異世界ライフは山あり谷あり

常盤今

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「この(特殊個体の)死体は俺に買い取らせてくれないか?」

 コートダールでは二本角の死体をゲットできなかったからな。
 今回は絶対に確保しておきたい。

「ああ、いいぞ。
 そちらのギルドへの報告にも必要だろうしな」

 バルーカの冒険者を悩ませていた二本角を討ち取ったからには、冒険者ギルドに対してきちんと報告しないといけないか。まぁ仕方ない。
 ランテスに大金貨5枚(=50万ルク)を渡す。

「こんなにいいのか?」

「死体の値段だけではなく討伐報酬含めて、みたいな感じで」

「そういうことなら受け取っておこう」

 二本角の死体に回復魔法を掛けて修復する。零式によって穿たれた身体の穴は塞ぐことができないが、少しだけ小さくでき、零式改による傷跡も綺麗にして収納に入れた。

 初めての二本角の死体をゲットである!
 これで特殊個体は三本角が2体、二本角が1体の合計3体の死体を収納で保管していることになる。
 後日王都の魔術研究所で、実は死霊術で操れる魔物は1体だけだった! なんてことにでもなったら、今まで強敵の死体を集めてきた苦労が水の泡に…………おっと、そうだ。ついでにコイツにも聞いてみよう。

「ランテスは死霊術について何か知ってるか?」

「死霊術? 昔一度だけ見たことあるぞ」

「…………え?」

 ウソ。ダメ元で聞いてみたらまさかのヒット!?

「あれは冒険者になるちょっと前だったかな。魔物の骨を操って動かしていた」

「魔物の…………骨?」

「ああ。カクカクした変な動きをしていたのを覚えている」

 スケルトンみたいな感じなのか? アンデットとか?

「そういうのではなくて、死体を操って共に戦うみたいな魔法を知らないか?」

「そっち系か。どうだったかな…………」

 そっち系も何も、死霊術には何系統もの種類があるのだろうか?

「噂で聞いたことあるはずなんだが、内容までは覚えてないな」

「そうか…………」

 ランテスに聞いたら余計にわからなくなってしまった。

「コートダールで何か情報を耳にしたら、そちらに流してやるよ」

「頼む」


 今回の討伐でランテスからの借りが1つ増えて2つになってしまった。
 同じ街にいるのであればともかく、この世界では離れた場所にいる者に対して2つも借りがあるのは結構重い。ロザリナ姉妹とその母親みたく10年単位で音信不通なケースはざらにあるだろう。
 なので可能であれば1つでも借りを返しておきたいが…………

「メルクには何日か滞在するのか?」

「いや、明日には発つ予定だ」

 また随分と慌ただしい予定を立てたものだ。

「それならメルクからコートダールも俺が送ろうか?」

「いいのか?」

「ああ。早めに借りを減らしておきたいし」

「そうだな。貴様に頼むか。
 …………移動日数を短縮できるのなら出発を1日延ばそう。明後日の朝にメルクに来てくれ」

「了解だ」

 ランテスにとってメルクは、かつて2等級パーティー烈火として活動していた街だ。
 1日ぐらいゆっくりしていけばいい。


 それと今回は1体討伐しただけだったが、レベルもきちんと上がっていた。
 パーティーで経験値を分配するシステムではないってことだろうか?

川端努 男性
人種 15歳
LV42→LV43

HP  768/ 768→ 805/ 805
MP 5141/7955→5833/8427

力  155→163
早さ 180→188
器用 189→196
魔力 741→788

LP   60P→62P

スキル
異世界言語・魔法の才能・収納魔法Lv8・浄化魔法Lv8・火魔法Lv4・水魔法Lv4・風魔法LvMAX・土魔法Lv8・氷結魔法Lv4・回復魔法Lv9・魔力操作Lv8・MP回復強化Lv8・MP消費軽減Lv8・マジックシールドLvMAX・身体強化Lv4・剣術Lv2・槍術Lv2・投擲Lv1・敵感知Lv9・地図(強化型)・時刻・滞空魔法・飛行魔法

 所持金  →687万5800ルク
 帝国通貨→318万6500クルツ




……

…………


 ランテスをメルクまで送ってバルーカへ戻った俺は、二本角を討ち取ったことをレドリッチ(=バルーカギルドのマスター)に報告した。
 大層驚かれたが、ランテスの協力を得られたことを説明し、二本角と遭遇した冒険者が呼ばれて死体の確認が行われた。
 今回もチェイスの時の三本角と同様に死体の買取が持ち掛けられたが、毅然きぜんとした態度で断った。
 その後なぜ討伐依頼を受けなかったのかと、ネチネチと嫌味を言われたが適当に受け流した。
 掲示板をチェックしてないので討伐依頼が貼り出されていたかすら知らないが、レドリッチからしたらギルドに一言もなかったのが気に入らない、そんな不満を抱いてるように感じられた。

 それと二本角を討ち取ったことですぐにも南の森での活動を禁止とする布告を解除すると思ったが、布告の解除は何日間か斥候を出して南の森の安全確認をしてからということらしい。
 まぁ冒険者も戦闘目的で南の森に行くのだから安全確認という言い方は語弊があるが、要は特殊個体のような危険な存在が他にもいないか調査するのだろう。
 このような慎重なやり方はいかにもレドリッチって感じだ。
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