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ウソツキ4(非エロ)
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「アサァー……アサァー……」
朝日が差し込み、ぬるく湿った風とともに空を飛んでいるアサドリ。
いつもなら小ばかにしてると思うようなアサドリの鳴き声のはずが、どうにも今日に限っては気を紛れさせるのんきな鳴き声のようである。
傭兵たちの朝食の準備を手伝うために村酒場へと向かうケントとハーヴェイ。だがその足取りはいつもよりどこか重そうだ。
「今日は忙しくなりそうっスねぇ」
「そうだな」
「──元気なさそうッスねぇ、昨日の事でも気にしてるんスか?」
「そりゃなぁ……やっぱ問題なんだろうなぁ」
*
「──何をやっとるか貴様らはぁ!」
──あの時、団長はしばらく固まった後、強く言葉を吐き出したが何を思ったのか無言で天幕を去っていった。
ケントたちも団長たちが帰ってくるだろうとは聞いていたが、まさかあんな時間にわざわざ自分たちの天幕に来るなんて予想もしていなかった──しかも最悪のタイミングで。
団長に見られた事で、ケントはただただ困惑し、翌日の今でも不安がっている。
ハーヴェイも驚いてはいたが、性格も相まって、すぐにケロっといつも通りになった。
さすがにそのまま性行為を続けるほど無粋ではなかったが、今ケントの隣にいるハーヴェイはいつも通りのハーヴェイと何も変わらない。
マラークは興ざめだと言いながら行為をやめた。
その後はやる気のなさそうないつも通りの態度、そしていつも通りの表情だった。
ただ唯一、天幕を去っていくときにほんの一瞬だけ見えたその表情をケントは見逃さなかった。
マラークは不敵に笑っていた──まるであの状況すら楽しんでいるかのように。
そしてルヴィ団長。サンダーライト傭兵団をまとめ上げる唯一の女性。
入団当時、レックスはともかくグリフやマラークのようなひと癖もふた癖もある男たちをまとめ上げているのが、若い女だったなんてケントは信じられなかった。
現代なら若い女社長に、男社員が働くブランド会社──というのはまぁわりとあるようなものだが、いかんせんここは力がモノを言う傭兵団。
しかしそんな疑問は日をまたぐごとにいつのまにか消えていった。団長の決断力は的確であり、もちろん強者としての風格もある。矜持もある。その矜持のおかげでケントもハーヴェイも見習いとして入団させてもらった。
だからこそケントは今も驚いている。
あんなに声を荒らげる団長は初めて見たからだ。
不安が思考を加速させていくのはケントの性格なのか、それとも人間の性質なのか。
他人が判断する事など、いくら考えても仕方のない事だとは理解してもケントは考える事をやめられない。
*
大した会話もないままケントたちが朝食の用意を手伝うために村酒場へとたどり着いた。
木製の扉を開けると小さな鐘が鳴り、ケントは村酒場の主人にあいさつをしながら中に入っていく。
「おはようございますサーズさん」
「おはよう2人とも」
「──遅いぞおまえら!」
いつもなら村酒場の主人であるサーズだけの返事のはずが、さらにハスキーな声が奥から聞こえてきた。
「げ……この声は」
ハーヴェイが小さくつぶやくと、食材を置いている奥の倉庫から男の姿が見えた。
「──ルッツ。帰ってきてたのか」
その姿はハーヴェイの背丈とそう変わらず、現代でいう少し古いスポーツ漫画のように左方の一方通行の短い髪形。
ケントがルッツと呼んだ男はケントと同じサンダーライトの見習い傭兵だ。
見習い傭兵といってもケントよりは入団時期がわずかに早く、もちろんそれだけ先輩にあたる。
遠征組の雑用要因として団長たちとともにこの村を離れていたが、彼もまたルヴィたちとともにこの村に戻ってきた。
「久しぶりだな2人とも。しかしおまえら気がたるんでるんじゃないのか?」
「は?」
「来るのが遅いってことだ。新人なら一番に来るべきだろう」
