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ちょっと待って! ※
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俺、ラフィアンです。
今、魔王退治の旅の途中です。
んでもって、貞操の危機です、たぶん。
相手は、ポンコツ王子......ではなく、モブでもなく、大好きなマグリット......なんだけど。
今日、俺とマグリットはラムダの町の祭に行ったんだ。ケヴィンとルードヴィヒも一緒に、ニコルに案内してもらって街に出た。
アントーレは何故かサマリアと話があるから行っておいで、って珍しく気持ちよく俺達を見送ってくれた。笑顔がちょっと引きつり気味だったのは気になったけど、あえて聞かなかった。
下手なこと言って、ドツボにハマるの、いやじゃん?
で、俺達は賑やかな街の中をプラプラ歩いてたんだ。色んな屋台が出てて、ワタアメみたいなのとか、りんご飴みたいなのも売ってて、つい前世のガキの頃を思い出しちまった。
ウチはさ、両親忙しかったから、祭になんか当然連れて行ってもらえなくて、けど、弟や妹は行きたくて行きたくて、勝手に家を飛び出したりして、真っ青になって探し回った。そしたら、神社の石段のところでメソメソ泣いててさ、でも何故か手にしっかりりんご飴持ってたんだよね。
で、ふっと頭を上げてみたら、近所のお姉さん。彼氏と来てたんだけど、弟を見つけて保護してくれたらしい。
『もう、お兄ちゃん、困らせちゃダメよ』
て、弟の頭を撫でて、俺や妹の分も、りんご飴買ってくれて、神社の裏山に消えていきました。まあ、そこは大人なわけで......。それからすぐお嫁に行きましたもん、お姉さん。
幸せにしてるといいな......。
てなことを考えているうちに日が沈んで、花火の打ち上げが始まった。
花火ですよ、花火!
空に赤や緑や色んな色の光の花が咲いて、はじけて、散って......これぞお祭りの醍醐味でしゅ。
で、俺はこっそり握ってくるマグリットの手を握り返したりして、ケヴィン達が花火に見とれている間に、軽くちゅっ、とかしたけど。帰りもどさくさに紛れて手を繋いで帰ってきたけど.......。
部屋に帰ったら、いきなりベッドに押し倒されました。
頭の上でマグリットがハアハアしております。どうどう、落ち着け。
「ダメだよ。みんなも帰ってくるよ」
「来ないよ。みんな手花火で遊ぶって」
あ、根回ししたね、お前。てか、何その手花火って俺も遊びたい。
あ、そんな場合じゃなかった。俺、ヤバい。
「急にどうしたんだよ、マグ。落ち着けよ」
なんとかなだめようとする俺、ハアハアの止まらないマグリット。ピンチです、俺の尻。
「ラフィが煽るから......。俺のこと嫌いなの?」
嫌いなわけないでしょ、好きだよ。嫌いなヤツとちゅーなんかしないでしょ、普通。
「それともアントーレのほうがいいの?」
そんなわけないだろ。俺はポンコツは嫌いです。アイツ近頃、頑張ってるから少しは認めてやろうかな~って。ただそれだけ。
人材育成ってそういうもんよ。二宮、元気で生きてるか~?!お前のせいで俺の尻、ヤバいんですけど!
マグリットってば、唇やらおでこやら頬っぺたにちゅっちゅだけでなく、首筋のあたりにまでキスし始めた。さわさわと背中やら脇腹やら触られる。ゾクゾクしちゃって、思わずマグリットの逞しい背中にすがりついちゃう、俺。
ヤバいです。これは本格的にヤバいです、ラフィアンくん。
「あん。マグ、お願い。待って......」
もう、変な声出ちゃうじゃないですか。ストップ。ストーップ。
「あ、あの僕、こういうの初めてだから......」
前世じゃ、触られる方じゃなくて触るほうだったの。だから慣れないのこういうの。そんなとこ気持ちいいと思わなかったし。勉強になるわ~って遅すぎるけどな!
