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旅立ち
――この世界――『アトラ=ルミナアース』を襲った災厄魔王を、勇者リードが封印して三百年。
『勇者』を支えた五人の英雄――『賢者』『剣聖』『聖女』『槍聖』『弓聖』の“力”と“魂”を受け継ぐ者たちが世界平和を守り続けていた。
いずれ封印が弱まり、魔王のかけらたる厄災魔物が現れても彼らが守ってくれるだろう。
今でこそ七つに分かれ、成長した国々は五人の英雄の力を受け継ぎし者を庇護し、国守の役割を託してきた。
私、アリアリット・プレディターもまたそのうちの一人――『剣聖』の力を持って生まれた。
平民の、平凡な両親から生まれてすぐに胸に剣聖の紋章が浮かび上がり、両親共々貴族に召し上げられて男爵という扱いで王都貴族街に屋敷を構えてこの国の国守として育てられてきた。
いつの間にか『剣聖の両親』、『国守の親』として貴族のように振る舞うようになった両親は、私が帰宅して陛下に告げられたことを話すと怒り狂う。
私が国守の任を辞退したことで、今の――湯水のように贅沢ができる生活ができなくなるから。
流れるように出てくる罵詈雑言の嵐を聞き流し、事実に戻って着替えと愛剣を携えて玄関ホールに戻る。
両親は頭を抱え、自分たちの明日を案じていたので「神殿にお父様とお母様のことを話しておきますから」と宥め、「今までお世話になりました」と今生の別れの言葉を伝えて頭を下げた。
そんな私の頭に向けて、花瓶が投げつけられる。
頭を割れて溢れた水と生花が滴り落ち、破片が濡れた絨毯の上に散らばった。
「この……この……! 私たちの生活のことも考えなさいよ! お前が生まれてきたから、私たちは平民から貴族に召し上げられたのよ!? 最後まで責任を持ちなさい!」
「そうだ! お前を産んでやったのは俺たちだぞ! 神殿に今まで通りの生活を約束させてこい!」
「今まで通りの生活は約束できません。ですが、今回の件は私がすべて責任を取ります。最低限の生活は必ず保証させますので」
「当たり前だ!」
「当たり前よ!」
幼少期の……私が五歳くらいの頃の優しい両親の記憶。
今は贅沢に慣れて、すっかり傲慢な貴族になってしまった。
使用人が駆け寄って、タオルを差し出してきたがそれを手で断る。
この程度で風邪などひかないし、破片で傷つくほどやわではない。
五大英雄の力を持って生まれた者は、病に罹らないし魔物と戦える力を持つ。
要するに常人では理解し難いほどに強いのだ。
「早く神殿にかけ合ってきなさい!」
「はい。すぐに」
金切り声で叫ぶ母に言われた通り、家を出て王都の中央神殿に向かう。
そこで神殿長にことの経緯を話す。
神殿長は事前に陛下から話を聞いていたのか、苦々しい顔をして見せつつもやはり聖女の肩を持つ。
まあ、神殿としてはどちらが国王に嫁ぐかなんて関係ない話だからな。
どちらが嫁いでも、どちらも神殿にとっては美味い話に違いない。
「しかし、この国から出ていくというのは……」
「ずっと北の未開の地、永久凍国土に憧れていたのです。厄災魔王すら到達できなかったといわれる極寒の迷宮……私は、永久凍国土に挑みたい」
「今以上に強くなられるおつもりなのか」
「剣聖として生まれた性なのでしょう。どうかお許しください、神殿長」
「……もちろん……五大英雄の一人である『剣聖』が強さを求めることを、誰が反対できましょう。ご両親の面倒は神殿で見るとお約束いたします。これまで通り……とはもちろんいかぬでしょうが、生涯食べるものには困らぬように手配いたしますので」
「ありがとうございます!」
神殿長に許可もいただいたし、いよいよ私は北へと旅立つのになんの障害もなくなった!
親のことは神殿がなんとかしてくれるはずだ。
馬を買い、単身国を出て北を目指す。
かつて、つい百年ほど前はこうした街道にも魔物が闊歩していたというのが信じられないほどに旅はスムーズに進む。
時折野盗には襲われたけれど、皆振りかぶった剣が私に触れた瞬間真っ二つに折れるのを見た瞬間蜘蛛の子を散らすように逃げていく。
女一人と侮って、愚かなことだ。
女一人で旅をしている時点で察すればよいものを……いや、まさか五大英雄の一人と遭遇するとは思わんか? そうか。
「お、雪だ!」
私が産まれたクラッツォ王国は南の方。
しかし、海もなく暑くもなく、気候も穏やかで自然災害もない過ごしやすい場所。
雪は生まれて初めて見た!
手袋を外して空から舞うように落ちてきた雪を手に取ってみると、一瞬で消えてなくなる。
ほんのりと冷たい……儚い……これが雪!
「なんだか可愛い」
馬に水を飲ませてから、旅を再開する。
曇天を見上げて私はここまで来たのだと実感した。
私、本当にもう……自由なんだ。
国守として常に騎士たちの期待や畏怖の眼差しにさらされることもない。
夜会で令嬢たちに遠巻きにされ、恐怖の眼差しで見られることもない。
力を求め、剣の腕を磨くことは楽しいから別に構わないが、剣聖の紋章を持って生まれた時から常人とは違う身体能力だった私にとって普通の人間たちは弱く守るべきもの。
周りがすべて、そんな弱き守るべきものだった私にとって、守るもののない今の状態はとても……清々しくもある。
気を張っていたつもりはないが、やはり無意識のうちに気を張っていたのだろう。
だが、それももう終わり。
ただ自由に――自分の剣の腕を磨くことができる。
「ふふふ……! 楽しみだな!」
もうすぐ永久凍国土!