「あーあーでたっスよ……」
ケントの背後にいるハーヴェイが珍しく気だるそうな顔をして、目を背けるように壁を見ている。
そんなハーヴェイのつぶやきを聞いて、小さくため息をはくケント。
(相変わらずハーヴェイはルッツの事が苦手なんだな。ま、俺もなんだけどさ)
「そんな事じゃ遠征に出たらやっていけないぜ?ま、やっていけないから遠征組に参加させてもらえなかったんだろう。明日からはもっと早く──」
「ああルッツ君。わたしがもっと遅く来てもらうように2人に頼んだんだよ」
「え?」
村酒場の主人サーズがルッツの言葉をさえぎると、驚いたようにルッツが振り向いた。
「あんまり早く来られても、こっちが焦っちゃうし、早く作りすぎても朝食の時間と合わないからね」
実際、以前にそういうやりとりがあった。だからケントたちはこの時間に来ている。
もし見習いとして対応していたのがケントとハーヴェイでなければ、恐らくサーズはもっと遅い方がいいだなんて遠慮して言えなかっただろう。
ケント自身に自覚はないが、ケントの村人との打ち解け方は他の傭兵たちと比べると群を抜いて信頼を置かれている。
それはケントの気遣いの精度の高さから得たものなのだろう。
「し、しかしサーズさん、見習い傭兵なら見習いらしく」
(ルッツはこういう所なんだよな……サーズさんに傭兵の道理なんて関係ないのに)
ケントは自身の頭をポリポリとかくと、厨房で料理の仕込みをし始めた。
「ルッツ。みんなが帰ってきたなら今日は忙しくなるんだろ?早く準備しよう」
「ぐ……」
こうであってほしい願望を、こうあるべきと論じる話し方をする人を見抜くのがケントはうまかった。
ただの個人の傲慢(ごうまん)ともいえる望みを正当化するために、正論を並べて他人を動かそうとする行為は、決まって他者を不幸にする。
それはあの親の元で育ってきたケントだからこそ至った結論なのだろう。
ゆえにケントはルッツのようなタイプのあしらい方を熟知していた。
*
食事が次々と出来上がり、続々と起きた傭兵たちが村酒場へと集まってくる。
遠征に出ていた傭兵たち、村に滞在していたフェイやオルバー、それに当然マラークも。
現実のように、全員がそろうまで食事に手をつけないなんて事もなく、席について適当に食事を食べ、流れで酒を飲み始めた。
ひと仕事を終えたら傭兵は宴会をすると相場は決まっている。
今日は朝からみんな酒を飲んで騒ぐに違いない、誰もがそう思っていた。
ひと際遅れて団長のルヴィが扉から入ってきた。
そのルヴィの姿、そして表情を見て、村酒場にいた傭兵たちの会話が少しずつ減っていく。
何も考えずに1人の傭兵がルヴィに声をかけた。
「団長、おはようござい……」
「……」
話しかけた傭兵をにらみつけるような表情をしたルヴィは、あふれるような殺気ともいえる雰囲気をかもし出していた。
機嫌が悪いというにはあまりにも空気が張り詰めており、その表情は戦場に出ている時となんら変わらないほどの冷たい表情だった。
ルヴィのピリついた空気を察知したのか、傭兵たちに緊張感が波及していく。
気まずいのか、傭兵がコソコソと耳をうつように話している。
「なぁ……団長どうしたんだ?」
「なんか領内でヤベー事でも起こったのか?」
そんな小声の会話をする傭兵たちよりも、より一層と怖がってる者がいた──ケントとハーヴェイだ。
(俺らのせい……なのか……)
(やばい絶対怒ってるッスぅ……)
他人の空気に鈍感なハーヴェイでさえ、ルヴィから出ている緊張感を察知していた。
心なしかルヴィの体からはドス黒い魔力のような圧迫感を誰もが感じていた。
その場にいる多くの傭兵たちが心の中で委縮している中、ケントはふと好奇心からマラークを見た。
肝心のマラークはいつもとなに一つ変わらず、テーブルの上に足を置き、静かに朝から酒を飲んでいるようだった。
マラークがケントの目線に気づくと、マラークは横目のまま頬を上げ、不敵に笑った。
(いったいどんな神経をしてるんだよアイツ……!)
