アイムキャット❕~異世界キャット驚く漫遊記~

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第二十三章 アメリカ大陸編其のニ アメリカ横断旅行、延長戦にゃ~

656 鉱山の視察にゃ~

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 う~ん……ジョージのあの顔、もう泣き止んでるよな? そんなに女王の巨乳が気持ちいいか??

 父と兄の最後の真相を知ったジョージは女王の胸の中で号泣していたが、しばらくしたら声質が変わって、わしの角度からはニヘラッてだらしない顔になっている。

 あ……

 その事に気付いたイサベレに投げ捨てられて剣を向けられていたが、ジョージが悪いから庇ってやらない。

「シラタマさ~ん! たっけて~~~!!」
「わしに泣き付くにゃらやるにゃよ~」

 幼女のように情けない声を出すジョージは、いちおう助けてやる。なんとなく女王が、本当にジョージを殺してアメリヤ王国を乗っ取ろうとしている気がしたからだ。

「チッ……」
「マジでにゃ!?」

 どうやら女王はセクハラを引き合いに出して殺す計画を、ジョージが泣き出す前から画策していたようだ。冗談とか言っていたけど、あの舌打ちは間違いないと思う。


 そんな騒ぎが落ち着いたら、ようやくケラハー率いる博士達の処置に移った。

「暗殺を手助けした人も王族に言われたら断れないんにゃし、恩赦でもあげたらどうにゃ?」
「そうですね……最後に手渡したのは城の従者みたいですし……」
「でも真相を知っちゃったからにゃ~……ここは国外追放にゃんてどうにゃろ? うちが全員引き取ってやるにゃ」
「シラタマ!」

 わしのナイスアイデアに、女王が待ったを掛けた。

「にゃんですか?」
「あなたはこの六人が欲しいだけでしょう……」
「めっそうもないですにゃ~。こんにゃ優秀にゃ人材、放っておくのがもったいないだけですにゃ~」
「全部吐いてるじゃない!」

 丁寧に言っても目的を言っているので、女王のツッコミは正しい。

「じゃ、不平等条約に付け足したからにゃ~?」

 なので伝家の宝刀を抜いて、アメリヤ王国最高の頭脳を引き抜くわしであった。

「なんて汚いことを……いや、シラタマなら技術だけを奪うことは容易ね……」
「聞こえてるからにゃ~~~!!」

 帰ってから、女王と第2ラウンド、第3ラウンドがありそうだが、博士達はお持ち帰りするしかないわしであったとさ。


「あ、そうにゃ。聞き忘れていたんにゃけど、五十年前に技術革新みたいにゃことがあったらしいけど、にゃにがあったにゃ?」
「その当時、凄い天才が生まれたんですよ」

 せっかくこの場に知識人が集まっているので聞いてみたら、ジョージが答えてくれた。

 五十年前、とある男が銃の改造を行い、失われたエンジンの製造法を復活させたらしい。そのエンジンを船に積み込み、南に旅をしてトウモロコシとゴムの木を持ち帰ってから、技術革新となったそうだ。
 車やヘリコプター、戦車やロケットランチャー、軍事に関する事は全てこの男が作ったとのこと。それだけでなく、LEDライトや集積回路、火力発電所もこの男。各種論文も残していたので、そこから原子力の研究を始めたそうだ。

 ジョージが話し初めてケラハーが補足してくれると、女王が何やら質問していたがわしは黙って考える。

 この男……やっぱ異世界転生者じゃろうな。でも、よくよく考えたら不思議な気がする。
 その前の転生者はスサノオがスカウトして、イギリス周辺の者をアメリカ大陸に船で逃がしたとは考えられるんじゃけど、軍事オタクが何故、剣と魔法の世界を選んでおるんじゃ?
 中世に転生するなら理解できる。現代兵器で無双してやるとか……まぁドラゴンなんかを銃で狩りたいならばわからんでもないか。
 でも、それならドラゴンの居る世界とか指定できるかも? アマテラスはいろいろ世界があると言っておったし……