「俺だって始めてだよ......。でも、迷宮とか行って何かあったら.......。もうラフィに会えなくなったらと思うと......怖くて」
じっと見つめると鳶色の瞳が半分泣きそうに揺れている。意外と気弱なんだね、マグリット。
あぁでも、元々根は繊細だったよね。巣から落ちた小鳥が心配で、犬とか近寄らないように見張ってたよね。
でも、母鳥がなかなか来なくて、結局ふたりで飼って育てたよね。巣立ちの時、泣いてたよね、マグリット。
でも、この世の思い出にイッパツなんて発想はいけません。
「大丈夫だよ、マグ。俺達はきっと勝つ」
俺はマグリットの頭を引き寄せ、瞼にキスしてじっと見つめた。
「だから、今はまだ......ね」
心の準備、出来てないんです。頼むから、も少し時間ください。出来れば永遠くらい。でも、そうは問屋がオロシダイコン。ぶっかけ蕎麦食べたいな~っと。
「魔王退治したら、俺の嫁さんになってくれる?」
真剣な真剣なマグリットの眼差し。ここで引いたら男が廃る。え、違う?まあいいや。
「うん。絶対大丈夫だから。魔王を倒したら、結婚しよ」
「ラフィ.....!」
万感の思いを込めて抱きつくマグリット。ぎゅーって.....ぎゅーし過ぎ、息止まるわ。
て、なんとかなだまったマグリットの頭を撫で撫でして、ほうっと一息。
「でも、これ何とかして......」
マグリットの気持ちはなだまったんだけど、目線を下に移すと......なだまらないパオンくんが.....Oh!。
「仰向けになって。目、瞑ってて」
仕方なく、お手てでコスコスして、発散させてあげることにしました。
「あ......ラフィの手、温かい......」
薄目開けるんじゃありません、この子わっ!ついでに色っぽい声出すんじゃありません。イケボすぎるよ、お前。腰に来るでしょ、腰に。
で、無事に発射完了。やれやれ......。
でも、時限装置、スイッチ入っちゃった。いや、入れちゃった。どうすべ......大汗
今、魔王退治の旅の途中です。
んでもって、貞操の危機です、たぶん。
相手は、ポンコツ王子......ではなく、モブでもなく、大好きなマグリット......なんだけど。
今日、俺とマグリットはラムダの町の祭に行ったんだ。ケヴィンとルードヴィヒも一緒に、ニコルに案内してもらって街に出た。
アントーレは何故かサマリアと話があるから行っておいで、って珍しく気持ちよく俺達を見送ってくれた。笑顔がちょっと引きつり気味だったのは気になったけど、あえて聞かなかった。
下手なこと言って、ドツボにハマるの、いやじゃん?
で、俺達は賑やかな街の中をプラプラ歩いてたんだ。色んな屋台が出てて、ワタアメみたいなのとか、りんご飴みたいなのも売ってて、つい前世のガキの頃を思い出しちまった。
ウチはさ、両親忙しかったから、祭になんか当然連れて行ってもらえなくて、けど、弟や妹は行きたくて行きたくて、勝手に家を飛び出したりして、真っ青になって探し回った。そしたら、神社の石段のところでメソメソ泣いててさ、でも何故か手にしっかりりんご飴持ってたんだよね。
で、ふっと頭を上げてみたら、近所のお姉さん。彼氏と来てたんだけど、弟を見つけて保護してくれたらしい。
『もう、お兄ちゃん、困らせちゃダメよ』
て、弟の頭を撫でて、俺や妹の分も、りんご飴買ってくれて、神社の裏山に消えていきました。まあ、そこは大人なわけで......。それからすぐお嫁に行きましたもん、お姉さん。
幸せにしてるといいな......。
てなことを考えているうちに日が沈んで、花火の打ち上げが始まった。
花火ですよ、花火!
