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バルーカへと戻って、内城にて姫様とロイター子爵への面会手続きを行う。
少し待たされた後で先に姫様のほうに案内された。
さっきまで国王と姫様との結婚について話していたので、これからその本人に会うと思うと妙にドキドキしてきた。
このまま姫様に結婚を申し込むことも可能と言えば可能なのだ。
姫様を取り巻く状況は、俺からの求婚に対して一方的に断ることのできないぐらい、国王派に対して孤立無援で危険な状態だ。
そのような状況と流れを重視するのであれば、国王に許可をもらったその勢いのまま姫様に結婚を申し込むのもアリなのかもしれない。
「ツトム、本日はどうしました?」
「ハッ。
今日王都にて国王陛下に謁見し、先日コートダールを救援したことに対してお褒めのお言葉を頂きました」
「そなたの働きが評価されるのは、私にとりましても喜ばしいことです」
姫様が穏やかな笑みを浮かべられた。
ロイヤルな微笑に心が癒される。
「エリッツの様子はいかがでしたか?」
「即位されてからまだ日も浅いながらも、堂々たる立ち居振る舞いでございました」
「あの子は王太子の時から公務をしっかりとこなしてましたから」
しっかりどころか、すでに国王としての威厳すら醸し出していたけど。
それにしても…………
時々1人の時に、頂いた姫様の肖像画を見てイケナイ妄想を楽しんでいたけど、やはりリアルな姫様の美しさのほうが何倍もの価値がある。
もっとも肖像画のほうは下着に限りなく近いと言える薄い衣装なので、エロさという点ではこれに勝るモノはない。
「閣僚から何か言われたりしましたか?」
「陛下との謁見前に、軍務卿と面会する機会を得ましたが特には…………」
「そうですか…………」
まさか国王派に引き抜かれそうになった、なんて本人を前にして言うわけにもいかないだろう。
「私からもそなたの働きに報いなければいけませんね。
ツトム。何か望みはありますか?」
望みなんてそりゃあ、ねぇ…………
この流れから結婚してくださいって言えればいいのだけど、さすがに姫様付き補佐官のマイナさんや、その他侍女さん達が見守る中でのプロポーズなんてハードルが高過ぎる。
「以前と同じように、殿下と2人だけで過ごす時間を頂ければ」
「そなたの望みは私に関することばかりではありませんか。
もっと他に望みがあるのなら、遠慮せずに申してよいのですよ」
「自分にとっては姫様と同じ時間を過ごすことこそが、至高なる褒美でありますので」
「よいでしょう。
マイナ、ツトムと日程を調整するように。
以前のように急な用向きが入らぬようにするのですよ」
「かしこまりました」
姫様と2人で会えることになったのは良かったけど…………
例え2人だけで会えたとしても、とてもじゃないがその場で求婚するなんて無理だ。
これならそこらを歩いている初対面の女性にプロポーズするほうが、よほどハードルが低かったりするのではないだろうか?
それだけ姫様の美貌とロイヤルなオーラがこの場を圧倒してるわけだけど、俺と姫様の心の距離が離れてるのも大きいような気がする。要は親密度が足りないということだ。
まして実際には姫様と2人だけで会えるのではなく、衝立の向こうで護衛や侍女が待機している中でのことでもあるし。
姫様の専属補佐官であるマイナさんと日程の打ち合わせをする。
マイナさんから、『くれぐれも殿下に無礼を働くなよ』というプレッシャーをガンガンに感じる。
以前ナナイさんから、中立派のマイナさんは王国から派遣されて姫様付きとなっていると聞いたが、王族への忠誠心が強いのかそれとも姫様を特別に慕っているのか、どっちなのだろう?
それはともかく、日程に関しては俺の予定はほぼないに等しい。
唯一の予定とも言える王都にある魔術研究所への立ち入りも、8日後に軍務部から許可が下りると思われるが、8日後以降であればいつでもいいのだ。
本来なら冒険者として忙しい日々を送らなければいけないのかもしれない。
依頼を積極的に受けたり、黒オーガの討伐を目指したり…………
特に二本角の討伐は、現在南の森での活動を制限している冒険者ギルドにとっては緊急課題でもあるだろう。
俺は壁外ギルドではトップに君臨しており、城内ギルド含めても3等級のグリードさん達が不在な今、他の4等級パーティーと共にバルーカの実質的なトップにいる。
レドリッチ(=城内ギルドのマスター)曰く、トップパーティーは同じギルドに所属している若い冒険者にとって憧れであり目標であり手本となる存在で、相応の責任を果たさなければならない…………らしい。
(そんなことは知ったことか! 俺はルルカ達と淫靡な日々を送りたいんだ!!)
と言いたいところだが、さすがに犠牲者が続出するような事態になっては寝覚めが悪い。いくら冒険者活動は自己責任とは言え。
ギルド側がきちんと勝つ算段を整えた上で俺に二本角討伐を依頼してくるのであれば、こちらとしても協力するのにやぶさかではない。
でも、丸投げしてくるようなら絶対断る!