 もしかしてじゃけど、魔法の世界を選んだのにアメリヤでは魔法を使う人が居なかったから、習う事も出来ないからチートな知識を使いまくったのかも? 海にはモンスターみたいな魚も居るから倒す為には必要じゃしな。
 それに転生者は、自分の願いの為なら何するかわからん。ベティだって、エミリの為に料理チートを解禁したとか言ってたもん。わしだって、人間に出会って人間になろうとしたもんな。
 魔法書チートを使って……猫のままじゃけど……

 わしが考え込んでいたら、女王が「まるでシラタマみたいな男ね」とか探って来たので「ノーコメント」と答えた。ジョージ達にはわからないだろうが、これで女王には伝わっただろう。


 面白い話を聞き終えたわし達は城に帰る。ケラハー達は、わしが帰る時に合わせて連れて行くので、公爵邸にて待機。家族や恋人が居る者は一緒に連れて行ってもかまわないと言ったのだが、全員独り身らしい。恋人も友達も論文らしい……
 まぁそれなら気に掛ける必要はないだろう。わしの持つ電化製品の設計図の写しや地球儀の予備を与えて、暇潰しに議論してもらう。

 城に帰ったら、わしは皆の服を洗濯。何度も水を換えて放射能測定器を当てて安全を確認したので、まったくの無害になったと思われる。

「型崩れしてるわね。捨てといて」
「まだ着れるにゃ~」

 頑張って洗ったのに、女王はこう言う始末。なので持ち帰って、誰かにリメイクしてもらってから、リータかメイバイにあげよう。

「シラタマさんって、本当に王様なんですよね?」

 洗濯はするわ貧乏臭いわでは、またジョージが疑っても仕方がないのかもしれない。


 そして翌日……

 今日はわしだけ自由行動。と言うわけではなく、昨日聞いた鉱山で働く奴隷が気になったから見に行かないといけないのだ。
 女王達は今日もアメリヤ観光をするらしいが、お金が底を突いていたのでジョージからまた借金。ほとんど女王が使い切った上にたった四日で無くなっていたから、女王の豪快さにジョージは震えていた。

 皆にはバスを貸し与えて、わしはアメリヤ王国の奴隷を統括していた貴族と一緒に戦闘機に乗ったのだが、オニヒメが乗り込んで来たと思ったらコリスも乗ってしまった。
 理由を聞いたら、オニヒメは鉄魔法を教えて欲しいようだ。コリスはわしと一緒のほうが美味しい物がいっぱい食べられると思ったっぽい。

 一緒に来たいなら仕方がないのでリータとメイバイに連れて行くと言ったら、二人はコリスとオニヒメを呼んでゴニョゴニョやっていた。たぶん浮気を疑っているのだろう。
 ちなみにリータとメイバイを残す理由は、女王の護衛のていで見張り。止める事は難しいだろうが、何をしでかすかわからないからスパイが必要なのだ。

 皆に見送られて城の庭から戦闘機を飛び立たせたら、UFO騒動が起こったらしいがしらんがな。ジョージが火消しを頑張ってくれるだろう。


 アメリヤ王国の鉱山は四ヶ所。金銀銅は採掘量は少ないみたいだが、鉄等は豊富に採掘されているようだ。掘っているのは犯罪者らしいが少し話をしてみたら、借金が返せなくなってここに収監されている者がほとんどらしい。
 その借金も、貴族がバックに居る銀行から借りたらしく、少額が瞬く間に雪だるま式に増えて行ったとのこと。本当の犯罪者はどれぐらい居るのか聞いてみたら、ニ割にも満たなかった。

 ちょっとこれはかわいそうなので、しばらくしたら「恩赦がもらえるかも?」と言っては鉱山を移動し、お昼には最後の鉱山を視察。その前にコリスにかじられたのでランチ。
 案内人は犯罪者の貴族だが、食べさせないわけにもいかないから安いランチを振る舞い、高級料理を頬張るコリスとオニヒメとお喋りする。

