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第三章 紅茶とアップルパイは紅く染まらない
第三十七話 これは神聖な儀式だ①
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◇◇◇ 帝国歴 二百九十三年 秋
王宮地下のゲート前
わたしとファーリンのペアは旅装束に身を包み王宮地下のゲート前に居た。訓練は順調に進み本日からの他国遠征を残すのみとなった。
まだ日が登り始めたところ。うふふ、興奮して全然眠くないわ!
「ねぇ、ファーリン! これって卒業旅行みたいなものよね。ワクワクするー!」
「リアの言ってること……全然分かんない。卒業もしないし旅行でも無いわ」
「雰囲気よ、ふんいき! 空気感が卒業旅行みたいってことよ」
あれ? 納得してなさそう。まぁ良いか。
それにしても楽しみ。遠征に行く日の朝はやっぱり興奮するわね。
装備を馬に括り付けながら駄弁っているとラリー副隊長が姿を見せる。あれっ? 珍しくニコニコしている。
「問題児二人が当分居なくなると思うと寂しいもんだな」
「絶対に逆のこと考えてますよね?」
「問題児って言っちゃってますし……」
しかしラリー副隊長のお見送りとは珍しい……。
と、装備を準備しながらチラチラ横目で見ていると、急に真面目な顔をして語り始めた。
「ファーリン、リア、ここ最近の感染は少しおかしなことが多い」
「おかしなこと……ですか?」
「そうだ。まるで裏で操ろうとしている奴等でもいるみたいなことだ」
「操るって……感染をですか?」
二人の動きが止まり、ラリーを見詰める。
「そうだ。影から情報が共有された。尋常なら絶対されん。しかも……わざわざこのタイミングの共有だ。オマエらへの忠告と受け取って良いだろう」
影か……。私の中ではスパイ組織のイメージ。殺し屋と戦ったり、変装したり。スーツ着たおじさんがグラマーな美女とイチャイチャするのよね。
「特にフランム王国は最近病の発症が恣意的と報告があった。第一隊はアイスバーグとフランムの国境地帯で既に調査を開始している」
「えっ、カタリナ隊長も行ってるんですか? ファーリンは知ってた?」
「何処かに調査に行ったとは聞いてたけど……(バッタリ会ったらバッド過ぎ。やだなぁ……)」
「ファーリン、何か言ったか? 隊長に伝えとこうか?」
ニヤニヤするラリーと焦るファーリンを眺めながら別のことを考えていた。
シャルロット先輩かサーガ先輩に会えるかな。カタリナ隊長にも会いたいな。楽しくなってきた。よしっ、初任務がんばろう!
「ファーリン、行こう! 会うんだったら、活躍してるところを皆に見てもらいたい」
ファーリンとラリーがじっとこっちを見ている?
「なにっ?」
「いや、リアはいつも積極的ね……」
「ファーリンは元より、流石に私だって任務中はカタリナには会いたくはないぞ」
「楽しいじゃないですか! 旅先での懐かしい顔、考えただけでワクワクです。出発よ!」
◇◇
ゲートを潜り、二人はフランム王国の首都マルハウスに着く。
「名前のイメージで暑い国だと思ったら……快適な気候ですね」
「ホントにサイコー。相変わらず湿度も少なめで日差しも柔らかいわ。グッドな国ね」
ここは学年主席らしく観光ガイドブックで確認。
「えーっと、数百年昔の世界は精霊の力に偏りが大きく、フランム王国は炎の国、アイスバーグ共和国は氷の国、と名前通りの気候だった。しかし、砂漠とオアシスの国は既に御伽話の世界。魔剣戦争の終結は、貧しい砂と石の国を有数の穀倉地帯を持つ豊かな国家へと変貌させていた、ですって」
「へー、そうなんだ……」
こいつ、聞いてないな。まぁ良いか!
「ファーリン、さぁ、ハインラインに向いましょう」
今回の目的地は地方都市のハインライン。
さーて、一気に駆け出してすぐ到着よー!
