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学園編
其の十五
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「それにしても、貴族科とは言え生徒達の筆頭を担っていた子息達ですので、これ以上の騒動はご容赦願いたいものです」
「…学園長」
「騎士団長と魔術師団長へは、私からご連絡を入れさせて頂きます」
学園長の言葉に、ルイズ殿を慰めていた二人の顔が驚愕したものとなる。ですけど、コレは少し罰が軽いですよね。学園長の采配しだいともいえますが。
「あら、それは軽いわ」
「リーユ」
「だってそうでしょう?お父様。学園長様、私はアイクロメア学園で首席をとる程にしっかりと学ばせて頂きましたわ、実力でこの首席を取るのは簡単ではありません。それを、誰とも知らない男爵令嬢を虐めただの、私に何の得があると?」
「冤罪なのは、十分承知しております」
「私のゼルクとイスラの方が、この方達よりも魔術も剣の腕も上ですわ。学園長」
「宰相ご子息と、同等の罰をお約束させて頂きます」
「嬉しいわ」
にっこりと微笑みを浮かべるリーユお嬢様の瞳が、妖しく煌めいている。私達執事は眼鏡をしたままなので、お嬢様の力は通用しませんが、学園長は何もしていないのです。お嬢様が『魅了の瞳』を自ら使う程に、怒っておられる。話を聞いていた二人は、今更思い知ったでしょう。敵に回してはいけない人を怒らせたのだと。
(学園長に、力をお使いになられてますね)
「リーユ様、第二王子様が残っていますが」
「王太子にくっ付いてきただけだとは思いますが、如何されますか?お嬢様」
「術や剣で向かってきても無駄ですからね!僕の力でバーンと弾いてごらんにいれますよ!」
「ルファ、リーユお嬢様を嗾けない。ゼルクも面白がらない、イスラ言葉遣い」
楽しそうに笑うリーユお嬢様に悪乗りをしだした執事達に注意をいれつつも、そっと吐いた溜息に気がついたのか、リーユお嬢様が私を見て、にこりと微笑みを浮かべました。この無邪気な微笑みをお見掛けするのは何時振りでしょうか。
「アイクロメア国王陛下、私昔はっきりと申しましたわ。エアレズ殿下とは絶対に婚約しないと。私が共にありたいと思ったのは、セレスティン様だけです。茶番は結構ですわよ」
「ボールド男爵令嬢との婚約を認め、エアレズは一臣下へと降とす。エアレズは今より王太子でも王子でもない。レリーユエル公爵令嬢、息子の数々の無礼本当に申し訳ない…、マリアーナにも告げられていたものを」
「父上、何をその女の言を聞いておられるのですか!」
リーユお嬢様の言葉に、学園長だけでなく国王陛下でさえも頷き従っていく。その姿にボールド男爵令嬢は握り締めていた手を更にキツク握り締めていた。儚げな眼差しはもう見る影もなく、今にも髪を振り乱して暴れだしそうです。
「わ、私がヒロインなのよ!?何で悪役令嬢のあんたが私の攻略者を手に入れているのよ!」
「何のことだか私にはさっぱりですわ」
「悪役は、悪役らしくしてればいいのよ!此処で断罪されて、追放なり打ち首になりなってしまえばいいのに!」
「ボールド男爵令嬢…でしたかしら?」
パラリと音を立てて、リーユお嬢様ご愛用の扇が広がっていきます。レースや羽の変わりに花が飾られたその扇は、奥様が残されたご愛用品です。それで口元を隠されたお嬢様は、まさに公爵令嬢として申し分ない気品を溢れさせておりましょう。
「…学園長」
「騎士団長と魔術師団長へは、私からご連絡を入れさせて頂きます」
学園長の言葉に、ルイズ殿を慰めていた二人の顔が驚愕したものとなる。ですけど、コレは少し罰が軽いですよね。学園長の采配しだいともいえますが。
「あら、それは軽いわ」
「リーユ」
「だってそうでしょう?お父様。学園長様、私はアイクロメア学園で首席をとる程にしっかりと学ばせて頂きましたわ、実力でこの首席を取るのは簡単ではありません。それを、誰とも知らない男爵令嬢を虐めただの、私に何の得があると?」
「冤罪なのは、十分承知しております」
「私のゼルクとイスラの方が、この方達よりも魔術も剣の腕も上ですわ。学園長」
「宰相ご子息と、同等の罰をお約束させて頂きます」
「嬉しいわ」
にっこりと微笑みを浮かべるリーユお嬢様の瞳が、妖しく煌めいている。私達執事は眼鏡をしたままなので、お嬢様の力は通用しませんが、学園長は何もしていないのです。お嬢様が『魅了の瞳』を自ら使う程に、怒っておられる。話を聞いていた二人は、今更思い知ったでしょう。敵に回してはいけない人を怒らせたのだと。
(学園長に、力をお使いになられてますね)
「リーユ様、第二王子様が残っていますが」
「王太子にくっ付いてきただけだとは思いますが、如何されますか?お嬢様」
「術や剣で向かってきても無駄ですからね!僕の力でバーンと弾いてごらんにいれますよ!」
「ルファ、リーユお嬢様を嗾けない。ゼルクも面白がらない、イスラ言葉遣い」
楽しそうに笑うリーユお嬢様に悪乗りをしだした執事達に注意をいれつつも、そっと吐いた溜息に気がついたのか、リーユお嬢様が私を見て、にこりと微笑みを浮かべました。この無邪気な微笑みをお見掛けするのは何時振りでしょうか。
「アイクロメア国王陛下、私昔はっきりと申しましたわ。エアレズ殿下とは絶対に婚約しないと。私が共にありたいと思ったのは、セレスティン様だけです。茶番は結構ですわよ」
「ボールド男爵令嬢との婚約を認め、エアレズは一臣下へと降とす。エアレズは今より王太子でも王子でもない。レリーユエル公爵令嬢、息子の数々の無礼本当に申し訳ない…、マリアーナにも告げられていたものを」
「父上、何をその女の言を聞いておられるのですか!」
リーユお嬢様の言葉に、学園長だけでなく国王陛下でさえも頷き従っていく。その姿にボールド男爵令嬢は握り締めていた手を更にキツク握り締めていた。儚げな眼差しはもう見る影もなく、今にも髪を振り乱して暴れだしそうです。
「わ、私がヒロインなのよ!?何で悪役令嬢のあんたが私の攻略者を手に入れているのよ!」
「何のことだか私にはさっぱりですわ」
「悪役は、悪役らしくしてればいいのよ!此処で断罪されて、追放なり打ち首になりなってしまえばいいのに!」
「ボールド男爵令嬢…でしたかしら?」
パラリと音を立てて、リーユお嬢様ご愛用の扇が広がっていきます。レースや羽の変わりに花が飾られたその扇は、奥様が残されたご愛用品です。それで口元を隠されたお嬢様は、まさに公爵令嬢として申し分ない気品を溢れさせておりましょう。
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