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本編
告白
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僕のような陰キャが学校の王子様に告白するという、そんな人生最大の後悔を目撃されたことで、なぜか僕はクラスメートと仲良くなった。今では24日になると皆に頑張れと見送られるほどだ。
彼はそれから疎遠になるということもなく、でも前と同じくらい話すかといったらそうではない。ただ24日の呼び出しには毎月来てくれる。
それももうすぐ2年目だ。告白19回目の高校2年11月が今月な訳だが、僕はこの恋に終止符を打とうと思っている。
イベント毎に彼と一緒に過ごす想像をしてしまったり、たまに会話するのも楽しみにしたりですごく心が癒されて、彼の行動一つ一つが気になってますます好きになる。
でも、さすがに疲れてしまった。
彼はモテるから、クリスマスは女の子と過ごすかもしれない。バレンタインには山のようにチョコを貰っているし、体育祭では告白の列ができている。
クラスメート以外も僕に嫉妬しないの、なんて聞いてくる始末だ。僕に嫉妬する権利なんてないのに。
とにかく、第三者に心配されるなんて申し訳ないし。…なにより、告白を断られる度に泣く回数が増えたことが精神的に悪い。また告白できるように頑張ろうって、勉強も体を鍛えたりもしているけど、報われないってこんなに辛いと思わなかった。
叶わない恋をして、彼にも迷惑だ。
だから今日、僕は人生19回目の告白する。
「寺田絋くん、好きです。僕と付き合ってください。」
クリスマスも学校はある。26日からお正月休みを経て学校が始まるわけだが、この期間は僕の心の療養のためにお宮にいく以外ずっと家にこもって本を読むことにしている。
12月24日。
クリスマスイブの今日は本来なら告白の日だ。本日帰りのホームルームも終わり、ドア側の席の僕はすぐに帰り道を歩く。
「今日予定あるから早めに来いよ。」
そう言ってくれる絋に笑みがこぼれる。
こんな僕にもまだ優しく声をかけてくれる。
「ううん。大丈夫。」
「家族と外食しようって話し出ててさ。」
「うん。」
「だから今日は駅じゃなくて車で迎えにきてもらってんだ。悪いけど帰るのは校門までな。」
ぐっと唇を噛み締め笑う。
「ううん。大丈夫。」
「は?なにが?」
「僕、帰るよ。また明日、絋。」
靴を履き変えて外に出ると雪が降っていた。僕のこの思いにも雪が降り積もって、白く消してくれないかな。
クリスマスはホワイトクリスマスとなった。
電車は少し遅延していたし、道には薄いけどちゃんと雪が積もっている。駅で遅延証を貰った僕は自動販売機で買ったホットコーヒーをカイロ代わりに、ゆっくり学校へと足を運ぶ。
少し教室には行きずらい。告白をやめたとなれば応援してくれていたクラスメートを裏切ることになる。
でも、一番の理由は好きな人にもう好きと伝えられないこと。
自分で決めておいてと思われるかもしれないけど、こうでもしないともっと辛いから。だから今日は彼の好きなミルクティーじゃなくて、僕の好きなブラックコーヒーを選んだ。
「三倉、今日は一緒に帰れるけど?」
6限が終わると絋が声をかけてくれた。のもうとしていたブラックコーヒーをみて怪訝そうな顔をしている。
「苦くねーの?」
「少し。でも落ち着くから好きなんだ。」
「へー、珍しいな。」
「そうかな。ずっと好きだよ。」
一口のんでほっとため息をつく。
そこで先生がきたので絋も元の席に戻った。
彼は本当に優しいな。今は少し、辛いけど、もしかしたら友達になれるかもしれない。
でも、来年になってから。
この休み中にちゃんと気持ちに整理をつけるから。
僕はすぐに帰り道を歩いた。
時が流れるのは早いことで、もう1月の8日の登校日になった。
絋が似合いそうといってくれたから買ったマフラーをタンスにしまって、映画館でお揃いで買ったストラップがついた鞄ではなく学校指定の鞄で登校する。
結論から言えば、こんなことで気持ちの整理なんてつかなかった。
でも彼のことを好きな僕がいてもいいと思い直すことにした。
