【悲報】レベル1の妹。兄の装備でダンジョン配信を始める。(84億円相当の激レア装備で最下層スタート、未確認ドラゴンに遭遇した模様)

高瀬ユキカズ

文字の大きさ
394 / 552
変化する世界

第394話 レベル100に到達

しおりを挟む
 28階の攻略を前に、もりもりさんに相談してみた。もりもりさんは首をひねっていた。

「罠の召喚ですか……。そう上手くいくものでしょうか?」

 私も湊ちゃんに同じようなことを言った。だが、それは対人戦に対してのことだ。今ここで話しているのはモンスターを相手にする場合のことだ。

「実体のあるモンスターなら通用すると思います。リッチのような霊体タイプでない限り、罠で捕獲して動きを封じることができます」

「でも、それは魔法でも同じじゃないですか。私のアース属性の魔法でも足止めはできます」

「ところが違うんですよ。このダンジョンに限っては」

 ここは私が召喚により呼び出したダンジョンだ。私の命令により、モンスターを動かすことも止めることもできる。

 ただし、個別に操作するようなことはできず、動くときは一斉に動き出すことになる。また、安全上の問題でモンスターの近くにいる場合は作動しないようになっている。人間というものは必ずいつかはミスを犯すもので、それを事前に防止するシステムだ。これにより、戦う際にはモンスターに対して距離を取らなければならない。

 もりもりさんの魔法で足止めする場合、止まっているモンスターに対しては距離があるため魔法が届かない。動き出してからでないと魔法が使えないのだ。
 ところが私の召喚の場合は話が違ってくる。あらかじめ罠を設置しておくことができた。

 湊ちゃんが用意してくれた罠は、熊を捕らえるためのベアトラップをモンスター向けに改良したものだ。2種類あって、足を挟むだけの罠と檻に入れるものがある。これらをモンスターのいる場所に事前に設置しておくことができる。最初から檻に閉じ込めてしまうこともできた。

 モンスターからの反撃は受けずに、私たちは安全に倒すことができる。
 実際に試してみると、予想以上に効率よく経験値を稼ぐことができた。

 こうして私たちは若干卑怯な手を使いながら、ダンジョンを攻略することになった。

 もりもりさんは感心しながら、若干呆れるような感じも交えて言ってきた。

「今まではモンスターに対して実力で立ち向かわなくてはなりませんでした。ですが、この方法でかなり格上のモンスターを倒すことができますね」

「これはあれですね。ゲームとかで安全な場所から攻撃する裏技みたいなものですね」

 もりもりさんは苦笑しながら頷いた。

「ここは完全に経験値稼ぎの場所となっています。一気に強くなってしまいましょう」

「はい。がんがん行きましょう」

 私たちは手をこまねいていた28階を攻略し、29階、30階と進んでいった。

 さすがに30階にいた階層主は手こずった。檻の罠を2重、3重と重ねることによって動きを封じた。罠は湊ちゃんに頼んで改良していった。

 地味に最も恩恵を受けたのはお兄ちゃんだった。これまではお兄ちゃんのレベルを上げても、その間に私やもりもりさんのレベルも上がることになる。ところが罠により、1人でモンスターを倒すことができる。

 1人で戦うことで、まずお兄ちゃんのレベルを私に合わせた。次に、私とお兄ちゃんのレベルをもりもりさんに合わせた。

 3人が同じレベル97になったところで、協力してモンスターを倒していく。倒す速度が上がり、効率よく経験値を獲得していった。

 そうしてレベルは99となった。経験値獲得のスピードからいっても、頭打ちになっている感じはしない。私たちはレベル100を視野に入れていた。

 そしてついにその時が来る。

 レベル100に到達。

 大和総理との約束だったレベルを達成していた。もちろんここで終わることはない。

 今のこの作戦は実体のあるモンスターに対してだけ有効だ。作戦が通用する限り、ダンジョンを登っていく。

 やがてレベルが101になる。まだ経験値が頭打ちになる感じはしない。あとはマスター・リッチのような霊体のモンスターに対してどうしたらいいかという課題はあった。それでもその階層はスキップしてしまえばいい。階層主でない限りは上へ行ける。

 次の問題は罠の強度だった。さすがに動物向けの罠ではまったく通じない。改良に改良を重ね、次第に強靭なものへと変わっていった。

 レベルは順調に上がっていくが、レベルを上げるということは強い武器を手にするようなものだ。武器がどれだけ強かったとしても、それを扱うハンターの技量が伴っていなければ負けてしまうこともある。個人の技量を上げていくことも怠ってはならない。

