91 / 104
第五章
90話 勝つから
しおりを挟む
「こんなはずじゃ!」
と。
地面に五体投地をするは、先ほど準々決勝で敗退した飛天金剛S1の桜庭虎太朗。なかなかの健闘ぶりであったが、最後のゲームではまったく歯が立たなかったことがよほど悔しいらしい。
それを横目に、伊織が横峯にむけて首をかしげた。
「今日帰るん?」
「いや。明日の閉会式でベスト8の表彰があるさかい、俺らは残留やねん」
「あ、そっか」
「それにしてもまったく、なぁにが日本高校テニス界の四翼や。最後のゲームなんか大神はんの球に翻弄されっぱなしやったやんか」
「ぐうううううう」
唸るだけでぴくりとも動かない桜庭に呆れた目を向ける横峯。
こら、とたしなめたのは南だった。
「コタを責めたらあかん。全国のS1なんて荷ィ重いとこやってくれとんねやから、感謝せんと。俺かて倉持くんとやるだけでも一苦労やったのに」
「ああ。本当に──俺も関東でS1やって思い知らされたよ。各校のトップ選手と渡り合うのがこんだけ大変なんだってことをさ」
倉持も苦笑した。
一同の視線は自然と大神へ向けられる。みなの脳裏によぎるはこれからおこなわれる強豪との対戦についてである。今大会においてもっとも実力があると高体連から注目される三人の選手──才徳学園S1大神謙吾、桜爛大附S1井龍孝臣、そして黒鋼高校S1獅子王真。
先ほど、準決勝の相手が黒鋼高校になったと天谷夏子から伝達があった。とうとうここまできたかという実感とともに、全国という壁の高さに才徳メンバーの顔がこわばる。それは伊織もおなじこと。めずらしく眉を下げる彼女を見て、そんな顔してんじゃねーよと大神はデコピンした。
「どんな相手であろうとやるだけだ」
「で、でも……この前、獅子王とちょっと話したけど、どえらいすごそうな選手やったで」
「だからなんだよ。俺たちの目的はひとつ──才徳学園の全国優勝だぜ」
「え?」
「もし俺がコケても倉持以下チームメンバーが三勝すりゃあつぎに行ける。だろ」
「なっ──大神、獅子王に負けるつもりなん?」
「バーカ。負けるつもりで試合するヤツがどこにいる。ただ、獅子王ってヤツひとりが強かろうと才徳学園が負けるわけじゃねえってことだよ。なんたって飛天金剛相手にこんだけ健闘した奴らだぞ。それに」
大神がちらりと視線を移す。
──如月千秋。視線を感じた千秋はなにも言わずにうっそりと笑みを返す。
「意外な人の協力もいただけたみてえだしよ。なあ蜂谷」
「ああ」
「さあ、これから昼飯休憩だろ。そのときに黒鋼戦のオーダーをかんがえようぜ。おい桜庭」
「なんや……」
と、不貞腐れたように身を起こした桜庭の肩に手を置き、大神はわざとらしいほどにっこりと微笑んだ。
「気をつけて帰れよ」
「ぐっ──ま、まだ帰らへんて言うたやろがーッ」
「ハーッハッハッハッハ!」
ブレない男である。
試合で乱れた髪をかきあげながら高笑い、大神はゆっくりと観客席の方へと歩いて行った。
※
黒鋼戦のオーダーは話し合いの末、飛天金剛戦とおなじで行くという。飛天金剛戦で敗北した蜂谷、杉山、明前が次こそはかならず勝つと大神に宣言したためである。とはいえ、もとより大神もオーダーを変える気はなかったらしい。
黒鋼はシングルスに特化したチームだ、と蜂谷が言った。
「獅子王は言わずもがな──S2の黒田とS3の大友も、今大会での上位者といってもいい」
「おいおい。自信なくすぜ」
「なに言ってるんだ。慎也だって上位者に入ってるんだから、胸張ってくれ」
と、蜂谷が苦笑する。
とにかく、黒鋼を突破するにはダブルスで確実に二勝をあげることが重要となってくる。今回ばかりはあの大神でさえ、確実に勝てる保証はどこにもない。全体のスコア表を見るかぎりでは、これまでの試合もシングルスは全勝、ダブルスにパラパラと黒星も見られたが、それでも常に四勝以上を勝ち上げての準決勝進出であった。
負けられへんな、と杉山が身を引き締めた。
「明前、もう全面的にお前のこと信じとるさかいな。間違うてもミスったオレにゴミとかクズとかいわんとってな」
