【R18】お父さんと僕、ときどき弟(仮)

鯨井兀

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2話

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 ◆

 一緒に暮らし始めて、まだ新しい家にも“父”という存在にも慣れずにいた頃。

『陽くん、お母さんは?』

 地下の仕事部屋にいた父が、いつの間にかリビングに来ていた。
 ついゲームに夢中になっていた僕は、慌ててゲーム機を伏せ置き、立ち上がる。

『あ、買い物、夕飯の、でも、すぐ戻るって』
『そう。……陽くんは、ゲーム? どれ、お父さんにも見せて欲しいな』
『え、えと、でも、ぼく……へただから』
『下手でもいいじゃない。ほら、座って。ここはもう陽くんのおうちなんだからね。リラックスしないと、プレイにも影響が出るよ?』

 父は豪快に笑いながら、隣に座り、僕の肩を抱き寄せた。
 父どころか、大人の男性そのものが未知の存在だった。

(がんばって、おとうさんに、いいとこ見せなきゃ)

 緊張しながらも必死にコントローラを操作する。
 父も画面を見ながら応援してくれる。
 でも、なぜかその手が肩から腰へと降りてきていた。

『陽くん、だめだよ、集中しないと』
『う、うん』

 横腹をさすっていた手は、露わになった膝小僧や太腿を撫でる。
 そして、ついには股間へと触れるのだった。

『ん……っ、おとう、さん』
『なに?』
『そこ、く、くすぐったい、です』
『……どこ?』
『お……おちんちん、のとこ』

 画面の中のカートはすでに錯乱し、おかしな走りをしている。
 でも父の手は止まることなく、

『おちんちんがくすぐったいだなんて、変だな? どれ、お父さんが調べてあげよう』
『え……』

 大きな手がハーフパンツのウエストから下着の中へと入ってきた。
 僕は驚きすぎて、身じろぎ一つ出来ずにいた。

 クニクニ……

 硬い大人の手のひらが、陰部に触れている。
 自分ですらトイレ以外では触れないもの。
 それを他人が、いや、父に触られている。
 これは普通の事なのか——
 男親が居なかった自分には判断が付かなかった。

『お、おとう、さん』
『おちんちん、まだ変な感じする?』
『う、うん』
『陽くんのおちんちん、まだこんなに小さいのに、感じちゃうんだね……悪い子だ』
『うぅ、ごめん、なさぃ』

 なんとか“良い子”であろうとしてきたのに、ついに父に“悪い子”と言われてしまった。

(お父さんに嫌われたら、お母さんに迷惑がかかるかも。どうしよう、家を追い出されたら)

 不安が押し寄せ、いつのまにかポタポタと涙が溢れていた。

『お父さん、ごめんなさぃ……うぅ』
『陽くん、どうしたの? おちんち触られて、びっくりしちゃった?』
『ち、ちがぅ、悪い子だから、ぼく、おとうさんに、嫌われちゃう』
『ああ』

 父は泣く僕を見下ろしながら、陰部を弄ぶ手は止めなかった。
 そしてもう片方の手も、Tシャツの中へと滑り込ませるのだった。

『お父さんが陽くんを嫌いになったりするわけないよ。こんなに可愛いのに』
『あ……っ』

 ふいに乳首を摘まれ、ビクッと体が震えた。
 父は僕の頬を濡らした涙を舐め上げながら、

『お父さんの言う“悪い子”は、反対の意味なんだ。陽くんが可愛くてしょうがないってこと』
『……ほんと?あ、ン……ッ』
『ふふ、陽くんは本当に素直で良い子だ』

 父は微笑みながら、陰部をさらに揉み上げた。
 安心したのか、僕はもどかしいような、変な気分になっていた。

『はぁ、あぅ、うぅ……はぁ、ん』
『えっちな声が出てきたね。お父さんに触れるの、気持ちいい?』
『う……ん、おちんちん、されると、からだが、ぶるぶるって、へん、です』
『ふふ。陽くんはしっかりしてるから、精通も早いだろうね』
『せい……?』
『とっても気持ちのいいことだよ。陽くんも、早く大人になりたいんだよね? お母さんを助けてあげたいって、いつも言ってるでしょ』
『う、うん……』
『お父さんが手伝ってあげよう。陽くんを、早く大人にするからね。この中から』
『ア……ッ』

 股間をいじっていた指が、お尻へ割れ目へと滑り込む。
 父の指が穴に喰い込み、驚いてお尻をキュッと締めると、

 ——ガチャリ

 突然、背後でリビングの扉が開いた。

『ハァ、暑かったー。あら?』

 買い物から母親が帰宅したのである。
 まともに顔も見れない僕をよそに、父は平然と『おかえり』と笑顔で応じていた。

『陽くんに色々と教わっていたよ。陽くんは教えるのが上手だな、いいお兄ちゃんになる』
『ええ~? バナナ踏むのが上手いんじゃなくて?』

 母は揶揄いながらも上機嫌である。
 僕がされている事は、ソファの死角で見えないらしい。
 そのまま買い物袋を手に、キッチンへと向かい、

『ほら、陽一も遊んでないでこっちにきて手伝って』
『あ、うん』
『……陽くん』

 立ち上がろうとする尻穴に、グッと指が突き入れられた。
 僕は恥ずかしさのあまり、顔を真っ赤にして俯いてしまう。

『ちょっと陽、聞いてるの~? ゲームやめないと没収するよ~』
『まあまあ、休みの日くらいいいじゃないか。ねえ? 今はお父さんと遊んでるんだもんね?』
わたるさんたら。あんまり陽一を甘やかさないで。陽一も、もうすぐお兄ちゃんになるんだから』
『え』

 母親はわざとらしく溜め息をつき、お腹を撫でて見せた。

『え、お母さん、おなかに赤ちゃん……いるの』

 僕は驚いて、父の袖を握っていた。
 すると父は、そっと耳元で囁くのだった。

『……そうだよ。だから陽くんも、早く大人にならないとね?』
『う、うん!』

 新しい家族が増える事に興奮していた。
 あまり家に居ないお母さんと、ずっと地下に居るお父さん。
 そして居場所のない、宙ぶらりんの僕。
 少しいびつな我が家に、ついに僕と同じ子供が現れるのだ。

 新しい家族が増える喜びを知った日、僕は、大人になる痛みも知るのだった。

 ◆

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