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第五章
78話 全国大会ドロー抽選会
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後期期末テストを二月下旬に終えた才徳学園高等部は、三月二十三日に修了式をおこない、次年度をむかえるまでの春休みに入る。──が、この修了式に参加をしない生徒が幾数名。そう。才徳学園テニス部レギュラーである。
全国選抜高校テニス大会全国大会は、大会日程を三月十九日から二十五日の七日間で予定。かつドロー抽選会は十八日午後から福岡にておこなわれるため、抽選会参加の生徒は大会開始の前日午前中までには福岡入りを果たす必要がある。
ゆえに、例にもれず大神謙吾と七浦伊織、付き添いとして顧問の天谷夏子も十八日早朝に飛び立つ飛行機で福岡空港へと向かうこととなった。
「福岡代表黒鋼高校──」
ドロー抽選会会場の施設一角。
全国出場校一覧表を前に顔をつき合わせるは大神と伊織である。この施設は全国大会の会場となるコートのそばに建てられた講堂で、毎年ここで抽選会がおこなわれる。顧問はひと足先に全国出場校選手が宿泊するいくつかの旅館のうちのひとつへ引き上げたため、ここには大会運営者と出場選手しかいない。続々と集まる選手のなかには知った顔が並ぶ。
桜爛、一色徳英、秀麗八千代──ベスト4以上に残った関東シード校はもれなくあがってきたようだ。
そのなかで大神が目を付けた一校──それが福岡代表の黒鋼高校であった。
「ここには、俺と井龍に並ぶS1がいる」
「全国でも指折りの選手ってこと?」
「ああ。昨年度の全国でも、コイツは数多の黒鋼二年レギュラーを抑えてS1を張っていた。惜しくも如月に負けたが、実力はたしかだ。名前は──獅子王真」
「ししおう、……」
「如月なき今、高校テニス界トップ3に入るのは間違いねえ」
といって大神はニヤリとわらった。
念には念を入れたケアのおかげで足首もすっかり元通り。関東大会で試合が出来なかった分、明後日からはじまる全国大会では存分に暴れるつもりらしい。いまラケットを握らせたら周囲に座る各校の選手たちを片っ端からコートに引きずりだしそうないきおいである。
かの大神にここまで言わせる黒鋼高校の獅子王とはいったい──と伊織が会場を見わたしたとき、会場前方に進行役のスタッフがマイクを片手にあらわれた。
まもなく時計の針が抽選会開始の十三時を指す。
「これより全国高校テニス全国大会のドロー抽選会をはじめます。一同起立!」
選手たちが一斉に立ち上がる。
大神のとなりで、伊織も胸を張った。才徳学園に転入してから三回目の抽選会。もはや伊織にとっても背筋が伸びる瞬間である。
クジの順番は県や関東とおなじように、シード校以外から順に引くという流れらしい。今回シードとして選ばれたのは全四十八校中十三校。九州地区からは黒鋼高校、関西地区は飛天金剛学院、関東地区からは桜爛大附や一色徳英もシードとして選ばれた。才徳は昨年が全国初出場に加えて桜爛相手に初戦落ちをしたためにシードからは外れている。
クジを引くため、大神が席を立った。
その背中をぼんやり追う伊織の視界に九州地区校の区画が飛び込んできた。そのなかに『黒鋼高校』という紙が貼られた席と、深く腰掛ける選手のうしろすがたがある。
「あれが──獅子王」
伊織がぐっと身を乗り出す。
すると背後から「いいところに目をつけるね」と声をかけられた。振り返ると桜爛大附の忽那がにっこり微笑んでうしろに座っている。そのとなりにはむっつりと押し黙る一色徳英の北條もいる。
「あ、関東地区代表はみんなここ集まっとんねや」
