神様に愛されるということ

かゐこ

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ー目を覚ますと、古いどっしりとした木のつくりの天井と、私を覗き込む五つの顔が見えた。

「あ、目ぇ覚まさはったわ」

「~っ!!!」

慌ててガバっと起き上がる。どうやら気を失っていたらしい。

ー改めて周りを見渡すと、そこには先ほどの烏帽子の青年に加え、見た目は20~30歳ほどの4人の男性がいた。烏帽子の青年はよく言えば愛嬌のある、いかにも日本人といった普通の顔立ちをしていたが他の4人は違った。

1人は、限りなく黒に近い深い藍色の髪と目をした、端正な顔立ちの男性だ。真っ黒の僧衣のような上衣に、袴を着て数珠を首から下げている。何よりも目を引くのは、肩甲骨のあたりから伸びている見事な黒い翼であった。

(…作り物なのかな…だとしたらすごいクオリティ…)

その隣の男性は、黒ずくめの翼の男とは対照的に眩しいまでの銀髪をしていた。切れ長の目が特徴的で、目元に差してある紅がなんとも知的な雰囲気を出している。白の袴を身につけて、扇子を優雅にひらひらと振っていた。

烏帽子の青年を挟んで反対側に座る男性は、女物の着物をまるで江戸時代の花魁の様に着崩した、すこし吊り目で妖艶な感じの二枚目である。こちらは艶やかな黒髪であったが、ちらりとみえる肌には鱗の様な模様が幾つも見えた。

(…変わったタトゥー…だな…)

最後の男性は、これまた目を引く朱色の天然パーマのかかった髪をしている。濃い紫の着流しを着て角帯をきりりと締めている。こちらもまた涼しげな顔の美男で、キセルをふかしていた。

ーしかしまた、目のやり場に困るほどの…俗に言うイケメン達である。真ん中の青年には申し訳ないが、この4人には桁違いの神々しさのような美しさがある。私はしばし見とれていた。いくら恋愛に縁がない私でもイケメンとは目の保養になるものだ。

しばらくの間を置いて、白装束の青年がおもむろに口を開いた。

「驚かしてごめんなぁ。そらビックリもするわなー。」

優しい口調に、私の警戒心も少し薄れる。

「あ、あの!私気づいたらこんなとこにいて…。信じてもらえないかもしれませんけど、昨日まで東京の自宅で寝てたんです!」

しかし話を聞いてくれた青年は何一つ表情を変えず、笑顔のままだ。んん?

「もうほんとわけわかんなくて…」

「確かにいきなりやしわけわからんやろなぁ」

「そうなんですよ…」

んんんん???なんか引っかかる言い方するなこの人。

「だって呼んだん僕やもん。」

…はい?????

…頭の中をハテナマークがぐるぐる回り出す。

青年は服の襟をちょいと正して背筋を伸ばして正座をしてこちらに向き直ると、深々と頭を下げてこう言った。

「…改めまして自己紹介が遅れましたが、僕は安倍晴明と申します。この度あなたはこの京都の地で、神々に見初められてその妻となることが決まりました誠におめでとうございます!!」

…やだこの人ちょっと何言ってるのかわかんない。
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