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番外編
鍛冶見習い番外編・オムラが死んだ日(ノマド目線)
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オムラが、死んだ。
こんな日が来るのは、最初から分かっていた。
あれは、結婚するより、だいぶ前だったか。
オムラが言った。
『私は、生まれつきの体質で、子どもを産むと、自分が弱り、死んでしまう。
何人産めるか分からない。
何人めが、そのきっかけになる子どもなのかも分からない。
かつていた婚約者は、そのことを話すと、私から離れ、去って行った。
その人が、優しさから離れて行ったのは知っている。
それでも私は、母親になりたい。
普通の奥さんになり、お母さんになるのが、ずっとずっと夢だったんだ。
私が夫に求めるのは、子どもなんていらないとか言う優しさじゃない。
私が死んだ後も、私たちの子を愛してくれる、強さだ』
分かっていた。
分かっていたはずだった。
俺は言ったんだ。
例え一年でも二年でも、夫婦として、家族として、一緒にいたい、と。
オムラが俺の夢を応援してくれるように、俺もオムラの夢を叶えたい、と……
俺は、今まで、どうやって生きていた?
どうやって飯を食っていた?
どうやって体を動かしていた?
どうやって息をしていたんだ?
どうやって、オムラの葬儀を終えたのか。
ぽっかりと、記憶が抜け落ちたかのように欠けている。
オムラの位牌を前に呆然としている俺の背後から、無機質な声がかけられた。
「こちらが、オムラ様のお住まいですね」
やって来た男は、イタチの獣人……だったか。
王印の押された勅書を片手に、オムラの残した素材や装備、一切合切を国が押収する、と言ってきた。
葬儀に来ただろうジェルが、そんなことを言っていた記憶はない……と思ってから、葬儀の記憶なんて、まったくないことに気付いた。
とすると、俺が覚えてないだけで、予めジェルに告げられていたのかもしれない。
確かに、オムラの聖騎士の鎧兜一式は国に伝わる国宝だったはずだ。
オムラ個人のものじゃない。
俺は、役人連中を倉庫に案内すると、オムラが遺した品が運び出されるのをぼんやりと見守った。
元気な頃は、母屋に置いてあった装備一式も、オムラが寝付いてからは倉庫の二階にしまいっぱなしになっていた。
オムラの愛剣は、国のものでなく、俺が打ったものだったが……俺は、運び出されるに任せた。もし、オムラの後を継ぐ聖騎士が表れたなら、その聖騎士に使われる方が、オムラもきっと喜ぶだろうと思った。
そうだ。
オムラが……オムラが喜ぶことをしなくては。
オムラは、鍛冶をする俺が好きだと言っていた。
役人たちを放って鍛冶場に行くと、何日も火の入っていないそこは冷え冷えとしていて、見慣れた作業場が、なんだかガランとして見えた。
オムラがいないこと。
それに加えて――通常なら、鍛冶場の定位置に積み重ねてあるはずの各種金属が、ほとんど残っていなかった。
炭もある、道具もある、藁灰も、泥汁も十分だ。
だが、肝心の金属がほとんどない。
倉庫に戻ると、既に役人たちは消えていた。
オムラが集めた素材もほとんどなくなっていたが、鉱石の類は手つかずだった。
希少な金属の混じった鉱石も、傍目にはただの重い石だ。
役人たちの誰も、これをオムラの遺品だとは思わなかったんだろう。
俺は、担げるだけのオリハルコン鉱石を担ぎ、なじみの製錬所へと向かった。
ところが、製錬所は閉まっていた。
やかましいほどの怒号と熱気が満ちていた製錬所が、しーんと冷え切って、人影ひとつ見当たらない。
懸命に近所を聞きまわって、製錬所で働いていた若い衆を一人見つけた。
製錬所で、大規模な事故があったと言う。
親父さんが半死半生の大けがを負って、何とか命は取り留めたものの、製錬所は閉鎖。
若い衆は、新しく近所に出来た、ブルセラ製錬所というところに雇ってもらった、と。
「そんな、噓だろう?