「うん。なんだか──こうやって全国各地の学校が集まってくると、ライバル校のはずなのに関東地区ってだけで連帯感感じちゃうな」
「わかるわかる。忽那くんの顔見てちょっとホッとしたもんな、そっちの」
伊織の声がちいさくなった。
「北條サンにはちょっとドキッとしてもたけど」
「どうして?」
「だってさんざん北條は強いだのなんだのって聞かされて、実際うちの倉持を破ってくれたわけやろ。そらぁもう警戒してまうがな! まあでも全国大会にはみんなお待ちかねの大神が復活してくるから、関東のようにはいかへんけどね」
「そうだね。でも、……あの獅子王はどうかなあ」
「え?」
忽那は目を細めて席に座る黒鋼高校部長をじっくりと見据える。
「アイツ本当に強いんだ。うちの井龍だって勝てるかどうか──」
「強いっていうのは、どう強いん」
「うーん。バランスがとれた選手っていうかな、テクニックとかスタミナはもちろんなんだけど、ゲームメイクもかなりうまくて。そこ打ってくるかぁ、って惚れ惚れしちゃうくらい」
「…………」
「そんなヤツに勝ったんだからほんとに如月先輩って強いんだなって、あらためて感じ入るよ」
「ま、プロの父親がいて腕が二流やったら恥ずかしくてテニスでけへんわな」
と、鼻をならす伊織に忽那はわははとわらった。
「伊織さんは手厳しいなあ」
「そっちじゃ愛織は甘かったやろ。まったく愛織がいつも甘やかすからアイツが付け上がって」
「あ。……」
忽那の顔が引きつった。
あの衝撃からまだ二ヵ月。伊織を気遣っての閉口であろうが、同級生でありおなじ部活の仲間だった桜爛大附のレギュラーも傷は深い。伊織は苦笑した。
「播磨くんだいじょうぶ?」
「あ、ああ。しばらくはすごく傷心してたよ。でもきっといまも七浦マネがそばにいて『ぜったい勝つように』って応援してくれてるのなら、泣き暮れてる場合じゃないって井龍が怒鳴りつけたんだ。そしたら逆切れしてたけど、つぎの日からは精を出して練習に励んでたよ」
「そーかそーか。ほんなら全国の桜爛D1は警戒せなあかんな」
伊織はくすっとわらう。
壇上では、大神が一番手にクジをひくところだった。関東地区のチーム代表は順次クジを引くように、というアナウンスとともにシード校から外れた関東地区校の部長が続々と壇上の箱に手をいれる。
ひと足先にひき終えた大神が入れ違いにもどってきた。伊織はパッと笑顔で迎えた。
「おかえり」
「ただいま」
「トーナメントの場所はどや。ええ感じのとこ入れた?」
「見ろ」
大神がトーナメント表を指し示す。表によると、ファイナルゲームへ至るまでにシード校で最低四試合、運悪く小山に当たってしまえば五試合を勝ち越す必要がある。そのなかで才徳学園は運のいいことに、初戦がシード校とおなじ扱いである大山を引き当てた。
つまり、一ラウンドの勝利校と初戦で試合をすることになる。
「試合数がひとつ少ねえのが楽だな。あとは対戦相手次第だろうが──どのみち二ラウンドで当たる俺たちの初戦はシード校じゃねえ。まあ、わるくないスタートだろうな」
「くじ運ええなぁ。柳葉のタシロさんもあやかってほしいわ」
「田中な」
関東地区のあと、北海道、四国、関西と地区ごとにシード圏外校の選手たちが引いてゆく。しかし大神と伊織の興味はここではない。さらにその先で待つシード校の行く末である。才徳が初戦で当たるであろう二校が決まっても、互いにぴくりとも動かなかった。
やがてシード十三校が呼ばれた。
忽那や北條が段を下りる。会場がわずかにざわついた。その理由は聞かずともわかる。
壇上に十三のシード校代表選手が集まる様は、圧巻のひと言。
