最恐の精霊姫様は婚活を希望します

梛桜

文字の大きさ
6 / 25
自称勇者様

精霊使いの令嬢…ですよ?

しおりを挟む


 私が精霊と契約をした事で屋敷では大騒ぎとなり、驚いたお父様とお母様は勿論、フローライト家の血筋を守ってきていた御祖母様は、涙を流して喜び私を抱き締めてくれました。
 まぁ、私としては精霊の腕輪を見つけたら、精霊さんが付いてきた。そんな程度の認識しか持てなくて、成長してからは若干申し訳なく思っていたのですが、三歳児の感覚では『褒められて嬉しい』それ一択。何だか分からないけど、うれしい!その気持ちで一杯でした。

 それからの私の生活と言えば、精霊石の効果や使い方をクオン達に聞きながら学んだり、新しい精霊さんを捕獲し契約しつつ、家庭教師をつけて貰って令嬢としてのマナーを学んだりと、忙しい毎日でしたが楽しく月日は流れていったのです。
 途中、大好きな兄様達の学園入学で大泣きしたり、学園に着いて行く!と無茶も言って精霊の腕輪や精霊さん達に(無理矢理)協力して貰って、学園にいく兄様達の馬車に乗り込んだりと…。

 本当に色々やらかしつつも。

 私は十歳になりました。




「お嬢様、セラフィナお嬢様!旦那様がお呼びで御座います」

 庭に響く侍女の声に、私はしゃがみ込んでいた場所から立ち上がった。精霊のノームとドリューの得意能力である『土壌改善』と『緑の育成促進』を使い、触らず仕舞いだった裏庭は、私専用の薬草園と姿を変えていたのです。
 
 雑草だらけの庭が何と言う事でしょう、素敵な薬草園へと早変わりです。

「こっちよ、今参ります」
「お湯のお仕度を先に致しましょうか?」
「お父様がお待ちなのでしょう?着替えだけをお願いするわルビィ」
「畏まりました」

 頭の高い位置に一つに纏めていた濃い藍色の髪を解き、精霊の腕輪に青色の精霊石をはめこんで水の精霊『ウィンディ』を呼び出した。この子はノームとドリューと一緒に薬草園を作り出した頃に、重い水を運んでいたら助けてくれたんです。
 ウィンディは水の精霊さんっぽい青い瞳に青い髪がとても綺麗で、頼りになるお姉さんタイプの精霊さんです。

「ウィンディ、綺麗にしてくれる?」
「任せて『プールスアウクトゥス身体浄化』!」

 ウィンディが呪文を唱えると、シャワーのような雨がキラキラと降り注ぐ。土汚れを素早く落として綺麗にしてくれる呪文なのです。妖精タイプの精霊さんは生活支援の魔法が得意な様で、よくこうやって助けてくれます。
 精霊の腕輪を持って知った事ですが、契約をしてくれる精霊さんは、皆支援系の魔法でのみ助けてくれるという事。攻撃系を唯一使えるのは、ドラゴンであるルビィだけなのです。

「ありがとう、ウィンディ」
『嬢ちゃん、今日の分はどないするー?またわいの『無限収納』に入れとくんか?』
「そうですね、十束ずつにして保管しておいて下さい。天気の良い日に幾つか干しましょう」
『了解ー、やけど結構な量になっとるでー?売って領の資金にもできるな』
「そういえば、最近は無限収納の確認をしていませんでしたものね。薬草もですが、ポーションもそれなりに溜まっているはずですし」

 自室までの道のりを、クオンと会話しながら無限収納の中を想像して、少し面倒になりました。なんといっても三歳の頃に薬草系の植物の栽培に目覚め、私のステータスに栽培と採取が追加されました。
 因みに、この世界では自分のステータスは心の中で【ステータス】と唱えるだけで、自分のみ閲覧可能です。小まめに確認する人は一部の冒険者と呼ばれる方達くらいだろうと言われてますが、私は面白くてよく確認しています。

(【ステータス】オープン)

********************************

【名前】セラフィナ・コーディエ=フローライト

【種族】人族

【年齢】十歳

【職種/レベル】
・辺境侯爵令嬢 Lv10
・精霊使い Lv 35

【スキル】
・精霊魔法 Lv35
・栽培 Lv25
・採取 Lv20
・調合 Lv25
・調薬 Lv25
・刺繍 Lv5
・調理 Lv20
・舞踊 Lv5
・マナー Lv10

【称号】
・精霊の愛し子
・精霊の集い場
・猫集会場

*********************************

 辺境侯爵令嬢のレベルが10なのは、私の年齢の積み重ねからきています。精霊魔法のレベルが高いのは、毎日使っているので高いのも納得ですよね。というか、高過ぎます。十歳の少女のレベルじゃないですよ、これ。