私は、今よりどのぐらい強くなれるのだろう?
『勇者』を支えた五人の英雄――『賢者』『剣聖』『聖女』『槍聖』『弓聖』の“力”と“魂”を受け継ぐ者たちが世界平和を守り続けていた。
いずれ封印が弱まり、魔王のかけらたる厄災魔物が現れても彼らが守ってくれるだろう。
今でこそ七つに分かれ、成長した国々は五人の英雄の力を受け継ぎし者を庇護し、国守の役割を託してきた。
私、アリアリット・プレディターもまたそのうちの一人――『剣聖』の力を持って生まれた。
平民の、平凡な両親から生まれてすぐに胸に剣聖の紋章が浮かび上がり、両親共々貴族に召し上げられて男爵という扱いで王都貴族街に屋敷を構えてこの国の国守として育てられてきた。
いつの間にか『剣聖の両親』、『国守の親』として貴族のように振る舞うようになった両親は、私が帰宅して陛下に告げられたことを話すと怒り狂う。
私が国守の任を辞退したことで、今の――湯水のように贅沢ができる生活ができなくなるから。
流れるように出てくる罵詈雑言の嵐を聞き流し、事実に戻って着替えと愛剣を携えて玄関ホールに戻る。
両親は頭を抱え、自分たちの明日を案じていたので「神殿にお父様とお母様のことを話しておきますから」と宥め、「今までお世話になりました」と今生の別れの言葉を伝えて頭を下げた。
そんな私の頭に向けて、花瓶が投げつけられる。
頭を割れて溢れた水と生花が滴り落ち、破片が濡れた絨毯の上に散らばった。
「この……この……! 私たちの生活のことも考えなさいよ! お前が生まれてきたから、私たちは平民から貴族に召し上げられたのよ!? 最後まで責任を持ちなさい!」
「そうだ! お前を産んでやったのは俺たちだぞ! 神殿に今まで通りの生活を約束させてこい!」
「今まで通りの生活は約束できません。ですが、今回の件は私がすべて責任を取ります。最低限の生活は必ず保証させますので」
「当たり前だ!」
「当たり前よ!」
幼少期の……私が五歳くらいの頃の優しい両親の記憶。
今は贅沢に慣れて、すっかり傲慢な貴族になってしまった。
使用人が駆け寄って、タオルを差し出してきたがそれを手で断る。
この程度で風邪などひかないし、破片で傷つくほどやわではない。
五大英雄の力を持って生まれた者は、病に罹らないし魔物と戦える力を持つ。
要するに常人では理解し難いほどに強いのだ。
「早く神殿にかけ合ってきなさい!」
「はい。すぐに」
金切り声で叫ぶ母に言われた通り、家を出て王都の中央神殿に向かう。
そこで神殿長にことの経緯を話す。
神殿長は事前に陛下から話を聞いていたのか、苦々しい顔をして見せつつもやはり聖女の肩を持つ。
まあ、神殿としてはどちらが国王に嫁ぐかなんて関係ない話だからな。
どちらが嫁いでも、どちらも神殿にとっては美味い話に違いない。
「しかし、この国から出ていくというのは……」
「ずっと北の未開の地、永久凍国土に憧れていたのです。厄災魔王すら到達できなかったといわれる極寒の迷宮……私は、永久凍国土に挑みたい」
「今以上に強くなられるおつもりなのか」
「剣聖として生まれた性なのでしょう。どうかお許しください、神殿長」
「……もちろん……五大英雄の一人である『剣聖』が強さを求めることを、誰が反対できましょう。ご両親の面倒は神殿で見るとお約束いたします。これまで通り……とはもちろんいかぬでしょうが、生涯食べるものには困らぬように手配いたしますので」
「ありがとうございます!」
神殿長に許可もいただいたし、いよいよ私は北へと旅立つのになんの障害もなくなった!
親のことは神殿がなんとかしてくれるはずだ。
馬を買い、単身国を出て北を目指す。
かつて、つい百年ほど前はこうした街道にも魔物が闊歩していたというのが信じられないほどに旅はスムーズに進む。
時折野盗には襲われたけれど、皆振りかぶった剣が私に触れた瞬間真っ二つに折れるのを見た瞬間蜘蛛の子を散らすように逃げていく。
女一人と侮って、愚かなことだ。
女一人で旅をしている時点で察すればよいものを……いや、まさか五大英雄の一人と遭遇するとは思わんか? そうか。
「お、雪だ!」
私が産まれたクラッツォ王国は南の方。
しかし、海もなく暑くもなく、気候も穏やかで自然災害もない過ごしやすい場所。
雪は生まれて初めて見た!
手袋を外して空から舞うように落ちてきた雪を手に取ってみると、一瞬で消えてなくなる。
ほんのりと冷たい……儚い……これが雪!
「なんだか可愛い」
馬に水を飲ませてから、旅を再開する。
曇天を見上げて私はここまで来たのだと実感した。
私、本当にもう……自由なんだ。
国守として常に騎士たちの期待や畏怖の眼差しにさらされることもない。
夜会で令嬢たちに遠巻きにされ、恐怖の眼差しで見られることもない。
力を求め、剣の腕を磨くことは楽しいから別に構わないが、剣聖の紋章を持って生まれた時から常人とは違う身体能力だった私にとって普通の人間たちは弱く守るべきもの。
周りがすべて、そんな弱き守るべきものだった私にとって、守るもののない今の状態はとても……清々しくもある。
気を張っていたつもりはないが、やはり無意識のうちに気を張っていたのだろう。
だが、それももう終わり。
ただ自由に――自分の剣の腕を磨くことができる。
「ふふふ……! 楽しみだな!」
もうすぐ永久凍国土!
私は、今よりどのぐらい強くなれるのだろう?
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