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最初のオーク集落を撃破した俺達合同パーティーはさらに南へと進む。
先頭を斥候職であるヌーベルさんが務め、次を武烈のリーダーでありこの集団の指揮官であるヘンダークが続き、その後をロイドともう1人の武烈のアタッカー2人と俺とフライヤさん、最後にもう1組の4等級パーティー3人の順だ。
武烈の盾職であるグラハム含め3人ほど遅れていて、後続のためにヘンダークが太い樹木にばってんの記号を刻んでいる。
集落の掃討や死体等の回収と運搬は支援組の5等級パーティーが行う手はずとなっている。
警戒しながら進むため、普通に歩くのと変わらない速度に落ちてしまっている。
むしろ怪しい音が聞こえたりすると一々止まるので、徒歩よりも遅いと言える。
ヌーベルさんはギルドが囲うぐらいの優秀な斥候と言うことだが、地図スキルを持つ俺が先行したほうが何倍も速く移動できるだろう。
先頭を俺に変えるようヘンダークに進言してみるか?
でもそんなことをしたら、ヌーベルさんの斥候職としてのプライドを傷つけてしまうだろうしなぁ…………
とりあえずこのままで、言えそうな機会があればって感じかな。
しばらく進むとグラハム含め3人と5等級パーティー1組が追い付いて合流した。
どうやら集落の後始末は1組ずつ交互で行うみたいだ。
最初の集落から歩きで1時間半ほど、途中で遭遇したのは数体のゴブリンだけで2つ目の集落へと辿り着く。
例によって森の木々や生い茂る草に身を隠しながら、集落を観察する。
先ほどよりも1~2段大きい集落だ。
集落を囲う柵もしっかりと作られていて、その一部は塀にまで昇華している。
「前回は魔術士ツトムに戦ってもらったので、今回はこちら(=武烈)がやろう」
ヘンダークが声を落として言う。
「私も戦うわ!
さっきは戦闘には間に合わなかったから」
フライヤさんがさして声を落とさずに主張する。
幸い魔物には気付かれてないようだが…………
「こ、ここは俺達だけで十分だ。
フライヤには次を4等級と共に頼む」
「わかったわ!」
4等級パーティーのリーダーらしき男性の、『えっ?! 聞いてないよ!』みたいな表情が妙に印象的だった。
「いくぞ!」
「「おう!!」」
ヘンダークとグラハムの2トップの形で武烈の5人が集落へと向かっていく。
そう言えば俺も武烈の実戦は初めて見ることになるな。
見せてもらおうか。メルクトップパーティーの実力とやらを!!
…
……
…………
まぁ、その街のギルドのトップを張っている3等級パーティーが弱いはずもなく…………
武烈の戦い方は極めてシンプルで、重装甲盾職のグラハムが敵の攻撃を防ぎ、その他メンバーが倒すというものだった。
基本こそが至高であり奥義でもある! みたいなことだろうか?
時々ヘンダークが単騎で行動する場面も見受けられたが。
同じ3等級のグリードさん達と比較すると、グリードさん自身はヘンダークと互角だとしても、やはり他のメンバーがちょっと弱い。
モイヤーさんの回復魔法という他にはない特徴があるとはいえ、武烈のほうが格上なのは間違いないだろう。
現在募集中の魔術士次第、といった感じにもなりそうにない力量差だと思う。
では、2等級パーティーのチェイスと比べるとどうだろう?
リーダーのドノヴァンは盾職だったが技術タイプだったので、巨漢重装甲なグラハムとの比較は難しい。
魔術士はチェイスのほうが明らかに格上だ。
剣士同士ではヘンダークが勝るとしても、チェイスにはまだ見えない突きを放つ槍士と凄腕の中性的な女性弓士がいる。
フォーメーションやメンバー間の連携においてもチェイスのほうが上で、なんだかんだ言ってもチェイスは2等級パーティーのことだけはあるって結論に落ち着く感じか。
ヘンダークがこちらに手で突入の合図を送っている。
「さぁ、いくわよっ!」
またもやフライヤさんが号令する。
別にリーダーなのだから当然なのだけど、どうにも釈然としない…………
…
……
…………
「この辺で少し休憩しよう」
現時刻は9時半を過ぎたあたり。
2つ目の集落を突破して南へ30分ほど歩いた森の中だ。
多少木々の密度が低いぐらいで特に開けた地点でもないので、凹凸に合わせて長椅子を(土魔法で)作る。
「おっ、器用だな」「ありがと~」
こんな些細なことで口々に礼を言われる中、隣にフライヤさんが座って来て、
「夜はあのツトムタワーを作るの?」
と聞かれた。
「あんな目立つものは作りませんよ?」
今回は偵察が目的なのだ。
隠密に行動しなければならない、が…………
「でも野営の際は小屋みたいなモノなら作ってもいいかも」
「ぜひそうして!