あれだけ気を遣って作業してたバズ親父が……」
自身もあちこちに火傷のある若い衆が、噓を言ってるとは思えなかった。
それでも、信じられなかった。
その一方で。
またか……という思いも、確かにあった。
いつからだったか……徐々に、徐々に、真綿で首を締めるかのように、鍛冶士としての自分が身動きできなくなっていくのを、俺は感じていた。
オムラとの出会いは、まず、ジェルとの出会いでもあった。
俺が産まれたのは王都の外れ、父親は農具専門の鍛冶屋だった。
ジェルは、俺が通っていた手習い所らへんに、時々ふらっと遊びに来る子どもだった。
時々しか来ないくせに、来ればいつも皆の遊びの中心で、ガキ大将。
一方の俺は、いつも地面を見て鉄クズやクギなんかが落ちてないか探している地味なガキで、接点なんかほとんどなかった。
そんな俺がジェルに興味を持ったのは、なぜか、奴が妙にいい剣を持っていることだった。
服装は俺らと同じ、剣の拵えだって剣帯だって大したものじゃない。
ただ、その刀身だけは、苦手な奴に近づいてでもじっくり見たいほど……素晴らしいものだった。
意を決して、「剣を見せてくれ」と言った、ほとんど話したこともないような俺に、ジェルは笑って、「こんなボロい拵えで、剣の価値に気付くとはなかなかいい目だ」と褒めてくれた。
近づき難い奴だと思っていたジェルは、意外にも武器好きで、『いつか世界一の剣を打つんだ』という俺の夢を、笑いもせずに聞いてくれた。農具鍛冶のせがれが武具鍛冶に憧れる――そのこと自体が、馬鹿にされてもしょうがないことだというのに。
俺たちは、よく二人でああでもない、こうでもない、と『最高の武具』について話すようになったけれど、俺が手習い所を卒業し、師匠の元に弟子入りすると、次第に会う機会は減っていった。
再会したのは、俺が十八。
鍛冶見習いから昇格して、ようやく、自分の打った武具を人様に売ってもいい、と師匠からお墨付きがもらえた頃だった。
店売りの、打った鍛冶士の名前も掘ってない短剣を持って、ジェルが鍛冶場を尋ねて来た。
この剣を打った鍛冶士はいるか、と……
ジェルは、それが、俺の打った剣だと分かっていたわけではなかった。
ただ、見込みのある新人にツバをつけようとか、そんな軽い気持ちだったろうと思う。
ジェルは、師匠ではなく、俺個人に大剣を注文してくれ、俺は当時の全身全霊をもって打ち上げた。
それから、ジェルは度々剣を注文してくれるようになった。
何をしているのかは知らなかったが、日常的に激しい戦いをくぐりぬけているようで、剣の消耗も激しく、数ヶ月に一本は剣を使い潰しているようだった。
そのうち、ジェルが一人の騎士を紹介してくれた。
その騎士は、俺の打った剣を一通り見ると、自分のランスを打って欲しい、と言った。
なんでも、ジェル以上に武具の消耗が激しく、ランスの刃と柄のつなぎ部分から破損することが多いため、ひとつなぎのランスを作って欲しい、とのことだった。
剣ならともかく、耐久度で勝るランスがそんなに壊れるなんて、どんな戦い方をしているんだと思ったが……俺が使わせてもらっている師匠のところの炉は普通の鍛冶場より大きく、何とかなりそうだったので、受けた。
ひとつなぎのランスというのは、想像以上に難しく、何度も試作を重ねて、ようやく満足のいくものが打ちあがった。
騎士もいたく満足してくれ、その後、その騎士も俺の顧客の一人になった。
その騎士やジェルの紹介で、徐々に俺個人をひいきにしてくれる顧客が増えていった、二十四の夏。
突然、師匠の鍛冶場の閉鎖が決まった。
もう、だいぶ長く王都にいたから、故郷に帰ることにした、と師匠は言った。
けれど、たくさんの兄弟子、特にモン兄貴から、師匠の鍛冶場にくる注文がこのところ激減していることを聞いた。
特に、鍛冶ギルドを通して来る依頼は全くなくなっているという。
鍛冶の腕はそれなりに胸を張れるものだと思っているが、そういった世事に疎い俺は、金槌ばかり振っていて、そういった金回りの事情を全く分かっていなかった。
師匠の鍛冶場にいるときには、いい武具を打つ、それだけに集中していられた。
けれど、師匠の庇護下から外れたら、鍛冶のことだけを考えているわけにはいかないだろう。
モン兄貴は、よその師匠の元に移るらしい。
他の多くの兄弟子は、師匠と故郷が同じらしく、師匠に付いて行くそうだ。
俺は……。
俺の脳裏に、いつも俺の武具を必要だと言ってくれる、ジェルや顧客一人一人の顔が浮かんだ。
悩んでいると、珍しく、騎士が『酒を飲もう』と誘ってきた。
ランスの注文にくるようになって五年近く経つが、武具以外の話をしたのは、それが初めてだった。
酒場に行って、面頬を取って初めて、俺はその騎士が、女だったのに気付いた。
「君の打ってくれたランスで、私は何度も危機を救われたんだ。
