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秘密の帰路
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Weve boxで「梅雨」と「紫陽花」のお題をいただいて書いたものです。
窓の外に白いカーテンが揺れている。
昼頃から本格的に降り始めた雨は、外で部活動に励む生徒には嫌厭される。
特にこの梅雨の時期、長引く雨は古い校舎にジメジメとした湿気を連れてくるため、きっと生徒だけでなく教師もうんざりしているに違いない。
けれど、僕は雨が好きだ。
地面を撫でるように優しく降る柔らかな雨も、何もかを傷つけてしまうような激しい雨音も、僕にとっては耳を楽しませる音楽のように感じられる。
雨が持つ独特の香りは、休憩時間になると必ず胸いっぱいに吸い込むくらいには気に入っている。
唯一困るのは、この高校の図書室にある本の管理だ。
湿気が多いこの時期、温度も湿度も気を付けないと本が傷む。
加えて、うっかり鞄を濡らした生徒が「せ、先生……」と悲壮感を漂わせながらヨレヨレになった本を差し出してくる頻度が高くなる。
商売をしているわけではないが、梅雨は僕にとって繁忙期だ。
僕はここ十年ほど、この学校で司書教諭をしている。
本好きが高じてこの職に就いたが、専門職のようなものであるから、孤独を感じることもあるし、僕にしかできない仕事だと思うとプレッシャーを感じこともある。
それでも、大好きな本に囲まれて日々を過ごすのは幸せだ。
今は放課後。
今日も雨音を聞きながら、読書をしたり勉強したりしている生徒を横目に、返却された本を仕分けていた。
気になる本があればパラパラとめくって読んでいると、不意に、コンコンと軽快な音が聞こえてきた。
「帰宅時間だぞ。残っている生徒は荷物をまとめなさい」
図書室の出入口に寄りかかっていたのは、ネイビーのジャージを着た猪狩悟先生だった。
すらりとした長身に、女子生徒が黄色い声を上げる俳優のような整った顔。
教員の中で一番若いということもあり、生徒から友達感覚で頼られている。
その証拠に、帰宅する生徒から「水島先生、ありがとうございました。いっちゃん先生、バイバーイ」と声を掛けられていた。
帰宅の挨拶に「おう。気を付けて帰れよ」を気前よく手を振って応えているのもポイントが高い。
友達のようでいて、きちんと線引きをして教師と生徒の関係を成り立たせている。
(学生時代から要領良かったもんな。お見事)
心の中で拍手をしつつ、仕事は少し残っているものの、僕も図書室を閉める準備を始めた。
何故かといえば、お迎えがきたからだ。
「誠也さん」
生徒に向けた声とはまったくの別物。
はちみつのように甘い囁きが、生徒がいなくなった静かな図書室に響いた。
後ろ手でかちゃりと鍵を締めた猪狩先生は、ゆったりとした足取りで僕のいるカンターにやってきた。
「悟くん。お疲れさま」
「お疲れさまです。もう帰れますか?」
「うん。このタンブラーを鞄に入れたらね」
手にしたのは、キャラメル色のタンブラーだ。
水気が厳禁である図書室で勤務する僕にとっては必需品で、大容量なのがとっても助かっている。
「使ってくれているんですね」
「そりゃあもちろん。悟くんが初給料で買ってくれたものだからね」
「嬉しいです」
僕の手にそっと大きな手を重ね、タンブラーを鞄にしまってくれた悟くんは、嬉しさを隠しきれていない顔をしていた。
普段はきびきびと行動してかっこいいのに、僕と話すときは可愛い表情を見せてくれる。
それを見るたびに、胸の奥がくすぐられる。
嬉しさと優越感に浸り、それをお裾分けするように、僕は悟くんの頬にキスをした。
「誠也くん……!」
「さあ、帰ろう」
「あーもー! ここでキスはずるいですって」
