異世界ライフは山あり谷あり

常盤今

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 それと王都に行った際には、メディーナさん(=タークさんパーティーに新たに加入した魔術士)が教えてくれた中華料理系のスープを扱っている料理屋に寄らなくては。
 その料理屋を営んでいる夫婦が大陸北西部の小国家群の出身とのことなので、白米について聞き込むのだ。もちろん中華系のスープもしっかり確保するつもりだ。


 次は魔術研究所だ。これも場所は王都になる。
 およそ2週間後、研究所を管轄している軍務部によって行われている、俺に対する身元調査が終わる。
 別に期日ピッタリに行く必要もないが、これでようやく死霊術の詳しい情報を得ることができるはずだ。
 結構長い間追い求めている魔法なだけに、期待感が徐々に高まってくるのを感じる。
 ずっとLP(=レベルポイント)を使わずに貯めてきたのも、ここぞというところで使うためなのだ。

 以前にも考察したが、ステータスにあるスキルツリーに表示されていない魔法やスキルは、習得したりその後のレベルアップに多くのLPを消費すると想定している。
 でも、もし今まで通りの1ポイント消費でスキルレベルを上げられる場合はどうしよう?
 近接系スキルを上げたところで強くはなれないし…………
 よくわからないけど錬金術いっとくか?
 …………まぁ仮定の話をいくら考えたところで意味はない。
 実際1ポイントだった時に改めて考えればよいだろう。


 あとはディアの実家がどこにあるのか問題だな。
 現在壁街区ギルドの職員ミリスさんを通して、グラバラス帝国北部にあるノースローグという街の冒険者ギルドに依頼を出している。
 いつ調査結果がわかるのかは正直不明だ。
 費用を抑えるために通常配達で依頼内容を記した書簡とお金を送っているので、配達に要する日数だけで下手したら1ヵ月や2ヵ月軽く過ぎてしまうかもしれない。
 さらには、ノースローグでわからなかったらそこから別の街へと追加で依頼することになる。
 こうなるともはや、かなり長い期間待つことになるのは覚悟しないといけない。
 もっともこれはディア個人に関する問題なので、待とうが何しようがぶっちゃけ俺自身にはそれほど関係なかったりする。


 これぐらいかな。
 3つ目のディアの件は忘れても問題ないので、実質2件だけだな。

 …………っと、忘れるところだった。
 ロザリナの妹のサリアさんと元パーティーメンバーであるゼアータさんが、新たに住むことになるナラチムの街をロザリナと訪ねなければならないのだった。
 10日前に王都で別れたばかりなのですぐというわけではないが…………
 このことに関しては、妹と会えない状態が続くロザリナの様子を見ながらだな。さすがに2~3ヵ月程度会えなくても問題ないとは思うけど。


「ツトムさん、お待たせしました」

 夕食ができたようだ…………



 翌日から剣の修行が始まった。
 外で昼食を済ませてから、壁街区北口を出たところの草原に練習場を作って行う。

 我が家で唯一の非戦闘員であるルルカは、相変わらず軽くジョギングする程度だ。

 俺はみっちり走らされた後で、ロザリナがギルドで手配してくる冒険者とひたすら模擬戦をさせられる。
 ギルドでの指導ではたまに俺でも勝てる相手が混じっているのだが、ロザリナは俺より実力が上の剣士しか連れて来ない。回復魔法が禁じられている俺に勝ち目はない。
 ただ、まれに俺にも勝機が訪れる。それは相手がミスした時だ。
 相手の剣士は6等級か7等級でまだ若い。
 剣技もまだまだで安定性にも欠けるので、曲がりなりにも武闘大会で2等級や3等級相手に激戦を繰り広げてきた俺には、そこそこ付け入る隙や反撃できるポイントなどを見つけることができた。
 もっともこちらの剣技も素人に毛が生えたレベルなので、ことごとく反撃できる機会を逃してしまうのだけど…………

 そして今回から参加するディアはなんと! 少し薄手の服装で俺の目を楽しませてくれるのだ!
 ルルカとロザリナのガードが堅いだけに、ついついディアのことを目で追ってしまう。

 夕方になる前に終了となり3人は買い物へ。
 俺は引き続き1人で魔法の練習をする。
 自分にとっては魔法の練習こそ本命なので疎かにすることはできない。



 そんな修行生活2日目の帰り道。
 ラルカスさんとメディーナさんにバッタリ出会った。

「おっ! ツトム」「一昨日振りね」

「ども。
 珍しい組み合わせですね」

「ギルドで掲示板をチェックしてきたところなのよ」

「この後食事に行くけど、ツトムもどうだ?」

「すいません、家で食事準備してるんで」

「そっか」

 この2人、そういう関係なのだろうか?
 メディーナさんは数日前にパーティーに加入したばかりだと言っていたが。

「そうだ、ツトム。ホッジスさん、意識を取り戻して快方に向かってるらしいぞ」

「それは良かったです」

「ただ、しばらく養生が必要で動けないらしい。
 冒険者として復帰するには時間がかかるかもな」

 かなりの出血だったからな。
 俺が城内で腹に矢を受けた時は、2日ぐらいで動けるようにはなって5日休んだだけで復帰したけど、あれはすぐ回復魔法をした上でのことだ。
 ホッジスの場合は、斬られてから俺が回復魔法で治すまで時間が経過してしまっている。
 わずか数分といったところだが、生死に関わるケガの場合ではそのわずか数分の差が、その後の回復具合に大きく影響を及ぼすのだろう。
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