剣と違って、嵩張るランスでは、予備を何本も持って戦いに行く、というわけにはいかないからね。
君の師匠が、鍛冶場をたたむと聞いたよ。
君がいなくなると、私も困る。
おせっかいとは思うが……君さえ良かったら、君が鍛冶場を開く手助けをしたいんだ」
俺は、その騎士――オムラの資金提供の申し出を受け、自分の鍛冶場を持った。
師匠の後ろ盾もなく若造が開いた鍛冶場に、世間の目は冷たかったが、師匠の鍛冶場にいたころからの顧客が相変わらずひいきにしてくれて、なんとか糊口をしのげた。
俺は相変わらず、経営なんかはてんでダメで……オムラの知り合いの計理士に面倒を見てもらいつつ、なんとか鍛冶士を続けていた。
けれど、鍛冶ギルドはそんな俺が気に入らないのか、徐々に回してもらえる希少金属は減っていった。
特に、オムラのランスを打つには、大量の金属が必要になる。
その金属が調達できそうにない、と情けなさに牙を噛みしめて告げると、少し考えてからオムラが言った。
「うーん、君に武具を打ってもらえないと、私の生死に関わるからね。
それならば、魔獣討伐の合間に、私が鉱石を拾ってこよう。
知り合いの製錬所があるから、そこで鉱石を製錬してもらえば、私のランスを打つ分くらい、間に合うだろう」
製錬所が、個人からの依頼を受注するなんて聞いたこともなかったが、バズ製錬所の親方は、以前オムラに救われたことがあるらしく、快く無理を引き受けてくれた。
おかげで俺は、再び鍛冶だけに専念できるようになった。
何度も試行錯誤を繰り返し、ついに『特殊合金』の入り口へと片手をひっかけ、【伝説級】の剣を打つことに成功した。
これで、ついに鍛冶ギルドにも認められるだろう、と意気揚々と向かった俺に、ギルドの対応はけんもほろろだった。
「オリハルコンとはいえ、『合金』もしていない金属一種だけの剣が、【伝説級】になるはずがないでしょう?」
「これは、『特殊二重合金』という新技術で、オリハルコンとオリハルコンを『合金』しているんだ!」
「はぁ?
頭は確かですか?
同じ金属同士を『合金』できるはずがないでしょう?
『武具鑑定』を欺く術を開発した、と言われたほうが、まだ信憑性があります」
どうしても、と食い下がる俺に、鍛冶ギルドの重鎮であるブルータングという親方が、親切にも技術の検証を提言してくれた。
俺と、鍛冶ギルドが選んだ鍛冶士一人と、モン兄貴まで参加してくれて、俺が説明したやり方で、『特殊二重合金』で剣を打つ。
結果は――三人のうち誰も、『特殊二重合金』に成功する者はいなかった。
俺だって毎回成功できるわけじゃない、【伝説級】までになるのは十本に一本あるかないか、残りは大抵【見習い級】になる――という俺の主張に聞く耳を持ってくれる者は、今度こそ、誰もいなかった。
それでも、ジェルやオムラは俺の武具を必要としてくれる。
それだけを支えに、俺はひたすらより良い武具を打つことだけに心を砕いた。
そして、あの日がやって来た。
王都を、『不死の王』と呼ばれる強力なアンデットが襲来したのだ。
災害級の魔物は、王都に大きな爪痕を残したが――そこで俺は初めて、ジェルが今世の勇者であるということを知った。
その勇者が、いつもの調子で俺に言う。
「アンデットを倒すのに、大社の神剣を借りたんだが、壊しちまったんだ。
せめて同格の剣を返さなきゃなんだよな。
攻撃補正一万の剣――お前なら、打てるだろ?」
もちろん、と引き受けたが、慌てたのは鍛冶ギルドだった。
鍛冶ギルドが嘘つき呼ばわりしている俺を、救国の勇者が名指ししたのだから当然だ。
何人もの親方衆が、渾身の力作を携えて大社を訪れた。
けれど、『攻撃補正一万以上、耐久度0』、この条件をクリアできたのは、俺の打った剣だけだった。
今度こそ、『ネームド』に手が届くんじゃないか?と笑顔で言ってくれたオムラの期待に反して――鍛冶ギルドが取った行動は、『黙殺』だった。
ネームド、打った剣に自身の名を刻める、一流の鍛冶士の証。
確かに、それに憧れた時代もあったが……今となっては、さほど興味はない。
ジェルやオムラ、俺の打った剣を必要としてくれる皆の役に立つなら、それで十分だ。
そう言う俺に、オムラがいたずらっぽく笑った。
「それなら、ネームドの代わりに――私の夫になる気はないか?」
オムラと結婚してからも、俺の打った剣が鍛冶ギルドに認められることはなかった。
相変わらず、金属は回してもらえず、普通の鍛冶士が普通に打てるはずの、ミスリルさえない。
オムラが鉱石や素材を集め、バズ親方に製錬してもらい、決まった顧客に買ってもらう。
ノアが産まれた頃には、鍛冶用の炭や焼き刃土の材料まで手に入りづらくなってきた。
オムラが死んで、バズ親方まで製錬所を閉めて。
このまま俺は、鍛冶が出来なくなる?