「二人にはちょっと難しい視察だったかにゃ?」
「う~ん……ごはんすくなかったね」
「早く魔法教えて」

 二人から感想を聞こうとしたが、コリスは奴隷のごはんしか見ていなかった模様。なんだったら味見していた。オニヒメは特に興味なし。犯罪者と聞いていたから当然と思っているようだ。
 だが、二人はこれでも猫の国の王女。将来の為にわしは心を鬼にして授業を開始する。

「ま、罰を与えるには重すぎる人も居るってのは、覚えておいてにゃ」
「「はいにゃ~」」
「よくわかってくれたにゃ~。お菓子あげるにゃ」

 しかし甘々。一言の授業で終わらせたわしは二人に餌付けして、魔法のお勉強に変えるのであった。


「「うぅぅ……むずかしいにゃ~」」

 オニヒメとコリスには鉱山で手に入れた鉄を渡して鉄魔法を教えてみたが、二人は苦戦中。土とは成分が違うから難しいみたいだ。頑張って鉄製の猫を作ろうとしているようだが、ドロドロの気持ち悪い物体となっている。

「リータは早かったんにゃけどにゃ~。もうちょっとそれで遊んでおいてにゃ~」

 二人が練習している間に鉱山の視察。それもめちゃくちゃ危険なウラン鉱山だ。
 担当者をジョージの名の元に呼び出したら奴隷も全員集めてもらい、廃坑の命令。他の鉱山と同じで、わしの事を見て「猫、猫?」騒いでいるが、こんな時の為に奴隷貴族を連れて来たのだ。一喝させて言う事を聞かせた。

 ここの奴隷は重罪人と原住民が少しとなっているが、全員被曝していると思われるので、わしの出来る最良の処置をしておく。それから犯罪者は近くの鉱山行きとなり、原住民はアメリヤ王国にバスで運ばせる。
 原住民は酷い扱いを受けていたようなので、丁重に扱ってもらえるように担当者全員奴隷紋で縛ってやった。ただ、この事は原住民には伝えず、「王都に着いたらイサベレ様に礼を言うように」と吹き込んでおいた。
 わしが助けてくれたと拝んでいたから当然だ。

 全員分け隔てなく食事を振る舞っている間に、わしは黒魔鉱の防護服を改造して尖った四つ足の付いた乗り物を作る。これだけ広いのならば少し大きくても問題ないし、人型に拘る必要はないからだ。
 目視用のガラスはビビって小さいが、戦闘機で使っている探知魔道具も付けたので、脳内に直接鉱山内部がわかるからなんとか進める。

 端から見たら蜘蛛みたいな物体だろうが、この形にしたのは正解。悪路を難なく進み、一番奥まですぐに到着。
 そこで触手に持たせた放射能測定器をガラスに近付けたら、メーターは振り切っていたのでゾッとした。

 うお~。こんな所で作業させられておったのか……よく生きていたな。でも、これからが大変かも……。ジョージには十分なケアをさせないとな。
 さてと、ロボットの中には放射能が入って来てないみたいじゃけど、長時間いるとどうなるかわからんし、早く埋めてしまおう。

 ここもわしの魔法で出した土をガッチガチに固めたら、完全封鎖。いつまで持つかわからないが、核を完璧に扱える天才が現れるまでは持って欲しいと願うわしであった。

「何それ! かっこいい!!」

 あと、オニヒメの美的センスがよくわからないわしであった。他の人は気持ち悪そうに蜘蛛みたいな乗り物を見てるのに……

「コリスはみんにゃのごはんを食べたらダメにゃ~」
「えへへ~」

 それと、頬袋を膨らませているコリスの手癖の悪さが直るようにと祈り、鉱山の視察を終えるわしであったとさ。
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