 これは湊ちゃんも言っていたことだ。ミランダさんに決闘を挑むとして、レベルの高さでごり押ししても完全勝利とは言えない。個人の技量でもミランダさんを圧倒したかった。

 レベル上げが落ち着いてきた段階で、私はもりもりさんに対して模擬戦の提案をすることにした。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

ユニークスキルの名前が禍々しいという理由で国外追放になった侯爵家の嫡男は世界を破壊して創り直します

かにくくり
ファンタジー
エバートン侯爵家の嫡男として生まれたルシフェルトは王国の守護神から【破壊の後の創造】という禍々しい名前のスキルを授かったという理由で王国から危険視され国外追放を言い渡されてしまう。 追放された先は王国と魔界との境にある魔獣の谷。 恐ろしい魔獣が闊歩するこの地に足を踏み入れて無事に帰った者はおらず、事実上の危険分子の排除であった。 それでもルシフェルトはスキル【破壊の後の創造】を駆使して生き延び、その過程で救った魔族の親子に誘われて小さな集落で暮らす事になる。 やがて彼の持つ力に気付いた魔王やエルフ、そして王国の思惑が複雑に絡み大戦乱へと発展していく。 鬱陶しいのでみんなぶっ壊して創り直してやります。 ※小説家になろうにも投稿しています。

微妙なバフなどもういらないと追放された補助魔法使い、バフ3000倍で敵の肉体を内部から破壊して無双する

こげ丸
ファンタジー
「微妙なバフなどもういらないんだよ!」 そう言われて冒険者パーティーを追放されたフォーレスト。 だが、仲間だと思っていたパーティーメンバーからの仕打ちは、それだけに留まらなかった。 「もうちょっと抵抗頑張んないと……妹を酷い目にあわせちゃうわよ?」 窮地に追い込まれたフォーレスト。 だが、バフの新たな可能性に気付いたその時、復讐はなされた。 こいつら……壊しちゃえば良いだけじゃないか。 これは、絶望の淵からバフの新たな可能性を見いだし、高みを目指すに至った補助魔法使いフォーレストが最強に至るまでの物語。

【読切短編】処刑前夜、地下牢に現れた王女は言った。「お前でなければ駄目なんだ」滅びの未来を覆す、騎士との契約

Lihito
ファンタジー
王国騎士団の副長ヴェルドは、無実の罪で投獄され、明日処刑される運命にあった。 腐敗した国に絶望し、静かに死を待つ夜。 地下牢に現れたのは、実権を持たない「傀儡」と噂されるイゾルデ王女。 彼女はヴェルドに仮死毒を渡し、こう告げた。 「死んで、私の影になれ」 彼女は知っていた。 この国が三年後に滅ぶこと。誰が裏切り者か。 そして——ヴェルドこそが、国を救うための唯一の「切り札」であることを。 これは、滅びの未来を知る孤独な王女と、一度死んで生まれ変わった騎士が、裏から国を救う「共犯」の物語。

ダンジョンでオーブを拾って『』を手に入れた。代償は体で払います

とみっしぇる
ファンタジー
スキルなし、魔力なし、1000人に1人の劣等人。 食っていくのがギリギリの冒険者ユリナは同じ境遇の友達3人と、先輩冒険者ジュリアから率のいい仕事に誘われる。それが罠と気づいたときには、絶対絶命のピンチに陥っていた。 もうあとがない。そのとき起死回生のスキルオーブを手に入れたはずなのにオーブは無反応。『』の中には何が入るのだ。 ギリギリの状況でユリアは瀕死の仲間のために叫ぶ。 ユリナはスキルを手に入れ、ささやかな幸せを手に入れられるのだろうか。