オムラが好きだと言ってくれた、必要だと言ってくれた、俺の技術は朽ちていくのか?
そんなことはさせない。
そんなわけにはいかない。
俺は毎日、鉱石を担いでは、あちこちの製錬所を訪ねて回った。
個人からの注文は受け付けていない、と渋い顔をする製錬所に、必死で頭を下げて回り、なんとかオリハルコンやアダマンタイトの製錬を受けてくれる製錬所を探した。
出来上がったはずの金属を受け取りに行くと、「悪いな、希少金属の製錬はうちの手には余って……ダメにしちまった」と言われ、いくばくかの見舞金を握らされた。
そんなことが何度も続き、広い王都の中でも、俺の製錬を受けてくれるのは、バズ親方の製錬所の近くに出来た、ブルセラ製錬所だけになった。
ブルセラ製錬所に鉱石を持ち込むと、返ってくる金属が、バズ親方のところより、明らかに少ない。
最初は、技術の差なのかとも思ったが……
おそらく、希少な金属であるゆえに、製錬所側がピンハネしているのだろう。
だが、そんなやくざな製錬所でも、「嫌なら来なくていい」と言われてしまえば、俺に鍛冶の道は残されていない。
何度も頭を下げて、製錬を頼んだ。
オムラが死んでから、ジェルたちも依頼のときにしか顔を見せない。
気前よく前払いしてくれる代金を全てつぎ込んで、鍛冶用の素材を探し回った。
本来なら鍛冶の素材は、鍛冶ギルドを通して発注するが、俺の発注は通ったことがない。
オムラが残してくれた素材は、もうない。
闇市場を漁り、個人で冒険者ギルドに収集依頼を出し、冒険者も雇う。
譲ってくれる、という人間に騙されたことも、何度もあった。
そうこうしている内に、冒険者ギルドに所属しているマツ翁に、不審に思われ呼び止められた。
それでもまだ、死んだオムラの分まで、自分で何とかしなければ……と張りつめていた俺は、マツ翁の手を振り切った。
どうにもならない現状に、絶望し、酒に溺れ、オムラの夢を見る。
それでもなんとか、鍛冶を――依頼を果たさなければならない。
国に接収されたオムラのランスも打ち直したいし、オムラが好きだと言ってくれた技術を腐らせるわけにはいかない。
重い体を引きずって、製錬所を回り、市場を回り、冒険者ギルドへ回る。
さらに重くなった体を誤魔化すように、酒をあおって家へと戻る。
オムラの残してくれた石もなくなった。
明日からは、冒険者ギルドに鉱石収集の依頼も出さなければ……
もう、動きたくない。
身体も心も限界だった。
炬燵に突っ伏した俺の背に、ふわりと柔らかいものがかかった。
……オムラ?
顔を上げた俺の前にいたのは、目をぱちくりさせたノアだった。
瘦せた。
いや、大きく、なった?
