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だんだん近づいてきました
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俺達は三月近い時間をかけ、辺境に一番近い町、ラムダにたどり着いた。
かなりの厳しい道のりにボロボロになった俺達を迎えてくれたのは、ニコルの兄、サマリアだった。
「遠いところまで、よくおいでくださいました」
サマリアはいわばシュタット商会の支部長のようなもので、この大陸の西側に当たる部分を仕切っていた。
「地下迷宮......ダンジョンとかいうものが出来てから、隊商が入ってこれなくなりまして、難儀をしております」
サマリアの言うには、ダンジョンは辺境の西の果てにあるという。突如、森の中に異様な塔がそびえ立ち、周囲が深い霧に覆われて 立ち入ることが出来なくなった、という。
「範囲はそんなに広いものではないようですが我々の見たことの無いような生き物が、周辺に多数生息しておりまして.....」
やっぱり触手とかゴブリンとか淫魔とかを手下にしてるんだろうな。イヤだな~。
「生きて帰ってきたものはいるのか?」
アントーレの問いにサマリアは半ば不思議そうに答えた。
「大概は命は無事なようなのですが、正気を失っていたり、.......無事に戻っても、普通の生活に戻れているものはまずいないとか.....」
「普通の生活に戻れない?」
「ええ、一様に修道院へ行くか、或いは娼館に身を潜めて春をひさいでいるようです」
「極端だな、それ......」
マグリットが眉を寄せた。
まぁ分かるんだけどね、魔王、腐女子だから。ケヴィンの持ってるラノベの魔王とかとは、ちょっと違うんだよね。危ないのは、下半身だから。
「戻ってきたの、遊んでた人?」
思わず訊いた俺にサマリアは不思議そうに頷いた。
「容姿とか年齢とかは?」
「普通ですね。平凡というか.......。うちの隊商でも、むしろ用心棒に雇った屈強な者達が戻ってません。戻ってもひどく精神を病んでます」
ガチムチ受けかよ、性癖。確か美形も趣味なはずなんだけど、あ、でもあのBL 作家先生、『奇跡の青薔薇』の打ち合わせの時、ショタとガチムチのカプを熱く語ってたな。ヤバい人だったよな。
ヤバいヤバい、落ち着け自分。
「戻ってきた人に話聞ける?ダンジョンの構造が知りたいんだ」
サマリアが頷いた。
そして、俺達は、なんとかダンジョンの地図を手に入れた。
おそらく接近戦は不利だ。レイトン先生に指示を仰ぐことにした。
そしてレイトン先生の手が空く週末までラムダの街に留まることにした。
サマリアは、自分の屋敷に滞在するように勧めた。ありがたかった。みんな疲れていたし、特にサマリアの弟、ニコルの体調がすぐれなかったから。
「ニコルはここに留まったほうがいい」
サマリアが言った。
「ここから先、辺境伯のお屋敷までは厳しい道のりが続く。その先も、戦えないお前は足手まといになる」
「でも......」
ニコルは下を向いてじっと拳を握りしめた。
「大丈夫だよ、ニコル。必ず無事で戻ってくるから。お宝があったら、持ってくるから、ニコルが高値でさばいてよ」
「う、うん......」
ニコルはそれでも納得しきれないようだったが、もともと物資の調達の手伝いの参加だ。無理をすることはない。多分それが正解だ。貞操は大事だよ、うん。
俺達は、久しぶりにふかふかのベッドで眠った。レイトン先生が来る週末まで、ゆっくり身体を休めるように、とのサマリアの気づかいで、近くの温泉にも行った。
そう、温泉!
露天風呂!ひゃっほー!
大好きなんだよね、俺。
前世、日本人だから温泉大好き。
て言うより温泉マニア?
出張たんびに秘湯探してバックレて、課長によく怒られたわ。
だって呑みニケーションなんて今どき、パワハラですって。ねぇ村上課長?
え、お前ら何服着たまま入ってくるの?
「ダメだよ。温泉は服脱がないと」
「だって......ラフィは恥ずかしくないの?」
ルードヴィヒもマグリットも、アントーレまで怪訝そうな顔をする。
「別っに~」
お湯の中で仁王立ち。て、なんでそこ顔を赤らめてんの?男の裸だよ、同性だよ?あそこにはちゃんとタオル巻いてます。
「わかったよ......」
素直に背中向けて脱ぎ始める皆さん。いい身体してるね~。ウラヤマシイ。ルードヴィヒは、俺と同じ細身だけど、背丈があるからしなやかな感じ。
そう、俺が一番、チビなんです。元主人公ちゃんを除くと......。あれ、元主人公ちゃんいない。
「さっきケヴィンと出かけたよ」
あ、デートですか、失礼しました。
で、なんでみんな背中向けてんだよ~。
こっち向いてダベろうぜ。
無理やり、こっち向かせたら、アントーレ、お湯の中にたり....って。
「わ、わ鼻血.....」
慌ててお湯から上がるアントーレ。
「なんだ。あれ?」
とマグリットを振り返ると、顔真っ赤で、無言。
もうのぼせたの?早くね?
で、ちらと下を見たら、立派なパオンがパオンしてました......。ほんと立派だね、マグリット。妬んじゃう。
「お、俺もあがるから.....」
俺の視線に気付いたマグリットは慌てて下半身を押さえて、湯溜まりから飛び出していきました。
なんでやねん?