「そんなんいままでだって言ったことないじゃないスか──俺のイメージなんなんスか」
「よーし廉也。オメーもだぞ、ゴミカスみてーなプレーしたら才徳の焼却炉にオメーのシューズぶちこんでやるからな!」
「姫ちゃんセンパイまじ口悪いスよね」
「ふ、ダブルス陣は上等なやる気だな。わるくねえ」
倉持、と大神がつぶやく。
「さっきの南との試合、タイブレークでずいぶん競ったってな。スタミナは問題ねえな?」
「当たり前だ。たかがひと試合でバテちゃ世話ねーよ」
「よし。蜂谷」
「ああ」
「お前──如月となにしてた?」
「ほぼラリーの相手をしてもらったくらいだよ。ただ、そのなかで試合時の心の持ち方を教わった気がする。俺が、ラリーしてるなかでこういうことかなっておもっただけだけど」
「いや、きっとそれでいいんだ。どうせ如月が口で教えるわけはねーだろうしな」
「うん。でもマジになにか掴めた気がしたから、だから本当ならS3──明前のがいいのかもしれないんだけど、俺のわがままでやらせてほしい」
珍しいすがたであった。
蜂谷が自身のわがままを持ってくるなど、これまでならばそうそう考えられなかったことである。大神はフッと口角をあげた。
「ダメだなんてはなから言ってねーだろ。自分でなにか掴んだのなら、勝敗気にせずにやってみりゃいい。ダブルスのふたつが確実に勝ってくれりゃ、あとはこの俺がなんとしてでも次への切符をもぎとってやるから」
「はは、……ホントに大神は言うこと為すことすべてがカッコいいから参るよな。ありがと」
「…………」
が、しかし。
伊織の表情はいまいち浮かない。
大神はそう言うが、あの獅子王との戦いで大神は本当に勝てるのか。いくら才徳のエースでも敵わないことがあるのではないか──と。
不安な顔に気付いたのだろう、ほかのチームメンバーが午後の対戦にむけて士気をあげるなか、大神が伊織の肩を軽く小突いた。
「お、大神──」
「なにがそんなに不安なんだ」
「なにがって、……獅子王との試合に大神が勝てるかって不安なんやんか。せやけどいまさら、うちが出来ることなんてなんもないしさ。……」
「勝てるかどうかなんて気にして試合に臨めば、勝てるもんも勝てねえよ。ただ、そうだな──」
と、伊織の髪に手を伸ばす。
「俺が負けねえよう、お前がずっと見張ってたら勝てるかもな」
「は……?」
「俺の試合見ててくれ」
「────」
「勝つから」
大神は囁くように言った。
と。
地面に五体投地をするは、先ほど準々決勝で敗退した飛天金剛S1の桜庭虎太朗。なかなかの健闘ぶりであったが、最後のゲームではまったく歯が立たなかったことがよほど悔しいらしい。
それを横目に、伊織が横峯にむけて首をかしげた。
「今日帰るん?」
「いや。明日の閉会式でベスト8の表彰があるさかい、俺らは残留やねん」
「あ、そっか」
「それにしてもまったく、なぁにが日本高校テニス界の四翼や。最後のゲームなんか大神はんの球に翻弄されっぱなしやったやんか」
「ぐうううううう」
唸るだけでぴくりとも動かない桜庭に呆れた目を向ける横峯。
こら、とたしなめたのは南だった。
「コタを責めたらあかん。全国のS1なんて荷ィ重いとこやってくれとんねやから、感謝せんと。俺かて倉持くんとやるだけでも一苦労やったのに」
「ああ。本当に──俺も関東でS1やって思い知らされたよ。各校のトップ選手と渡り合うのがこんだけ大変なんだってことをさ」
倉持も苦笑した。
一同の視線は自然と大神へ向けられる。みなの脳裏によぎるはこれからおこなわれる強豪との対戦についてである。今大会においてもっとも実力があると高体連から注目される三人の選手──才徳学園S1大神謙吾、桜爛大附S1井龍孝臣、そして黒鋼高校S1獅子王真。
先ほど、準決勝の相手が黒鋼高校になったと天谷夏子から伝達があった。とうとうここまできたかという実感とともに、全国という壁の高さに才徳メンバーの顔がこわばる。それは伊織もおなじこと。めずらしく眉を下げる彼女を見て、そんな顔してんじゃねーよと大神はデコピンした。