卒業までの一年間でちゃんと気持ちの整理をつけて、それでもしまだ彼が僕を友達と言ってくれるなら友達になろう。そう決めた。
席に着けば大きな足音が近づいてくる。
「三倉!なんで電話にもでないんだよ!」
絋が怒っている。そういえばスマホ、充電もせずに机に放置したっけ。
「ごめん、充電してなくて鳴らなかったのかも。」
「はぁ?ってお前ならありえるな。あとクリスマス!折角人がケーキでも奢ってやろうと店まで予約したのになんで帰ったんだ!」
「え?そうなの?」
「そうなの?じゃねーよ!意味わかんねー!それに一緒に帰れるって俺伝えたよな!?なんで一人で帰ってんだよ!」
いつになく怒ってるな。あれは一緒に帰ろうってことだったのか。
「ごめんね、まさか予約してたなんて知らなくて。クリスマスに予約って大変だったよね…。」
「いや、まあ。それはいいとして。なんで帰ったんだよ。クリスマスだぞ!?」
「うん、クリスマスだから。」
「だからなんだよ。」
「絋は予定あるかなって。」
どんなこと過ごしたのかな。知ってしまったら嫉妬してしまうだろうから聞かないけど。
「は…。お前いいのかよ?そんなんじゃ俺、彼女つくっちゃうぞ。」
ぐっと拳を握る。嫌だなんて言えない。
「あーあ。俺に彼女ができたら放課後も一緒にいれないし、休みの日だって遊びに誘ってやらないし。まあ、お前がどうしてもっていうなら遊びにいってやらんこともないけど?」
絋に彼女ができたら。分かってたことだ。僕はよくて友達で、悪く言えばしつこく迫る片思い野郎なんだから。
「それに、毎月24日は空けられなくなるかも。」
「…うん。」
「は?うんって、なんだよ。」
小さく深呼吸して、廊下の窓の外をみる。快晴で太陽が入ってきて廊下を照らしている。
「もう24日、空けなくて大丈夫。」
「は、はあ?ならどうすんだよ。」
「どうって…」
「告白!どうするんだって!」
「ああ。…あれが最後だから。」
しんっと回りが静かしなった。そういえば、ここは教室だったな。買ってきたブラックコーヒーはもうぬるくて、全然暖まらない。教室、いつもより寒いな。
「だから、大丈夫。」
「ホームルーム始めるぞ~。って、皆どうした?静かだな~。」
先生がきたから皆席に戻り始める。絋もいつの間にか、席に戻っていた。
彼はそれから疎遠になるということもなく、でも前と同じくらい話すかといったらそうではない。ただ24日の呼び出しには毎月来てくれる。
それももうすぐ2年目だ。告白19回目の高校2年11月が今月な訳だが、僕はこの恋に終止符を打とうと思っている。
イベント毎に彼と一緒に過ごす想像をしてしまったり、たまに会話するのも楽しみにしたりですごく心が癒されて、彼の行動一つ一つが気になってますます好きになる。
でも、さすがに疲れてしまった。
彼はモテるから、クリスマスは女の子と過ごすかもしれない。バレンタインには山のようにチョコを貰っているし、体育祭では告白の列ができている。
クラスメート以外も僕に嫉妬しないの、なんて聞いてくる始末だ。僕に嫉妬する権利なんてないのに。
とにかく、第三者に心配されるなんて申し訳ないし。…なにより、告白を断られる度に泣く回数が増えたことが精神的に悪い。また告白できるように頑張ろうって、勉強も体を鍛えたりもしているけど、報われないってこんなに辛いと思わなかった。
叶わない恋をして、彼にも迷惑だ。
だから今日、僕は人生19回目の告白する。
「寺田絋くん、好きです。僕と付き合ってください。」
クリスマスも学校はある。26日からお正月休みを経て学校が始まるわけだが、この期間は僕の心の療養のためにお宮にいく以外ずっと家にこもって本を読むことにしている。
12月24日。
クリスマスイブの今日は本来なら告白の日だ。本日帰りのホームルームも終わり、ドア側の席の僕はすぐに帰り道を歩く。
「今日予定あるから早めに来いよ。」
そう言ってくれる絋に笑みがこぼれる。
こんな僕にもまだ優しく声をかけてくれる。
「ううん。大丈夫。」
「家族と外食しようって話し出ててさ。」
「うん。」
「だから今日は駅じゃなくて車で迎えにきてもらってんだ。悪いけど帰るのは校門までな。」
ぐっと唇を噛み締め笑う。
「ううん。大丈夫。」
