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2話
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一緒に暮らし始めて、まだ新しい家にも“父”という存在にも慣れずにいた頃。
『陽くん、お母さんは?』
地下の仕事部屋にいた父が、いつの間にかリビングに来ていた。
ついゲームに夢中になっていた僕は、慌ててゲーム機を伏せ置き、立ち上がる。
『あ、買い物、夕飯の、でも、すぐ戻るって』
『そう。……陽くんは、ゲーム? どれ、お父さんにも見せて欲しいな』
『え、えと、でも、ぼく……へただから』
『下手でもいいじゃない。ほら、座って。ここはもう陽くんのおうちなんだからね。リラックスしないと、プレイにも影響が出るよ?』
父は豪快に笑いながら、隣に座り、僕の肩を抱き寄せた。
父どころか、大人の男性そのものが未知の存在だった。
(がんばって、おとうさんに、いいとこ見せなきゃ)
緊張しながらも必死にコントローラを操作する。
父も画面を見ながら応援してくれる。
でも、なぜかその手が肩から腰へと降りてきていた。
『陽くん、だめだよ、集中しないと』
『う、うん』
横腹をさすっていた手は、露わになった膝小僧や太腿を撫でる。
そして、ついには股間へと触れるのだった。
『ん……っ、おとう、さん』
『なに?』
『そこ、く、くすぐったい、です』
『……どこ?』
『お……おちんちん、のとこ』
画面の中のカートはすでに錯乱し、おかしな走りをしている。
でも父の手は止まることなく、
『おちんちんがくすぐったいだなんて、変だな? どれ、お父さんが調べてあげよう』
『え……』
大きな手がハーフパンツのウエストから下着の中へと入ってきた。
僕は驚きすぎて、身じろぎ一つ出来ずにいた。
クニクニ……
硬い大人の手のひらが、陰部に触れている。
自分ですらトイレ以外では触れないもの。
それを他人が、いや、父に触られている。
これは普通の事なのか——
男親が居なかった自分には判断が付かなかった。
『お、おとう、さん』
『おちんちん、まだ変な感じする?』
『う、うん』
『陽くんのおちんちん、まだこんなに小さいのに、感じちゃうんだね……悪い子だ』
『うぅ、ごめん、なさぃ』
なんとか“良い子”であろうとしてきたのに、ついに父に“悪い子”と言われてしまった。
(お父さんに嫌われたら、お母さんに迷惑がかかるかも。どうしよう、家を追い出されたら)
不安が押し寄せ、いつのまにかポタポタと涙が溢れていた。
『お父さん、ごめんなさぃ……うぅ』
『陽くん、どうしたの? おちんち触られて、びっくりしちゃった?』
『ち、ちがぅ、悪い子だから、ぼく、おとうさんに、嫌われちゃう』
『ああ』
父は泣く僕を見下ろしながら、陰部を弄ぶ手は止めなかった。
そしてもう片方の手も、Tシャツの中へと滑り込ませるのだった。
『お父さんが陽くんを嫌いになったりするわけないよ。こんなに可愛いのに』
『あ……っ』
ふいに乳首を摘まれ、ビクッと体が震えた。
父は僕の頬を濡らした涙を舐め上げながら、
『お父さんの言う“悪い子”は、反対の意味なんだ。陽くんが可愛くてしょうがないってこと』
『……ほんと?あ、ン……ッ』
『ふふ、陽くんは本当に素直で良い子だ』
父は微笑みながら、陰部をさらに揉み上げた。
安心したのか、僕はもどかしいような、変な気分になっていた。
『はぁ、あぅ、うぅ……はぁ、ん』
『えっちな声が出てきたね。お父さんに触れるの、気持ちいい?』
『う……ん、おちんちん、されると、からだが、ぶるぶるって、へん、です』
『ふふ。陽くんはしっかりしてるから、精通も早いだろうね』
『せい……?』
『とっても気持ちのいいことだよ。陽くんも、早く大人になりたいんだよね? お母さんを助けてあげたいって、いつも言ってるでしょ』
