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「ゲーム3」3
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読み終えるなり、俺は激しく呼吸を繰り返した。ついさっき行った「ゲーム2」にも、生贄の爪を剥ぐという残虐なルールが存在した。だが、これはその比じゃない。
四肢の切断なんて、生贄に死ねと言っているようなものじゃないか。腕一本でさえ切り落としたら、出血多量で命に関わる大怪我になるというのに。性器だってそうだ。女性と違い、外に剥き出しとなっている男性の性器はわかりやすい急所なんだ。些細な衝撃を受けるだけで、言葉では表現できないような状態となってしまう。それを切り落とせと? 無理無理無理。そんなことをされたら、ショック死をしてしまう。それに雄の象徴であるあそこを失くせば、その瞬間に男としての尊厳を失うことになる。これもまた、生贄に死ねと言っているようなものだ。
いくらルイスが魔法のスペシャリストだからといって、「じゃあ、お手々とあんよを切り落とすね。痛みなんてないない。バラバラになっても後で元に戻すから、ちょっと我慢しててね~」などという便利なチート技はないだろう。プラモデルじゃないんだから。
じゃあ、もう一方のルールなら死なないのだから、そちらを選べばいいじゃないか。……という、簡単なものでもない。だってアナルだぞ。尻だぞ。その孔だぞ。そんでもってこのコケシだぞ。つまりはそういうことだろ? 無理だって! 座薬でも気持ちが悪いのに!!
しかし俺に拒否権はない。ここでゲームを拒んだら、それはルイスを失うことになってしまうからだ。
チラリとルイスを見上げると、彼は両腕を組みながら周囲に散らばる斧やコケシ達を見つめて、感心するような口ぶりでこう言った。
「なるほど。話には聞いていたが、なかなかだな」
「な、なかなかって……」
「少なくとも、こういった状況を作る者にやり込められたことがないのでね。魔法の使用も可能ということだが、この空間そのものを壊すほどの能力は引き出せないように、制限がかけられている。待機していたあちらの部屋よりもここは厄介だ。いやはや、どんな相手が黒幕なのか……ぜひともその顔を拝みたいものだね」
そしてルイスは、ニヤリと口角を持ち上げた。その表情はシニカルそのもので、再び彼が別人なのではないかという疑念を抱かせた。
顔は俺も知らないけれど、声だけはさっきからちょいちょい聞こえているよ、と言ったら彼はどんな反応をするだろうか。そもそも、それを相談したかったのだけれど、今のルイスが本物なのかわからない以上、口にしない方がいいだろう。
俺が互いの両腕を擦るようにしていると、それに気づいたルイスが俺の頬に手を添えながら、
「確認しておきたいんだが、ゲームを始めるにあたって、ここに散らばる道具を必ずしも使わなくてはならないというわけではないのだろう?」
「う……うん。それは……あの壁に書いてないよ」
「わかった」
と、確認を済ませると、触れたその手からパッと光を放った。キラキラと輝くその光は、たちまち俺の全身を包み込むと、不思議な力を与えた。
「ルイス……これって……」
「体力の方を回復させた。身体が軽いだろう?」
体力は気力とともに確実に削がれていたらしい。俺の身体はルイスの魔法により、ここへ来る前の状態へと戻された。
俺は声を高らかにしてルイスへ答えた。
「うん。すごく軽い! さっきまで感じていた怠さが全然ないよ! ありが……」
とう、まで言えなかったのは、自分の身体を、特に下半身を見下ろした時だった。
「う……」
下半身に何も穿いていないせいで、バイロンによってつけられた無数の赤い痕が目に飛び込んでしまった。幸い、着ているシャツのサイズが大きいことで性器部分は隠れているけれど、脚の付け根の際どい部分はルイスの位置からも見えていることだろう。特にここが赤い痕密集地で、なぜだかすごく恥ずかしくなった。
両手でシャツの裾を下に引っ張り、ルイスからはなるべく見られないよう自分なりに足掻いてみた。今更だったけれど。
その様子をどう思ったのか、ルイスは「気になるようなら消すけれど、そうするとな……」と鑑賞スペースを横目にした。
「ルイス?」
「まあ、それは彼らがゲームをクリアする為に頑張った勲章だとでも思えばいい。それよりスグル」
と、真剣な面持ちでこちらを見下ろすルイスは、俺の両目に銀色のそれをしっかりと合わせてこう言った。
「今回のゲームをクリアする為に、私は今から君のアナルを弄らせてもらうよ」
ああ、やっぱり……。はじめに俺を傷つけることはしないと宣言したルイスだ。選ぶなら後者だと思っていた。思っていたけれど、尻かぁ……。というか、ルイスさん。その綺麗な顔と口で、アナルなんてはっきり言わないで。ちょっとでも濁して。
思わず、右手でサッと尻を押さえる俺。すると、ルイスはフッと微笑み、
「だが、きっと君はそこを弄られるのが初めてだろうからね……こうしよう」
唐突に、彼は自分の親指を口に咥えたかと思うと、ガリッと嫌な音を立てて自分の指を傷つけた。
「な、何してるんだよっ! ルイっ……んんうっ!?」
驚いた俺はルイスに向かって大きく口を開くと、そこを狙ってルイスが噛んだばかりの自分の指を突っ込んだ。
たちまち、じわりとした何かが口の中に広がり、俺は反射的にそれを飲み込んだ。これは血だ。けれど、俺の知っている血の匂いと味じゃなかった。
何だ、これ。花の蜜みたいに甘くて……舌が、ピリピリして……
「ん……ちゅ……ん、く……ごくん……はぁっ……るぃ……んむ……」
「大丈夫。次第に何も、考えられなくなるから。止まるまで飲み続けて」
四肢の切断なんて、生贄に死ねと言っているようなものじゃないか。腕一本でさえ切り落としたら、出血多量で命に関わる大怪我になるというのに。性器だってそうだ。女性と違い、外に剥き出しとなっている男性の性器はわかりやすい急所なんだ。些細な衝撃を受けるだけで、言葉では表現できないような状態となってしまう。それを切り落とせと? 無理無理無理。そんなことをされたら、ショック死をしてしまう。それに雄の象徴であるあそこを失くせば、その瞬間に男としての尊厳を失うことになる。これもまた、生贄に死ねと言っているようなものだ。
いくらルイスが魔法のスペシャリストだからといって、「じゃあ、お手々とあんよを切り落とすね。痛みなんてないない。バラバラになっても後で元に戻すから、ちょっと我慢しててね~」などという便利なチート技はないだろう。プラモデルじゃないんだから。
じゃあ、もう一方のルールなら死なないのだから、そちらを選べばいいじゃないか。……という、簡単なものでもない。だってアナルだぞ。尻だぞ。その孔だぞ。そんでもってこのコケシだぞ。つまりはそういうことだろ? 無理だって! 座薬でも気持ちが悪いのに!!
