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第8話
しおりを挟む剣や勉強を学んだ。
ただそれだけで、こんなにヒオリを大切にするだろうか?
こんなに、傷つけられる事を案じるものなのだろうか?
ぼんやりとそんな考え事をしていて気づかなかった。
黒曜帝の左腕が、ヒオリの膝に回された事に。
「ひっ!」
「さて、一緒に気持ちよくしてもらおうか」
「あっ、あ……!」
膝を持っていた手に、脚をひとまとめにされる。
そうして閉じた腿の間にいつもの如くソレが顔を出した。
黒曜帝の一物だ。
指が尻穴をほじくり回しながら、前に回された手が膝を固定する。
腿を行き来する熱い塊に、思わず前のめりで倒れそうになった。
「動きづらいな」
「っ!」
いつもの体勢なら、尻の中に指を挿入れられたままこの行為を続ける。
しかし、今日は黒曜帝の脚の間に乗せられていた。
バランスが取りづらいため、指が尻から抜かれてしまったのだ。
その代わり、と言わんばかりに右手が胸に伸ばされる。
「あ……へ、陛下……」
「こちらも躾け直してやろう。久方ぶりで拗ねてはいないか? ん?」
「あ、はうっ……」
胸の飾り……乳首は、尻より前に開発済み。
強く摘まれるのも好きだが、舐められたりしゃぶられるのがとても好きだ。
特に、吸い上げられた瞬間は股の間が一気に重くなる。
大きな胸板に背中を預けるように抱き締められ、座らせられたその狭間で黒曜帝の一物が絶え間なく擦りつけられていた。
縁を描くように指の腹が動き、時折突起を摘まれる。
腰が跳ねると、黒曜帝の腰が追うように強く、叩きつけてきた。
「ひっ、う、い……いやぁ……っ、い、いけませ……や、あ……! イ、イッ……て、しま……ぁぁ!」
「ふむ、胸の感度も相変わらずのようで安心した。さて、それでは……っ」
「ん、いっ、いや、あ……そ、それは……ぁっ! ひぃ、ん……あ、っく……へ、へぇ、かぁ……!」
摘んだまま引っ張られたり、こりこりと強めに転がされたり。
しかも下の動きはそのまま激しくなっていく。
跳ね上がる腰。
太腿は黒曜帝の先走りでドロドロに濡れていく。
むせ返るような雄の匂いと、風呂場の湯気、石鹸の香り。
目の前の点滅がまた激しくなった。
(あ、空……星……そ、と……庭……)
薄い布が風で煽られ、夜風で肌がピリリとした。
ほんの少し冷たいその風のせいで、自分が今、ほとんど外にいるのと変わらない事を思い出す。
壁一枚隔てた向こう側は、他の人質が住んでいる。
「アッ……!」
声を、抑えなければ。
聞こえてしまう。
こんなはしたない声。
他の人質に聞かれたら、どう思われるだろう。
同性の人質にはきっと眉をしかめられる。
初潮前の人質の娘には……?
脳が痺れる。
背筋からゾクゾクと迫り上がる快感。
もう、保たない。
「イ、イク、い、っ……イッ……! イッて、しま、イク……! 陛下ぁ! ダメですぅっ!」
「存分に」
「ひっ!」
腿と同じようにヒオリの性器も擦り上げられた瞬間、ほとんど水のような精液が飛び散った。
それに被さるように腿の隙間から黒曜帝の精液もヒオリの腿をびしゃ、と汚す。
舌舐めずりをした黒曜帝が、ヒオリを湯の中に下ろして肩に湯をかけてくれる。
温かい。
ほう、と荒い息を落ち着けるような息を吐いた。
「まだ終わりではないぞ」
「……え、あ……あ、そ、そんな……」
湯に浸かる黒曜帝に、また後ろから抱き込まれる。
しかし今度は宣言通り久方ぶりに“躾け直す”つもりのようだ。
左右から大きな手がヒオリの胸を柔らかく揉み始める。
脇の下から、助骨に添うように優しく、しかししっかりと。
これをされると、むず痒さと肌がビリビリしてくる。
血行がよくなって感度が増すためだ。
しかも温かな湯の中では、その効果も増す。
幾度も繰り返しマッサージされると、腹の奥がまたゾクゾクとしてくる。
しかも肝心な場所はどこも触れてもらえないのだから、どんどん身は焦れていく。
「い……いやで、すぅ、陛下……」
「下は触れるな。貴殿が触れていいのはここだけだ」
「っう」
黒曜帝の指す場所は胸の突起だ。
しかも指すだけで触れはしない。
なんという意地の悪さか。
観念して、自分で乳首をこりこりと揉み始める。
ズン、と下半身に重みを感じ始めた。
乳首を摘む度、押し潰す度に頭の奥が痺れ、胸が切なくなっていく。
もじもじと腿を擦り合わせるが、触れてなどもらえない。
腰を捻り、なんとか他の場所にも刺激を得られないか試してみる。
湯がぱしゃ、と跳ねるだけだ。
ああ、なんて残酷なのだろう。
「なんともよい顔だな。自分が今、どんな顔になっているか分かるか?」
「い、い、え……ぇ……」
「ふふふ……今度鏡に写して見せてやろう。ああ、それと……張り型を贈ると言っただろう? それをその尻穴に挿入れてみながら、ここをそうして弄んでみるといい。貴殿ならばすぐに女子のようによがり狂える事だろう」
「っ……あ……あっ」
「俺も楽しみにしておく。貴殿のこのいやらしい尻穴が、俺を呑み込んでも傷つかないほど拡がったならば……。ああ、さぞや……搾り取るようにうねり回り、包んで離そうとしないのだろうなぁ」
「っい!」
首筋に舌が這わされる。
その刺激は、あまり感じた事がない。
ぬるりとした温かな感触。
それに、一瞬だけ気を取られた。
その瞬間にパクリと口に含まれた首筋へ、黒曜帝はあろう事か歯を立てたのだ。
傷つけたくない。
そう言いながら、尻を強く叩いたり、こうして皮の薄い首筋に歯を立てたり……黒曜帝の言っている事とやっている事はちぐはぐな気がした。
だが、そのちぐはぐな行為……ほんの些細な痛みがヒオリの体を一気に熱くさせる。
「あ……!」
「そのうち乳首や尻穴だけで達するようになるのだろうなぁ、貴殿は。ふふ、まずは乳首だけで達するのを目指してみるか? ほれ、手が止まっておるぞ」
「……はぁ、ぁあ……っ、あ、お、お許し、くださ……あっ、くっ……あ、あっ、あ……あぁあっ!」
物足りない、と言わんばかりにマッサージに徹していたはずの大きなてがヒオリの手の上から被さる。
両方を強く摘まれて、思わず喉が仰け反った。
(気持ち、いいっ)
涙が溢れる。
この人に触れられる場所は……全部気持ちがいい。
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