(こつこつ採取して、調合してというのが面白すぎて没頭したのが原因でしょうね。ばれる訳ではないので気にしませんが、カンストはどこなんでしょう?しかも、肝心なはずの令嬢としてのレベルの低さに頭痛がします…)

 支援系魔法や攻撃・回復魔法などのスキルが無いのは、私には使えないからです。精霊石を使い、精霊魔法としてなら使用可能です。毎日精霊魔法を使っていても問題ないので、魔力はそれなりにあるほうなんだと思います。
 十二歳になれば国が経営している、王侯貴族の為の学園に行かなければいけませんが、この調子なら勉強面などで苦労しなくても済みそうです。辺境とはいえ侯爵家という事もあり、しっかりとした家庭教師をつけ勉強するのは貴族として当然の義務なのです。


(しかし、この猫集会場って本当になんなのでしょう?)


しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します

白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。 あなたは【真実の愛】を信じますか? そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。 だって・・・そうでしょ? ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!? それだけではない。 何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!! 私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。 それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。 しかも! ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!! マジかーーーっ!!! 前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!! 思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。 世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。

わたくしがお父様に疎まれている?いいえ、目に入れても痛くない程溺愛されております。

織り子
ファンタジー
王国貴族院の卒業記念パーティーの場で、大公家の令嬢ルクレツィア・アーヴェントは王太子エドワードから突然の婚約破棄を告げられる。 父であるアーヴェント大公に疎まれている―― 噂を知った王太子は、彼女を公衆の面前で侮辱する。

メインをはれない私は、普通に令嬢やってます

かぜかおる
ファンタジー
ヒロインが引き取られてきたことで、自分がラノベの悪役令嬢だったことに気が付いたシルヴェール けど、メインをはれるだけの実力はないや・・・ だから、この世界での普通の令嬢になります! ↑本文と大分テンションの違う説明になってます・・・

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

「本当に僕の子供なのか検査して調べたい」子供と顔が似てないと責められ離婚と多額の慰謝料を請求された。

佐藤 美奈
恋愛
ソフィア伯爵令嬢は、公爵位を継いだ恋人で幼馴染のジャックと結婚して公爵夫人になった。何一つ不自由のない環境で誰もが羨むような生活をして、二人の子供に恵まれて幸福の絶頂期でもあった。 「長男は僕に似てるけど、次男の顔は全く似てないから病院で検査したい」 ある日、ジャックからそう言われてソフィアは、時間が止まったような気持ちで精神的な打撃を受けた。すぐに返す言葉が出てこなかった。この出来事がきっかけで仲睦まじい夫婦にひびが入り崩れ出していく。

【完結】ひとつだけ、ご褒美いただけますか?――没落令嬢、氷の王子にお願いしたら溺愛されました。

猫屋敷むぎ
恋愛
没落伯爵家の娘の私、ノエル・カスティーユにとっては少し眩しすぎる学院の舞踏会で―― 私の願いは一瞬にして踏みにじられました。 母が苦労して買ってくれた唯一の白いドレスは赤ワインに染められ、 婚約者ジルベールは私を見下ろしてこう言ったのです。 「君は、僕に恥をかかせたいのかい?」 まさか――あの優しい彼が? そんなはずはない。そう信じていた私に、現実は冷たく突きつけられました。 子爵令嬢カトリーヌの冷笑と取り巻きの嘲笑。 でも、私には、味方など誰もいませんでした。 ただ一人、“氷の王子”カスパル殿下だけが。 白いハンカチを差し出し――その瞬間、止まっていた時間が静かに動き出したのです。 「……ひとつだけ、ご褒美いただけますか?」 やがて、勇気を振り絞って願った、小さな言葉。 それは、水底に沈んでいた私の人生をすくい上げ、 冷たい王子の心をそっと溶かしていく――最初の奇跡でした。 没落令嬢ノエルと、孤独な氷の王子カスパル。 これは、そんなじれじれなふたりが“本当の幸せを掴むまで”のお話です。 ※全10話+番外編・約2.5万字の短編。一気読みもどうぞ ※わんこが繋ぐ恋物語です ※因果応報ざまぁ。最後は甘く、後味スッキリ

第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。

黒ハット
ファンタジー
 前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。  

追放された聖女は旅をする

織人文
ファンタジー
聖女によって国の豊かさが守られる西方世界。 その中の一国、エーリカの聖女が「役立たず」として追放された。 国を出た聖女は、出身地である東方世界の国イーリスに向けて旅を始める――。

処理中です...