死神の館の主様

XX GURIMU

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じいやの剣技

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 なぜ、戦うのか。
 その理由がわからないまま、僕はじいやの攻撃をかわしていた。
 刺突、斬撃、衝撃波……今まで一番といっていいほどの攻撃速度で繰り広げられる。
「力の使い方がうまいですね」
「そうですか?」
「はい。お嬢様はこういうことはできませんから」
 そういうとピンポイントに目を狙ってきた。
 すぐに反対側にブラックホールを生み出し、最小の動きでかわす。
「今のはお嬢様だったら、腕は最低でもなくなってましたよ」
「ああ、なるほど」
 確かに、アンドロイドに対して使ったホワイトアウトを思い出す。
 腕ごと府っ飛ばしていたけど、あれはある程度周りの影響を考えて使っていたのか。
「それにしても、わたしの剣技がすべて防がれるのは予想以上で……嬉しいです」
「……そこは悔しいじゃないの?」
「いいえ、あってますよ」
 穏やかな表情のその裏にはなにかを諦めたような顔が見え隠れしていた。
 多分、じいやはわかっているのだろう。
「次で最後です」
「……ああ」
「……いきます!!」
 踏み込みと同時に、じいやは持っていた剣を投げつけてきた。
 両方ともブラックホールで止めることも可能だったが、嫌な予感がしたのであえて剣だけを別の方向に引き寄せて、じいやの動きを見ることにした。

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