暗闇の中で

みかん

文字の大きさ
上 下
9 / 22

8

しおりを挟む
「僕が生き残りなんて正直僕全然心の整理ができてないし、これから先きっと一生この国を憎んで生きていくことになると思う。親から守られて生かされた命、おじさんとおばさんに大切に育てられた命をそんな簡単に投げ出さない。僕が常に危険と隣り合わせなのは十分わかった。大丈夫だから、安心してよ。」
僕は今できる精一杯の笑顔を向けた
「ルカ......。」
「ほら!朝ごはんさまっちゃうから!早くいこ!」
「そうだな!!」
こうして皆で朝食を食べた。女の子の状況を聞く限りどうやらこの子はお金のために親に売られてしまったそうだ、名前はアリーというそうだ。
城下町へはおじさん1人が行くようになりアリーはおばさんの手伝いをしていた、僕は動物を狩りにいったりおじさんやアリーと山菜や薬草を取りに行ったりしていた。
こうして、おじさんとおばさんと僕とアリーの4人で平和な日常を過ごしていた。

でも、幸せはそう長くは続かなかった。

いつも通りおじさんは城下町へ薬草を売りに行った。
そしてアリーとおばさんは家の家事をしていて、僕はまたいつも通り山菜と薬草を取りに行くことにした。

「もうすっかり寒いな~、、、」
そう思いながら普段とることのできない山菜を取りに山奥へ入った。
このウルカの国は雪は降らないが冬になると結構冷え込む。
カゴがいっぱいになる頃には辺りはすっかり暗くなっていた、「やばい!もうこんなに暗くなってる、、早く帰らなきゃ」そう思いカゴを背負い暖かいみんなが待つ家へと足を進めた。



「なんだ、、?今の音、、、銃声、、?、?」
聞こえてきた方は家がある所だ.. 
不安だけが募る。
歩くスピードがだんだん速くなり僕は駆けだした
どうか、何事もありませんように
ただただ心の中でそれだけを願っていた。

しおりを挟む

処理中です...