神様に与えられたのは≪ゴミ≫スキル。家の恥だと勘当されたけど、ゴミなら何でも再生出来て自由に使えて……ゴミ扱いされてた古代兵器に懐かれました

向原 行人
ファンタジー
 僕、カーティスは由緒正しき賢者の家系に生まれたんだけど、十六歳のスキル授与の儀で授かったスキルは、まさかのゴミスキルだった。  実の父から家の恥だと言われて勘当され、行く当ても無く、着いた先はゴミだらけの古代遺跡。  そこで打ち捨てられていたゴミが話し掛けてきて、自分は古代兵器で、助けて欲しいと言ってきた。  なるほど。僕が得たのはゴミと意思疎通が出来るスキルなんだ……って、嬉しくないっ!  そんな事を思いながらも、話し込んでしまったし、連れて行ってあげる事に。  だけど、僕はただゴミに協力しているだけなのに、どこかの国の騎士に襲われたり、変な魔法使いに絡まれたり、僕を家から追い出した父や弟が現れたり。  どうして皆、ゴミが欲しいの!? ……って、あれ? いつの間にかゴミスキルが成長して、ゴミの修理が出来る様になっていた。  一先ず、いつも一緒に居るゴミを修理してあげたら、見知らぬ銀髪美少女が居て……って、どういう事!? え、こっちが本当の姿なの!? ……とりあえず服を着てっ!  僕を命の恩人だって言うのはさておき、ご奉仕するっていうのはどういう事……え!? ちょっと待って! それくらい自分で出来るからっ!  それから、銀髪美少女の元仲間だという古代兵器と呼ばれる美少女たちに狙われ、返り討ちにして、可哀想だから修理してあげたら……僕についてくるって!?  待って! 僕に奉仕する順番でケンカするとか、訳が分かんないよっ! ※第○話:主人公視点  挿話○:タイトルに書かれたキャラの視点  となります。

お荷物認定を受けてSSS級PTを追放されました。でも実は俺がいたからSSS級になれていたようです。

幌須 慶治
ファンタジー
S級冒険者PT『疾風の英雄』 電光石火の攻撃で凶悪なモンスターを次々討伐して瞬く間に最上級ランクまで上がった冒険者の夢を体現するPTである。 龍狩りの一閃ゲラートを筆頭に極炎のバーバラ、岩盤砕きガイル、地竜射抜くローラの4人の圧倒的な火力を以って凶悪モンスターを次々と打ち倒していく姿は冒険者どころか庶民の憧れを一身に集めていた。 そんな中で俺、ロイドはただの盾持ち兼荷物運びとして見られている。 盾持ちなのだからと他の4人が動く前に現地で相手の注意を引き、模擬戦の時は2対1での攻撃を受ける。 当然地味な役割なのだから居ても居なくても気にも留められずに居ないものとして扱われる。 今日もそうして地竜を討伐して、俺は1人後処理をしてからギルドに戻る。 ようやく帰り着いた頃には日も沈み酒場で祝杯を挙げる仲間たちに報酬を私に近づいた時にそれは起こる。 ニヤついた目をしたゲラートが言い放つ 「ロイド、お前役にたたなすぎるからクビな!」 全員の目と口が弧を描いたのが見えた。 一応毎日更新目指して、15話位で終わる予定です。 作品紹介に出てる人物、主人公以外重要じゃないのはご愛嬌() 15話で終わる気がしないので終わるまで延長します、脱線多くてごめんなさい 2020/7/26

魔法物語 - 倒したモンスターの魔法を習得する加護がチートすぎる件について -

花京院 光
ファンタジー
全ての生命が生まれながらにして持つ魔力。 魔力によって作られる魔法は、日常生活を潤し、モンスターの魔の手から地域を守る。 十五歳の誕生日を迎え、魔術師になる夢を叶えるために、俺は魔法都市を目指して旅に出た。 俺は旅の途中で、「討伐したモンスターの魔法を習得する」という反則的な加護を手に入れた……。 モンスターが巣食う剣と魔法の世界で、チート級の能力に慢心しない主人公が、努力を重ねて魔術師を目指す物語です。

転生したら、伯爵家の嫡子で勝ち組!だけど脳内に神様ぽいのが囁いて、色々依頼する。これって異世界ブラック企業?それとも社畜?誰か助けて

ゆうた
ファンタジー
森の国編 ヴェルトゥール王国戦記  大学2年生の誠一は、大学生活をまったりと過ごしていた。 それが何の因果か、異世界に突然、転生してしまった。  生まれも育ちも恵まれた環境の伯爵家の嫡男に転生したから、 まったりのんびりライフを楽しもうとしていた。  しかし、なぜか脳に直接、神様ぽいのから、四六時中、依頼がくる。 無視すると、身体中がキリキリと痛むし、うるさいしで、依頼をこなす。 これって異世界ブラック企業?神様の社畜的な感じ?  依頼をこなしてると、いつの間か英雄扱いで、 いろんな所から依頼がひっきりなし舞い込む。 誰かこの悪循環、何とかして! まったりどころか、ヘロヘロな毎日!誰か助けて

処理中です...