「どんな相手であろうとやるだけだ」
「で、でも……この前、獅子王とちょっと話したけど、どえらいすごそうな選手やったで」
「だからなんだよ。俺たちの目的はひとつ──才徳学園の全国優勝だぜ」
「え?」
「もし俺がコケても倉持以下チームメンバーが三勝すりゃあつぎに行ける。だろ」
「なっ──大神、獅子王に負けるつもりなん?」
「バーカ。負けるつもりで試合するヤツがどこにいる。ただ、獅子王ってヤツひとりが強かろうと才徳学園が負けるわけじゃねえってことだよ。なんたって飛天金剛相手にこんだけ健闘した奴らだぞ。それに」
大神がちらりと視線を移す。
──如月千秋。視線を感じた千秋はなにも言わずにうっそりと笑みを返す。
「意外な人の協力もいただけたみてえだしよ。なあ蜂谷」
「ああ」
「さあ、これから昼飯休憩だろ。そのときに黒鋼戦のオーダーをかんがえようぜ。おい桜庭」
「なんや……」
と、不貞腐れたように身を起こした桜庭の肩に手を置き、大神はわざとらしいほどにっこりと微笑んだ。
「気をつけて帰れよ」
「ぐっ──ま、まだ帰らへんて言うたやろがーッ」
「ハーッハッハッハッハ!」
ブレない男である。
試合で乱れた髪をかきあげながら高笑い、大神はゆっくりと観客席の方へと歩いて行った。
※
黒鋼戦のオーダーは話し合いの末、飛天金剛戦とおなじで行くという。飛天金剛戦で敗北した蜂谷、杉山、明前が次こそはかならず勝つと大神に宣言したためである。とはいえ、もとより大神もオーダーを変える気はなかったらしい。
黒鋼はシングルスに特化したチームだ、と蜂谷が言った。
「獅子王は言わずもがな──S2の黒田とS3の大友も、今大会での上位者といってもいい」
「おいおい。自信なくすぜ」
「なに言ってるんだ。慎也だって上位者に入ってるんだから、胸張ってくれ」
と、蜂谷が苦笑する。
とにかく、黒鋼を突破するにはダブルスで確実に二勝をあげることが重要となってくる。今回ばかりはあの大神でさえ、確実に勝てる保証はどこにもない。全体のスコア表を見るかぎりでは、これまでの試合もシングルスは全勝、ダブルスにパラパラと黒星も見られたが、それでも常に四勝以上を勝ち上げての準決勝進出であった。
負けられへんな、と杉山が身を引き締めた。
「明前、もう全面的にお前のこと信じとるさかいな。間違うてもミスったオレにゴミとかクズとかいわんとってな」
「そんなんいままでだって言ったことないじゃないスか──俺のイメージなんなんスか」
「よーし廉也。オメーもだぞ、ゴミカスみてーなプレーしたら才徳の焼却炉にオメーのシューズぶちこんでやるからな!」
「姫ちゃんセンパイまじ口悪いスよね」
「ふ、ダブルス陣は上等なやる気だな。わるくねえ」
倉持、と大神がつぶやく。
「さっきの南との試合、タイブレークでずいぶん競ったってな。スタミナは問題ねえな?」
「当たり前だ。たかがひと試合でバテちゃ世話ねーよ」
「よし。蜂谷」
「ああ」
「お前──如月となにしてた?」
「ほぼラリーの相手をしてもらったくらいだよ。ただ、そのなかで試合時の心の持ち方を教わった気がする。俺が、ラリーしてるなかでこういうことかなっておもっただけだけど」
「いや、きっとそれでいいんだ。どうせ如月が口で教えるわけはねーだろうしな」
「うん。でもマジになにか掴めた気がしたから、だから本当ならS3──明前のがいいのかもしれないんだけど、俺のわがままでやらせてほしい」
珍しいすがたであった。
蜂谷が自身のわがままを持ってくるなど、これまでならばそうそう考えられなかったことである。大神はフッと口角をあげた。
「ダメだなんてはなから言ってねーだろ。自分でなにか掴んだのなら、勝敗気にせずにやってみりゃいい。ダブルスのふたつが確実に勝ってくれりゃ、あとはこの俺がなんとしてでも次への切符をもぎとってやるから」
「はは、……ホントに大神は言うこと為すことすべてがカッコいいから参るよな。ありがと」