地面で寝るのは辛いのよ」
俺が使っているテントは、遊牧民系の中が広くパーティー単位で使う大きいタイプなので、底面の作りもしっかりとしていて地面で寝るという感覚にはならない。
もちろん個人で持ち運べるようなシロモノではなく、収納魔法にしまうこと前提のモノである。
普通の冒険者が使うテントや寝袋が寝心地最悪なのは言うまでもない。
最初の護衛依頼の時の辛さが今なお鮮明に思い出されるほどに…………
先頭を斥候職であるヌーベルさんが務め、次を武烈のリーダーでありこの集団の指揮官であるヘンダークが続き、その後をロイドともう1人の武烈のアタッカー2人と俺とフライヤさん、最後にもう1組の4等級パーティー3人の順だ。
武烈の盾職であるグラハム含め3人ほど遅れていて、後続のためにヘンダークが太い樹木にばってんの記号を刻んでいる。
集落の掃討や死体等の回収と運搬は支援組の5等級パーティーが行う手はずとなっている。
警戒しながら進むため、普通に歩くのと変わらない速度に落ちてしまっている。
むしろ怪しい音が聞こえたりすると一々止まるので、徒歩よりも遅いと言える。
ヌーベルさんはギルドが囲うぐらいの優秀な斥候と言うことだが、地図スキルを持つ俺が先行したほうが何倍も速く移動できるだろう。
先頭を俺に変えるようヘンダークに進言してみるか?
でもそんなことをしたら、ヌーベルさんの斥候職としてのプライドを傷つけてしまうだろうしなぁ…………
とりあえずこのままで、言えそうな機会があればって感じかな。
しばらく進むとグラハム含め3人と5等級パーティー1組が追い付いて合流した。
どうやら集落の後始末は1組ずつ交互で行うみたいだ。
最初の集落から歩きで1時間半ほど、途中で遭遇したのは数体のゴブリンだけで2つ目の集落へと辿り着く。
例によって森の木々や生い茂る草に身を隠しながら、集落を観察する。
先ほどよりも1~2段大きい集落だ。
集落を囲う柵もしっかりと作られていて、その一部は塀にまで昇華している。
「前回は魔術士ツトムに戦ってもらったので、今回はこちら(=武烈)がやろう」
ヘンダークが声を落として言う。
「私も戦うわ!
さっきは戦闘には間に合わなかったから」
フライヤさんがさして声を落とさずに主張する。
幸い魔物には気付かれてないようだが…………
「こ、ここは俺達だけで十分だ。
フライヤには次を4等級と共に頼む」
「わかったわ!」
4等級パーティーのリーダーらしき男性の、『えっ?! 聞いてないよ!』みたいな表情が妙に印象的だった。
「いくぞ!」
「「おう!!」」
ヘンダークとグラハムの2トップの形で武烈の5人が集落へと向かっていく。
そう言えば俺も武烈の実戦は初めて見ることになるな。
見せてもらおうか。メルクトップパーティーの実力とやらを!!
…
……
…………
まぁ、その街のギルドのトップを張っている3等級パーティーが弱いはずもなく…………
武烈の戦い方は極めてシンプルで、重装甲盾職のグラハムが敵の攻撃を防ぎ、その他メンバーが倒すというものだった。
基本こそが至高であり奥義でもある! みたいなことだろうか?
時々ヘンダークが単騎で行動する場面も見受けられたが。
同じ3等級のグリードさん達と比較すると、グリードさん自身はヘンダークと互角だとしても、やはり他のメンバーがちょっと弱い。
モイヤーさんの回復魔法という他にはない特徴があるとはいえ、武烈のほうが格上なのは間違いないだろう。
現在募集中の魔術士次第、といった感じにもなりそうにない力量差だと思う。
では、2等級パーティーのチェイスと比べるとどうだろう?
リーダーのドノヴァンは盾職だったが技術タイプだったので、巨漢重装甲なグラハムとの比較は難しい。
魔術士はチェイスのほうが明らかに格上だ。
剣士同士ではヘンダークが勝るとしても、チェイスにはまだ見えない突きを放つ槍士と凄腕の中性的な女性弓士がいる。
フォーメーションやメンバー間の連携においてもチェイスのほうが上で、なんだかんだ言ってもチェイスは2等級パーティーのことだけはあるって結論に落ち着く感じか。
ヘンダークがこちらに手で突入の合図を送っている。
「さぁ、いくわよっ!」
またもやフライヤさんが号令する。
別にリーダーなのだから当然なのだけど、どうにも釈然としない…………
…
……
…………
「この辺で少し休憩しよう」
現時刻は9時半を過ぎたあたり。
2つ目の集落を突破して南へ30分ほど歩いた森の中だ。
多少木々の密度が低いぐらいで特に開けた地点でもないので、凹凸に合わせて長椅子を(土魔法で)作る。
「おっ、器用だな」「ありがと~」
こんな些細なことで口々に礼を言われる中、隣にフライヤさんが座って来て、
「夜はあのツトムタワーを作るの?」
と聞かれた。
「あんな目立つものは作りませんよ?」
今回は偵察が目的なのだ。
隠密に行動しなければならない、が…………
「でも野営の際は小屋みたいなモノなら作ってもいいかも」
「ぜひそうして!
地面で寝るのは辛いのよ」
俺が使っているテントは、遊牧民系の中が広くパーティー単位で使う大きいタイプなので、底面の作りもしっかりとしていて地面で寝るという感覚にはならない。
もちろん個人で持ち運べるようなシロモノではなく、収納魔法にしまうこと前提のモノである。
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