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魔物ハンターとサキュバス

咲宮(さきみや) 雫(しずく) 身長169cm B108 W59 H89 Eカップ

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 私の名前は咲宮(さきみや) 雫(しずく)。人間からサキュバスの力を分析した張本人です。
 色欲の悪魔であるサキュバス。昔はいたということですが私がこの世に生を受けた時にはいなく、それなら作ればいいと思い作っちゃいました。
 サキュバスの力は触れたものを発情させるといういたってシンプルなものです。先祖代々から伝わるサキュバスの翼の欠片から分析することができました。
 わくわくしました。この世に人間以外でサキュバスと言う私にうってつけの存在がいることに……
 私はサキュバスの力を自身の肉体に注入しました。迷いありません。私もサキュバスと同じ力を望みました。

「うわっ、これは……すごいです……」

 心臓が高鳴る音。血流が以前よりも段違いに早まっているのがわかります。
 心なしか髪の毛が伸びた気がします。前髪で隠れて前がよく見えません。
 前髪をかき分けて鏡の前に立ちます。

「あ、これは……まずいですね」

 自身の姿を確認すると確かに前髪が隠れていました。ですが、それよりも髪の色が蛍光色のピンク色に変色しています。
 さらには眼鏡をかけずとも十分な視野が広がっているので視力が上がりました。
 これはいいものを手に入れました。
 ここまで確認すると次に確認することがあります。
 サキュバスの代名詞でもある性欲です。
 部屋の隅にはたくさんのオナニーの道具として買いそろえた物が並べられています。
 ローターやバイブはもちろん、相手もいないのに双方バイブや鞭と首輪などがあります。

「そうです……よくよく考えたら誰かを……いや、やめておきましょう」

 人見知りにはそんなことできるわけありません。
 サキュバスの力を使えば、もしかするとできるかもしれませんけど、今日は無難なもので済ませます。
 鼻歌交じりに道具を選別し、衣類を床に脱ぎ捨てます。
 色気のないブラとパンツを脱ぐのどうしようかと考えましたが今日はお風呂場でやることにします。

(後片付けが楽ですし)

 お湯はあらかじめ用意して、贅沢にミストサウナも付けました。
 タオルを片手に湯舟に浸かり、気持ちいいです。

「はふぅ……はぁ――今日はこのまま寝てしまいたい……」

 サキュバスの力を確認することが重要でしたがお風呂に浸かるとどうも他のことがどうでもよくなってきます。
 いい感じに力が抜けて、水面に浮かぶ自分の髪をいじります。
 今までとは違う。ピンク色になっているので染めなきゃ外に出歩くのは難しいな。なんて考えます。
 さて、体もいい感じになってきたので寝てしまう前に体を洗っておきましょう。
 湯船から勢いよく上がり、シャワーの温度を確かめます。

(うん。これくらいがいいですね)

 シャワーの位置を固定し、その下で風呂イスに座り、頭を洗います。
 そこで気が付きました……シャンプーがもうないことに

(あー、やってしまいました)

 そういえば、前回使ったので最後だったことに気が付きます。
 ポンプを何度も押してもカスカスと言った府抜けた音しか出ません。
 仕方がないっと思った時でした。

「ん? んんっ?」

 お湯が髪を伝って床に落ちる色がおかしいことに気付きます。
 汚れているわけではありません。ただ、髪と同じ色……いいえ、髪の色より少しだけ薄い色が着色されています。

「これって、もしかして……」

 私は期待して、行儀が悪いですが指でぬぐってなめてみます。
 すると……

「はうぅ! こ、この現象は……」

 すぐに体は熱くなり、全身がサウナに入ったかのように汗が噴き出ます。
 視界が歪み、まともに立つことができなくなります。

「ひゃ、あぅ、だ、だめ。こ、これはまずいやつですぅ」

 股……いえ、膣から愛液がダラダラと床に流れていくのがわかります。
 お腹の奥である子宮がマグマのように煮えたぎりかゆみをもたらします。
 たまらず、指で書きだそうといじくりますけど、奥までは届かずにもどかしくなりました。
 何かないかと周りを見渡すとシャワーを浴びていたことを思い出します。

「あ、こ、これなら……!!」

 すぐさまシャワーのノズルを膣に近づけて、刺激を求めます。
 しかし、そこで予期せぬ問題が発生しました。
 まだ、表面しか刺激がなくて物足りないなら脳が理解できました。
 ですが、その期待は裏切られて子宮口に直接、シャワーが当たる感覚が私を襲います。

