異能少女〜私と母と菖蒲さん〜

曉ノ未来

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菖蒲が見てきた世界

生きる意味 ②

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その後、条件反射で後処理隊を呼んだ。もしかしたら、右頬をなぞった理由も、条件反射かもしれない。でも、その時の私の中には、また別のものがあった気がする。後処理隊は、何かをしたときにバレないように処理する事を専門とする部隊の事。現場も、遺体も全て掃除する、ある意味掃除屋だね。
全てが片付いた頃、ボスに報告に行った。仲間が死んだのだ。その位、報告する。
コンコン
「菖蒲か。入れ。」
「失礼します。」
「用件は大体わかる。」
「はい、後輩は左の首を、芹元が所持していたバタフライナイフで切りました。」
「…そこまでしてでも芹元を愛していたのだな。愛は不要だ。時に、判断を鈍らせる。その結果が今回の自殺だ。愛は不要だ。そう思わないか?」
「私は、任務に支障が出ない…度を超えない限りは愛は必要だと思います。今の私は、愛が生きる理由ですから。」
「…ははっ、そうか。そんな風に反論できるのは菖蒲だけだな。だが、それも一理ある。人にはそれぞれ違う価値観がある。だから面白いわけだ。だが、決して度は超えるな。度を超えた愛を持つ者は、例え菖蒲でも必要ない。」
「…肝に銘じておきます。」
…………
「と言う事があったんだ。ごめんね。怖い話ばっかりで。」
「最後の方に出てきた、生きる理由の愛って何ですか?」
「…それは秘密だね。でも、いつかその時が来たら絶対に教えてあげる。それまでは待っててね。」
菖蒲さん…過去にこんな事があったんだ。それでも尚、この道を選んだ。よっぽど何かあったのかもしれない。それが…

生きる理由

私も愛なのかもしれない。父に愛されているからこそ今、生活することができる。学校に行こうと思える。菖蒲さんに出会う事ができた。それは、かけがえのない、小さな奇跡のおかげなのかもしれない。それが、神のちょっとした悪戯でも。急に終わりが来るとしても。
菖蒲さんの事を信じれたように感じる。それは、菖蒲さんについて知る事が出来たからだと思う。
「それじゃ、悲しい話もここまでにして明日から練習頑張ろっか!」
「はい!」
私は大きく返事をした。初めてだった。けど、悪い気分にはならなかった。どこかで自分が求めていたのかもしれない。こんなふうに誰かを知ることや、本音を言ったり、聞いたりする事。そして、家族以外の人を信じる事を。
「そう言えば、練習どうする?粗方キリがついたから勉強の方に移ってもいいけど…」
ならば私も話そう。今度は自分の番だ。自分の事を菖蒲さんに知ってもらおう。
「あの!」
「うおっ!びっくりした…」
ちょっと空回り。でも大丈夫。ここまでやった私にならできる。
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