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第二章
32話 ホンマの楽しさ
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観客席の愛織がくすりとわらう。
視線の先には、大神にたてつき三倍返しを食らう妹のすがたがある。視線を追った忽那が「あっ」と声をあげた。
「あの子がうわさの妹さんだね、やっと本物見られた~。顔は似てるねやっぱり」
「一卵性のわりには似てへんて言われる方やけどね。髪型がちゃうからやろか」
「彼女のほうがお前より強いっていうのはほんとうなのか? 一見するととてもそうは見えないが──」
「あら。さっき、見た目と実力は比例しないって言うてたんは井龍くんやろ」
「ん」
井龍は気まずそうに明後日の方を見る。
「でも愛織はうちの準レギュより強いんだぜ。それに妹と試合して負けたことねえんだろう、それなのにお前より強いってちょっと矛盾しているんじゃ──」
「強いよ」
と。
愛織は迷いなく言った。
そのしずかな声が持つ異様な圧に、顎に手を当ててぼんやりと試合を眺めていた仙堂がゆっくりと愛織を見る。いつもおだやかに弧を描く彼女の瞳はいま、ぎらりと光って一心に妹へと注がれていた。
「さっき咳が出てた。だいじょうぶか」
と、中津川が水筒を取り出す。
中身は熱い茶が入っているらしい。愛織はいつものおだやかな笑みを浮かべて「ありがとう」とそれを受け取った。
「季節の変わり目になると風邪ひきやすくって──気管支が弱いんかも。でもこれむかしからやの。いつものことやからだいじょうぶ」
「この前の準レギュとの試合でもすげえ動けてたしな。部員たちにも見習ってほしいぜ」
と本間はわらう。
試合といえば、と井龍が愛織のとなりに腰をおろした。
「大神とやったそうだな」
「うん、4-6で負けた。えらい強かったわ」
「本気でやったのか?」
「さあ、向こうはどうやろ──もちろんうちは本気やったけど」
「大神という男は相手がだれであろうと手を抜く試合はしない。女子でアイツから4ゲームとるヤツはそういないだろう」
「……彼も言うてたなぁ。自分から4ゲームとったことを誇れって」
「俺とどちらが強いとおもった?」
井龍は唸るようにつぶやいた。
その視線は試合中のコートではなく、コートを見つめる大神に向けられている。愛織はほくそ笑んだ。
「まだ井龍くんとは闘うてないからわからんよ。でも、あの千秋を崖っぷちにまで追い詰めた実力はたしかやね。テクニックもフットワークもスタミナもパワーも、コントロールも。あんだけ思うたとおりに打てたら、さぞ楽しいやろなぁ」
「ずいぶん褒めるじゃないか」
「うん。でも──たぶんテニスのホンマの楽しさってその先にあるんや」
「なに?」
「彼とうちのテニスは似てる。たぶん、千秋も井龍くんもや。その先にあるテニスの楽しみ方を、うちらはまだ知らんのかもしれん」
「…………」
千秋は、と愛織はわずかに眉をひそめて伊織を睨みつけた。
「せやから大神くんに、伊織と試合するよう言うたんや」
「どういうことだ」
「伊織なら、その先を見せてくれるから」
「え?」
「伊織が本気で、試合してくれはったら──の話やけど」
と愛織がつぶやいたとき、すこし遠くに陣を構える青峰学院の応援選手たちから歓声があがる。どうやらAコートでおこなわれるS2のゲームに対するもののようだ。試合展開は犬塚リードの2-1。
これまで試合には目もくれずそこらを放浪していた播磨十郎太が、いつの間にか目をかっぴらいて、観客席の最前列から身を乗り出して杉山と犬塚のS2試合を見つめている。
「アイツ、いつもD1で出てる西のヤツだろ。なんで今日はシングルスなんだ?」
「さあな。しかしあの杉山譲って男は、メンタルが脆弱だから公式戦でシングルスはめったに出ないんだと聞いていたんだが──今回のオーダーは大神もずいぶん思いきったようだな」
仙堂はにやりと口角をあげる。
他校にまで知れわたるほどの杉山のプレパラートメンタルだが、これまでの3ゲームを見るかぎりでは、リードこそ青峰に許しているもののモチベーションが落ちているようには見えない。
それどころか彼の口もとにはわずかに笑みまで湛えられている。
なるほど、と中津川は図体に似合わず消え入りそうな声でつぶやいた。
「……メンタル強化の練習でも積んだか」
「大神のことだ、なんの対策も講じずに杉山をシングルスへ送り込むことなどはしないだろうからな」
と、仙堂が顎をあげたときである。
Bコートから雄叫びが聞こえた。才徳の倉持があげたもののようだった。
めずらしく高いテンションで、明前が倉持の手に健闘を称えるタッチをする。倉持の粘り強いラリーの末のポイントらしい。倉持は深呼吸をひとつして、乱れた息をととのえる。すぐさまボールを手にベースラインへと下がった。