「リア、落ち着いて。駈歩や速歩で一気に行ける距離では無いわ。ハイライン迄は三十キロくらい。並足で休まず進んで昼過ぎってところよ」
えっ? そうなの?
えーっと、三十キロね。時速五キロとして六時間……か。確かにのんびり行くしかない距離ね。
という訳で、遠征最初の旅路は馬を並走させて駄弁りながらのスタートとなった。
「で、ラルスとはどうなの?」
「えっ?」
馬上の人となって五分ほど。ファーリンは既に鼻息が荒い。
「どうどう……落ち着いてよー」
「馬かっ! で、ラルスとはどうなのよ? どうやって捕まえたの? さぁ、折角の二人っきり。詳しく聞かせなさーい」
スゴイ熱意よ。
「最近は……というより卒業してからは二人とも忙しくて会えてないですよー」
「えっ! 一度も?」
「うん……一度も……」
そう、一度も会えていない。手紙のやり取りはずっと続いているが、もうすぐ会えないままに一年が経とうとしている。遠恋だなーって思ってたけど、どうなんだろうなぁ。やっぱり、もう別の人と付き合い始めちゃったのかなー……。
あー、悲しくなってきた。このままだと涙出てきちゃうなぁ……と悲劇のヒロインに浸っていると、ファーリンが急に熱弁し始めた。
「ダメでしょ! こんな仕事してる場合じゃないでしょ! リア、あなた、分かってるの? 今のポジション!」
えーっ? なんか怒ってる?
「んー、ポジション? 新米騎士で……」
「違う! 世界一の玉の輿候補よっ!」
「候補……」
「リア、貴族院では卒業までにアッチの方はどうなの?」
「あっち……」
「夜伽よ!」
「えーっ、まだ早いって……」
「あまーい! 他の人に奪われてからじゃあ遅いのよ! 早く帝国に行って既成事実でも作らなきゃ!」
食い気味で反論を許さないって感じ。いつもの『陽キャゆるふわお姉さん』とは雰囲気が違うわ。ふふ、『しっかりお姉さん』ね。そういうファーリンもスキよ。
「でも……わたし、まだ成人前だし……」
「ダメよ! 白い結婚とか言ってたら奪われちゃうわよ。リア、今の世の中、草食系の男の子が増えてるのよ! もっと積極的に……」
「(草食系ってこっちにもある言葉なんだ……)もー、ファーリンはどうなのよっ!」
恥ずかしくなってきた。反論しちゃう……って、あれ? 大人しくなっちゃった。
「……私ね、家から玉の輿に乗ってこいって言われてるんだよねー。家のお財布事情がね……」
「そ、そうなんだ……」
「でも、出会いもなくって……焦ってるんだよねー」
「あら……」
「もっとキラキラしてるイメージだったもの。親善大使として各国に出向いてパーティー三昧だと思ってたのに……」
「あらあら……」
「現実はどうよっ! 過酷な任務、会うのは王子様じゃなくて地味な地方配属の騎士ばかり。これでどうやって玉の輿に乗れっていうのよ!」
「……」
「会話の中に『異国の言葉を入れると可愛い』って雑誌にあったからやってるけど、アレもホントにカワイイのか分かんなくなってきたし」
あ、あれって可愛いと思ってやってたんだー。だとしたら逆効果だと思うけどなぁ。
しかし、ファーリンって「ゆるふわカワイイ系の陽キャ」でキャピキャピしてるだけに見えるけど……違うのよね。
カタリナ隊長に二人呼ばれて最初に言われた言葉。
『若手のホープを教育係につける意味、将来の筆頭騎士の教育係に抜擢する意味。二人とも良く考えろよ』
ですって! その日は二人とも興奮しちゃって寝付けなかったわ。
「だから今のポジション大事にしなさい。モタモタしてたら奪っちゃうわよ!」
わたしのこと……心配してるんだろうな。優しいところもスキよ。
「……ありがとう。頼りにしてるわファーリン。大好きよ」
「えっ? 急に告白しないでよ! まぁ、私に惚れるのはしょうがないか。ふふふ、じゃあ道すがら互いに作戦を考えましょう!」
あれやこれやと他愛もない話から世界の秘密まで色々話しながら旅を続けた。
そうそう、しっかりと異国語はヤバいってアドバイスしておいたわ!