結局日程は姫様側の都合のみが考慮され、ご褒美タイムは6日後と決定された。
少し待たされた後で先に姫様のほうに案内された。
さっきまで国王と姫様との結婚について話していたので、これからその本人に会うと思うと妙にドキドキしてきた。
このまま姫様に結婚を申し込むことも可能と言えば可能なのだ。
姫様を取り巻く状況は、俺からの求婚に対して一方的に断ることのできないぐらい、国王派に対して孤立無援で危険な状態だ。
そのような状況と流れを重視するのであれば、国王に許可をもらったその勢いのまま姫様に結婚を申し込むのもアリなのかもしれない。
「ツトム、本日はどうしました?」
「ハッ。
今日王都にて国王陛下に謁見し、先日コートダールを救援したことに対してお褒めのお言葉を頂きました」
「そなたの働きが評価されるのは、私にとりましても喜ばしいことです」
姫様が穏やかな笑みを浮かべられた。
ロイヤルな微笑に心が癒される。
「エリッツの様子はいかがでしたか?」
「即位されてからまだ日も浅いながらも、堂々たる立ち居振る舞いでございました」
「あの子は王太子の時から公務をしっかりとこなしてましたから」
しっかりどころか、すでに国王としての威厳すら醸し出していたけど。
それにしても…………
時々1人の時に、頂いた姫様の肖像画を見てイケナイ妄想を楽しんでいたけど、やはりリアルな姫様の美しさのほうが何倍もの価値がある。
もっとも肖像画のほうは下着に限りなく近いと言える薄い衣装なので、エロさという点ではこれに勝るモノはない。
「閣僚から何か言われたりしましたか?」
「陛下との謁見前に、軍務卿と面会する機会を得ましたが特には…………」
「そうですか…………」
まさか国王派に引き抜かれそうになった、なんて本人を前にして言うわけにもいかないだろう。
「私からもそなたの働きに報いなければいけませんね。
ツトム。何か望みはありますか?」
望みなんてそりゃあ、ねぇ…………
この流れから結婚してくださいって言えればいいのだけど、さすがに姫様付き補佐官のマイナさんや、その他侍女さん達が見守る中でのプロポーズなんてハードルが高過ぎる。
「以前と同じように、殿下と2人だけで過ごす時間を頂ければ」
「そなたの望みは私に関することばかりではありませんか。
もっと他に望みがあるのなら、遠慮せずに申してよいのですよ」
「自分にとっては姫様と同じ時間を過ごすことこそが、至高なる褒美でありますので」
「よいでしょう。
マイナ、ツトムと日程を調整するように。
以前のように急な用向きが入らぬようにするのですよ」
「かしこまりました」
姫様と2人で会えることになったのは良かったけど…………
例え2人だけで会えたとしても、とてもじゃないがその場で求婚するなんて無理だ。
これならそこらを歩いている初対面の女性にプロポーズするほうが、よほどハードルが低かったりするのではないだろうか?
それだけ姫様の美貌とロイヤルなオーラがこの場を圧倒してるわけだけど、俺と姫様の心の距離が離れてるのも大きいような気がする。要は親密度が足りないということだ。
まして実際には姫様と2人だけで会えるのではなく、衝立の向こうで護衛や侍女が待機している中でのことでもあるし。
姫様の専属補佐官であるマイナさんと日程の打ち合わせをする。
マイナさんから、『くれぐれも殿下に無礼を働くなよ』というプレッシャーをガンガンに感じる。
以前ナナイさんから、中立派のマイナさんは王国から派遣されて姫様付きとなっていると聞いたが、王族への忠誠心が強いのかそれとも姫様を特別に慕っているのか、どっちなのだろう?
それはともかく、日程に関しては俺の予定はほぼないに等しい。
唯一の予定とも言える王都にある魔術研究所への立ち入りも、8日後に軍務部から許可が下りると思われるが、8日後以降であればいつでもいいのだ。
本来なら冒険者として忙しい日々を送らなければいけないのかもしれない。
依頼を積極的に受けたり、黒オーガの討伐を目指したり…………
特に二本角の討伐は、現在南の森での活動を制限している冒険者ギルドにとっては緊急課題でもあるだろう。
俺は壁外ギルドではトップに君臨しており、城内ギルド含めても3等級のグリードさん達が不在な今、他の4等級パーティーと共にバルーカの実質的なトップにいる。
レドリッチ(=城内ギルドのマスター)曰く、トップパーティーは同じギルドに所属している若い冒険者にとって憧れであり目標であり手本となる存在で、相応の責任を果たさなければならない…………らしい。
(そんなことは知ったことか! 俺はルルカ達と淫靡な日々を送りたいんだ!!)
と言いたいところだが、さすがに犠牲者が続出するような事態になっては寝覚めが悪い。いくら冒険者活動は自己責任とは言え。
ギルド側がきちんと勝つ算段を整えた上で俺に二本角討伐を依頼してくるのであれば、こちらとしても協力するのにやぶさかではない。
でも、丸投げしてくるようなら絶対断る!
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