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潜む闇
完全に…。
皆様、聞きましたでしょうか!?
(え!?ちょ、この可愛い生き物何!?)
ルチルレイにいきなり抱きつかれたと思ったら、『大好きです』と告白されてしまいました!!
というか、アトランティ家の兄弟は『可愛い』とか『大好き』とかはよく言い合ってますが、アズラやリィ様にも『好き』とかは言って頂きますが!ですが、可愛い女の子から言われるの、初めてですよ!?
しかもピュアなの!純粋なやつですよ、奥さん!(誰に言ってんだ、落ち着け)
『アリア』
『屋敷に到着しましたよ、戻ってきてください』
ああ、私の可愛い可愛い守護聖獣達には、この混乱っぷりが筒抜けでした。
中々戻ってこないルチルレイが心配になり、魔法特進科の教室まで追い駆けると、途中の貴族科で見つけた取囲み。ルチルレイの一大事!?と思って、現代で読み漁っていた、悪役令嬢物や転生者の小説を参考にやってみたのが、あの演技です。
まぁ、侯爵令嬢ですからね。上から目線もお母様やお父様を参考にしつつ、アイクお兄様の氷の視線を使いました。権力と参考が沢山って最高!こんな時だけ有難う侯爵家!
「ルチルレイ様、大丈夫ですか?部屋に戻ったら目を冷やしましょうね」
「はい…、ありがとうございます…っ」
泣き止んだばかりで、まだ鼻をぐずぐず言わせているのに美少女は絵になるなぁ。こんだけ可愛いならブラコンって知ってるけど、ラズーラ殿下だってコロッといくだろ。ジャスパー様とマウシット様辺りは正義感とか守ってあげたい欲でもでるかも。
『アリアって考えてる事と、顔が一致しませんよね』
『すごい』
「これでも侯爵令嬢ですもの。あと、それは褒めているのかしら?」
『勿論』
『絶賛しています、私も出来るようになりたいです。特に闇の狼の前では』
(おおう、オブシディアンは天然さんかなー?って思ってたけどそうでもなくて、ハウライトは意外と熱血だった)
部屋のお気に入りのソファーにルチルレイを横に寝かせ、侍女に頼んで目を冷やしつつ、私達は温かい紅茶を頂きます。表面だけでもしっかりとやってないと、お母様とか侍女長からの指摘が怖いんだよ。
侯爵令嬢ってこういう時に面倒だよね?権力はやっぱり程ほどが一番ですよね。
「それで、肝心な神殿の内部は如何でしたの?」
ルチルレイの心配をするどころか、侍女がセットしてくれた手作りのお菓子に目をキラッキラさせたギベオン(狼型)が、今にも涎を絨毯の上に垂らしてしまいそうです。ここは何処まで『待て』が出来るか試してみるべきかしら?
そんな事を考えていたら、侍女の視線が無くなった瞬間にパクッと食べてました。おい。
「闇属性には悪意しかないな、神殿内も魔の気配が濃い」
「それ、一番あかんやつ!」
「お嬢様」
「う…っ、コホンッ…。光属性を持つ神官が、全て魔に憑かれているという事でしょうか?」
「いや、力のある奴には『魔』も近づけないようだ。一番憑かれている可能性が高いのは、ルミエールという奴だ」
(王弟様アウトー!?)
ギベオンはお菓子にばかり興味を惹かれていますので、ぽつぽつと話をしながらですが、完全アウトですよねー。公式設定に王弟様の闇堕ちは無かったはずですが?ルチルレイルートでの綺麗なお人形さんはどういうことだ?
まぁ、アメーリアルートでは只の飾りのような扱いでしたけどね。あの黒いの見る目つきだけは本当やめろって思ったけど。
「…私」
「あら、もう大丈夫ですの?目はそのまま冷やしておくといいわ。起き上がらなくても大丈夫よ」
「う…、すみません…アメーリア様」
私達の会話に何かを思ったのか、ルチルレイが身体を起こそうとしたのを止めます。目をまだ冷やしてますからね、泣き腫らしているその顔でも可愛いですけど、流石にアイクお兄様を部屋に呼ぶのはルチルレイが可哀想ですし。
「私、幼い頃に王宮で迷子になった事があるんです」
「迷子?」
もしかしてルチルレイが王宮でギベオンと契約する時かしら?アレは一応過去の記憶としてゲームでも少し触れていましたが、アメーリアには勿論ありません。最初のOPになりそうなやつですよ、キラキラの世界に花が沢山で、そんな中で手を差し伸べられるのです。懐かしいなぁ。
「直ぐにいなくなってしまいましたけど、あの法衣を見たことがあります」
「王弟殿下の法衣を?」
「はい。でも、あの時は綺麗な真っ白の法衣だったんです。だから、神殿でも暮らしは厳しいのかなって…、思ったんですけど」
神殿の暮らしは王弟殿下が神殿に入った事で、一定額の予算は組まれているとお父様から確認しました。無駄に豪遊さえしなければ、一年普通に暮らすには十分です。法衣だって真っ白に洗い上げるのは苦になりません。
(手洗いなのに、あの白さ。うん、尊敬しますよね。洗濯機誰か発明しないかな…?水魔法と風魔法を使えばいけるか?)
脳内主婦発想で横道にそれているのを、ハウライトの視線で元に戻します。ごめんなさいって!
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