『う、うん……』
『お父さんが手伝ってあげよう。陽くんを、早く大人にするからね。この中から』
『ア……ッ』
股間をいじっていた指が、お尻へ割れ目へと滑り込む。
父の指が穴に喰い込み、驚いてお尻をキュッと締めると、
——ガチャリ
突然、背後でリビングの扉が開いた。
『ハァ、暑かったー。あら?』
買い物から母親が帰宅したのである。
まともに顔も見れない僕をよそに、父は平然と『おかえり』と笑顔で応じていた。
『陽くんに色々と教わっていたよ。陽くんは教えるのが上手だな、いいお兄ちゃんになる』
『ええ~? バナナ踏むのが上手いんじゃなくて?』
母は揶揄いながらも上機嫌である。
僕がされている事は、ソファの死角で見えないらしい。
そのまま買い物袋を手に、キッチンへと向かい、
『ほら、陽一も遊んでないでこっちにきて手伝って』
『あ、うん』
『……陽くん』
立ち上がろうとする尻穴に、グッと指が突き入れられた。
僕は恥ずかしさのあまり、顔を真っ赤にして俯いてしまう。
『ちょっと陽、聞いてるの~? ゲームやめないと没収するよ~』
『まあまあ、休みの日くらいいいじゃないか。ねえ? 今はお父さんと遊んでるんだもんね?』
『航さんたら。あんまり陽一を甘やかさないで。陽一も、もうすぐお兄ちゃんになるんだから』
『え』
母親はわざとらしく溜め息をつき、お腹を撫でて見せた。
『え、お母さん、おなかに赤ちゃん……いるの』
僕は驚いて、父の袖を握っていた。
すると父は、そっと耳元で囁くのだった。
『……そうだよ。だから陽くんも、早く大人にならないとね?』
『う、うん!』
新しい家族が増える事に興奮していた。
あまり家に居ないお母さんと、ずっと地下に居るお父さん。
そして居場所のない、宙ぶらりんの僕。
少しいびつな我が家に、ついに僕と同じ子供が現れるのだ。
新しい家族が増える喜びを知った日、僕は、大人になる痛みも知るのだった。
◆
一緒に暮らし始めて、まだ新しい家にも“父”という存在にも慣れずにいた頃。
『陽くん、お母さんは?』
地下の仕事部屋にいた父が、いつの間にかリビングに来ていた。
ついゲームに夢中になっていた僕は、慌ててゲーム機を伏せ置き、立ち上がる。
『あ、買い物、夕飯の、でも、すぐ戻るって』
『そう。……陽くんは、ゲーム? どれ、お父さんにも見せて欲しいな』
『え、えと、でも、ぼく……へただから』
『下手でもいいじゃない。ほら、座って。ここはもう陽くんのおうちなんだからね。リラックスしないと、プレイにも影響が出るよ?』
父は豪快に笑いながら、隣に座り、僕の肩を抱き寄せた。
父どころか、大人の男性そのものが未知の存在だった。
(がんばって、おとうさんに、いいとこ見せなきゃ)
緊張しながらも必死にコントローラを操作する。
父も画面を見ながら応援してくれる。
でも、なぜかその手が肩から腰へと降りてきていた。
『陽くん、だめだよ、集中しないと』
『う、うん』
横腹をさすっていた手は、露わになった膝小僧や太腿を撫でる。
そして、ついには股間へと触れるのだった。
『ん……っ、おとう、さん』
『なに?』
『そこ、く、くすぐったい、です』
『……どこ?』
『お……おちんちん、のとこ』
画面の中のカートはすでに錯乱し、おかしな走りをしている。
でも父の手は止まることなく、
『おちんちんがくすぐったいだなんて、変だな? どれ、お父さんが調べてあげよう』
『え……』
大きな手がハーフパンツのウエストから下着の中へと入ってきた。
僕は驚きすぎて、身じろぎ一つ出来ずにいた。
クニクニ……
硬い大人の手のひらが、陰部に触れている。
自分ですらトイレ以外では触れないもの。
それを他人が、いや、父に触られている。
これは普通の事なのか——
男親が居なかった自分には判断が付かなかった。
