暗闇の中で

みかん

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僕にすがりついていた男は引き剥がされ首元にナイフが突きつけられていた。

「バイロン様!僕が悪かったんです..何もかも僕が悪かったです...!!!だから..この人をどうか殺さないで下さいっ..!!お願いします..っ..許して下さい..っ..」
「ルカを抑えておけ」
バイロンは横目で見ながらそう言うと、僕をひざまづけ、両手を後ろで抑えられた

「やめてくれ....やめてくれよ..!!頼むから!!!」
男の声が地下中に広がる
「バイロン様...お願いします..っ..お願いしますこの人を殺さないでください..もう逆らったりしません..貴方の下に仕えます...何でもしますだから、、」

"ビチャ"
「え...」
その瞬間目の前が真っ赤に染まった
「あ"ぁ"ぁあぁ...!!そんな、、嘘だ...嫌だ...」
どうして....僕が勝手な事をしたせいでなんの関係もない人が今僕の目の前で死んだ...死んだんだ..
男の殺される瞬間とおじさんとおばさんが殺される瞬間が頭の中で重なり体がぶるぶると震えだす。
「あぁ、、ルカ可哀想に..血がついてしまったね..」
そういってバイロンは僕を抱きしめた。
「お願い..します...もう誰も、、殺さないで...お願いします..っ..うぅ...っ...」
心が苦しい。痛い。涙が止まらない、、僕のせいでみんな、、みんな...。

「こいつを片付けておけ」
そういうとバイロンは僕を抱きかかえ上へと上がっていった。

「サラ!!いるか!!!」
バイロン様の呼ぶ声がして急いで駆けつけた。
ルカ様をだき抱えている、、そして血だらけだ...
「ルカ様は何故血がついておられるのですか!?」
ぶるぶると身体を縮こませて震えている、、ただ事じゃない。
「風呂の準備をしろ」
バイロン様はこの状況がまるで普通かのようにそう言った
「でも...ルカ様は怪我をしていらっしゃるのなら手当をさき....」
「サラ、お前は誰に仕えている、?」
「バイロン様です...」
「お前は聞き分けがいいと思っていたが違うか?」
「申し訳ありません、今すぐに風呂の準備をします」バイロン様には逆らえない..もし逆らったりでもしたら、、
急いで準備をした。
そしてバイロン様はルカ様を抱きかかえたまま風呂場へと入っていった。







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