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夢の始まり
夢の始まり
しおりを挟む眠ーい。
明日は始業式。今日はもう寝よう。
そう思ってベッドに潜り込んだ。
これから前世の記憶を見ることになるなんて思いもせずに。
…。
チュンチュン。
「……ラ…イラ」
せっかくスヤスヤ寝てたのに揺すらないでよね。もうっ、揺すってるの誰⁈
ぱちっと目を開けるとそこには木製の天井と青い目をした少年がニコニコと私の顔を覗き込んでいた。
「ふふふっ。おはよう。やぁっと起きた。」
少年はそう私に向かって言うと今度は振り返って走り出し部屋の扉を開けて
「おばさーんレイラ起きたよー。」
と大声で叫んだ。すると、
「はーい。」
下の階から聞き覚えのあるような声が聞こえてきた。
「レイラはいつもお寝坊さんだね。
さあ、おばさんが朝ご飯作ってるはずだから急いで下に行くよ。」
ルークという少年は私の手を掴んでベッドから出しそのまま下へ連れ出そうとした。
ふとベッドの隣の窓から見えた景色に目を見張る。
「えっ…」
ここはどこなの。さっきまでは寝ぼけていたから意識してなかったけど、何ここ。
窓の外には賑わう城下町があり、見たことのない服装をした人達に、歴史を感じさせるような家々が並んでいた。
わたしの記憶では今日は始業式でこれから学校なはずなのに、知らない家で寝てたみたいだし、ルークとか誰、ここはどこ、というか私がレイラ⁈
それになんか小学生くらいの体型だしどうゆうこと?
今起きている状況に理解できずに頭を抱えている私にルークという少年が
「レイラ、大丈夫?頭痛いの?どうしたの?」
あまりに不安そうな顔をするので、
「大丈夫だよ。ルーク。心配かけてごめんね。」
とりあえずそう答えるしかなかった。
「ならよかった。朝ご飯食べに行かなきゃね。おばさん達が待ってる。急ご。」
「うん行こっか。」
そうしてルークに手を引かれて私は部屋を出た。
今の状況は正直言って全然飲み込めてないが、まずは情報を少しでも集めて現状把握することにしようと思った。
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