席についたルヴィにルッツが食事と酒を持っていく。
無関係のルッツでさえ、テーブルに皿を置く際には緊張感でツバをのみ込むほどだった。
ルヴィの空気がピリついてる理由を知っているのは、まだこの場に来ていないレックスとグリフ、そして当のルヴィだけだった。
(飲みすぎた……二日酔いだ……)
昨日、グリフが持ってきたテルミア産のサラマンダー酒。
酒にも多くの種類が存在するが、火酒というのは火を付けると燃えるほどアルコール成分が高い蒸留酒の事である。
サラマンダー酒という名前は、燃え盛るようなサラマンダーの炎を表現したテルミア産の強い火酒であり、そのアルコール濃度の高さは火酒の中でもトップクラスである。
しかし、ルヴィは知らずにグラスのサラマンダー酒を飲み干し、ケントたちの行為を目撃したあと、レックスたちの元に戻って再びサラマンダー酒のヤケ飲みをした。
そして今、頭痛と気持ち悪さを隠し、団長としての威厳を維持しようとするその様が、他人から殺気のような空気感に見えている。
しかしそれを知っている者はこの場には誰もいない。
憶測による緊張感によって、朝から傭兵たちに重いプレッシャーを与えているこの状況は、とても楽しい宴会とは言えず、この場にいるほとんどの者がこう思ってただろう。
(──全然たのしくねぇ──)
そんな状況に救いを差し伸べるかのように、遅れてレックスとグリフがやってきた。
「──おいおい、なんだこの空気は……」
「葬式でもやってんのかねぇ」
こうして不穏ともよべる空気からサンダーライト傭兵団全員による宴会が始まった。
朝日が差し込み、ぬるく湿った風とともに空を飛んでいるアサドリ。
いつもなら小ばかにしてると思うようなアサドリの鳴き声のはずが、どうにも今日に限っては気を紛れさせるのんきな鳴き声のようである。
傭兵たちの朝食の準備を手伝うために村酒場へと向かうケントとハーヴェイ。だがその足取りはいつもよりどこか重そうだ。
「今日は忙しくなりそうっスねぇ」
「そうだな」
「──元気なさそうッスねぇ、昨日の事でも気にしてるんスか?」
「そりゃなぁ……やっぱ問題なんだろうなぁ」
*
「──何をやっとるか貴様らはぁ!」
──あの時、団長はしばらく固まった後、強く言葉を吐き出したが何を思ったのか無言で天幕を去っていった。
ケントたちも団長たちが帰ってくるだろうとは聞いていたが、まさかあんな時間にわざわざ自分たちの天幕に来るなんて予想もしていなかった──しかも最悪のタイミングで。
団長に見られた事で、ケントはただただ困惑し、翌日の今でも不安がっている。
ハーヴェイも驚いてはいたが、性格も相まって、すぐにケロっといつも通りになった。
さすがにそのまま性行為を続けるほど無粋ではなかったが、今ケントの隣にいるハーヴェイはいつも通りのハーヴェイと何も変わらない。
マラークは興ざめだと言いながら行為をやめた。
その後はやる気のなさそうないつも通りの態度、そしていつも通りの表情だった。
ただ唯一、天幕を去っていくときにほんの一瞬だけ見えたその表情をケントは見逃さなかった。
マラークは不敵に笑っていた──まるであの状況すら楽しんでいるかのように。
そしてルヴィ団長。サンダーライト傭兵団をまとめ上げる唯一の女性。
入団当時、レックスはともかくグリフやマラークのようなひと癖もふた癖もある男たちをまとめ上げているのが、若い女だったなんてケントは信じられなかった。
現代なら若い女社長に、男社員が働くブランド会社──というのはまぁわりとあるようなものだが、いかんせんここは力がモノを言う傭兵団。