空に赤や緑や色んな色の光の花が咲いて、はじけて、散って......これぞお祭りの醍醐味でしゅ。
で、俺はこっそり握ってくるマグリットの手を握り返したりして、ケヴィン達が花火に見とれている間に、軽くちゅっ、とかしたけど。帰りもどさくさに紛れて手を繋いで帰ってきたけど.......。
部屋に帰ったら、いきなりベッドに押し倒されました。
頭の上でマグリットがハアハアしております。どうどう、落ち着け。
「ダメだよ。みんなも帰ってくるよ」
「来ないよ。みんな手花火で遊ぶって」
あ、根回ししたね、お前。てか、何その手花火って俺も遊びたい。
あ、そんな場合じゃなかった。俺、ヤバい。
「急にどうしたんだよ、マグ。落ち着けよ」
なんとかなだめようとする俺、ハアハアの止まらないマグリット。ピンチです、俺の尻。
「ラフィが煽るから......。俺のこと嫌いなの?」
嫌いなわけないでしょ、好きだよ。嫌いなヤツとちゅーなんかしないでしょ、普通。
「それともアントーレのほうがいいの?」
そんなわけないだろ。俺はポンコツは嫌いです。アイツ近頃、頑張ってるから少しは認めてやろうかな~って。ただそれだけ。
人材育成ってそういうもんよ。二宮、元気で生きてるか~?!お前のせいで俺の尻、ヤバいんですけど!
マグリットってば、唇やらおでこやら頬っぺたにちゅっちゅだけでなく、首筋のあたりにまでキスし始めた。さわさわと背中やら脇腹やら触られる。ゾクゾクしちゃって、思わずマグリットの逞しい背中にすがりついちゃう、俺。
ヤバいです。これは本格的にヤバいです、ラフィアンくん。
「あん。マグ、お願い。待って......」
もう、変な声出ちゃうじゃないですか。ストップ。ストーップ。
「あ、あの僕、こういうの初めてだから......」
前世じゃ、触られる方じゃなくて触るほうだったの。だから慣れないのこういうの。そんなとこ気持ちいいと思わなかったし。勉強になるわ~って遅すぎるけどな!
「俺だって始めてだよ......。でも、迷宮とか行って何かあったら.......。もうラフィに会えなくなったらと思うと......怖くて」
じっと見つめると鳶色の瞳が半分泣きそうに揺れている。意外と気弱なんだね、マグリット。
あぁでも、元々根は繊細だったよね。巣から落ちた小鳥が心配で、犬とか近寄らないように見張ってたよね。
でも、母鳥がなかなか来なくて、結局ふたりで飼って育てたよね。巣立ちの時、泣いてたよね、マグリット。
でも、この世の思い出にイッパツなんて発想はいけません。
「大丈夫だよ、マグ。俺達はきっと勝つ」
俺はマグリットの頭を引き寄せ、瞼にキスしてじっと見つめた。
「だから、今はまだ......ね」
心の準備、出来てないんです。頼むから、も少し時間ください。出来れば永遠くらい。でも、そうは問屋がオロシダイコン。ぶっかけ蕎麦食べたいな~っと。
「魔王退治したら、俺の嫁さんになってくれる?」
真剣な真剣なマグリットの眼差し。ここで引いたら男が廃る。え、違う?まあいいや。
「うん。絶対大丈夫だから。魔王を倒したら、結婚しよ」
「ラフィ.....!」
万感の思いを込めて抱きつくマグリット。ぎゅーって.....ぎゅーし過ぎ、息止まるわ。
て、なんとかなだまったマグリットの頭を撫で撫でして、ほうっと一息。
「でも、これ何とかして......」
マグリットの気持ちはなだまったんだけど、目線を下に移すと......なだまらないパオンくんが.....Oh!。
「仰向けになって。目、瞑ってて」
仕方なく、お手てでコスコスして、発散させてあげることにしました。
「あ......ラフィの手、温かい......」
薄目開けるんじゃありません、この子わっ!ついでに色っぽい声出すんじゃありません。イケボすぎるよ、お前。腰に来るでしょ、腰に。
で、無事に発射完了。やれやれ......。
でも、時限装置、スイッチ入っちゃった。いや、入れちゃった。どうすべ......大汗
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