しかし俺に拒否権はない。ここでゲームを拒んだら、それはルイスを失うことになってしまうからだ。
チラリとルイスを見上げると、彼は両腕を組みながら周囲に散らばる斧やコケシ達を見つめて、感心するような口ぶりでこう言った。
「なるほど。話には聞いていたが、なかなかだな」
「な、なかなかって……」
「少なくとも、こういった状況を作る者にやり込められたことがないのでね。魔法の使用も可能ということだが、この空間そのものを壊すほどの能力は引き出せないように、制限がかけられている。待機していたあちらの部屋よりもここは厄介だ。いやはや、どんな相手が黒幕なのか……ぜひともその顔を拝みたいものだね」
そしてルイスは、ニヤリと口角を持ち上げた。その表情はシニカルそのもので、再び彼が別人なのではないかという疑念を抱かせた。
顔は俺も知らないけれど、声だけはさっきからちょいちょい聞こえているよ、と言ったら彼はどんな反応をするだろうか。そもそも、それを相談したかったのだけれど、今のルイスが本物なのかわからない以上、口にしない方がいいだろう。
俺が互いの両腕を擦るようにしていると、それに気づいたルイスが俺の頬に手を添えながら、
「確認しておきたいんだが、ゲームを始めるにあたって、ここに散らばる道具を必ずしも使わなくてはならないというわけではないのだろう?」
「う……うん。それは……あの壁に書いてないよ」
「わかった」
と、確認を済ませると、触れたその手からパッと光を放った。キラキラと輝くその光は、たちまち俺の全身を包み込むと、不思議な力を与えた。
「ルイス……これって……」
「体力の方を回復させた。身体が軽いだろう?」
体力は気力とともに確実に削がれていたらしい。俺の身体はルイスの魔法により、ここへ来る前の状態へと戻された。
俺は声を高らかにしてルイスへ答えた。
「うん。すごく軽い! さっきまで感じていた怠さが全然ないよ! ありが……」
とう、まで言えなかったのは、自分の身体を、特に下半身を見下ろした時だった。
「う……」
下半身に何も穿いていないせいで、バイロンによってつけられた無数の赤い痕が目に飛び込んでしまった。幸い、着ているシャツのサイズが大きいことで性器部分は隠れているけれど、脚の付け根の際どい部分はルイスの位置からも見えていることだろう。特にここが赤い痕密集地で、なぜだかすごく恥ずかしくなった。
両手でシャツの裾を下に引っ張り、ルイスからはなるべく見られないよう自分なりに足掻いてみた。今更だったけれど。
その様子をどう思ったのか、ルイスは「気になるようなら消すけれど、そうするとな……」と鑑賞スペースを横目にした。
「ルイス?」
「まあ、それは彼らがゲームをクリアする為に頑張った勲章だとでも思えばいい。それよりスグル」
と、真剣な面持ちでこちらを見下ろすルイスは、俺の両目に銀色のそれをしっかりと合わせてこう言った。
「今回のゲームをクリアする為に、私は今から君のアナルを弄らせてもらうよ」
ああ、やっぱり……。はじめに俺を傷つけることはしないと宣言したルイスだ。選ぶなら後者だと思っていた。思っていたけれど、尻かぁ……。というか、ルイスさん。その綺麗な顔と口で、アナルなんてはっきり言わないで。ちょっとでも濁して。
思わず、右手でサッと尻を押さえる俺。すると、ルイスはフッと微笑み、
「だが、きっと君はそこを弄られるのが初めてだろうからね……こうしよう」
唐突に、彼は自分の親指を口に咥えたかと思うと、ガリッと嫌な音を立てて自分の指を傷つけた。
「な、何してるんだよっ! ルイっ……んんうっ!?」
驚いた俺はルイスに向かって大きく口を開くと、そこを狙ってルイスが噛んだばかりの自分の指を突っ込んだ。
たちまち、じわりとした何かが口の中に広がり、俺は反射的にそれを飲み込んだ。これは血だ。けれど、俺の知っている血の匂いと味じゃなかった。
何だ、これ。花の蜜みたいに甘くて……舌が、ピリピリして……
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