「この前は悟くんがしてきたでしょ」
「そ、それは反省してますぅ」
気まずそうに視線を逸らす悟くんに胸を躍らせながら、まあまあと宥めつつ電気を消し、図書室の鍵を締める。
鍵は僕個人で保管することになっているため、このまま帰ってもいい。
隣接している教室棟の三階にある職員室へわざわざ立ち寄らなくてもいいのは面倒がなくて最高だ。
それに、こうして悟くんとも一緒に帰れるからね。
生徒が帰った学校はしんと静まり返っている。
聞こえるのは、途切れることのない雨音と、歩くたびにギシギシと聞こえる床のかわいそうな悲鳴。
それから、僕と悟くんの今日会ったことの報告の声。
まあ、当たり障りない会話だ。
「あら、水島先生、猪狩先生。さようなら」
「お疲れさまでした。さようなら」
生徒は帰宅したといえど、教員はまだ何人か残っている。
職員用玄関で出会った大先輩の教員に道を譲ると、くすりと小さく笑われた。
その微笑みの意図に気恥ずかしくなる。
子どもたちを見守るような慈愛に満ちた顔。
ベテラン教員にとって、僕らはまだまだ未熟だってことだ。
悟くんはこの学校のOBで、僕と仲が良かったことを知っている先生は多く、僕と悟くんが一緒に帰宅すること自体は不審に思われることはない。
それでも、さすがに僕らが恋仲にあることは誰にも打ち明けていない。
親密すぎる雰囲気は隠さなければ、勘のいい人にはばれてしまう。
そのため、この放課後以外は接触しないことを約束しているのだ。
それぞれの傘をさし、最寄りの駅まで向かう。
電車に揺られて二十分。
今日は雨だから、学校に近い僕の家に直行だ。
小さな駅に降り立ち、改札前で傘の留め具を外す。
傘をさすと、当たり前のように悟くんが中に入ってきた。
「傘は?」
「ありますけど……ね?」
眉尻を垂らし、こてんと首をかしげおねだりする姿は実にあざとい。
けれど、悟くんの作戦は成功だ。
悩まし気な表情は、僕の胸を打ち抜いた。
そもそも、僕は悟くんのおねだりに弱い。
それを知っていての行動だ。
最初からそのつもりだったんだろう。
僕は周りを見渡した。
せわしなく足早に家に向かう学生や、スーツ姿の社会人。
その中に、僕らが勤める高校の制服やジャージを着ている人、知っている顔はいない。
「心配しなくても、傘で顔は隠れますよ」
僕を安心させるように背中を撫でた悟くんの手。
慣れたその感触に、心が落ち着いていく。
「今日だけだからね」
「そう言いつつ、いつも僕のお願いを聞いてくれる誠也さんが大好きです」
「調子に乗るな」
「はぁい」
にこにこと上機嫌な笑みを浮かべる悟くんをこれ以上叱ることはできず、僕らは雨の中を歩き出した。
小さな商店街を通り、抜け道である緑地を横切る。
その緑地には、満開の紫陽花が咲き誇っていた。
「ここ、毎年綺麗なんだよね。通勤でちょっと通るだけで幸せになる」
「じゃあ、寄り道しましょう」
さりげなく僕の腰をとると、悟くんは直角に方向転換した。
目の前には、紫陽花ロードと称される道が遠くまで続いている。
ゆるやかにカーブした道の奥まで続く紫陽花は、まるでブーケを並べたように華やかだ。
美しい景色に足を踏み出すと、心臓がトクトクと踊り出す。
休日にデートすることはあっても、平日の帰宅時はどちらかの家に直行するのが僕らのルーティンだった。
初めての平日デートは非日常のように感じられ、だからなのか、見慣れた街並みが輝いて見える。
「雨と傘が俺たちを守ってくれます。平日は雨の日限定でデートしましょうよ」
「いいね。でも、傘はちゃんと持ってきてよ」
「もちろんです」
淡く青やピンク、紫に色付く紫陽花へ視線を奪われる。
それでも、傘の下ではぴたりと肩を寄せ合い、手を繋ぐ。
重なった手のぬくもりはそのまま胸へと流れ込み、またひとつ、好きが降り積もる。