俺は……自分のことばかりで、どれだけノアのことを見ていなかったんだろう。
そうだ、そうだ。
俺には……俺には、ノアがいたのに。
オムラの、死ぬ前の言葉が思い出される。
「私は、幸せだった。
私がいなくても、幸せにね、ノマド」
ノアの姿に、オムラが重なる。
いや、違う。
ノアは、ノアだ。
「素材も、石も。
オムラの残してったもんは、もう何にもなくなっちまった。
俺に残ってるのは、ノアだけだ」
「……オイラ?」
「そうだ。
ノアの半分は、オムラで出来てる。
お前の中に、オムラがいる」
どれだけ俺は、ノアに心配されていたのか。
……そうだ、明日は、気にかけてくれたマツ翁に、謝りに行こう。そして、鉱石や素材について、相談してみようか。
ダメ親父な俺は、きっとこれからも、鍛冶にばっかり現を抜かして、ノアに苦労をかけるだろう。
もう、オムラはいない。
それでも。
今夜だけは久しぶりに、ぐっすり眠れそうな気がした。
こんな日が来るのは、最初から分かっていた。
あれは、結婚するより、だいぶ前だったか。
オムラが言った。
『私は、生まれつきの体質で、子どもを産むと、自分が弱り、死んでしまう。
何人産めるか分からない。
何人めが、そのきっかけになる子どもなのかも分からない。
かつていた婚約者は、そのことを話すと、私から離れ、去って行った。
その人が、優しさから離れて行ったのは知っている。
それでも私は、母親になりたい。
普通の奥さんになり、お母さんになるのが、ずっとずっと夢だったんだ。
私が夫に求めるのは、子どもなんていらないとか言う優しさじゃない。
私が死んだ後も、私たちの子を愛してくれる、強さだ』
分かっていた。
分かっていたはずだった。
俺は言ったんだ。
例え一年でも二年でも、夫婦として、家族として、一緒にいたい、と。
オムラが俺の夢を応援してくれるように、俺もオムラの夢を叶えたい、と……
俺は、今まで、どうやって生きていた?
どうやって飯を食っていた?
どうやって体を動かしていた?
どうやって息をしていたんだ?
どうやって、オムラの葬儀を終えたのか。
ぽっかりと、記憶が抜け落ちたかのように欠けている。
オムラの位牌を前に呆然としている俺の背後から、無機質な声がかけられた。
「こちらが、オムラ様のお住まいですね」
やって来た男は、イタチの獣人……だったか。
王印の押された勅書を片手に、オムラの残した素材や装備、一切合切を国が押収する、と言ってきた。
葬儀に来ただろうジェルが、そんなことを言っていた記憶はない……と思ってから、葬儀の記憶なんて、まったくないことに気付いた。
とすると、俺が覚えてないだけで、予めジェルに告げられていたのかもしれない。
確かに、オムラの聖騎士の鎧兜一式は国に伝わる国宝だったはずだ。
オムラ個人のものじゃない。
俺は、役人連中を倉庫に案内すると、オムラが遺した品が運び出されるのをぼんやりと見守った。
元気な頃は、母屋に置いてあった装備一式も、オムラが寝付いてからは倉庫の二階にしまいっぱなしになっていた。
オムラの愛剣は、国のものでなく、俺が打ったものだったが……俺は、運び出されるに任せた。もし、オムラの後を継ぐ聖騎士が表れたなら、その聖騎士に使われる方が、オムラもきっと喜ぶだろうと思った。
そうだ。
オムラが……オムラが喜ぶことをしなくては。
オムラは、鍛冶をする俺が好きだと言っていた。
役人たちを放って鍛冶場に行くと、何日も火の入っていないそこは冷え冷えとしていて、見慣れた作業場が、なんだかガランとして見えた。
オムラがいないこと。
それに加えて――通常なら、鍛冶場の定位置に積み重ねてあるはずの各種金属が、ほとんど残っていなかった。
炭もある、道具もある、藁灰も、泥汁も十分だ。
だが、肝心の金属がほとんどない。
倉庫に戻ると、既に役人たちは消えていた。
オムラが集めた素材もほとんどなくなっていたが、鉱石の類は手つかずだった。
希少な金属の混じった鉱石も、傍目にはただの重い石だ。
役人たちの誰も、これをオムラの遺品だとは思わなかったんだろう。
俺は、担げるだけのオリハルコン鉱石を担ぎ、なじみの製錬所へと向かった。
ところが、製錬所は閉まっていた。
やかましいほどの怒号と熱気が満ちていた製錬所が、しーんと冷え切って、人影ひとつ見当たらない。
懸命に近所を聞きまわって、製錬所で働いていた若い衆を一人見つけた。
製錬所で、大規模な事故があったと言う。
親父さんが半死半生の大けがを負って、何とか命は取り留めたものの、製錬所は閉鎖。
若い衆は、新しく近所に出来た、ブルセラ製錬所というところに雇ってもらった、と。
「そんな、噓だろう?
