異世界での監禁デスゲームが、思っていたものとなんか違った

天白

文字の大きさ
38 / 60

「ゲーム3」3

しおりを挟む
 読み終えるなり、俺は激しく呼吸を繰り返した。ついさっき行った「ゲーム2」にも、生贄の爪を剥ぐという残虐なルールが存在した。だが、これはその比じゃない。

 四肢の切断なんて、生贄に死ねと言っているようなものじゃないか。腕一本でさえ切り落としたら、出血多量で命に関わる大怪我になるというのに。性器だってそうだ。女性と違い、外に剥き出しとなっている男性の性器はわかりやすい急所なんだ。些細な衝撃を受けるだけで、言葉では表現できないような状態となってしまう。それを切り落とせと? 無理無理無理。そんなことをされたら、ショック死をしてしまう。それに雄の象徴であるあそこを失くせば、その瞬間に男としての尊厳を失うことになる。これもまた、生贄に死ねと言っているようなものだ。

 いくらルイスが魔法のスペシャリストだからといって、「じゃあ、お手々とあんよを切り落とすね。痛みなんてないない。バラバラになっても後で元に戻すから、ちょっと我慢しててね~」などという便利なチート技はないだろう。プラモデルじゃないんだから。

 じゃあ、もう一方のルールなら死なないのだから、そちらを選べばいいじゃないか。……という、簡単なものでもない。だってアナルだぞ。尻だぞ。その孔だぞ。そんでもってこのコケシだぞ。つまりはそういうことだろ? 無理だって! 座薬でも気持ちが悪いのに!!

 しかし俺に拒否権はない。ここでゲームを拒んだら、それはルイスを失うことになってしまうからだ。

 チラリとルイスを見上げると、彼は両腕を組みながら周囲に散らばる斧やコケシ達を見つめて、感心するような口ぶりでこう言った。

「なるほど。話には聞いていたが、なかなかだな」

「な、なかなかって……」

「少なくとも、こういった状況を作る者にやり込められたことがないのでね。魔法の使用も可能ということだが、この空間そのものを壊すほどの能力は引き出せないように、制限がかけられている。待機していたあちらの部屋よりもここは厄介だ。いやはや、どんな相手が黒幕なのか……ぜひともその顔を拝みたいものだね」

 そしてルイスは、ニヤリと口角を持ち上げた。その表情はシニカルそのもので、再び彼が別人なのではないかという疑念を抱かせた。

 顔は俺も知らないけれど、声だけはさっきからちょいちょい聞こえているよ、と言ったら彼はどんな反応をするだろうか。そもそも、それを相談したかったのだけれど、今のルイスが本物なのかわからない以上、口にしない方がいいだろう。

 俺が互いの両腕を擦るようにしていると、それに気づいたルイスが俺の頬に手を添えながら、

「確認しておきたいんだが、ゲームを始めるにあたって、ここに散らばる道具を必ずしも使わなくてはならないというわけではないのだろう?」

「う……うん。それは……あの壁に書いてないよ」

「わかった」

 と、確認を済ませると、触れたその手からパッと光を放った。キラキラと輝くその光は、たちまち俺の全身を包み込むと、不思議な力を与えた。

「ルイス……これって……」

「体力の方を回復させた。身体が軽いだろう?」

 体力は気力とともに確実に削がれていたらしい。俺の身体はルイスの魔法により、ここへ来る前の状態へと戻された。

 俺は声を高らかにしてルイスへ答えた。

「うん。すごく軽い! さっきまで感じていた怠さが全然ないよ! ありが……」

 とう、まで言えなかったのは、自分の身体を、特に下半身を見下ろした時だった。

「う……」

 下半身に何も穿いていないせいで、バイロンによってつけられた無数の赤い痕が目に飛び込んでしまった。幸い、着ているシャツのサイズが大きいことで性器部分は隠れているけれど、脚の付け根の際どい部分はルイスの位置からも見えていることだろう。特にここが赤い痕密集地で、なぜだかすごく恥ずかしくなった。

 両手でシャツの裾を下に引っ張り、ルイスからはなるべく見られないよう自分なりに足掻いてみた。今更だったけれど。

 その様子をどう思ったのか、ルイスは「気になるようなら消すけれど、そうするとな……」と鑑賞スペースを横目にした。

「ルイス?」

「まあ、それは彼らがゲームをクリアする為に頑張った勲章だとでも思えばいい。それよりスグル」

 と、真剣な面持ちでこちらを見下ろすルイスは、俺の両目に銀色のそれをしっかりと合わせてこう言った。

「今回のゲームをクリアする為に、私は今から君のアナルを弄らせてもらうよ」

 ああ、やっぱり……。はじめに俺を傷つけることはしないと宣言したルイスだ。選ぶなら後者だと思っていた。思っていたけれど、尻かぁ……。というか、ルイスさん。その綺麗な顔と口で、アナルなんてはっきり言わないで。ちょっとでも濁して。

