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六章
50/付け耳にゃんこ
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「蓮美君、バグの待機をどうしようか?」
定時を過ぎたので狸悟が確認をする。
「希望します、命君も心配なので」
バグでは戦力にならないが経験をできるだけ積みたい。
活躍できずとも、参加する意欲を汲み取ってもらえる事は嬉しかった。
「そういえばバグって最近現れないわよね?」
和兎の疑問が自分の考えと一致する。
命にしたあの質問と同じだ。
「ですよね、急に息を潜めたみたいに。いなくなれば俺も残業しなくて済むんですけど」
「彼らの動きはよくわからないからね。だとしたら命君も神として肩の荷が下りるし、人間らしい生活を送れるんだが……」
狐乃と悟狸の会話に蓮美も同じ思いを抱く。
地方へ行けなかったり、幼児帰りをしたり、命の生き方はままならない事の連続だ。
同情ばかりでは成長を妨げてしまうが、できる事なら協力もしたい。
一方でいい加減振り回されてもいる。
彼氏もできない、プライベートも地味なまま。
人の世話を焼くのもいいが自分の幸せも探さねばと悩んだり。
「ふぅ……」
「ん?」
考えあぐねてついたため息を狐乃が見逃さなかった。
「浮かない顔してるね」
「大丈夫です」
「ストレス溜めてる?」
「大丈夫です」
「別店があるけど行かない?」
「ホントに大丈夫なので」
狐乃は色恋で引きずるタイプだが、望みがあれば何度でもアタックする。
ある意味打たれ強く、ある意味執念深い。
しつこい勧誘を断っていたら、傍でガチャンと音がした。
「にゃあ」
命が充電していた狐乃のスマホを猫パンチで弾き飛ばしている。
「あぁっ、おまっ……!」
拾ったスマホは画面がバキバキに割れていた。
「あぁあああっー!」
「うにゃあーん」
凍り付く男性陣。
「機種変したばっかなのに……」
かける言葉が見当たらない。
重苦しい沈黙の中、猛者(もさ)である和兎が一人腰を上げた。
「命君、こっちに来なさい」
彼女は厚紙の切れ端にマジックで文字を書き、裁縫用の紐を通して首から下げさせる。
『私は同僚のスマホ画面を割りました』
デカい反省札だ。
「しばらくじっとしてなさい」
「にゃん……」
小さく鳴くと命は猫背でイスに座る。
「コイツ、バグが現れたら戦えるんですかね?」
涙目の狐乃に誰も答えない。
いたたまれなくなった蓮美も和兎に続いて立ち上がった。
「私、待機用の夜食を作ってきます」
空気を変えるにはこれしかない。
職員ニコニコお供物タイムだ。
「いいのかいっ!」
「そうよ、蓮美がいるから夜食、じゃなくて、夜にもお供物が食べれるわっ!」
「気分を変えるかの」
「すまない朝霧君……」
「蓮美ちゃん、俺の嫁になっt」
「いってきますっ!」
悟狸、和兎、猿真、犬威、狐乃の声を背に職員室を飛び出した。
気分が晴れるように変わったメニューを考えようと思う。
時間はたっぷりあるので手鞠寿司(てまりずし)など作ってみようか。
「ニンジンが残っていたし、味付けして……」
ジリリリリリリッ。
「ひゃあっ!」
家庭科室の手前で鳴り出した、バグの出現を知らせる非常用ベル。
何度聞いても心臓に悪い。
「待機命令、やおよろず生活安全所に待機命令」
スピーカーの放送が廊下に漏れてくる。
「都内でバグと思われる事案が発生、正体の判別は検証中の為、職員はその場で待機。繰り返す、都内でバグと思われる事案が発生、正体の判別は検証中の為、職員はその場で待機」
放送を聞いておやっと思った。
現れる時間が早い、バグの出現は八時過ぎの筈だったが。
「命君は……」
長い廊下を急いで引き返すと、職員室では。
「うそぉーん」
悟狸が嘆いていた。
猫耳のカチューシャと肉球グローブ、足には肉球ブーツを命が身に着けている。
机の上にあった箱が開いているので通販で購入した物のようだ。
猫になりきる為だろうが、どのタイミングで注文したのか。
宿直室の抱き枕もだが、彼のネット注文はいささか到着が早い気がする。
どんな裏技を使っているのか。
「命、そ、そ、そんな装備で大丈夫なのか……?」
「大丈夫だ、問題ない」
茫然自失の犬威にまともな返事で返したが、見た目はどう見てもまともではない。
ちょっとした変態が出来上がっている。
「命君、正気に戻らないかっ!」
危機感を感じた狸悟も叱ってはみたが。
「うなぁ~ん」
また猫に戻ってしまった。
「くそっ、ならば!」
犬威が棚にあったパソコンを取り出して小脇に抱える。
外勤持ち出し専用の物だが、意味がわからず皆が目を丸くした。