伊織でさえも頬を染めて「わーお」と興奮するほどだった。が、しかし同時に悔しくもある。関東ではそこに並ぶ桜爛や一色徳英に勝鬨をあげたというのに、これまでの全国大会において実績がないことからシードから外れたのだから。
こっからだ、と大神はニヤリと口角をあげて身を乗り出した。
全国選抜高校テニス大会全国大会は、大会日程を三月十九日から二十五日の七日間で予定。かつドロー抽選会は十八日午後から福岡にておこなわれるため、抽選会参加の生徒は大会開始の前日午前中までには福岡入りを果たす必要がある。
ゆえに、例にもれず大神謙吾と七浦伊織、付き添いとして顧問の天谷夏子も十八日早朝に飛び立つ飛行機で福岡空港へと向かうこととなった。
「福岡代表黒鋼高校──」
ドロー抽選会会場の施設一角。
全国出場校一覧表を前に顔をつき合わせるは大神と伊織である。この施設は全国大会の会場となるコートのそばに建てられた講堂で、毎年ここで抽選会がおこなわれる。顧問はひと足先に全国出場校選手が宿泊するいくつかの旅館のうちのひとつへ引き上げたため、ここには大会運営者と出場選手しかいない。続々と集まる選手のなかには知った顔が並ぶ。
桜爛、一色徳英、秀麗八千代──ベスト4以上に残った関東シード校はもれなくあがってきたようだ。
そのなかで大神が目を付けた一校──それが福岡代表の黒鋼高校であった。
「ここには、俺と井龍に並ぶS1がいる」
「全国でも指折りの選手ってこと?」
「ああ。昨年度の全国でも、コイツは数多の黒鋼二年レギュラーを抑えてS1を張っていた。惜しくも如月に負けたが、実力はたしかだ。名前は──獅子王真」
「ししおう、……」
「如月なき今、高校テニス界トップ3に入るのは間違いねえ」
といって大神はニヤリとわらった。
念には念を入れたケアのおかげで足首もすっかり元通り。関東大会で試合が出来なかった分、明後日からはじまる全国大会では存分に暴れるつもりらしい。いまラケットを握らせたら周囲に座る各校の選手たちを片っ端からコートに引きずりだしそうないきおいである。
かの大神にここまで言わせる黒鋼高校の獅子王とはいったい──と伊織が会場を見わたしたとき、会場前方に進行役のスタッフがマイクを片手にあらわれた。
まもなく時計の針が抽選会開始の十三時を指す。
「これより全国高校テニス全国大会のドロー抽選会をはじめます。一同起立!」
選手たちが一斉に立ち上がる。
大神のとなりで、伊織も胸を張った。才徳学園に転入してから三回目の抽選会。もはや伊織にとっても背筋が伸びる瞬間である。
クジの順番は県や関東とおなじように、シード校以外から順に引くという流れらしい。今回シードとして選ばれたのは全四十八校中十三校。九州地区からは黒鋼高校、関西地区は飛天金剛学院、関東地区からは桜爛大附や一色徳英もシードとして選ばれた。才徳は昨年が全国初出場に加えて桜爛相手に初戦落ちをしたためにシードからは外れている。
クジを引くため、大神が席を立った。
その背中をぼんやり追う伊織の視界に九州地区校の区画が飛び込んできた。そのなかに『黒鋼高校』という紙が貼られた席と、深く腰掛ける選手のうしろすがたがある。
「あれが──獅子王」
伊織がぐっと身を乗り出す。
すると背後から「いいところに目をつけるね」と声をかけられた。振り返ると桜爛大附の忽那がにっこり微笑んでうしろに座っている。そのとなりにはむっつりと押し黙る一色徳英の北條もいる。
「あ、関東地区代表はみんなここ集まっとんねや」
「うん。なんだか──こうやって全国各地の学校が集まってくると、ライバル校のはずなのに関東地区ってだけで連帯感感じちゃうな」
「わかるわかる。忽那くんの顔見てちょっとホッとしたもんな、そっちの」
伊織の声がちいさくなった。
「北條サンにはちょっとドキッとしてもたけど」
