死神の館の主様

XX GURIMU

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力の選択

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「力……いや、僕は」
「まあ、何をするのかは膨大過ぎますか。では、いくつか候補をあげてあげます」
 アリスの周りに光の球体が浮かび上がる。
 全部で七つ。七色にそれぞれ光っている。
 赤、青、緑、黄色、黒、白、紫。
「きれいだ……」
「そうでしょう。この中から選びなさい」
 そういうとアリスは手を動かして、僕の目の前にまで赤色の玉を動かした。
「何色にしましょうか。好きなものを選びなさい」
「じゃあ、僕は……」
 一番好きな色は青だった。
 休みの日に着る服のズボンは青だし、筆箱の色も青色だ。
 だから、僕は好きな色を選ぶ。
「黒色で…………えっ?」
「わかりました、黒ですね」
 違う。
 言い間違えた。
 そんな言葉を出そうとしても口は一向に動かない。
(なんで?)
 ゆっくりと黒色の玉が僕の方へと向かってくる。
 表面が反射して、不意に僕の姿を映し出す。
 そこには信じられない顔で、待っている僕の姿が映し出された。
(笑って……る?)
 この力を手にすることが嬉しいということなのか。
 でも、僕は頭の中でこんなものは必要ないと思っていた。
 なぜかはわからない。
 それでも、顔が笑っているのは……どういう意味なのか。
 僕にはわからなかった。
 
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