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変化する世界
第395話 模擬戦の準備
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レベルが105まで上がったところで、もりもりさんに模擬戦を申し出た。もりもりさんは快く引き受けてくれて、お兄ちゃんには内緒で2人きりで行うことにした。
場所は奥多摩ダンジョンのすぐ近くにあるビル。ここにはハンター事務局やダンジョン管理協会が入っている。12階建ての4階から上のフロアがダンジョン管理協会のものだ。私たちは7階フロアを全面借り切っていた。
ここはまるでダンジョンの内部であるかのような部屋になっている。床には石が敷き詰められ、壁はレンガのように石が組まれている。天井はごつごつした岩となっていた。
部屋の広さは模擬戦をやるには十分すぎるほどの広さがあった。小さな体育館くらいの広さはあるだろう。
もりもりさんは興味深そうに周囲を見回していた。
「ダンジョンの光景をそのまま再現しているわけですね。管理協会にこんなフロアがあるとは思いませんでした」
「私も知りませんでした。こんな風になっているんですね」
そう言いながら、もりもりさんの真似をして私も周りを見回した。
実際はここはただのビルの一角でしかない。会議室となっていた場所を片付け、私が召喚した『ダンジョン部屋』を配置していた。
この『ダンジョン部屋』はミランダさんとの決闘を想定して湊ちゃんが作ってくれたものだ。随所に罠が仕掛けられていて、ここに入ってしまえば私が負けることはない。あまりに卑怯すぎるので使うつもりはないのだが……。
もりもりさんといっしょに模擬戦の準備をしていく。模擬戦用の武器、模擬用のダメージ計測器、模擬戦用の魔法軽減装置などがある。
これらを使うことで、怪我をすることなく仮想的な戦闘を行うことができる。
作業をしながらもりもりさんと会話をする。
「とうとう春菜さんにレベルで追いつかれました。引き離すことは難しそうですね」
「そうは言っても、もりもりさんに余裕が感じられます」
「そりゃあハンターとしての経験がありますから。春菜さんには負けませんよ」
もりもりさんは作業をしながら私に笑顔を向けた。しかし、言葉には重みがあり、鋭い視線を向けてきていた。決して手を抜くことはないと言外に伝えてくる。
「経験は少ないですが、私には召喚が使えるというアドバンテージがあります。私も負けません」
真っ向勝負でもりもりさんに立ち向かうつもりだった。戦闘技術では1歩も2歩も及ばないだろうが、ハンターが持つ魔法やスキルでは負けていないと思っていた。
「お互いの手の内はわかっています。その上で勝負を挑んできたのですから、春菜さんには勝算がありそうですね」
「はい、私が勝ちます。私が勝った暁にはお兄ちゃんとの結婚を諦めてもらいます」
「え!?」
もりもりさんは本気で驚いた顔をした。
「――と、ミランダさんとの決闘では告げるつもりです」
この模擬戦の目的はミランダさんに勝つためのものだ。もりもりさんにもあらかじめ伝えてあった。
もりもりさんはほっとしながら胸を手で押さえている。
「一瞬心臓が止まりそうになりましたよ。しかし、条件が一方的ですね。春菜さんが負けたらどうするのですか?」
「負けませんから」
私は自信ありげに鼻にかけて言った。
将来的にはレベル120を視野に入れている。そこまでレベルを上げたらミランダさん相手であっても負けるわけがなかった。でも、もし負けるようなことがあればミランダさんをお義姉さんと呼び、妹として一生服従してもいい。100回でも、200回でも、お義姉さんと呼んであげようじゃないか。
もりもりさんは少し考える仕草をしてから、こう言った。
「では、そうですね。こういうのはどうでしょう? 春菜さんが、もし負けたなら」もりもりさんはいたずらっぽい笑顔を作っていた。「負けたら、冬夜さんより素敵な男性を見つけていただきます。そろそろ、お兄さん離れしましょうか。素敵な男性を見つけてくださいね」
それは、お兄ちゃんの代わりとなる彼氏を作れということか!?