「ひゃぅぅぅぅぅっっっ!!」

 やがてその衝撃が全身に甘美な快楽で侵食し、力が抜けていくのに対して気持ちよさはどんどん苛烈になります。

(い、勢いがっ!? と、めな、くては……)

 絶倒すると戻れなくなる。本能で察知してなけなしの力を振り絞ります。 
 キュッキュッと音を立てて止めることができました。

「あッふっ……あっあっ……」

 声が出ません。それほどまでに濁流のような快楽は私を飲み込み溺れてしまうところでした。
 ここで少しおかしなことに気付きました。

(なんで、私はイクのはダメって思ったんでしょう?)

 その考えを頭に思い浮かべたまま私は力尽きて、風呂の床で寝てしまいました。



「ふぅ、ひどい目に遭いました」

 私は淹れたてのコーヒーを冷ましながら呟きます。
 性欲のことに関してですから、よくよく考えれば……というか普通に考えて命の危険ぐらいはあるのに対して対策が万全ではありませんでした。
 次からは短絡的に考えずに、じっくりと考えてからやるべきですね。

「あ、そういえば、そろそろ解析が終わる時間ですね」

 パソコンとタブレットを同時に扱って先ほどのピンクの液体の成分分析をしてました。
 お風呂に浸かった場合は色の変化はなく、シャワーを頭から浴びた場合は変色するのは異常なことです。
 サンプルとして両方を分析しますが……

「おかしいですね……全く同じですか」

 通常の水を参考に二つの値を求めても結果はほぼ変わりなかったです。
 少なくとも色が変わっているので何かしらの変化があると思っていたのですが……

(そういえば、サキュバスの力の文献がいくつか残っていましたね)

 何かの参考になるかと思い、金庫にしまっていた古文書を取りに行きます。
 そもそも、何の字が書かれているのかさえもわからなかったので意味があるかはわかりませんが……最悪、髪と同じように水に浸せば色が変わるかもしれません。
 そんな、適当な思い付きで古文書を手にとった。まさにその時でした。

「……あれ、読めますね」

 ミミズがのたうち回ったような字がまともな日本語に見えます。
 以前まではどれほど解読しようとしても無駄だった字が今では読めます。

(……これも、サキュバスの力でしょうか?)

 わくわくします。なにせ今まで読めなかった古文書が読めるようになっている。
 これにわくわくしない科学者はいないでしょう。
 私はすぐさま、机に戻ってメモの準備をします。
 一語一句、間違えることなく転写し、さらには自身のその時の感情、閃きを別のノートに書き写しました。
 



「……やってしまいました」

 気が付くと部屋はノートの山が積み重なっています。
 少し小腹がすいたので時間を確認してようやく現状がわかりました。
 なにせ、3日も飲まず食わずに作業していたみたいです。
 どうやらサキュバスの力を手に入れると食事の必要がないみたいです。
 そして、小腹がすいたと思いましたが正確には違います。
 古文書の解読によりこの空腹感が理解しました。
 性欲が私の主食になるみたいです。
 これが男性でも女性でもどっちでもいいらしいですが、私はあえて女性を選びます。
 なぜなら、私はかわいいを選びます。かわいさは性行為をするうえで絶対に必要な条件だと思います。
 
「でも、町に出るのにはちょっと抵抗がありますよね……」

 なにせ、髪の色がピンクになってしまいました。
 奇抜な髪の色は街中でもたまに見かけますけど、自分がそれになるのは抵抗があります。
 そんな時でした。
 ピーンポーンとチャイムが鳴ります。
 そのあと、チャイムの意味を無視してカギ穴がガチャリと音を出し、ズカズカと足音を立てて入ってきます。

「せんぱ~い。いるんでしょう? 大丈夫ですか~?」

 彼女は私の唯一の賛同者である女友達の音無(おとなし) 汐音(しおね)です。
 幼い頃から一緒に過ごしてきた幼馴染であり、珍しくサキュバスの存在を否定しない変な奴です。
 
(まぁ、それも私が実物を見せたので理解したみたいですけど……)

 そういえば、小腹が空いているんでした。
 別に彼女のことは好きでも何でもありませんが女性としては十分な魅力があります。
 ……たべちゃいましょう。

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