倉持と明前のダブルスは、おこなわれる回数こそあまり多くないがその実力たるや全国区といっても過言ではない。スタミナやメンタルが盤石なコンビゆえ安定感のあるゲームになるのである。
仙堂、と井龍が口角をあげる。
「あの倉持ってのが、本来の才徳S2なんだろう。なるほどたしかにいい球を打ちやがる。昨年もたしかお前と当たったよな、宿敵か」
「ふふふ……ああ、去年の試合もわるくなかったな。俺はああいう試合をする奴が大好きなんだよ。がむしゃらで泥臭くて──おのれの勝ちを信じてうたがわないヤツに敗けを叩きつけるのが、楽しくてたまらん」
「あ、アブノーマルな野郎だな」
「関東大会ではアイツをS2に合わせるように大神へ頼み込まないとな」
「40-0(フォーティラブ)」
Bコートの審判コール。
倉持の手からトスがあがる。わずかに前傾、ラケットは振り下ろされた。トップスピンの強くかかったサーブが外角に入る。速水のリターンはクロスへ浅く返された。倉持が駆けあがり、相手前衛である山本めがけてドライブショットを打ち込む。アウト覚悟の弾道とパワーで飛んだ球は、山本のラケットフレームにかち当たり、弾かれた。
倉持らしい攻撃的なプレーによって、ゲームカウント2-1。倉持と明前はいま一度ハイタッチ。コートチェンジのため、コートへ一礼した。
ベンチでスポーツドリンクを一口飲んだ明前が「慎也さん」と倉持の腕を肘でつつく。
「つぎのアイツ──速水のサーブは尋常じゃないッスよ」
「そういや偵察帰りの日にそんなこと言ってたな。大神とどっちが速い?」
「サーブだけなら速水」
「──なるほど」
「なんで、前衛の動きはとくに注意が必要かと」
「わかった。だからといってお前、前衛にビビって避けなくていいからな。山本がポーチに出たら俺がかならず返すから」
「俺も、カバー入るッス」
「よし。いこう」
倉持の顔に笑みはない。
これまでの3ゲームで倉持は痛感していた。山本晋介という男の底知れない力と、速水全の視野の広さ。彼の持つコントロール力も相まってそのポーチはわずかなフリースペースを狙って的確に放たれ、山本サービスゲームではずいぶんと苦しめられた。
しかしいつまでも互いのサービスゲームを死守するだけでは、勝負はつくまい。つぎの速水サービスのゲームをとれば流れは大きく変わる。
明前はフッと短く息を吐きだし、倉持を見た。
倉持もまた明前と視線を合わせてうなずく。
コート前に立ち、ふたりは同時に一礼した。
視線の先には、大神にたてつき三倍返しを食らう妹のすがたがある。視線を追った忽那が「あっ」と声をあげた。
「あの子がうわさの妹さんだね、やっと本物見られた~。顔は似てるねやっぱり」
「一卵性のわりには似てへんて言われる方やけどね。髪型がちゃうからやろか」
「彼女のほうがお前より強いっていうのはほんとうなのか? 一見するととてもそうは見えないが──」
「あら。さっき、見た目と実力は比例しないって言うてたんは井龍くんやろ」
「ん」
井龍は気まずそうに明後日の方を見る。
「でも愛織はうちの準レギュより強いんだぜ。それに妹と試合して負けたことねえんだろう、それなのにお前より強いってちょっと矛盾しているんじゃ──」
「強いよ」
と。
愛織は迷いなく言った。
そのしずかな声が持つ異様な圧に、顎に手を当ててぼんやりと試合を眺めていた仙堂がゆっくりと愛織を見る。いつもおだやかに弧を描く彼女の瞳はいま、ぎらりと光って一心に妹へと注がれていた。
「さっき咳が出てた。だいじょうぶか」
と、中津川が水筒を取り出す。
中身は熱い茶が入っているらしい。愛織はいつものおだやかな笑みを浮かべて「ありがとう」とそれを受け取った。
「季節の変わり目になると風邪ひきやすくって──気管支が弱いんかも。でもこれむかしからやの。いつものことやからだいじょうぶ」
「この前の準レギュとの試合でもすげえ動けてたしな。部員たちにも見習ってほしいぜ」
と本間はわらう。
試合といえば、と井龍が愛織のとなりに腰をおろした。
「大神とやったそうだな」
「うん、4-6で負けた。えらい強かったわ」
「本気でやったのか?」
「さあ、向こうはどうやろ──もちろんうちは本気やったけど」
「大神という男は相手がだれであろうと手を抜く試合はしない。女子でアイツから4ゲームとるヤツはそういないだろう」
「……彼も言うてたなぁ。自分から4ゲームとったことを誇れって」
「俺とどちらが強いとおもった?」
井龍は唸るようにつぶやいた。
その視線は試合中のコートではなく、コートを見つめる大神に向けられている。愛織はほくそ笑んだ。