「俺がバグと戦う」
「はっ?」
狐乃がポカンとする。
「こうなったのも俺が原因だ、俺の油断から未熟な命をこんな目に。責任は取るつもりだ」
「戦うといったって、僕らの戦い方では通用しないよっ!」
止めようと扉の前を悟狸が体で塞いだ。
「いんたーねっつの化身だか何だか知らんが、こちらもいんたーねっつで応じればなんとかなるやもしれません」
ちなみに犬威はネットどころかメカに弱い。
所持したパソコンのスペックは64ビット、32ギガ。
SDカードスロット搭載、USBポート2口、バッテリー残量0、ネット環境未接続。
モニター画面、12.4インチ。
小さい。
「応じるってどうするつもりなんだい!」
常軌を逸し始めた犬威に悟狸は焦りまくる。
「殴ります」
「犬威さあぁーんっ!」
狐乃が絶叫。
「もしくは挟めるな」
12.4インチで。
「手をかけるかもしれませんが命の事を頼みます。特に狐乃、任せたぞ」
「……嫌でs」
「新しい弟分ができたと思って可愛がってやってくれ」
「嫌でぇえーすっ!」
狐乃が拒否すると、我慢ならなくなった和兎が命の両肩を掴んで揺さぶった。
「いい加減目を覚ましなさい、犬威さんが代わりに戦おうとしているのよっ!」
「うにゃあ?」
「君を必死に育てた人が身代わりになるかもしれないの、大人になりなさいっ!」
「いにゃ~ん」
気持ちが伝わったのか、嫌そうに顔を背ける。
「命君っ!」
「うなぁ~、和兎さんのメスゴリラ」
「やかましい」
スパァーンッ、と彼女のビンタが左頬に入った。
「わぁーっ!」
命がさらにぶっ壊れる想像を全員がする。
固唾を呑んで様子をみていると。
「おや、僕は……?」
真顔で我に返り、辺りを見回す。
「命君っ!」
ここで再び放送が流れてきた。
「連絡、やおよろず生活安全所に連絡」
六人が揃ってスピーカーを見上げる。
「先ほどの件はシステムエラーと判明、繰り返す、先ほどの件はシステムエラーと判明、待機命令は解除、待機命令は解除」
はぁ~、と、うなだれた全員が下を向いた。
「バグではなかったのだな……」
犬威はミニパソコンを閉じると、棚にそっと戻す。
「猫耳取った方がいいよ……」
「猫耳?」
蓮美がカチューシャを指すと、命は室内にあった鏡の前に立ってみた。
「カワイイではないですか……」
「……カワイくない」
この時ばかりは蓮美も本音が出る。
変態にしか見えない、という感想はぐっと飲みこんで。
「お疲れ様……」
結局、夜食は食べずに解散となった。
疲れ切った表情をそれぞれが浮かべて。
定時を過ぎたので狸悟が確認をする。
「希望します、命君も心配なので」
バグでは戦力にならないが経験をできるだけ積みたい。
活躍できずとも、参加する意欲を汲み取ってもらえる事は嬉しかった。
「そういえばバグって最近現れないわよね?」
和兎の疑問が自分の考えと一致する。
命にしたあの質問と同じだ。
「ですよね、急に息を潜めたみたいに。いなくなれば俺も残業しなくて済むんですけど」
「彼らの動きはよくわからないからね。だとしたら命君も神として肩の荷が下りるし、人間らしい生活を送れるんだが……」
狐乃と悟狸の会話に蓮美も同じ思いを抱く。
地方へ行けなかったり、幼児帰りをしたり、命の生き方はままならない事の連続だ。
同情ばかりでは成長を妨げてしまうが、できる事なら協力もしたい。
一方でいい加減振り回されてもいる。
彼氏もできない、プライベートも地味なまま。
人の世話を焼くのもいいが自分の幸せも探さねばと悩んだり。
「ふぅ……」
「ん?」
考えあぐねてついたため息を狐乃が見逃さなかった。
「浮かない顔してるね」
「大丈夫です」
「ストレス溜めてる?」
「大丈夫です」
「別店があるけど行かない?」
「ホントに大丈夫なので」
狐乃は色恋で引きずるタイプだが、望みがあれば何度でもアタックする。
ある意味打たれ強く、ある意味執念深い。
しつこい勧誘を断っていたら、傍でガチャンと音がした。
「にゃあ」
命が充電していた狐乃のスマホを猫パンチで弾き飛ばしている。
「あぁっ、おまっ……!」
拾ったスマホは画面がバキバキに割れていた。
「あぁあああっー!」
「うにゃあーん」
凍り付く男性陣。
「機種変したばっかなのに……」
かける言葉が見当たらない。
重苦しい沈黙の中、猛者(もさ)である和兎が一人腰を上げた。
「命君、こっちに来なさい」
彼女は厚紙の切れ端にマジックで文字を書き、裁縫用の紐を通して首から下げさせる。
『私は同僚のスマホ画面を割りました』
デカい反省札だ。
「しばらくじっとしてなさい」
「にゃん……」
小さく鳴くと命は猫背でイスに座る。
「コイツ、バグが現れたら戦えるんですかね?」
涙目の狐乃に誰も答えない。