雨の日の楽しみが増えた。
秘密の帰路は、僕らだけのもの。
窓の外に白いカーテンが揺れている。
昼頃から本格的に降り始めた雨は、外で部活動に励む生徒には嫌厭される。
特にこの梅雨の時期、長引く雨は古い校舎にジメジメとした湿気を連れてくるため、きっと生徒だけでなく教師もうんざりしているに違いない。
けれど、僕は雨が好きだ。
地面を撫でるように優しく降る柔らかな雨も、何もかを傷つけてしまうような激しい雨音も、僕にとっては耳を楽しませる音楽のように感じられる。
雨が持つ独特の香りは、休憩時間になると必ず胸いっぱいに吸い込むくらいには気に入っている。
唯一困るのは、この高校の図書室にある本の管理だ。
湿気が多いこの時期、温度も湿度も気を付けないと本が傷む。
加えて、うっかり鞄を濡らした生徒が「せ、先生……」と悲壮感を漂わせながらヨレヨレになった本を差し出してくる頻度が高くなる。
商売をしているわけではないが、梅雨は僕にとって繁忙期だ。
僕はここ十年ほど、この学校で司書教諭をしている。
本好きが高じてこの職に就いたが、専門職のようなものであるから、孤独を感じることもあるし、僕にしかできない仕事だと思うとプレッシャーを感じこともある。
それでも、大好きな本に囲まれて日々を過ごすのは幸せだ。
今は放課後。
今日も雨音を聞きながら、読書をしたり勉強したりしている生徒を横目に、返却された本を仕分けていた。
気になる本があればパラパラとめくって読んでいると、不意に、コンコンと軽快な音が聞こえてきた。
「帰宅時間だぞ。残っている生徒は荷物をまとめなさい」
図書室の出入口に寄りかかっていたのは、ネイビーのジャージを着た猪狩悟先生だった。
すらりとした長身に、女子生徒が黄色い声を上げる俳優のような整った顔。
教員の中で一番若いということもあり、生徒から友達感覚で頼られている。
その証拠に、帰宅する生徒から「水島先生、ありがとうございました。いっちゃん先生、バイバーイ」と声を掛けられていた。
帰宅の挨拶に「おう。気を付けて帰れよ」を気前よく手を振って応えているのもポイントが高い。
友達のようでいて、きちんと線引きをして教師と生徒の関係を成り立たせている。
(学生時代から要領良かったもんな。お見事)
心の中で拍手をしつつ、仕事は少し残っているものの、僕も図書室を閉める準備を始めた。
何故かといえば、お迎えがきたからだ。
「誠也さん」
生徒に向けた声とはまったくの別物。
はちみつのように甘い囁きが、生徒がいなくなった静かな図書室に響いた。
後ろ手でかちゃりと鍵を締めた猪狩先生は、ゆったりとした足取りで僕のいるカンターにやってきた。
「悟くん。お疲れさま」
「お疲れさまです。もう帰れますか?」
「うん。このタンブラーを鞄に入れたらね」
手にしたのは、キャラメル色のタンブラーだ。
水気が厳禁である図書室で勤務する僕にとっては必需品で、大容量なのがとっても助かっている。
「使ってくれているんですね」
「そりゃあもちろん。悟くんが初給料で買ってくれたものだからね」
「嬉しいです」
僕の手にそっと大きな手を重ね、タンブラーを鞄にしまってくれた悟くんは、嬉しさを隠しきれていない顔をしていた。
普段はきびきびと行動してかっこいいのに、僕と話すときは可愛い表情を見せてくれる。
それを見るたびに、胸の奥がくすぐられる。
嬉しさと優越感に浸り、それをお裾分けするように、僕は悟くんの頬にキスをした。
「誠也くん……!」
「さあ、帰ろう」
「あーもー! ここでキスはずるいですって」
「この前は悟くんがしてきたでしょ」
「そ、それは反省してますぅ」
気まずそうに視線を逸らす悟くんに胸を躍らせながら、まあまあと宥めつつ電気を消し、図書室の鍵を締める。
鍵は僕個人で保管することになっているため、このまま帰ってもいい。