「まだ井龍くんとは闘うてないからわからんよ。でも、あの千秋を崖っぷちにまで追い詰めた実力はたしかやね。テクニックもフットワークもスタミナもパワーも、コントロールも。あんだけ思うたとおりに打てたら、さぞ楽しいやろなぁ」
「ずいぶん褒めるじゃないか」
「うん。でも──たぶんテニスのホンマの楽しさってその先にあるんや」
「なに?」
「彼とうちのテニスは似てる。たぶん、千秋も井龍くんもや。その先にあるテニスの楽しみ方を、うちらはまだ知らんのかもしれん」
「…………」
千秋は、と愛織はわずかに眉をひそめて伊織を睨みつけた。
「せやから大神くんに、伊織と試合するよう言うたんや」
「どういうことだ」
「伊織なら、その先を見せてくれるから」
「え?」
「伊織が本気で、試合してくれはったら──の話やけど」
と愛織がつぶやいたとき、すこし遠くに陣を構える青峰学院の応援選手たちから歓声があがる。どうやらAコートでおこなわれるS2のゲームに対するもののようだ。試合展開は犬塚リードの2-1。
これまで試合には目もくれずそこらを放浪していた播磨十郎太が、いつの間にか目をかっぴらいて、観客席の最前列から身を乗り出して杉山と犬塚のS2試合を見つめている。
「アイツ、いつもD1で出てる西のヤツだろ。なんで今日はシングルスなんだ?」
「さあな。しかしあの杉山譲って男は、メンタルが脆弱だから公式戦でシングルスはめったに出ないんだと聞いていたんだが──今回のオーダーは大神もずいぶん思いきったようだな」
仙堂はにやりと口角をあげる。
他校にまで知れわたるほどの杉山のプレパラートメンタルだが、これまでの3ゲームを見るかぎりでは、リードこそ青峰に許しているもののモチベーションが落ちているようには見えない。
それどころか彼の口もとにはわずかに笑みまで湛えられている。
なるほど、と中津川は図体に似合わず消え入りそうな声でつぶやいた。
「……メンタル強化の練習でも積んだか」
「大神のことだ、なんの対策も講じずに杉山をシングルスへ送り込むことなどはしないだろうからな」
と、仙堂が顎をあげたときである。
Bコートから雄叫びが聞こえた。才徳の倉持があげたもののようだった。
めずらしく高いテンションで、明前が倉持の手に健闘を称えるタッチをする。倉持の粘り強いラリーの末のポイントらしい。倉持は深呼吸をひとつして、乱れた息をととのえる。すぐさまボールを手にベースラインへと下がった。
倉持と明前のダブルスは、おこなわれる回数こそあまり多くないがその実力たるや全国区といっても過言ではない。スタミナやメンタルが盤石なコンビゆえ安定感のあるゲームになるのである。
仙堂、と井龍が口角をあげる。
「あの倉持ってのが、本来の才徳S2なんだろう。なるほどたしかにいい球を打ちやがる。昨年もたしかお前と当たったよな、宿敵か」
「ふふふ……ああ、去年の試合もわるくなかったな。俺はああいう試合をする奴が大好きなんだよ。がむしゃらで泥臭くて──おのれの勝ちを信じてうたがわないヤツに敗けを叩きつけるのが、楽しくてたまらん」
「あ、アブノーマルな野郎だな」
「関東大会ではアイツをS2に合わせるように大神へ頼み込まないとな」
「40-0(フォーティラブ)」
Bコートの審判コール。
倉持の手からトスがあがる。わずかに前傾、ラケットは振り下ろされた。トップスピンの強くかかったサーブが外角に入る。速水のリターンはクロスへ浅く返された。倉持が駆けあがり、相手前衛である山本めがけてドライブショットを打ち込む。アウト覚悟の弾道とパワーで飛んだ球は、山本のラケットフレームにかち当たり、弾かれた。
倉持らしい攻撃的なプレーによって、ゲームカウント2-1。倉持と明前はいま一度ハイタッチ。コートチェンジのため、コートへ一礼した。
ベンチでスポーツドリンクを一口飲んだ明前が「慎也さん」と倉持の腕を肘でつつく。
「つぎのアイツ──速水のサーブは尋常じゃないッスよ」
「そういや偵察帰りの日にそんなこと言ってたな。大神とどっちが速い?」
「サーブだけなら速水」
「──なるほど」
「なんで、前衛の動きはとくに注意が必要かと」
「わかった。だからといってお前、前衛にビビって避けなくていいからな。山本がポーチに出たら俺がかならず返すから」
「俺も、カバー入るッス」
「よし。いこう」
倉持の顔に笑みはない。
これまでの3ゲームで倉持は痛感していた。山本晋介という男の底知れない力と、速水全の視野の広さ。彼の持つコントロール力も相まってそのポーチはわずかなフリースペースを狙って的確に放たれ、山本サービスゲームではずいぶんと苦しめられた。
しかしいつまでも互いのサービスゲームを死守するだけでは、勝負はつくまい。つぎの速水サービスのゲームをとれば流れは大きく変わる。
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