「どうして?」
「だってさんざん北條は強いだのなんだのって聞かされて、実際うちの倉持を破ってくれたわけやろ。そらぁもう警戒してまうがな! まあでも全国大会にはみんなお待ちかねの大神が復活してくるから、関東のようにはいかへんけどね」
「そうだね。でも、……あの獅子王はどうかなあ」
「え?」
忽那は目を細めて席に座る黒鋼高校部長をじっくりと見据える。
「アイツ本当に強いんだ。うちの井龍だって勝てるかどうか──」
「強いっていうのは、どう強いん」
「うーん。バランスがとれた選手っていうかな、テクニックとかスタミナはもちろんなんだけど、ゲームメイクもかなりうまくて。そこ打ってくるかぁ、って惚れ惚れしちゃうくらい」
「…………」
「そんなヤツに勝ったんだからほんとに如月先輩って強いんだなって、あらためて感じ入るよ」
「ま、プロの父親がいて腕が二流やったら恥ずかしくてテニスでけへんわな」
と、鼻をならす伊織に忽那はわははとわらった。
「伊織さんは手厳しいなあ」
「そっちじゃ愛織は甘かったやろ。まったく愛織がいつも甘やかすからアイツが付け上がって」
「あ。……」
忽那の顔が引きつった。
あの衝撃からまだ二ヵ月。伊織を気遣っての閉口であろうが、同級生でありおなじ部活の仲間だった桜爛大附のレギュラーも傷は深い。伊織は苦笑した。
「播磨くんだいじょうぶ?」
「あ、ああ。しばらくはすごく傷心してたよ。でもきっといまも七浦マネがそばにいて『ぜったい勝つように』って応援してくれてるのなら、泣き暮れてる場合じゃないって井龍が怒鳴りつけたんだ。そしたら逆切れしてたけど、つぎの日からは精を出して練習に励んでたよ」
「そーかそーか。ほんなら全国の桜爛D1は警戒せなあかんな」
伊織はくすっとわらう。
壇上では、大神が一番手にクジをひくところだった。関東地区のチーム代表は順次クジを引くように、というアナウンスとともにシード校から外れた関東地区校の部長が続々と壇上の箱に手をいれる。
ひと足先にひき終えた大神が入れ違いにもどってきた。伊織はパッと笑顔で迎えた。
「おかえり」
「ただいま」
「トーナメントの場所はどや。ええ感じのとこ入れた?」
「見ろ」
大神がトーナメント表を指し示す。表によると、ファイナルゲームへ至るまでにシード校で最低四試合、運悪く小山に当たってしまえば五試合を勝ち越す必要がある。そのなかで才徳学園は運のいいことに、初戦がシード校とおなじ扱いである大山を引き当てた。
つまり、一ラウンドの勝利校と初戦で試合をすることになる。
「試合数がひとつ少ねえのが楽だな。あとは対戦相手次第だろうが──どのみち二ラウンドで当たる俺たちの初戦はシード校じゃねえ。まあ、わるくないスタートだろうな」
「くじ運ええなぁ。柳葉のタシロさんもあやかってほしいわ」
「田中な」
関東地区のあと、北海道、四国、関西と地区ごとにシード圏外校の選手たちが引いてゆく。しかし大神と伊織の興味はここではない。さらにその先で待つシード校の行く末である。才徳が初戦で当たるであろう二校が決まっても、互いにぴくりとも動かなかった。
やがてシード十三校が呼ばれた。
忽那や北條が段を下りる。会場がわずかにざわついた。その理由は聞かずともわかる。
壇上に十三のシード校代表選手が集まる様は、圧巻のひと言。
伊織でさえも頬を染めて「わーお」と興奮するほどだった。が、しかし同時に悔しくもある。関東ではそこに並ぶ桜爛や一色徳英に勝鬨をあげたというのに、これまでの全国大会において実績がないことからシードから外れたのだから。
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