 思わず、右手でサッと尻を押さえる俺。すると、ルイスはフッと微笑み、

「だが、きっと君はそこを弄られるのが初めてだろうからね……こうしよう」

 唐突に、彼は自分の親指を口に咥えたかと思うと、ガリッと嫌な音を立てて自分の指を傷つけた。

「な、何してるんだよっ! ルイっ……んんうっ!?」

 驚いた俺はルイスに向かって大きく口を開くと、そこを狙ってルイスが噛んだばかりの自分の指を突っ込んだ。

 たちまち、じわりとした何かが口の中に広がり、俺は反射的にそれを飲み込んだ。これは血だ。けれど、俺の知っている血の匂いと味じゃなかった。

 何だ、これ。花の蜜みたいに甘くて……舌が、ピリピリして……

「ん……ちゅ……ん、く……ごくん……はぁっ……るぃ……んむ……」

「大丈夫。次第に何も、考えられなくなるから。止まるまで飲み続けて」


しおりを挟む
感想 8

あなたにおすすめの小説

彼の巨大な体に覆われ、満たされ、貪られた——一晩中

桜井ベアトリクス
恋愛
妹を救出するため、一ヶ月かけて死の山脈を越え、影の沼地を泳ぎ、マンティコアとポーカー勝負までした私、ローズ。 やっと辿り着いた先で見たのは——フェイ王の膝の上で甘える妹の姿。 「助けなんていらないわよ?」 は? しかも運命の光が私と巨漢戦士マキシマスの間で光って、「お前は俺のものだ」宣言。 「片手だけなら……」そう妥協したのに、ワイン一杯で理性が飛んだ。 彼の心臓の音を聞いた瞬間、私から飛びついて、その夜、彼のベッドで戦士のものになった。

完成した犬は新たな地獄が待つ飼育部屋へと連れ戻される

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

一人の騎士に群がる飢えた(性的)エルフ達

ミクリ21
BL
エルフ達が一人の騎士に群がってえちえちする話。

牛獣人の僕のお乳で育った子達が僕のお乳が忘れられないと迫ってきます!!

ほじにほじほじ
BL
牛獣人のモノアの一族は代々牛乳売りの仕事を生業としてきた。 牛乳には2種類ある、家畜の牛から出る牛乳と牛獣人から出る牛乳だ。 牛獣人の女性は一定の年齢になると自らの意思てお乳を出すことが出来る。 そして、僕たち家族普段は家畜の牛の牛乳を売っているが母と姉達の牛乳は濃厚で喉越しや舌触りが良いお貴族様に高値で売っていた。 ある日僕たち一家を呼んだお貴族様のご子息様がお乳を呑まないと相談を受けたのが全ての始まりー 母や姉達の牛乳を詰めた哺乳瓶を与えてみても、母や姉達のお乳を直接与えてみても飲んでくれない赤子。 そんな時ふと赤子と目が合うと僕を見て何かを訴えてくるー 「え?僕のお乳が飲みたいの?」 「僕はまだ子供でしかも男だからでないよ。」 「え?何言ってるの姉さん達!僕のお乳に牛乳を垂らして飲ませてみろだなんて!そんなの上手くいくわけ…え、飲んでるよ?え?」 そんなこんなで、お乳を呑まない赤子が飲んだ噂は広がり他のお貴族様達にもうちの子がお乳を飲んでくれないの!と言う相談を受けて、他のほとんどの子は母や姉達のお乳で飲んでくれる子だったけど何故か数人には僕のお乳がお気に召したようでー 昔お乳をあたえた子達が僕のお乳が忘れられないと迫ってきます!! 「僕はお乳を貸しただけで牛乳は母さんと姉さん達のなのに!どうしてこうなった!?」 * 総受けで、固定カプを決めるかはまだまだ不明です。 いいね♡やお気に入り登録☆をしてくださいますと励みになります(><) 誤字脱字、言葉使いが変な所がありましたら脳内変換して頂けますと幸いです。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜

上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。 体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。 両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。 せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない? しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……? どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに? 偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも? ……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない?? ――― 病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。 ※別名義で連載していた作品になります。 (名義を統合しこちらに移動することになりました)

魔王に飼われる勇者

たみしげ
BL
BLすけべ小説です。 敵の屋敷に攻め込んだ勇者が逆に捕まって淫紋を刻まれて飼われる話です。

処理中です...