アイムキャット❕~異世界キャット驚く漫遊記~

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第二十四章 アメリカ大陸編其の三 南米で遺跡発掘にゃ~

674 べティにも報告にゃ~

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 シャーマンの老婆の娘にわし達のにおいがくさいと言われたからには、猫パーティ全員がテンションダウン。言い方も悪かったから当然だ。

「お母さんはにおいに弱いんです! ちょっとくさいだけですよ!!」

 焦った孫娘がフォーローしてくれたが、まだにおっていたと本当の事を言われたほうが傷付く。わし達は涙目で、キカプー族の集落を離れるのであったとさ。


 次の目的地は、モノンガヘラ族の集落。魔力節約の為に戦闘機で行きたかったのだが、スカンクの残り香があるならにおいが移りそうなので転移してやって来た。
 集落に近付く前に、またお風呂。全員しっかり石鹸で洗ったら、ランチをしてからモノンガヘラ族の集落に入った。

「シラタマ様~!」

 わしが来たと聞き付けたテナヤ少年が走って来たから酋長のシランの元へと案内を頼んで、向かっている間に軽く世間話。

「みんにゃ元気にやってたにゃ?」
「はい。悲しい出来事でしたが、天災と受け止めて強く生きると決めましたので……」
「わしのせいですまないにゃ。その代わり、アメリヤ王国には、わしがきっちり恐怖を刻み込んでやったからにゃ」
「は、はあ……」

 モノンガヘラ族の恨みを晴らす事を止めたのはわしだ。慰謝料を払わせる事で納得させたのもわしだ。だが、知人を殺されたりレイプされた者が納得するなんて到底あり得ない。
 なので、シランの元まで行って、メイバイがカメラに撮っていたアメリヤ王国との戦争の写真を見せてあげた。

「「あわわわわ」」

 そしたら二人は顔が真っ青。きっと初めて見る写真に、魂が吸われるとでも思っているのだろう。

「シラタマさんのせいですよ?」
「綺麗な絵だけで怖がるわけないニャー」

 リータとメイバイが言うには、アメリヤ軍だけでも圧倒的な人数差なのに、それを襲おうとする巨大な亀や鳥、空を多い尽くす火の玉、大怪獣ネコゴンが怖いらしい。

 ちょっと心の中でボケただけなのに……は~い。ちゃんとしま~す。

 心の中の言い訳も盗み聞きされていたので、わしは次なるお土産。ジョージから預かっていた手紙と、小麦の入った袋を用意する。

「読めないと思うから、わしが念話で読み上げるにゃ~」

 ジョージの手紙の内容は謝罪一色。先行でわしに小麦も持たせていた件も書いてあり、これは極一部で、収穫の関係で全てを払い終わるには数年は掛かると何度も謝罪していた。

「と、言うわけにゃ。理解できたかにゃ?」
「はあ……しかし、あのような非道なことをしていた者の言葉には思えません」
「ジョージ王はいい奴なんにゃ。でも、下の者が腐っていてにゃ。その者が権力を持っていたから止めようとしても止まらなかったんにゃ」
「なるほど……その謝罪、受け取ったとジョージ王にお伝えください」
「わかったにゃ。その言葉だけで、ジョージ王も少しは救われるにゃろ。まだアメリヤ王国内がゴタゴタしてるから支払いは遅れるだろうけど、気長に待ってやってにゃ~」
「はい!」

 しばしアメリヤ王国の現状を説明して、大事なわし達のにおいチェック。

「あぁ~……ちょっとにおいますね」
「まだ取れてないにゃ!?」

 二日も掛けてあんなに必死に洗っているのに、スカンクの呪いは解けない。リータ達はスカンクに恨みをぶつけたそうだったが、関係ないわしはリータ達をジト目で見ていた。

「もう近付きませんから、そんな目で見ないでくださいよ~」
「機嫌直してニャー」
「ゴロゴロ~」

 そう。わしがくさいのは、皆と同じ空間で寝てしまったから。わしが恨むなら、同じ布団に押し込んだリータとメイバイだ。
 ただ、全員で撫で回して来るので恨んでないと言って、モノンガヘラ族とは別れの挨拶。「また来るかも?」と残し、アメリヤ王国近くに転移した。

 またお風呂で体を必死に洗って、門から入ろうとしたら、わし達を見た事があるであろうアメリヤ兵がガクガク震えながら中に通してくれた。たぶんわしが怖かったのだろう。

「やっとわかってくれました!」
「長かったニャー!」

 リータとメイバイに続き、猫パーティは全員拍手してくれるが、心の声に反応しないで欲しい。わかって言ってることなんじゃ……


 リータ達とぺちゃくちゃ喋り、道行く人の噂話に聞き耳を立て、くさいというワードには反応して歩いていたら、ベティの露店に到着。
 夕食もここで取ろうと思い、行列に並ぶのは面倒だったから裏に回ってベティに声を掛けてみる。

「いつ見ても大繁盛だにゃ~」
「あっ! シラタマ君!! ちょっと待ってて」
「テーブル席で待ってるから、適当に大量に持って来てにゃ~」

 べティは忙しそうだったので、席で待つと言ってからわしはきびすを返す。後ろから「この忙しい時にそんな注文して行くな!」とか聞こえたけど、気のせいだろう。
 そうして次元倉庫に入っている美味しい料理をモグモグしていたら、べティと両親が荷車を押してやって来た。