しかしそんな疑問は日をまたぐごとにいつのまにか消えていった。団長の決断力は的確であり、もちろん強者としての風格もある。矜持もある。その矜持のおかげでケントもハーヴェイも見習いとして入団させてもらった。
だからこそケントは今も驚いている。
あんなに声を荒らげる団長は初めて見たからだ。
不安が思考を加速させていくのはケントの性格なのか、それとも人間の性質なのか。
他人が判断する事など、いくら考えても仕方のない事だとは理解してもケントは考える事をやめられない。
*
大した会話もないままケントたちが朝食の用意を手伝うために村酒場へとたどり着いた。
木製の扉を開けると小さな鐘が鳴り、ケントは村酒場の主人にあいさつをしながら中に入っていく。
「おはようございますサーズさん」
「おはよう2人とも」
「──遅いぞおまえら!」
いつもなら村酒場の主人であるサーズだけの返事のはずが、さらにハスキーな声が奥から聞こえてきた。
「げ……この声は」
ハーヴェイが小さくつぶやくと、食材を置いている奥の倉庫から男の姿が見えた。
「──ルッツ。帰ってきてたのか」
その姿はハーヴェイの背丈とそう変わらず、現代でいう少し古いスポーツ漫画のように左方の一方通行の短い髪形。
ケントがルッツと呼んだ男はケントと同じサンダーライトの見習い傭兵だ。
見習い傭兵といってもケントよりは入団時期がわずかに早く、もちろんそれだけ先輩にあたる。
遠征組の雑用要因として団長たちとともにこの村を離れていたが、彼もまたルヴィたちとともにこの村に戻ってきた。
「久しぶりだな2人とも。しかしおまえら気がたるんでるんじゃないのか?」
「は?」
「来るのが遅いってことだ。新人なら一番に来るべきだろう」
「あーあーでたっスよ……」
ケントの背後にいるハーヴェイが珍しく気だるそうな顔をして、目を背けるように壁を見ている。
そんなハーヴェイのつぶやきを聞いて、小さくため息をはくケント。
(相変わらずハーヴェイはルッツの事が苦手なんだな。ま、俺もなんだけどさ)
「そんな事じゃ遠征に出たらやっていけないぜ?ま、やっていけないから遠征組に参加させてもらえなかったんだろう。明日からはもっと早く──」
「ああルッツ君。わたしがもっと遅く来てもらうように2人に頼んだんだよ」
「え?」
村酒場の主人サーズがルッツの言葉をさえぎると、驚いたようにルッツが振り向いた。
「あんまり早く来られても、こっちが焦っちゃうし、早く作りすぎても朝食の時間と合わないからね」
実際、以前にそういうやりとりがあった。だからケントたちはこの時間に来ている。
もし見習いとして対応していたのがケントとハーヴェイでなければ、恐らくサーズはもっと遅い方がいいだなんて遠慮して言えなかっただろう。
ケント自身に自覚はないが、ケントの村人との打ち解け方は他の傭兵たちと比べると群を抜いて信頼を置かれている。
それはケントの気遣いの精度の高さから得たものなのだろう。
「し、しかしサーズさん、見習い傭兵なら見習いらしく」
(ルッツはこういう所なんだよな……サーズさんに傭兵の道理なんて関係ないのに)
ケントは自身の頭をポリポリとかくと、厨房で料理の仕込みをし始めた。
「ルッツ。みんなが帰ってきたなら今日は忙しくなるんだろ?早く準備しよう」
「ぐ……」
こうであってほしい願望を、こうあるべきと論じる話し方をする人を見抜くのがケントはうまかった。
ただの個人の傲慢(ごうまん)ともいえる望みを正当化するために、正論を並べて他人を動かそうとする行為は、決まって他者を不幸にする。
それはあの親の元で育ってきたケントだからこそ至った結論なのだろう。
ゆえにケントはルッツのようなタイプのあしらい方を熟知していた。
*
食事が次々と出来上がり、続々と起きた傭兵たちが村酒場へと集まってくる。