いたたまれなくなった蓮美も和兎に続いて立ち上がった。
「私、待機用の夜食を作ってきます」
空気を変えるにはこれしかない。
職員ニコニコお供物タイムだ。
「いいのかいっ!」
「そうよ、蓮美がいるから夜食、じゃなくて、夜にもお供物が食べれるわっ!」
「気分を変えるかの」
「すまない朝霧君……」
「蓮美ちゃん、俺の嫁になっt」
「いってきますっ!」
悟狸、和兎、猿真、犬威、狐乃の声を背に職員室を飛び出した。
気分が晴れるように変わったメニューを考えようと思う。
時間はたっぷりあるので手鞠寿司(てまりずし)など作ってみようか。
「ニンジンが残っていたし、味付けして……」
ジリリリリリリッ。
「ひゃあっ!」
家庭科室の手前で鳴り出した、バグの出現を知らせる非常用ベル。
何度聞いても心臓に悪い。
「待機命令、やおよろず生活安全所に待機命令」
スピーカーの放送が廊下に漏れてくる。
「都内でバグと思われる事案が発生、正体の判別は検証中の為、職員はその場で待機。繰り返す、都内でバグと思われる事案が発生、正体の判別は検証中の為、職員はその場で待機」
放送を聞いておやっと思った。
現れる時間が早い、バグの出現は八時過ぎの筈だったが。
「命君は……」
長い廊下を急いで引き返すと、職員室では。
「うそぉーん」
悟狸が嘆いていた。
猫耳のカチューシャと肉球グローブ、足には肉球ブーツを命が身に着けている。
机の上にあった箱が開いているので通販で購入した物のようだ。
猫になりきる為だろうが、どのタイミングで注文したのか。
宿直室の抱き枕もだが、彼のネット注文はいささか到着が早い気がする。
どんな裏技を使っているのか。
「命、そ、そ、そんな装備で大丈夫なのか……?」
「大丈夫だ、問題ない」
茫然自失の犬威にまともな返事で返したが、見た目はどう見てもまともではない。
ちょっとした変態が出来上がっている。
「命君、正気に戻らないかっ!」
危機感を感じた狸悟も叱ってはみたが。
「うなぁ~ん」
また猫に戻ってしまった。
「くそっ、ならば!」
犬威が棚にあったパソコンを取り出して小脇に抱える。
外勤持ち出し専用の物だが、意味がわからず皆が目を丸くした。
「俺がバグと戦う」
「はっ?」
狐乃がポカンとする。
「こうなったのも俺が原因だ、俺の油断から未熟な命をこんな目に。責任は取るつもりだ」
「戦うといったって、僕らの戦い方では通用しないよっ!」
止めようと扉の前を悟狸が体で塞いだ。
「いんたーねっつの化身だか何だか知らんが、こちらもいんたーねっつで応じればなんとかなるやもしれません」
ちなみに犬威はネットどころかメカに弱い。
所持したパソコンのスペックは64ビット、32ギガ。
SDカードスロット搭載、USBポート2口、バッテリー残量0、ネット環境未接続。
モニター画面、12.4インチ。
小さい。
「応じるってどうするつもりなんだい!」
常軌を逸し始めた犬威に悟狸は焦りまくる。
「殴ります」
「犬威さあぁーんっ!」
狐乃が絶叫。
「もしくは挟めるな」
12.4インチで。
「手をかけるかもしれませんが命の事を頼みます。特に狐乃、任せたぞ」
「……嫌でs」
「新しい弟分ができたと思って可愛がってやってくれ」
「嫌でぇえーすっ!」
狐乃が拒否すると、我慢ならなくなった和兎が命の両肩を掴んで揺さぶった。
「いい加減目を覚ましなさい、犬威さんが代わりに戦おうとしているのよっ!」
「うにゃあ?」
「君を必死に育てた人が身代わりになるかもしれないの、大人になりなさいっ!」
「いにゃ~ん」
気持ちが伝わったのか、嫌そうに顔を背ける。
「命君っ!」
「うなぁ~、和兎さんのメスゴリラ」
「やかましい」
スパァーンッ、と彼女のビンタが左頬に入った。
「わぁーっ!」
命がさらにぶっ壊れる想像を全員がする。
固唾を呑んで様子をみていると。
「おや、僕は……?」
真顔で我に返り、辺りを見回す。
「命君っ!」
ここで再び放送が流れてきた。
「連絡、やおよろず生活安全所に連絡」
六人が揃ってスピーカーを見上げる。
「先ほどの件はシステムエラーと判明、繰り返す、先ほどの件はシステムエラーと判明、待機命令は解除、待機命令は解除」
はぁ~、と、うなだれた全員が下を向いた。
「バグではなかったのだな……」
犬威はミニパソコンを閉じると、棚にそっと戻す。
「猫耳取った方がいいよ……」
「猫耳?」
蓮美がカチューシャを指すと、命は室内にあった鏡の前に立ってみた。
「カワイイではないですか……」
「……カワイくない」
この時ばかりは蓮美も本音が出る。
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