『お、おとう、さん』
『おちんちん、まだ変な感じする?』
『う、うん』
『陽くんのおちんちん、まだこんなに小さいのに、感じちゃうんだね……悪い子だ』
『うぅ、ごめん、なさぃ』
なんとか“良い子”であろうとしてきたのに、ついに父に“悪い子”と言われてしまった。
(お父さんに嫌われたら、お母さんに迷惑がかかるかも。どうしよう、家を追い出されたら)
不安が押し寄せ、いつのまにかポタポタと涙が溢れていた。
『お父さん、ごめんなさぃ……うぅ』
『陽くん、どうしたの? おちんち触られて、びっくりしちゃった?』
『ち、ちがぅ、悪い子だから、ぼく、おとうさんに、嫌われちゃう』
『ああ』
父は泣く僕を見下ろしながら、陰部を弄ぶ手は止めなかった。
そしてもう片方の手も、Tシャツの中へと滑り込ませるのだった。
『お父さんが陽くんを嫌いになったりするわけないよ。こんなに可愛いのに』
『あ……っ』
ふいに乳首を摘まれ、ビクッと体が震えた。
父は僕の頬を濡らした涙を舐め上げながら、
『お父さんの言う“悪い子”は、反対の意味なんだ。陽くんが可愛くてしょうがないってこと』
『……ほんと?あ、ン……ッ』
『ふふ、陽くんは本当に素直で良い子だ』
父は微笑みながら、陰部をさらに揉み上げた。
安心したのか、僕はもどかしいような、変な気分になっていた。
『はぁ、あぅ、うぅ……はぁ、ん』
『えっちな声が出てきたね。お父さんに触れるの、気持ちいい?』
『う……ん、おちんちん、されると、からだが、ぶるぶるって、へん、です』
『ふふ。陽くんはしっかりしてるから、精通も早いだろうね』
『せい……?』
『とっても気持ちのいいことだよ。陽くんも、早く大人になりたいんだよね? お母さんを助けてあげたいって、いつも言ってるでしょ』
『う、うん……』
『お父さんが手伝ってあげよう。陽くんを、早く大人にするからね。この中から』
『ア……ッ』
股間をいじっていた指が、お尻へ割れ目へと滑り込む。
父の指が穴に喰い込み、驚いてお尻をキュッと締めると、
——ガチャリ
突然、背後でリビングの扉が開いた。
『ハァ、暑かったー。あら?』
買い物から母親が帰宅したのである。
まともに顔も見れない僕をよそに、父は平然と『おかえり』と笑顔で応じていた。
『陽くんに色々と教わっていたよ。陽くんは教えるのが上手だな、いいお兄ちゃんになる』
『ええ~? バナナ踏むのが上手いんじゃなくて?』
母は揶揄いながらも上機嫌である。
僕がされている事は、ソファの死角で見えないらしい。
そのまま買い物袋を手に、キッチンへと向かい、
『ほら、陽一も遊んでないでこっちにきて手伝って』
『あ、うん』
『……陽くん』
立ち上がろうとする尻穴に、グッと指が突き入れられた。
僕は恥ずかしさのあまり、顔を真っ赤にして俯いてしまう。
『ちょっと陽、聞いてるの~? ゲームやめないと没収するよ~』
『まあまあ、休みの日くらいいいじゃないか。ねえ? 今はお父さんと遊んでるんだもんね?』
『航さんたら。あんまり陽一を甘やかさないで。陽一も、もうすぐお兄ちゃんになるんだから』
『え』
母親はわざとらしく溜め息をつき、お腹を撫でて見せた。
『え、お母さん、おなかに赤ちゃん……いるの』
僕は驚いて、父の袖を握っていた。
すると父は、そっと耳元で囁くのだった。
『……そうだよ。だから陽くんも、早く大人にならないとね?』
『う、うん!』
新しい家族が増える事に興奮していた。
あまり家に居ないお母さんと、ずっと地下に居るお父さん。
そして居場所のない、宙ぶらりんの僕。
少しいびつな我が家に、ついに僕と同じ子供が現れるのだ。
新しい家族が増える喜びを知った日、僕は、大人になる痛みも知るのだった。
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