「うちの料理、必要だったの!?」

 テーブルの上には大量の料理が乗っているから、普通はそう思うだろう。

「もう無くなった……」
「ほい、皿も片付けたから並べてくれにゃ~」

 猫パーティの胃袋をナメるな。ほとんどコリスの頬袋に入ったけど、大量の料理を一瞬で消すなんて、猫パーティのオハコだ。
 とりあえず持って来てもらった料理は猫パーティで適当に配膳。両親には色を付けた支払いをして追い返し、べティは椅子に乗せてあげた。

「ほんで、店は落ち着いたにゃ?」
「なんとか形は整ったわ。今日は講習会だったの」

 べティが言うには、フィッシュアンドチップス以外は他の露店に作らせる事になったそうだ。
 元々フランチャイズ化は考えていて、腕がいい露店はチェック済みだったので、選考は簡単だったとのこと。ただ、その露店の店主を集めて話を持ち掛けたら、揉める揉める。
 数パーセントのピンハネは許容範囲なのだが、どこがどの料理を作るかで殴り合いの喧嘩になったそうだ。

 なのでくじ引きで決めさせて、なんとか講習会に漕ぎ着けたらしい。

「にゃはは。大人気だにゃ~」
「ここまで揉めるとは思ってなかったわ。さすが私の料理ね」
「べティの料理は置いておいて、どこも利益率のいい料理がよかったんにゃろ。でも、集金が大変そうにゃ~」
「あたしの料理は置いておかないけど、それも問題ないわ。信頼できるお姉さんを雇って、各店舗の帳簿を管理させるから」

 お金の管理も、べティは先に手を打っていた。近所の貧しい家庭のお姉さんに計算を教えていたので、そのお姉さんはいい所に就職できたそうだ。
 その事で家庭は潤い、べティに絶大な信頼を持っていたので、そこより高い給料を提示したらホイホイ乗って来たらしい……

「にゃんかスティナと同じことしてにゃい?」
「女王蜂と一緒にしないでよね~……もっとエグイこと考えてたけど」
「にゃにしようとしてたにゃ!?」

 そう言えばべティは国家転覆を画策していた事を思い出してその方法を問い詰めてみたけど、まだ計画段階で着手はしていなかったとのこと。
 現在は軍資金を集める計画を実行に移したところらしい。

「その計画を聞かせてくれにゃ~。うちも乗っ取る気じゃないだろうにゃ~?」
「そんなことよりもさあ~……北西で雷の音が凄かったんだけど、アレってシラタマ君が何かしてたの?」
「やっぱり乗っ取ろうとしてるにゃ~?」
「そのすぐあとには南から衝撃波が来たんだけど……何かやったでしょ!!」

 べティはわしの質問に答える気がないと言いたげな勢いで噛み付いて来るので、問い詰めるのは諦めてその話をしてあげる。

「サンダーバードを探して来ると言ったにゃろ?」
「つまりアレは、シラタマ君とサンダーバードが戦っていたと……」
「金色の生き物は白銀の上位種みたいにゃから、超強かったにゃ~」
「ありえない……そんなのと戦って生きて戻るなんて……」
「にゃはは。写真と証拠の羽根もあるにゃ~」

 皆が食べて空いた皿を重ねたら、わしは数枚の写真と多種多様な鳥の羽根を並べる。その幻想的な景色を見たべティは、サンダーバードの縄張りに行きたがっていたが、「死にたいなら連れて行ってやる」と言っておいた。
 たぶん、べティでは縄張りに入った時点でショック死するだろう。イサベレからも「これ、マジだから」と止められて、べティも諦めるしかなかった。

 イサベレの言葉は、わしの言葉より信憑性があるんだって……でも、決闘しようとか言われて、ベティは土下座する勢いで断っていた。イサベレに殺されると思ったらしい……


「あ、そうにゃ。アマゾンに行って来たから、いい物を見付けて来たにゃ」
「そんな地球を股に掛けた戦いをしといて、シラタマ君は軽いわね……」
「これにゃんだけど、にゃにかわかるかにゃ~?」
「無視? 仕返し?? ……こ、これは!?」

 べティの言う通り、さっき無視された仕返しなのだが、わしの出したラグビーボールのような物体にべティはとりこになった。

「お~。やっぱり合ってたんにゃ~」
「こ、これをどこで……」
「さっきアマゾンって言ったにゃ~」
「これで本物のチョコレートが作れる! やった~!! チュチュチュッ」
「興奮するにゃ~!!」

 わしの取り出した物体は、チョコレートの原料であるカカオ。チョコに並々ならぬ情熱を持っていたべティなら、この発見に興奮してキスをして来てもおかしくないだろう。

「シラタマさ~ん?」
「シラタマ殿~?」
「その怒りはわしじゃにゃくて、べティにぶつけてくんにゃい? ……にゃ~! ゴロゴロゴロゴロ~!!」

 そんな現場を見せ付けられたリータとメイバイが怒るのもおかしくないだろう。でも、イサベレがわしの大事な所を狙うのはおかしいからな?

 しばしリータ達におもちゃにされていたわしは、大事な所を触ろうとするイサベレと戦っていては気絶もままならず、極上の撫で回しを必死に耐えるのであったとさ。
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