私は反射的に言い返してしまう。
「負けませんから! それにこれはミランダさんとの話ですからね!」
もりもりさんはくすくすと笑っていた。どうやら、からかわれたようだ。
今のままでも十分にお兄ちゃん離れはできている。私は十分に大人だし、お兄ちゃんが過保護なだけだ。
模擬戦の準備ができた。
どれだけ本気で戦ったとしても、ハンター自身や戦いの舞台には影響はない。
ここに設置したシステムにより、仮想の死亡判定ができる。仮想の痛みも伝わり、ダメージ量により行動も制限される。瀕死の状態になれば、実際に動くこともできなくなる。
今から、もりもりさんとの真剣勝負が始まる。
場所は奥多摩ダンジョンのすぐ近くにあるビル。ここにはハンター事務局やダンジョン管理協会が入っている。12階建ての4階から上のフロアがダンジョン管理協会のものだ。私たちは7階フロアを全面借り切っていた。
ここはまるでダンジョンの内部であるかのような部屋になっている。床には石が敷き詰められ、壁はレンガのように石が組まれている。天井はごつごつした岩となっていた。
部屋の広さは模擬戦をやるには十分すぎるほどの広さがあった。小さな体育館くらいの広さはあるだろう。
もりもりさんは興味深そうに周囲を見回していた。
「ダンジョンの光景をそのまま再現しているわけですね。管理協会にこんなフロアがあるとは思いませんでした」
「私も知りませんでした。こんな風になっているんですね」
そう言いながら、もりもりさんの真似をして私も周りを見回した。
実際はここはただのビルの一角でしかない。会議室となっていた場所を片付け、私が召喚した『ダンジョン部屋』を配置していた。
この『ダンジョン部屋』はミランダさんとの決闘を想定して湊ちゃんが作ってくれたものだ。随所に罠が仕掛けられていて、ここに入ってしまえば私が負けることはない。あまりに卑怯すぎるので使うつもりはないのだが……。
もりもりさんといっしょに模擬戦の準備をしていく。模擬戦用の武器、模擬用のダメージ計測器、模擬戦用の魔法軽減装置などがある。
これらを使うことで、怪我をすることなく仮想的な戦闘を行うことができる。
作業をしながらもりもりさんと会話をする。
「とうとう春菜さんにレベルで追いつかれました。引き離すことは難しそうですね」
「そうは言っても、もりもりさんに余裕が感じられます」
「そりゃあハンターとしての経験がありますから。春菜さんには負けませんよ」
もりもりさんは作業をしながら私に笑顔を向けた。しかし、言葉には重みがあり、鋭い視線を向けてきていた。決して手を抜くことはないと言外に伝えてくる。
「経験は少ないですが、私には召喚が使えるというアドバンテージがあります。私も負けません」
真っ向勝負でもりもりさんに立ち向かうつもりだった。戦闘技術では1歩も2歩も及ばないだろうが、ハンターが持つ魔法やスキルでは負けていないと思っていた。
「お互いの手の内はわかっています。その上で勝負を挑んできたのですから、春菜さんには勝算がありそうですね」
「はい、私が勝ちます。私が勝った暁にはお兄ちゃんとの結婚を諦めてもらいます」
「え!?」
もりもりさんは本気で驚いた顔をした。
「――と、ミランダさんとの決闘では告げるつもりです」
この模擬戦の目的はミランダさんに勝つためのものだ。もりもりさんにもあらかじめ伝えてあった。
もりもりさんはほっとしながら胸を手で押さえている。
「一瞬心臓が止まりそうになりましたよ。しかし、条件が一方的ですね。春菜さんが負けたらどうするのですか?」
「負けませんから」
私は自信ありげに鼻にかけて言った。
将来的にはレベル120を視野に入れている。そこまでレベルを上げたらミランダさん相手であっても負けるわけがなかった。でも、もし負けるようなことがあればミランダさんをお義姉さんと呼び、妹として一生服従してもいい。100回でも、200回でも、お義姉さんと呼んであげようじゃないか。
もりもりさんは少し考える仕草をしてから、こう言った。
「では、そうですね。こういうのはどうでしょう? 春菜さんが、もし負けたなら」もりもりさんはいたずらっぽい笑顔を作っていた。「負けたら、冬夜さんより素敵な男性を見つけていただきます。そろそろ、お兄さん離れしましょうか。素敵な男性を見つけてくださいね」
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どれだけ本気で戦ったとしても、ハンター自身や戦いの舞台には影響はない。
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今から、もりもりさんとの真剣勝負が始まる。
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