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上位試験開始
親睦を深めてみましょう。
「ルミエール様…ですか?」
「ええ、クラスター王国の現国王陛下の王弟様で、今は神殿に仕える光魔法を持つ王族ですわ。今まではリモナイト殿下の光属性持ちが知られていませんでしたから、唯一の王族でしたけど」
「…確か、授業で学びました。そもそも下位貴族では王族の方々に出会うなどそうそうありませんから」
夕食もお風呂も済ませ、今はルチルレイに用意された客室でお話をしています。夕食の時のドレスは私に贈られたドレスでルチルレイに似合いそうなものを手直しさせた物だと言ったのに、恐れ多い!と叫ばれてしまいました。無駄にクローゼットに仕舞っておくよりいいと思いません?着ないの勿体無いし。
今ルチルレイとギベオン狼型は、ベッドに座っています。私はハウライトとオブシディアンの三人で部屋にあったソファーに座っています。
「明日からの試験に、何か影響が無いといいのだけど」
「…あの、アメーリア様」
「なぁに?アリアと呼んでいいのよ?」
「いえ、その…、どうして…」
親しくなりたくて、皆が呼んでくれる愛称を言ってみたけどスルーされました。残念。さっきから上の空で何かを考えてるなーとは思ってましたけども。
「どうして『魔』から貴女を助けたのかという質問でしたら、『魔』が此方に襲い掛かってきたから。としか言いようがありませんわよ?リモナイト殿下も御一緒でしたので」
「…そ、そうです、か」
(あれ?思ったより落ち込んでるかなー?)
『ルチルレイを助ける為、とは言わないのだな』
脳内に直接ギベオンが話しかけてきましたが、そう言ったら気にするかなー?って思ったんですけどね?これ言ったほうが良かったのかな?これが攻略対象のイケメン達なら絵になったでしょうけど、私が言っていいものか。
あ、でも。アイクお兄様が微笑みを浮かべて『貴女を助けたくて、動いていました』って言ったら似合うな!それなら是非見たい。
「ルチルレイ」
「え?どうしたの、ギベオンいきなり人の姿に…」
「お前を助ける為に、我がリモナイトとアリアに頼んだと言えば、喜んで貰えるのだろうか?」
「え?ええ!?」
「こらー!!」
スパコーン!と軽快な音を立てて打ち鳴らされる『必殺のハリセン』
これ、音だけですから痛くないですよ。何するって顔しなくてもいいじゃない。というか、折角ルチルレイの執着から離したんだから、再び執着するような言動すんなし!何ルチルレイの手を握り締めて、優しい微笑みを浮かべてんですか!それ脳内想像したアイクお兄様に似合う動作じゃない!
「アリア…想像したのはお前だ」
「謝りませんからね、実行しろとは言ってない。ったく、ルミエール様の事だけでも悩んでるってのに…」
(ルミエール様は魔力を持たないといわれる、カルシリカ家から出た光属性の王族。まぁ王家の血が濃かったのだと思いますけど、カルシリカ家が宰相まで上り詰めた要因ですものね)
でも、そうか。ルミエール様が出るって事は王族ルートが出現するという事で。
「面倒な、冤罪事案に立ち向かわないといけないのか…」
「冤罪事案?何ですかアリア」
「沢山の令嬢達から、事実無根の無理難題をふっかけられますのよ」
「なにそれ…」
思わず遠い目をしている私に、ハウライトもオブシディアンも心配そうな顔をしていますが。どうか私に向かってやってくる令嬢達が、お馬鹿な子達であって欲しい。それならどうにかなる。
私にならいざとなればお父様の権力を使うけども!(お父様ごめんなさい)ルチルレイに向かわれると困ります。なんといっても今のルチルレイのチームメイトはラズーラ殿下とリモナイト殿下なのですから。
(ギベオン、ルチルレイの警護しっかり宜しく)
『言われずともやる』
「さぁ、明日も試験ですからね。もう休みましょうか」
「あの、アメーリア様…」
「頑張りましょうね、此処にアトランティ家に世話になっているのですから、手を抜いては許しませんわよ。ギベオンともしっかり頑張ってね」
「は、はい!」
にっこりと笑みを見せ、私は自分の部屋へと戻ることにした。面倒な令嬢達とのバトルは、どちらかと言えば試験の時の一件もあるので、私に来れば問題は無い。ルチルレイにいくと身分の都合で面倒なのだ。
(ルチルレイとの交友は、試験が終わったらゆっくりと深めましょう!)
「明日も頑張りましょうね、ハウライト、オブシディアン」
「勿論です!」
「明日、僕も?」
「ええ、明日はオブシディアンにも、しっかりと役目がありますのよ」
今までは人型になれるハウライトと一緒に光魔法をメインにして試験をこなしていましたが、私は光魔法も闇魔法も使うことが出来るのです。右と左の掌に水魔法と風魔法を微かに浮かび上がらせ、笑みを浮かべる。
侍女のセシルが整えてくれている寝室に入って、今日は人型の二人と一緒に眠りましょう。
(ギベオン対策にもなりますからね、流石に試験の前の日に魔力は抜かせるわけにはいきませんわ!敵に塩は送りませんからね!)
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