「は?なにが?」
「僕、帰るよ。また明日、絋。」
靴を履き変えて外に出ると雪が降っていた。僕のこの思いにも雪が降り積もって、白く消してくれないかな。
クリスマスはホワイトクリスマスとなった。
電車は少し遅延していたし、道には薄いけどちゃんと雪が積もっている。駅で遅延証を貰った僕は自動販売機で買ったホットコーヒーをカイロ代わりに、ゆっくり学校へと足を運ぶ。
少し教室には行きずらい。告白をやめたとなれば応援してくれていたクラスメートを裏切ることになる。
でも、一番の理由は好きな人にもう好きと伝えられないこと。
自分で決めておいてと思われるかもしれないけど、こうでもしないともっと辛いから。だから今日は彼の好きなミルクティーじゃなくて、僕の好きなブラックコーヒーを選んだ。
「三倉、今日は一緒に帰れるけど?」
6限が終わると絋が声をかけてくれた。のもうとしていたブラックコーヒーをみて怪訝そうな顔をしている。
「苦くねーの?」
「少し。でも落ち着くから好きなんだ。」
「へー、珍しいな。」
「そうかな。ずっと好きだよ。」
一口のんでほっとため息をつく。
そこで先生がきたので絋も元の席に戻った。
彼は本当に優しいな。今は少し、辛いけど、もしかしたら友達になれるかもしれない。
でも、来年になってから。
この休み中にちゃんと気持ちに整理をつけるから。
僕はすぐに帰り道を歩いた。
時が流れるのは早いことで、もう1月の8日の登校日になった。
絋が似合いそうといってくれたから買ったマフラーをタンスにしまって、映画館でお揃いで買ったストラップがついた鞄ではなく学校指定の鞄で登校する。
結論から言えば、こんなことで気持ちの整理なんてつかなかった。
でも彼のことを好きな僕がいてもいいと思い直すことにした。
卒業までの一年間でちゃんと気持ちの整理をつけて、それでもしまだ彼が僕を友達と言ってくれるなら友達になろう。そう決めた。
席に着けば大きな足音が近づいてくる。
「三倉!なんで電話にもでないんだよ!」
絋が怒っている。そういえばスマホ、充電もせずに机に放置したっけ。
「ごめん、充電してなくて鳴らなかったのかも。」
「はぁ?ってお前ならありえるな。あとクリスマス!折角人がケーキでも奢ってやろうと店まで予約したのになんで帰ったんだ!」
「え?そうなの?」
「そうなの?じゃねーよ!意味わかんねー!それに一緒に帰れるって俺伝えたよな!?なんで一人で帰ってんだよ!」
いつになく怒ってるな。あれは一緒に帰ろうってことだったのか。
「ごめんね、まさか予約してたなんて知らなくて。クリスマスに予約って大変だったよね…。」
「いや、まあ。それはいいとして。なんで帰ったんだよ。クリスマスだぞ!?」
「うん、クリスマスだから。」
「だからなんだよ。」
「絋は予定あるかなって。」
どんなこと過ごしたのかな。知ってしまったら嫉妬してしまうだろうから聞かないけど。
「は…。お前いいのかよ?そんなんじゃ俺、彼女つくっちゃうぞ。」
ぐっと拳を握る。嫌だなんて言えない。
「あーあ。俺に彼女ができたら放課後も一緒にいれないし、休みの日だって遊びに誘ってやらないし。まあ、お前がどうしてもっていうなら遊びにいってやらんこともないけど?」
絋に彼女ができたら。分かってたことだ。僕はよくて友達で、悪く言えばしつこく迫る片思い野郎なんだから。
「それに、毎月24日は空けられなくなるかも。」
「…うん。」
「は?うんって、なんだよ。」
小さく深呼吸して、廊下の窓の外をみる。快晴で太陽が入ってきて廊下を照らしている。
「もう24日、空けなくて大丈夫。」
「は、はあ?ならどうすんだよ。」
「どうって…」
「告白!どうするんだって!」
「ああ。…あれが最後だから。」
しんっと回りが静かしなった。そういえば、ここは教室だったな。買ってきたブラックコーヒーはもうぬるくて、全然暖まらない。教室、いつもより寒いな。
「だから、大丈夫。」
「ホームルーム始めるぞ~。って、皆どうした?静かだな~。」
先生がきたから皆席に戻り始める。絋もいつの間にか、席に戻っていた。
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