あれだけ気を遣って作業してたバズ親父が……」
自身もあちこちに火傷のある若い衆が、噓を言ってるとは思えなかった。
それでも、信じられなかった。
その一方で。
またか……という思いも、確かにあった。
いつからだったか……徐々に、徐々に、真綿で首を締めるかのように、鍛冶士としての自分が身動きできなくなっていくのを、俺は感じていた。
オムラとの出会いは、まず、ジェルとの出会いでもあった。
俺が産まれたのは王都の外れ、父親は農具専門の鍛冶屋だった。
ジェルは、俺が通っていた手習い所らへんに、時々ふらっと遊びに来る子どもだった。
時々しか来ないくせに、来ればいつも皆の遊びの中心で、ガキ大将。
一方の俺は、いつも地面を見て鉄クズやクギなんかが落ちてないか探している地味なガキで、接点なんかほとんどなかった。
そんな俺がジェルに興味を持ったのは、なぜか、奴が妙にいい剣を持っていることだった。
服装は俺らと同じ、剣の拵えだって剣帯だって大したものじゃない。
ただ、その刀身だけは、苦手な奴に近づいてでもじっくり見たいほど……素晴らしいものだった。
意を決して、「剣を見せてくれ」と言った、ほとんど話したこともないような俺に、ジェルは笑って、「こんなボロい拵えで、剣の価値に気付くとはなかなかいい目だ」と褒めてくれた。
近づき難い奴だと思っていたジェルは、意外にも武器好きで、『いつか世界一の剣を打つんだ』という俺の夢を、笑いもせずに聞いてくれた。農具鍛冶のせがれが武具鍛冶に憧れる――そのこと自体が、馬鹿にされてもしょうがないことだというのに。
俺たちは、よく二人でああでもない、こうでもない、と『最高の武具』について話すようになったけれど、俺が手習い所を卒業し、師匠の元に弟子入りすると、次第に会う機会は減っていった。
再会したのは、俺が十八。
鍛冶見習いから昇格して、ようやく、自分の打った武具を人様に売ってもいい、と師匠からお墨付きがもらえた頃だった。
店売りの、打った鍛冶士の名前も掘ってない短剣を持って、ジェルが鍛冶場を尋ねて来た。
この剣を打った鍛冶士はいるか、と……
ジェルは、それが、俺の打った剣だと分かっていたわけではなかった。
ただ、見込みのある新人にツバをつけようとか、そんな軽い気持ちだったろうと思う。
ジェルは、師匠ではなく、俺個人に大剣を注文してくれ、俺は当時の全身全霊をもって打ち上げた。
それから、ジェルは度々剣を注文してくれるようになった。
何をしているのかは知らなかったが、日常的に激しい戦いをくぐりぬけているようで、剣の消耗も激しく、数ヶ月に一本は剣を使い潰しているようだった。
そのうち、ジェルが一人の騎士を紹介してくれた。
その騎士は、俺の打った剣を一通り見ると、自分のランスを打って欲しい、と言った。
なんでも、ジェル以上に武具の消耗が激しく、ランスの刃と柄のつなぎ部分から破損することが多いため、ひとつなぎのランスを作って欲しい、とのことだった。
剣ならともかく、耐久度で勝るランスがそんなに壊れるなんて、どんな戦い方をしているんだと思ったが……俺が使わせてもらっている師匠のところの炉は普通の鍛冶場より大きく、何とかなりそうだったので、受けた。
ひとつなぎのランスというのは、想像以上に難しく、何度も試作を重ねて、ようやく満足のいくものが打ちあがった。
騎士もいたく満足してくれ、その後、その騎士も俺の顧客の一人になった。
その騎士やジェルの紹介で、徐々に俺個人をひいきにしてくれる顧客が増えていった、二十四の夏。
突然、師匠の鍛冶場の閉鎖が決まった。
もう、だいぶ長く王都にいたから、故郷に帰ることにした、と師匠は言った。
けれど、たくさんの兄弟子、特にモン兄貴から、師匠の鍛冶場にくる注文がこのところ激減していることを聞いた。
特に、鍛冶ギルドを通して来る依頼は全くなくなっているという。
鍛冶の腕はそれなりに胸を張れるものだと思っているが、そういった世事に疎い俺は、金槌ばかり振っていて、そういった金回りの事情を全く分かっていなかった。
師匠の鍛冶場にいるときには、いい武具を打つ、それだけに集中していられた。
けれど、師匠の庇護下から外れたら、鍛冶のことだけを考えているわけにはいかないだろう。
モン兄貴は、よその師匠の元に移るらしい。
他の多くの兄弟子は、師匠と故郷が同じらしく、師匠に付いて行くそうだ。
俺は……。
俺の脳裏に、いつも俺の武具を必要だと言ってくれる、ジェルや顧客一人一人の顔が浮かんだ。
悩んでいると、珍しく、騎士が『酒を飲もう』と誘ってきた。
ランスの注文にくるようになって五年近く経つが、武具以外の話をしたのは、それが初めてだった。
酒場に行って、面頬を取って初めて、俺はその騎士が、女だったのに気付いた。
「君の打ってくれたランスで、私は何度も危機を救われたんだ。
