【R18】お父さんと僕、ときどき弟(仮)

鯨井兀

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九話

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 夕飯のお片付けをしてから、僕たちはいっしょにゲームをした。
 プレイルームだという個室には、最新のゲーム機が全部そろっていた。

『わあ~映画館みたーい! このおっきなスクリーンでゲームしていいの? すごい、夢じゃないのかなあ』

 初心者なハルカくんに、僕は師匠になって遊び方を教えた。
 そして二人でいろんな世界を旅して周り、僕はすっかり大はしゃぎしていた。

『すごぉい、ハルカくんがまた一番だあ!本当にはじめてなの? さっきの技、どうやったの?!』
『んー、師匠の教え方がうまいんだな』
『えー? えへへ』

 友だちとゲームなんて、ほとんどしたことがない。
 学校が終われば、真っ直ぐ父が待つ家に帰るのがルールだから。
 だから時間を気にせず遊ぶのも初めてで、僕は楽しくて何度も『もう一回しよ!』を繰り返していた。

(いいなあ、ハルカくんちの子は。いっぱい遊んでくれるもの。……でも、あれって。うーん、やっぱり、そう、なのかな)

 この部屋に入ったとき。
 棚に見覚えのある箱を見つけた。
 父が教えてくれた“コンドーム”というゴム製品が入った箱だ。

 ——『これはね。大人のおちんちんに被せて使うんだ。つけると陽くんの奥に、直接、ビューッが出来なくなる。そんなの陽くん、嫌だよね? お父さんもね、陽くんの可愛いお尻から、白いトロトロが垂れてくるのを見るの……大好きなんだ』

 そんな父でも、外出先や家族に隠れてナイショでするときは、ゴムをつけた。
 ゴムは“イク”したあとのおそうじも楽ちんだったけど。
 でもゴムをつけた父は、何故かいつもより乱暴で。
 腕にアザが出来たり、乳首が真っ赤に腫れることもあって、いいことばかりではなかった。

(あれがあるってことは、ハルカくんも、“息子”とする、んだよね。じゃあ、今から僕とも、するのかな。……僕と、ハルカくんが?)

 隣をみるとゲームに集中してる、きれいな横顔がある。
 スクリーンの明かりに照らされ、いろんな色に変わっていく。
 美しいハルカくんが、さらに妖しく見えて。
 この世のものでないような、不思議な感覚になっていた。 

「Scheisse!ミスったわー。んー? おい、俺の師匠はどこ走ってんだ?」
「えっ」

 師匠の僕は、なんかもうバナナもコウラも100%の命中率で、ようやく見苦しくフィニッシュしたのだった。

「なんだよ、師匠ー。もうあきたの? やめる? 」
「え、えっとお」
「あー、そっか。もうこんな時間か。遅いし、風呂も入んなきゃなあ」

 そういって僕の肩にもたれかかってくる。
 立てた膝のローブが乱れ、ハルカくんの太ももが丸見えになっていた。
 僕は見てはいけないような気がして、ギュと目を閉じていた。

(おふろ……きっとおふろで、する、つもりなんだ。どうしよう、ハルカくんの、大きいから。あんまり乱暴にしないでって、お願いしなきゃ)

 そうしてバスルームへの移動中も。
 僕はハルカくんの話なんて少しも聞いていなかった。
 頭の中では、すでに裸のハルカくんと抱き合ってキスまでしてたのだから。

(最初はぜったい痛いよね。いれるときは頭なでなでしてほしいなぁ。ちゃんと目をあわせながら、ゆっくり、僕の中にはいってきて……。また、おちんちん触ってくれるかも。ハルカくんの手、気持ちいいんだもん)

 そんなことを考えていると、股間がピクピク反応しはじめる。

「はい、これバスタオル」
「うわあっ、ありがとお」

 渡されたバスタオルで、すぐに前を隠した。
 いやらしい妄想なんかして、一体どうしてしまったのかと、焦って汗がふきだした。

(お父さんとは、こんなこと考えたことないのにぃ……。どうしちゃったの、ぼく、えっちなトロトロ出るようになったから? こんなんじゃ学校はどうなるの、おちんちん、いじめられちゃうよおお)

 むくむくとふくれる股間をおさえこみ、恥ずかしさで泣きそうになった。
 そんな時、ふと——
 僕を見上げて、キラキラと尊敬のまなざしを向ける弟の顔が浮かんだ。
 決してうまくもない僕のプレイを見ようと、ぴたりと腕にくっついて。
 失敗してもビリでも、天才かのように拍手して大喜びしてくれる、僕の可愛い弟——

(うう、ごめんね。惺が病院でがんばってるのに、いやらしいこと考えるなんて。僕はだめなお兄ちゃんだ、ごめん……)

 弟のことを考えると罪悪感からか、だんだん股間も落ち着いてきた。
 僕はホッと胸も股間もなでおろし、心から弟に感謝していた。

「これ、あいつの寝巻きっぽいけど、いいか? あ、なんだ、ここに新品ストックゾーン全然あったわー。パンツと、あとは歯ブラシ?」

 ハルカくんは洗面所のあらゆる引き出しを引っかき回し、床に物を放り投げていく。
 市販の風邪薬の箱や、よくわからない錠剤の小瓶が転がる。

「えええ。だ、だめだよ、散らかしちゃあ」

 せっせと拾い集めていたけど、ふたたび見慣れた箱を前にして——僕は手が止まってしまう。

「Eureka~。師匠、歯ブラシあったよ。ん?どうした?」
「え! その」
「んー? ああ、なにそれ、ゴムのストック?」
「僕、わ、わかんなぃ……」
「この家、そこら中にゴムあんだよなー。貸して、戻しておくから」
「え……じゃあ、ハルカくんも、つけないんだ」
「ん、なに?」
「う……なんでも、ないけどお」

 僕はもじもじしながら、バスタオルに顔をうずめた。
 ちょうどお風呂がいっぱいになった音がして、ハルカくんはバスルームのガラス扉を開けた。

「ここは適当に片しておくからさ、はいって。ボディソープとか、これ? 俺もよくわかんないから、好きなの使って。あと、これドライヤーね」
「え……」
「ん、どうした? シャワーとか使い方とかわかんない?」
「えっと、ハルカくんは、おふろ」
「俺? んー、なんか夕方シャワー浴びてたっぽいから、いいかなって。肉焼いたから臭えか? ……怒られるかな」

 だれに——?
 この家には僕たちしかいないのに、一体だれに怒られるというのだろう。
 ハルカくんを注意する人が、この家にいるとしたら。
 まっさきに思い浮かぶのは、当然に息子である“あの子”なのだった。

(今は僕が“息子”なのに、ひどいよ。家族はパパだけでしょって、僕には怒ってきたのに。……ずるいよ、“あの子”ばっかり。僕のまねして、僕のお父さんと“イク”までして……大きらいだ、あんな子。なのにハルカくんまで、“あの子”ばっかり)

 僕はいつのまにか、目の前の男のローブをつかんでいた。

「ん、なに?」
「僕、いっしょにおふろ、はいりたいなあ……“パパ”と」
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