「…………」
が、しかし。
伊織の表情はいまいち浮かない。
大神はそう言うが、あの獅子王との戦いで大神は本当に勝てるのか。いくら才徳のエースでも敵わないことがあるのではないか──と。
不安な顔に気付いたのだろう、ほかのチームメンバーが午後の対戦にむけて士気をあげるなか、大神が伊織の肩を軽く小突いた。
「お、大神──」
「なにがそんなに不安なんだ」
「なにがって、……獅子王との試合に大神が勝てるかって不安なんやんか。せやけどいまさら、うちが出来ることなんてなんもないしさ。……」
「勝てるかどうかなんて気にして試合に臨めば、勝てるもんも勝てねえよ。ただ、そうだな──」
と、伊織の髪に手を伸ばす。
「俺が負けねえよう、お前がずっと見張ってたら勝てるかもな」
「は……?」
「俺の試合見ててくれ」
「────」
「勝つから」
大神は囁くように言った。
0
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
セーラー服美人女子高生 ライバル同士の一騎討ち
ヒロワークス
ライト文芸
女子高の2年生まで校内一の美女でスポーツも万能だった立花美帆。しかし、3年生になってすぐ、同じ学年に、美帆と並ぶほどの美女でスポーツも万能な逢沢真凛が転校してきた。
クラスは、隣りだったが、春のスポーツ大会と夏の水泳大会でライバル関係が芽生える。
それに加えて、美帆と真凛は、隣りの男子校の俊介に恋をし、どちらが俊介と付き合えるかを競う恋敵でもあった。
そして、秋の体育祭では、美帆と真凛が走り高跳びや100メートル走、騎馬戦で対決!
その結果、放課後の体育館で一騎討ちをすることに。
みんなの女神サマは最強ヤンキーに甘く壊される
けるたん
青春
「ほんと胸がニセモノで良かったな。貧乳バンザイ!」
「離して洋子! じゃなきゃあのバカの頭をかち割れないっ!」
「お、落ちついてメイちゃんっ!? そんなバットで殴ったら死んじゃう!? オオカミくんが死んじゃうよ!?」
県立森実高校には2人の美の「女神」がいる。
頭脳明晰、容姿端麗、誰に対しても優しい聖女のような性格に、誰もが憧れる生徒会長と、天は二物を与えずという言葉に真正面から喧嘩を売って完膚なきまでに完勝している完全無敵の双子姉妹。
その名も『古羊姉妹』
本来であれば彼女の視界にすら入らないはずの少年Bである大神士狼のようなロマンティックゲス野郎とは、縁もゆかりもない女の子のはずだった。
――士狼が彼女たちを不審者から助ける、その日までは。
そして『その日』は突然やってきた。
ある日、夜遊びで帰りが遅くなった士狼が急いで家へ帰ろうとすると、古羊姉妹がナイフを持った不審者に襲われている場面に遭遇したのだ。
助け出そうと駆け出すも、古羊姉妹の妹君である『古羊洋子』は助けることに成功したが、姉君であり『古羊芽衣』は不審者に胸元をザックリ斬りつけられてしまう。
何とか不審者を撃退し、急いで応急処置をしようと士狼は芽衣の身体を抱き上げた……その時だった!
――彼女の胸元から冗談みたいにバカデカい胸パッドが転げ落ちたのは。
そう、彼女は嘘で塗り固められた虚乳(きょにゅう)の持ち主だったのだ!
意識を取り戻した芽衣(Aカップ)は【乙女の秘密】を知られたことに発狂し、士狼を亡き者にするべく、その場で士狼に襲い掛かる。
士狼は洋子の協力もあり、何とか逃げることには成功するが翌日、芽衣の策略にハマり生徒会に強制入部させられる事に。
こうして古羊芽衣の無理難題を解決する大神士狼の受難の日々が始まった。
が、この時の古羊姉妹はまだ知らなかったのだ。
彼の蜂蜜のように甘い優しさが自分たち姉妹をどんどん狂わせていくことに。
※【カクヨム】にて編掲載中。【ネオページ】にて序盤のみお試し掲載中。【Nolaノベル】【Tales】にて完全版を公開中。
イラスト担当:さんさん
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる