2 / 18
宇宙の紳士と宇宙人
紳士は空から舞い降りる
しおりを挟む
その少女は妙な出で立ちだった。銀一色の毛髪が別に珍しい訳ではない。
妙なのは彼女の顔の縫い傷である。顔を埋め尽く程に縫い傷が走っているのだ。
顔だけではない。パーカーとショートパンツの下、つまり全身に縫い傷があるのだ。
しかし、彼女の外見がどうでもよいと思える程の光景がついさっきまで彼女の眼前の荒野で繰り広げられていた。
それは一人の老眼鏡を掛け作務衣を纏った老婆によって行われた事だった。
まず老婆といっても只の老婆ではない。
三メートルを超える筋骨隆々の老婆である。背筋もしっかりしている。
その老婆の周りには、機械の残骸がいくつも転がっていた。
「大した事はなかったさね。スリー、怪我はないかい?」
「……あぁ、俺は大丈夫だよ。グランマが全部片づけてくれたからね。グランマこそ大丈夫なのか?」
「一発ももらってないからね」
相手は生身の人間ではなかった。六メートルを超える人型戦闘機だった。
その数二十体。老婆はその軍勢に一気に詰め寄り一体を適当につかみ振り回すは叩きつけるはを繰り返した。
増援にきた飛行機にはその辺の岩をぶん投げて対処した。もはや嵐の様だった。
スリーにとっては既に何度も見たことのある様ではあったが、やはり何度見ても異様である。
かといって呆けている場合ではない。
「こっちは作戦どうり終わったぜ」
少女は荒野に佇む巨大な城を眺めながら、体内通信機で宇宙にいる仲間に報告をした。
小さな何かが城めがけて落ちて行ったのを確認した。
今、重筋王ゴリゴメスは不機嫌の極みに満たされていた。
何故なら居城の玉座で酒を嗜んでいる最中に男が天井をぶち抜いて降りてきたからであった。
男は身を包んだ紳士服のほこりを帽子で払い、言った。
「いやぁ天井から失礼。私、キジヌ=サルモモールという者ですがお時間よろしいですかな?」
「よろしいもクソもねぇだろうが。てめぇ何しに人様の城にきやがった?」
ゴリゴメスは字のとうり筋骨隆々の大男であったが、頭の回る男でもあった。
相手の能力を探る為に先手をうった。
キジヌのすぐ側にマイクロブラックホールを発生させたのだ。
それはゴリゴメスの能力によって生み出された物だった。重筋王の由来の一つである。
――キジヌは紫色の靄纏いながら無傷で平然と突っ立っていた。
ゴリゴメスは驚愕した。
「星越者クラスのレンキ使いか!そんなのが何でこんな辺鄙な所に居やがる!?」
レンキ使いはそう珍しくは無かった。
問題は眼前の男が星越者である可能性があったことである。
星越者とは文字通り惑星の重力を越えることが出来る者たちの総称である。
ゴリゴメスは残念ながら星越者では無かった。つまり力の差は歴然である。
「まいっ――」
ゴリゴメスの降参の言葉よりも速く、キジヌの拳がゴリゴメスの顔面にめり込んでいた。
妙なのは彼女の顔の縫い傷である。顔を埋め尽く程に縫い傷が走っているのだ。
顔だけではない。パーカーとショートパンツの下、つまり全身に縫い傷があるのだ。
しかし、彼女の外見がどうでもよいと思える程の光景がついさっきまで彼女の眼前の荒野で繰り広げられていた。
それは一人の老眼鏡を掛け作務衣を纏った老婆によって行われた事だった。
まず老婆といっても只の老婆ではない。
三メートルを超える筋骨隆々の老婆である。背筋もしっかりしている。
その老婆の周りには、機械の残骸がいくつも転がっていた。
「大した事はなかったさね。スリー、怪我はないかい?」
「……あぁ、俺は大丈夫だよ。グランマが全部片づけてくれたからね。グランマこそ大丈夫なのか?」
「一発ももらってないからね」
相手は生身の人間ではなかった。六メートルを超える人型戦闘機だった。
その数二十体。老婆はその軍勢に一気に詰め寄り一体を適当につかみ振り回すは叩きつけるはを繰り返した。
増援にきた飛行機にはその辺の岩をぶん投げて対処した。もはや嵐の様だった。
スリーにとっては既に何度も見たことのある様ではあったが、やはり何度見ても異様である。
かといって呆けている場合ではない。
「こっちは作戦どうり終わったぜ」
少女は荒野に佇む巨大な城を眺めながら、体内通信機で宇宙にいる仲間に報告をした。
小さな何かが城めがけて落ちて行ったのを確認した。
今、重筋王ゴリゴメスは不機嫌の極みに満たされていた。
何故なら居城の玉座で酒を嗜んでいる最中に男が天井をぶち抜いて降りてきたからであった。
男は身を包んだ紳士服のほこりを帽子で払い、言った。
「いやぁ天井から失礼。私、キジヌ=サルモモールという者ですがお時間よろしいですかな?」
「よろしいもクソもねぇだろうが。てめぇ何しに人様の城にきやがった?」
ゴリゴメスは字のとうり筋骨隆々の大男であったが、頭の回る男でもあった。
相手の能力を探る為に先手をうった。
キジヌのすぐ側にマイクロブラックホールを発生させたのだ。
それはゴリゴメスの能力によって生み出された物だった。重筋王の由来の一つである。
――キジヌは紫色の靄纏いながら無傷で平然と突っ立っていた。
ゴリゴメスは驚愕した。
「星越者クラスのレンキ使いか!そんなのが何でこんな辺鄙な所に居やがる!?」
レンキ使いはそう珍しくは無かった。
問題は眼前の男が星越者である可能性があったことである。
星越者とは文字通り惑星の重力を越えることが出来る者たちの総称である。
ゴリゴメスは残念ながら星越者では無かった。つまり力の差は歴然である。
「まいっ――」
ゴリゴメスの降参の言葉よりも速く、キジヌの拳がゴリゴメスの顔面にめり込んでいた。
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
“いつまでも一緒”の鎖、貴方にお返しいたします
柊
ファンタジー
男爵令嬢エリナ・ブランシュは、幼馴染であるマルグリット・シャンテリィの引き立て役だった。
マルグリットに婚約が決まり開放されると思ったのも束の間、彼女は婚約者であるティオ・ソルベに、家へ迎え入れてくれないかというお願いをする。
それをティオに承諾されたエリナは、冷酷な手段をとることを決意し……。
※複数のサイトに投稿しております。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
精霊のお仕事
ぼん@ぼおやっじ
ファンタジー
【完結】
オレは前世の記憶を思い出した。
あの世で、ダメじゃん。
でもそこにいたのは地球で慣れ親しんだ神様。神様のおかげで復活がなったが…今世の記憶が飛んでいた。
まあ、オレを拾ってくれたのはいい人達だしオレは彼等と家族になって新しい人生を生きる。
ときどき神様の依頼があったり。
わけのわからん敵が出てきたりする。
たまには人間を蹂躙したりもする。?
まあいいか。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる