から、目的の物を探す作業を始めた。そんなに量はないから、すぐ見つかるかもしれない。シティリアが言っていた魔道具のようなもの。似たものがあればいいんだが。

 作業しながら、スタークがシティリアに質問する。

「なぁ。シティリアよ。俺も冒険者歴が長いからよ。似たようなモンは何回も見た事ある。その魔道具みてーなモンって確か……。【魔力を補うための道具】だよな? 俺が見た事あるのとは大分形が違うんだが」

 シティリアは横目でスタークの問いに答える。

「ええ。大体あってるわ。答えを先に言っちゃうと【所持しているだけで、自身の魔力を貯めて置ける蓄積装置】ね。本来、通常のゴブリン程度の魔力では、威力の高い魔法は使えない。しかし、この魔道具を所持しておけば、いざという時に、魔法の発動に必要な魔力を補う事ができる」

 リンも作業しながら会話に参加する。

「魔道具と言われている中でも、その【蓄積装置】は、冒険者の間で一般的に広く普及されている物ね。私やスタークが見た事あるのはでしょう。ゴブリンが持っていた物は【古い型】で、それほど高価な物ではなかったはず。だから【同じ型の魔道具】を所持していれば、同じ群れのゴブリンと判別できるってシッチーは言いたいのよね。むかーし、子供の頃、似たようなものを見た事あるわ」

 シティリアは答える。

「そう。なので、同じ物が出てきてくれれば良いんだけど…。無ければ、無いで、そのまま探知魔法を使う事には変わりはないんだけどね」

 私も分別を手伝う。ゴブリンが所持していた物品は手入れがされていない粗悪品が多い。剣、斧、布…、ヘルット…、小さい刀…。うーん。あ、これかな?

「シティリア。これかい?」

「それね。間違いないわ。これで同じ群れのゴブリンだと信憑性しんぴょうせいが増したわね」

 スタークがツッコミを入れる。

とは言わねぇんだな。ま、ゴブリンの場所が分かればそれでいいけどよ」

 シティリアは笑う。

「フフッ。そうね。それじゃ、探知魔法を使ってみましょうか。ここで魔法を使ってもいいんだけれど、においがね。言い方は失礼だけど…ほら、ね?」

 ああ。ここはゴミを処理する場所だから、確かにくさい。そういう設備だから仕方のないことだ。私たちは施設の管理者にお礼を述べ、建物の外へ移動する。

 広い場所に出て、シティリアは広域探知魔法を詠唱し始めた。

 リンはシティリアに確認を取る。

「どう? シッチー」

 シティリアは集中している。

「もうちょっと待って」

 私たちは、固唾を飲んで見守っている。

 ……。

「分かったわ。反応は……。狩人さんが言ってた通りね。ここからすぐ傍に見える。【森林地帯の奥】から、同型の魔道具の反応があったわ」

 スタークは息を巻いて先導する。

「よっしゃ! そんじゃー。!」

 リンは驚いた。

「ちょ、ちょ。スタークもついてくるの?」

 シティリアはリンに対して、冷静に指摘をする。

「逆に聞くけど、二人だけで行かせると思ったの? 私たちも行くに決まっているじゃない」

 私は、スタークとシティリアに礼を述べる。

「二人とも、済まない。私の我がままのために」

 スタークは意に介さず、私とリンの方を向いた。

一蓮托生いちれんたくしょうってやつだぜ。リンが欠けても、ライチャスネスが欠けてもダメだ。ギルドから託された思いを裏切るわけにはいかねーからな」

 リンは息をつき、出発の指示を出す。

「フッ……。そうね。まったく、スタークがリーダーの方が良かったんじゃないの? それじゃ行くわよ!」

 町長に無事をお祈りされ、私たちは森林地帯へと向かうのだった。
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