剣と違って、嵩張るランスでは、予備を何本も持って戦いに行く、というわけにはいかないからね。
君の師匠が、鍛冶場をたたむと聞いたよ。
君がいなくなると、私も困る。
おせっかいとは思うが……君さえ良かったら、君が鍛冶場を開く手助けをしたいんだ」
俺は、その騎士――オムラの資金提供の申し出を受け、自分の鍛冶場を持った。
師匠の後ろ盾もなく若造が開いた鍛冶場に、世間の目は冷たかったが、師匠の鍛冶場にいたころからの顧客が相変わらずひいきにしてくれて、なんとか糊口をしのげた。
俺は相変わらず、経営なんかはてんでダメで……オムラの知り合いの計理士に面倒を見てもらいつつ、なんとか鍛冶士を続けていた。
けれど、鍛冶ギルドはそんな俺が気に入らないのか、徐々に回してもらえる希少金属は減っていった。
特に、オムラのランスを打つには、大量の金属が必要になる。
その金属が調達できそうにない、と情けなさに牙を噛みしめて告げると、少し考えてからオムラが言った。
「うーん、君に武具を打ってもらえないと、私の生死に関わるからね。
それならば、魔獣討伐の合間に、私が鉱石を拾ってこよう。
知り合いの製錬所があるから、そこで鉱石を製錬してもらえば、私のランスを打つ分くらい、間に合うだろう」
製錬所が、個人からの依頼を受注するなんて聞いたこともなかったが、バズ製錬所の親方は、以前オムラに救われたことがあるらしく、快く無理を引き受けてくれた。
おかげで俺は、再び鍛冶だけに専念できるようになった。
何度も試行錯誤を繰り返し、ついに『特殊合金』の入り口へと片手をひっかけ、【伝説級】の剣を打つことに成功した。
これで、ついに鍛冶ギルドにも認められるだろう、と意気揚々と向かった俺に、ギルドの対応はけんもほろろだった。
「オリハルコンとはいえ、『合金』もしていない金属一種だけの剣が、【伝説級】になるはずがないでしょう?」
「これは、『特殊二重合金』という新技術で、オリハルコンとオリハルコンを『合金』しているんだ!」
「はぁ?
頭は確かですか?
同じ金属同士を『合金』できるはずがないでしょう?
『武具鑑定』を欺く術を開発した、と言われたほうが、まだ信憑性があります」
どうしても、と食い下がる俺に、鍛冶ギルドの重鎮であるブルータングという親方が、親切にも技術の検証を提言してくれた。
俺と、鍛冶ギルドが選んだ鍛冶士一人と、モン兄貴まで参加してくれて、俺が説明したやり方で、『特殊二重合金』で剣を打つ。
結果は――三人のうち誰も、『特殊二重合金』に成功する者はいなかった。
俺だって毎回成功できるわけじゃない、【伝説級】までになるのは十本に一本あるかないか、残りは大抵【見習い級】になる――という俺の主張に聞く耳を持ってくれる者は、今度こそ、誰もいなかった。
それでも、ジェルやオムラは俺の武具を必要としてくれる。
それだけを支えに、俺はひたすらより良い武具を打つことだけに心を砕いた。
そして、あの日がやって来た。
王都を、『不死の王』と呼ばれる強力なアンデットが襲来したのだ。
災害級の魔物は、王都に大きな爪痕を残したが――そこで俺は初めて、ジェルが今世の勇者であるということを知った。
その勇者が、いつもの調子で俺に言う。
「アンデットを倒すのに、大社の神剣を借りたんだが、壊しちまったんだ。
せめて同格の剣を返さなきゃなんだよな。
攻撃補正一万の剣――お前なら、打てるだろ?」
もちろん、と引き受けたが、慌てたのは鍛冶ギルドだった。
鍛冶ギルドが嘘つき呼ばわりしている俺を、救国の勇者が名指ししたのだから当然だ。
何人もの親方衆が、渾身の力作を携えて大社を訪れた。
けれど、『攻撃補正一万以上、耐久度0』、この条件をクリアできたのは、俺の打った剣だけだった。
今度こそ、『ネームド』に手が届くんじゃないか?と笑顔で言ってくれたオムラの期待に反して――鍛冶ギルドが取った行動は、『黙殺』だった。
ネームド、打った剣に自身の名を刻める、一流の鍛冶士の証。
確かに、それに憧れた時代もあったが……今となっては、さほど興味はない。
ジェルやオムラ、俺の打った剣を必要としてくれる皆の役に立つなら、それで十分だ。
そう言う俺に、オムラがいたずらっぽく笑った。
「それなら、ネームドの代わりに――私の夫になる気はないか?」
オムラと結婚してからも、俺の打った剣が鍛冶ギルドに認められることはなかった。
相変わらず、金属は回してもらえず、普通の鍛冶士が普通に打てるはずの、ミスリルさえない。
オムラが鉱石や素材を集め、バズ親方に製錬してもらい、決まった顧客に買ってもらう。
ノアが産まれた頃には、鍛冶用の炭や焼き刃土の材料まで手に入りづらくなってきた。
オムラが死んで、バズ親方まで製錬所を閉めて。
このまま俺は、鍛冶が出来なくなる?