「ラフィってば......」
呆れた顔のルードヴィヒ。え?だってさ前世じゃ普通だったよ。年頃になると、こっそり隣のヤツの盗み見して、勝ったとか負けたとか......前世じゃ普通だったのに......。
ちなみに今日のパオン比べは俺のひとり負けでした。ぐっすん......。
かなりの厳しい道のりにボロボロになった俺達を迎えてくれたのは、ニコルの兄、サマリアだった。
「遠いところまで、よくおいでくださいました」
サマリアはいわばシュタット商会の支部長のようなもので、この大陸の西側に当たる部分を仕切っていた。
「地下迷宮......ダンジョンとかいうものが出来てから、隊商が入ってこれなくなりまして、難儀をしております」
サマリアの言うには、ダンジョンは辺境の西の果てにあるという。突如、森の中に異様な塔がそびえ立ち、周囲が深い霧に覆われて 立ち入ることが出来なくなった、という。
「範囲はそんなに広いものではないようですが我々の見たことの無いような生き物が、周辺に多数生息しておりまして.....」
やっぱり触手とかゴブリンとか淫魔とかを手下にしてるんだろうな。イヤだな~。
「生きて帰ってきたものはいるのか?」
アントーレの問いにサマリアは半ば不思議そうに答えた。
「大概は命は無事なようなのですが、正気を失っていたり、.......無事に戻っても、普通の生活に戻れているものはまずいないとか.....」
「普通の生活に戻れない?」
「ええ、一様に修道院へ行くか、或いは娼館に身を潜めて春をひさいでいるようです」
「極端だな、それ......」
マグリットが眉を寄せた。
まぁ分かるんだけどね、魔王、腐女子だから。ケヴィンの持ってるラノベの魔王とかとは、ちょっと違うんだよね。危ないのは、下半身だから。
「戻ってきたの、遊んでた人?」
思わず訊いた俺にサマリアは不思議そうに頷いた。
「容姿とか年齢とかは?」
「普通ですね。平凡というか.......。うちの隊商でも、むしろ用心棒に雇った屈強な者達が戻ってません。戻ってもひどく精神を病んでます」
ガチムチ受けかよ、性癖。確か美形も趣味なはずなんだけど、あ、でもあのBL 作家先生、『奇跡の青薔薇』の打ち合わせの時、ショタとガチムチのカプを熱く語ってたな。ヤバい人だったよな。
ヤバいヤバい、落ち着け自分。
「戻ってきた人に話聞ける?ダンジョンの構造が知りたいんだ」
サマリアが頷いた。
そして、俺達は、なんとかダンジョンの地図を手に入れた。
おそらく接近戦は不利だ。レイトン先生に指示を仰ぐことにした。
そしてレイトン先生の手が空く週末までラムダの街に留まることにした。
サマリアは、自分の屋敷に滞在するように勧めた。ありがたかった。みんな疲れていたし、特にサマリアの弟、ニコルの体調がすぐれなかったから。
「ニコルはここに留まったほうがいい」
サマリアが言った。
「ここから先、辺境伯のお屋敷までは厳しい道のりが続く。その先も、戦えないお前は足手まといになる」
「でも......」
ニコルは下を向いてじっと拳を握りしめた。
「大丈夫だよ、ニコル。必ず無事で戻ってくるから。お宝があったら、持ってくるから、ニコルが高値でさばいてよ」
「う、うん......」
ニコルはそれでも納得しきれないようだったが、もともと物資の調達の手伝いの参加だ。無理をすることはない。多分それが正解だ。貞操は大事だよ、うん。
俺達は、久しぶりにふかふかのベッドで眠った。レイトン先生が来る週末まで、ゆっくり身体を休めるように、とのサマリアの気づかいで、近くの温泉にも行った。
そう、温泉!
露天風呂!ひゃっほー!
大好きなんだよね、俺。
前世、日本人だから温泉大好き。
て言うより温泉マニア?
出張たんびに秘湯探してバックレて、課長によく怒られたわ。
だって呑みニケーションなんて今どき、パワハラですって。ねぇ村上課長?
え、お前ら何服着たまま入ってくるの?
「ダメだよ。温泉は服脱がないと」
「だって......ラフィは恥ずかしくないの?」
ルードヴィヒもマグリットも、アントーレまで怪訝そうな顔をする。
「別っに~」
お湯の中で仁王立ち。て、なんでそこ顔を赤らめてんの?男の裸だよ、同性だよ?あそこにはちゃんとタオル巻いてます。
「わかったよ......」
素直に背中向けて脱ぎ始める皆さん。いい身体してるね~。ウラヤマシイ。ルードヴィヒは、俺と同じ細身だけど、背丈があるからしなやかな感じ。
そう、俺が一番、チビなんです。元主人公ちゃんを除くと......。あれ、元主人公ちゃんいない。
「さっきケヴィンと出かけたよ」
あ、デートですか、失礼しました。
で、なんでみんな背中向けてんだよ~。
こっち向いてダベろうぜ。
無理やり、こっち向かせたら、アントーレ、お湯の中にたり....って。
「わ、わ鼻血.....」
慌ててお湯から上がるアントーレ。
「なんだ。あれ?」
とマグリットを振り返ると、顔真っ赤で、無言。
もうのぼせたの?早くね?
で、ちらと下を見たら、立派なパオンがパオンしてました......。ほんと立派だね、マグリット。妬んじゃう。
「お、俺もあがるから.....」
俺の視線に気付いたマグリットは慌てて下半身を押さえて、湯溜まりから飛び出していきました。
なんでやねん?
「ラフィってば......」
呆れた顔のルードヴィヒ。え?だってさ前世じゃ普通だったよ。年頃になると、こっそり隣のヤツの盗み見して、勝ったとか負けたとか......前世じゃ普通だったのに......。
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