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自称勇者様
精霊使いの令嬢…ですよ?
しおりを挟む私が精霊と契約をした事で屋敷では大騒ぎとなり、驚いたお父様とお母様は勿論、フローライト家の血筋を守ってきていた御祖母様は、涙を流して喜び私を抱き締めてくれました。
まぁ、私としては精霊の腕輪を見つけたら、精霊さんが付いてきた。そんな程度の認識しか持てなくて、成長してからは若干申し訳なく思っていたのですが、三歳児の感覚では『褒められて嬉しい』それ一択。何だか分からないけど、うれしい!その気持ちで一杯でした。
それからの私の生活と言えば、精霊石の効果や使い方をクオン達に聞きながら学んだり、新しい精霊さんを捕獲し契約しつつ、家庭教師をつけて貰って令嬢としてのマナーを学んだりと、忙しい毎日でしたが楽しく月日は流れていったのです。
途中、大好きな兄様達の学園入学で大泣きしたり、学園に着いて行く!と無茶も言って精霊の腕輪や精霊さん達に(無理矢理)協力して貰って、学園にいく兄様達の馬車に乗り込んだりと…。
本当に色々やらかしつつも。
私は十歳になりました。
「お嬢様、セラフィナお嬢様!旦那様がお呼びで御座います」
庭に響く侍女の声に、私はしゃがみ込んでいた場所から立ち上がった。精霊のノームとドリューの得意能力である『土壌改善』と『緑の育成促進』を使い、触らず仕舞いだった裏庭は、私専用の薬草園と姿を変えていたのです。
雑草だらけの庭が何と言う事でしょう、素敵な薬草園へと早変わりです。
「こっちよ、今参ります」
「お湯のお仕度を先に致しましょうか?」
「お父様がお待ちなのでしょう?着替えだけをお願いするわルビィ」
「畏まりました」
頭の高い位置に一つに纏めていた濃い藍色の髪を解き、精霊の腕輪に青色の精霊石をはめこんで水の精霊『ウィンディ』を呼び出した。この子はノームとドリューと一緒に薬草園を作り出した頃に、重い水を運んでいたら助けてくれたんです。
ウィンディは水の精霊さんっぽい青い瞳に青い髪がとても綺麗で、頼りになるお姉さんタイプの精霊さんです。
「ウィンディ、綺麗にしてくれる?」
「任せて『プールスアウクトゥス』!」
ウィンディが呪文を唱えると、シャワーのような雨がキラキラと降り注ぐ。土汚れを素早く落として綺麗にしてくれる呪文なのです。妖精タイプの精霊さんは生活支援の魔法が得意な様で、よくこうやって助けてくれます。
精霊の腕輪を持って知った事ですが、契約をしてくれる精霊さんは、皆支援系の魔法でのみ助けてくれるという事。攻撃系を唯一使えるのは、ドラゴンであるルビィだけなのです。
「ありがとう、ウィンディ」
『嬢ちゃん、今日の分はどないするー?またわいの『無限収納』に入れとくんか?』
「そうですね、十束ずつにして保管しておいて下さい。天気の良い日に幾つか干しましょう」
『了解ー、やけど結構な量になっとるでー?売って領の資金にもできるな』
「そういえば、最近は無限収納の確認をしていませんでしたものね。薬草もですが、ポーションもそれなりに溜まっているはずですし」
自室までの道のりを、クオンと会話しながら無限収納の中を想像して、少し面倒になりました。なんといっても三歳の頃に薬草系の植物の栽培に目覚め、私のステータスに栽培と採取が追加されました。
因みに、この世界では自分のステータスは心の中で【ステータス】と唱えるだけで、自分のみ閲覧可能です。小まめに確認する人は一部の冒険者と呼ばれる方達くらいだろうと言われてますが、私は面白くてよく確認しています。
(【ステータス】オープン)
********************************
【名前】セラフィナ・コーディエ=フローライト
【種族】人族
【年齢】十歳
【職種/レベル】
・辺境侯爵令嬢 Lv10
・精霊使い Lv 35
【スキル】
・精霊魔法 Lv35
・栽培 Lv25
・採取 Lv20
・調合 Lv25
・調薬 Lv25
・刺繍 Lv5
・調理 Lv20
・舞踊 Lv5
・マナー Lv10
【称号】
・精霊の愛し子
・精霊の集い場
・猫集会場
*********************************
辺境侯爵令嬢のレベルが10なのは、私の年齢の積み重ねからきています。精霊魔法のレベルが高いのは、毎日使っているので高いのも納得ですよね。というか、高過ぎます。十歳の少女のレベルじゃないですよ、これ。
(こつこつ採取して、調合してというのが面白すぎて没頭したのが原因でしょうね。ばれる訳ではないので気にしませんが、カンストはどこなんでしょう?しかも、肝心なはずの令嬢としてのレベルの低さに頭痛がします…)
支援系魔法や攻撃・回復魔法などのスキルが無いのは、私には使えないからです。精霊石を使い、精霊魔法としてなら使用可能です。毎日精霊魔法を使っていても問題ないので、魔力はそれなりにあるほうなんだと思います。
十二歳になれば国が経営している、王侯貴族の為の学園に行かなければいけませんが、この調子なら勉強面などで苦労しなくても済みそうです。辺境とはいえ侯爵家という事もあり、しっかりとした家庭教師をつけ勉強するのは貴族として当然の義務なのです。
(しかし、この猫集会場って本当になんなのでしょう?)
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