隣接している教室棟の三階にある職員室へわざわざ立ち寄らなくてもいいのは面倒がなくて最高だ。
それに、こうして悟くんとも一緒に帰れるからね。
生徒が帰った学校はしんと静まり返っている。
聞こえるのは、途切れることのない雨音と、歩くたびにギシギシと聞こえる床のかわいそうな悲鳴。
それから、僕と悟くんの今日会ったことの報告の声。
まあ、当たり障りない会話だ。
「あら、水島先生、猪狩先生。さようなら」
「お疲れさまでした。さようなら」
生徒は帰宅したといえど、教員はまだ何人か残っている。
職員用玄関で出会った大先輩の教員に道を譲ると、くすりと小さく笑われた。
その微笑みの意図に気恥ずかしくなる。
子どもたちを見守るような慈愛に満ちた顔。
ベテラン教員にとって、僕らはまだまだ未熟だってことだ。
悟くんはこの学校のOBで、僕と仲が良かったことを知っている先生は多く、僕と悟くんが一緒に帰宅すること自体は不審に思われることはない。
それでも、さすがに僕らが恋仲にあることは誰にも打ち明けていない。
親密すぎる雰囲気は隠さなければ、勘のいい人にはばれてしまう。
そのため、この放課後以外は接触しないことを約束しているのだ。
それぞれの傘をさし、最寄りの駅まで向かう。
電車に揺られて二十分。
今日は雨だから、学校に近い僕の家に直行だ。
小さな駅に降り立ち、改札前で傘の留め具を外す。
傘をさすと、当たり前のように悟くんが中に入ってきた。
「傘は?」
「ありますけど……ね?」
眉尻を垂らし、こてんと首をかしげおねだりする姿は実にあざとい。
けれど、悟くんの作戦は成功だ。
悩まし気な表情は、僕の胸を打ち抜いた。
そもそも、僕は悟くんのおねだりに弱い。
それを知っていての行動だ。
最初からそのつもりだったんだろう。
僕は周りを見渡した。
せわしなく足早に家に向かう学生や、スーツ姿の社会人。
その中に、僕らが勤める高校の制服やジャージを着ている人、知っている顔はいない。
「心配しなくても、傘で顔は隠れますよ」
僕を安心させるように背中を撫でた悟くんの手。
慣れたその感触に、心が落ち着いていく。
「今日だけだからね」
「そう言いつつ、いつも僕のお願いを聞いてくれる誠也さんが大好きです」
「調子に乗るな」
「はぁい」
にこにこと上機嫌な笑みを浮かべる悟くんをこれ以上叱ることはできず、僕らは雨の中を歩き出した。
小さな商店街を通り、抜け道である緑地を横切る。
その緑地には、満開の紫陽花が咲き誇っていた。
「ここ、毎年綺麗なんだよね。通勤でちょっと通るだけで幸せになる」
「じゃあ、寄り道しましょう」
さりげなく僕の腰をとると、悟くんは直角に方向転換した。
目の前には、紫陽花ロードと称される道が遠くまで続いている。
ゆるやかにカーブした道の奥まで続く紫陽花は、まるでブーケを並べたように華やかだ。
美しい景色に足を踏み出すと、心臓がトクトクと踊り出す。
休日にデートすることはあっても、平日の帰宅時はどちらかの家に直行するのが僕らのルーティンだった。
初めての平日デートは非日常のように感じられ、だからなのか、見慣れた街並みが輝いて見える。
「雨と傘が俺たちを守ってくれます。平日は雨の日限定でデートしましょうよ」
「いいね。でも、傘はちゃんと持ってきてよ」
「もちろんです」
淡く青やピンク、紫に色付く紫陽花へ視線を奪われる。
それでも、傘の下ではぴたりと肩を寄せ合い、手を繋ぐ。
重なった手のぬくもりはそのまま胸へと流れ込み、またひとつ、好きが降り積もる。
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秘密の帰路は、僕らだけのもの。
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