王宮地下のゲート前
わたしとファーリンのペアは旅装束に身を包み王宮地下のゲート前に居た。訓練は順調に進み本日からの他国遠征を残すのみとなった。
まだ日が登り始めたところ。うふふ、興奮して全然眠くないわ!
「ねぇ、ファーリン! これって卒業旅行みたいなものよね。ワクワクするー!」
「リアの言ってること……全然分かんない。卒業もしないし旅行でも無いわ」
「雰囲気よ、ふんいき! 空気感が卒業旅行みたいってことよ」
あれ? 納得してなさそう。まぁ良いか。
それにしても楽しみ。遠征に行く日の朝はやっぱり興奮するわね。
装備を馬に括り付けながら駄弁っているとラリー副隊長が姿を見せる。あれっ? 珍しくニコニコしている。
「問題児二人が当分居なくなると思うと寂しいもんだな」
「絶対に逆のこと考えてますよね?」
「問題児って言っちゃってますし……」
しかしラリー副隊長のお見送りとは珍しい……。
と、装備を準備しながらチラチラ横目で見ていると、急に真面目な顔をして語り始めた。
「ファーリン、リア、ここ最近の感染は少しおかしなことが多い」
「おかしなこと……ですか?」
「そうだ。まるで裏で操ろうとしている奴等でもいるみたいなことだ」
「操るって……感染をですか?」
二人の動きが止まり、ラリーを見詰める。
「そうだ。影から情報が共有された。尋常なら絶対されん。しかも……わざわざこのタイミングの共有だ。オマエらへの忠告と受け取って良いだろう」
影か……。私の中ではスパイ組織のイメージ。殺し屋と戦ったり、変装したり。スーツ着たおじさんがグラマーな美女とイチャイチャするのよね。
「特にフランム王国は最近病の発症が恣意的と報告があった。第一隊はアイスバーグとフランムの国境地帯で既に調査を開始している」
「えっ、カタリナ隊長も行ってるんですか? ファーリンは知ってた?」
「何処かに調査に行ったとは聞いてたけど……(バッタリ会ったらバッド過ぎ。やだなぁ……)」
「ファーリン、何か言ったか? 隊長に伝えとこうか?」
ニヤニヤするラリーと焦るファーリンを眺めながら別のことを考えていた。
シャルロット先輩かサーガ先輩に会えるかな。カタリナ隊長にも会いたいな。楽しくなってきた。よしっ、初任務がんばろう!
「ファーリン、行こう! 会うんだったら、活躍してるところを皆に見てもらいたい」
ファーリンとラリーがじっとこっちを見ている?
「なにっ?」
「いや、リアはいつも積極的ね……」
「ファーリンは元より、流石に私だって任務中はカタリナには会いたくはないぞ」
「楽しいじゃないですか! 旅先での懐かしい顔、考えただけでワクワクです。出発よ!」
◇◇
ゲートを潜り、二人はフランム王国の首都マルハウスに着く。
「名前のイメージで暑い国だと思ったら……快適な気候ですね」
「ホントにサイコー。相変わらず湿度も少なめで日差しも柔らかいわ。グッドな国ね」
ここは学年主席らしく観光ガイドブックで確認。
「えーっと、数百年昔の世界は精霊の力に偏りが大きく、フランム王国は炎の国、アイスバーグ共和国は氷の国、と名前通りの気候だった。しかし、砂漠とオアシスの国は既に御伽話の世界。魔剣戦争の終結は、貧しい砂と石の国を有数の穀倉地帯を持つ豊かな国家へと変貌させていた、ですって」
「へー、そうなんだ……」
こいつ、聞いてないな。まぁ良いか!
「ファーリン、さぁ、ハインラインに向いましょう」
今回の目的地は地方都市のハインライン。
さーて、一気に駆け出してすぐ到着よー!