オムラが好きだと言ってくれた、必要だと言ってくれた、俺の技術は朽ちていくのか?
そんなことはさせない。
そんなわけにはいかない。
俺は毎日、鉱石を担いでは、あちこちの製錬所を訪ねて回った。
個人からの注文は受け付けていない、と渋い顔をする製錬所に、必死で頭を下げて回り、なんとかオリハルコンやアダマンタイトの製錬を受けてくれる製錬所を探した。
出来上がったはずの金属を受け取りに行くと、「悪いな、希少金属の製錬はうちの手には余って……ダメにしちまった」と言われ、いくばくかの見舞金を握らされた。
そんなことが何度も続き、広い王都の中でも、俺の製錬を受けてくれるのは、バズ親方の製錬所の近くに出来た、ブルセラ製錬所だけになった。
ブルセラ製錬所に鉱石を持ち込むと、返ってくる金属が、バズ親方のところより、明らかに少ない。
最初は、技術の差なのかとも思ったが……
おそらく、希少な金属であるゆえに、製錬所側がピンハネしているのだろう。
だが、そんなやくざな製錬所でも、「嫌なら来なくていい」と言われてしまえば、俺に鍛冶の道は残されていない。
何度も頭を下げて、製錬を頼んだ。
オムラが死んでから、ジェルたちも依頼のときにしか顔を見せない。
気前よく前払いしてくれる代金を全てつぎ込んで、鍛冶用の素材を探し回った。
本来なら鍛冶の素材は、鍛冶ギルドを通して発注するが、俺の発注は通ったことがない。
オムラが残してくれた素材は、もうない。
闇市場を漁り、個人で冒険者ギルドに収集依頼を出し、冒険者も雇う。
譲ってくれる、という人間に騙されたことも、何度もあった。
そうこうしている内に、冒険者ギルドに所属しているマツ翁に、不審に思われ呼び止められた。
それでもまだ、死んだオムラの分まで、自分で何とかしなければ……と張りつめていた俺は、マツ翁の手を振り切った。
どうにもならない現状に、絶望し、酒に溺れ、オムラの夢を見る。
それでもなんとか、鍛冶を――依頼を果たさなければならない。
国に接収されたオムラのランスも打ち直したいし、オムラが好きだと言ってくれた技術を腐らせるわけにはいかない。
重い体を引きずって、製錬所を回り、市場を回り、冒険者ギルドへ回る。
さらに重くなった体を誤魔化すように、酒をあおって家へと戻る。
オムラの残してくれた石もなくなった。
明日からは、冒険者ギルドに鉱石収集の依頼も出さなければ……
もう、動きたくない。
身体も心も限界だった。
炬燵に突っ伏した俺の背に、ふわりと柔らかいものがかかった。
……オムラ?
顔を上げた俺の前にいたのは、目をぱちくりさせたノアだった。
瘦せた。
いや、大きく、なった?
俺は……自分のことばかりで、どれだけノアのことを見ていなかったんだろう。
そうだ、そうだ。
俺には……俺には、ノアがいたのに。
オムラの、死ぬ前の言葉が思い出される。
「私は、幸せだった。
私がいなくても、幸せにね、ノマド」
ノアの姿に、オムラが重なる。
いや、違う。
ノアは、ノアだ。
「素材も、石も。
オムラの残してったもんは、もう何にもなくなっちまった。
俺に残ってるのは、ノアだけだ」
「……オイラ?」
「そうだ。
ノアの半分は、オムラで出来てる。
お前の中に、オムラがいる」
どれだけ俺は、ノアに心配されていたのか。
……そうだ、明日は、気にかけてくれたマツ翁に、謝りに行こう。そして、鉱石や素材について、相談してみようか。
ダメ親父な俺は、きっとこれからも、鍛冶にばっかり現を抜かして、ノアに苦労をかけるだろう。
もう、オムラはいない。
それでも。
今夜だけは久しぶりに、ぐっすり眠れそうな気がした。
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