遠征に出ていた傭兵たち、村に滞在していたフェイやオルバー、それに当然マラークも。
現実のように、全員がそろうまで食事に手をつけないなんて事もなく、席について適当に食事を食べ、流れで酒を飲み始めた。
ひと仕事を終えたら傭兵は宴会をすると相場は決まっている。
今日は朝からみんな酒を飲んで騒ぐに違いない、誰もがそう思っていた。
ひと際遅れて団長のルヴィが扉から入ってきた。
そのルヴィの姿、そして表情を見て、村酒場にいた傭兵たちの会話が少しずつ減っていく。
何も考えずに1人の傭兵がルヴィに声をかけた。
「団長、おはようござい……」
「……」
話しかけた傭兵をにらみつけるような表情をしたルヴィは、あふれるような殺気ともいえる雰囲気をかもし出していた。
機嫌が悪いというにはあまりにも空気が張り詰めており、その表情は戦場に出ている時となんら変わらないほどの冷たい表情だった。
ルヴィのピリついた空気を察知したのか、傭兵たちに緊張感が波及していく。
気まずいのか、傭兵がコソコソと耳をうつように話している。
「なぁ……団長どうしたんだ?」
「なんか領内でヤベー事でも起こったのか?」
そんな小声の会話をする傭兵たちよりも、より一層と怖がってる者がいた──ケントとハーヴェイだ。
(俺らのせい……なのか……)
(やばい絶対怒ってるッスぅ……)
他人の空気に鈍感なハーヴェイでさえ、ルヴィから出ている緊張感を察知していた。
心なしかルヴィの体からはドス黒い魔力のような圧迫感を誰もが感じていた。
その場にいる多くの傭兵たちが心の中で委縮している中、ケントはふと好奇心からマラークを見た。
肝心のマラークはいつもとなに一つ変わらず、テーブルの上に足を置き、静かに朝から酒を飲んでいるようだった。
マラークがケントの目線に気づくと、マラークは横目のまま頬を上げ、不敵に笑った。
(いったいどんな神経をしてるんだよアイツ……!)
席についたルヴィにルッツが食事と酒を持っていく。
無関係のルッツでさえ、テーブルに皿を置く際には緊張感でツバをのみ込むほどだった。
ルヴィの空気がピリついてる理由を知っているのは、まだこの場に来ていないレックスとグリフ、そして当のルヴィだけだった。
(飲みすぎた……二日酔いだ……)
昨日、グリフが持ってきたテルミア産のサラマンダー酒。
酒にも多くの種類が存在するが、火酒というのは火を付けると燃えるほどアルコール成分が高い蒸留酒の事である。
サラマンダー酒という名前は、燃え盛るようなサラマンダーの炎を表現したテルミア産の強い火酒であり、そのアルコール濃度の高さは火酒の中でもトップクラスである。
しかし、ルヴィは知らずにグラスのサラマンダー酒を飲み干し、ケントたちの行為を目撃したあと、レックスたちの元に戻って再びサラマンダー酒のヤケ飲みをした。
そして今、頭痛と気持ち悪さを隠し、団長としての威厳を維持しようとするその様が、他人から殺気のような空気感に見えている。
しかしそれを知っている者はこの場には誰もいない。
憶測による緊張感によって、朝から傭兵たちに重いプレッシャーを与えているこの状況は、とても楽しい宴会とは言えず、この場にいるほとんどの者がこう思ってただろう。
(──全然たのしくねぇ──)
そんな状況に救いを差し伸べるかのように、遅れてレックスとグリフがやってきた。
「──おいおい、なんだこの空気は……」
「葬式でもやってんのかねぇ」
こうして不穏ともよべる空気からサンダーライト傭兵団全員による宴会が始まった。
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