「リア、落ち着いて。駈歩や速歩で一気に行ける距離では無いわ。ハイライン迄は三十キロくらい。並足で休まず進んで昼過ぎってところよ」
えっ? そうなの?
えーっと、三十キロね。時速五キロとして六時間……か。確かにのんびり行くしかない距離ね。
という訳で、遠征最初の旅路は馬を並走させて駄弁りながらのスタートとなった。
「で、ラルスとはどうなの?」
「えっ?」
馬上の人となって五分ほど。ファーリンは既に鼻息が荒い。
「どうどう……落ち着いてよー」
「馬かっ! で、ラルスとはどうなのよ? どうやって捕まえたの? さぁ、折角の二人っきり。詳しく聞かせなさーい」
スゴイ熱意よ。
「最近は……というより卒業してからは二人とも忙しくて会えてないですよー」
「えっ! 一度も?」
「うん……一度も……」
そう、一度も会えていない。手紙のやり取りはずっと続いているが、もうすぐ会えないままに一年が経とうとしている。遠恋だなーって思ってたけど、どうなんだろうなぁ。やっぱり、もう別の人と付き合い始めちゃったのかなー……。
あー、悲しくなってきた。このままだと涙出てきちゃうなぁ……と悲劇のヒロインに浸っていると、ファーリンが急に熱弁し始めた。
「ダメでしょ! こんな仕事してる場合じゃないでしょ! リア、あなた、分かってるの? 今のポジション!」
えーっ? なんか怒ってる?
「んー、ポジション? 新米騎士で……」
「違う! 世界一の玉の輿候補よっ!」
「候補……」
「リア、貴族院では卒業までにアッチの方はどうなの?」
「あっち……」
「夜伽よ!」
「えーっ、まだ早いって……」
「あまーい! 他の人に奪われてからじゃあ遅いのよ! 早く帝国に行って既成事実でも作らなきゃ!」
食い気味で反論を許さないって感じ。いつもの『陽キャゆるふわお姉さん』とは雰囲気が違うわ。ふふ、『しっかりお姉さん』ね。そういうファーリンもスキよ。
「でも……わたし、まだ成人前だし……」
「ダメよ! 白い結婚とか言ってたら奪われちゃうわよ。リア、今の世の中、草食系の男の子が増えてるのよ! もっと積極的に……」
「(草食系ってこっちにもある言葉なんだ……)もー、ファーリンはどうなのよっ!」
恥ずかしくなってきた。反論しちゃう……って、あれ? 大人しくなっちゃった。
「……私ね、家から玉の輿に乗ってこいって言われてるんだよねー。家のお財布事情がね……」
「そ、そうなんだ……」
「でも、出会いもなくって……焦ってるんだよねー」
「あら……」
「もっとキラキラしてるイメージだったもの。親善大使として各国に出向いてパーティー三昧だと思ってたのに……」
「あらあら……」
「現実はどうよっ! 過酷な任務、会うのは王子様じゃなくて地味な地方配属の騎士ばかり。これでどうやって玉の輿に乗れっていうのよ!」
「……」
「会話の中に『異国の言葉を入れると可愛い』って雑誌にあったからやってるけど、アレもホントにカワイイのか分かんなくなってきたし」
あ、あれって可愛いと思ってやってたんだー。だとしたら逆効果だと思うけどなぁ。
しかし、ファーリンって「ゆるふわカワイイ系の陽キャ」でキャピキャピしてるだけに見えるけど……違うのよね。
カタリナ隊長に二人呼ばれて最初に言われた言葉。
『若手のホープを教育係につける意味、将来の筆頭騎士の教育係に抜擢する意味。二人とも良く考えろよ』
ですって! その日は二人とも興奮しちゃって寝付けなかったわ。
「だから今のポジション大事にしなさい。モタモタしてたら奪っちゃうわよ!」
わたしのこと……心配してるんだろうな。優しいところもスキよ。
「……ありがとう。頼りにしてるわファーリン。大好きよ」
「えっ? 急に告白しないでよ! まぁ、私に惚れるのはしょうがないか。ふふふ、じゃあ道すがら互いに作戦を考えましょう!」
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