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第五章
99話 桜爛プライド
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飛天金剛学院の不破はおどろいた。
S3試合がどんなものかと観戦するなかで、蜂谷のプレーが自分と対戦したときとまるで違って見えたからである。あのときは今ほど攻撃的ではなかったし、なによりこんなに多彩な技を出されたおぼえもない。
まさか手を抜かれていたのか──と勘繰りたくなるほどに。
「おっ、蜂谷くん。さすがん猛攻ばい!」
ふいにとなりで声がした。
顔を向けると、黒い学校ジャージを羽織った男子生徒がひとり。ジャージに書かれた名前は『黒鋼高校』であった。
「アンタ──黒鋼のS3?」
「うん。きみ、たしか飛天金剛んS3っちゃんね。おれ大友ばい。よろしゅう」
「あ、不破ッス。黒鋼のシングルスいうたら、めっちゃ鬼門ってうわさの──」
「おれも昨日まではそう思うとったんだけどなぁ。けっきょく獅子王もおれも才徳に負けてしもうて、まだまだっちゃ」
「大友さんが、蜂谷さんに。……やっぱり蜂谷さん、なんやプレー変わりましたよね? 自分とやったときはあんなプレーせえへんかったのに」
といって不破はふたたび試合に目を投じる。
気がつけばゲームカウント5-4、蜂谷のマッチゲームとなっている。そうかなあ、と大友は首をかしげた。
「おれとやったときはこげん感じんプレーやったけどね。まあ、たしかに昨日より攻撃的かもしれんけど──どちらにせれ、あん桜爛選手ん手に負えるような選手やなかばい、彼は」
「はあ──」
「たぶんなにか改善点でも見えたんやなかと? なんか昨日よりもずっと気ィ楽そうにテニスしとーばい。あれが本当の彼んテニスたい」
大友はうれしそうにわらう。
気が楽そうというのは本当にその通りかもしれない、と不破はおもった。自分と試合をしたときは、平静な表情をしてはいたけれどどこか窮屈そうにプレーをする印象だったからである。対していまはおどろくほどのびのびとボールを打っている。まるでなにかのしがらみから解き放たれたように。
桜爛の咲間も決して実力が劣っているわけではない。が、しかし得てしてスポーツというものには何事も『波』というものがある。端的に言ってしまえば、いま蜂谷は波に乗っているのだろう。彼はマッチゲームをほぼストレートに近いポイントで奪取し、S3試合はゲームカウント6-4で決した。
瞬間、咲間は嗚咽を漏らしてコートに崩れ落ちた。
桜爛のプライドを胸に挑んだ全国大会決勝戦、自身が足を引っ張る結果となったことがくやしくてしようがなく、しばらくは主審に促されてもまともに立ち上がることもできなかった。本来ならば審判台前でネットを挟んで挨拶をするものだが、咲間のようすを見た蜂谷が彼に近寄る。
ぐっと腕を引き、彼を立たせてささやいた。
「桜爛の名が廃るぞ」
と。
それを聞いた咲間はキッと蜂谷をにらみつけた。うるむ瞳のせいでまったく迫力はなかったけれど、彼の桜爛プライドを感じるには十分な目つきだった。蜂谷はほほ笑んでそのまま握手をする。
「たのしい試合だった。ありがとう」
「…………ありがとうございました」
主審、副審へ握手を求め、S3選手はコートをあとにする。
蜂谷を出迎えたのは先に試合を終えたD2のふたりだった。
「司郎! おつかれッ」
「おお、ふたりもお疲れ。惜しかったな」
「いやほんとよかったスよ、これでまた1-1ッスから」
「そうか。まだ上三つの試合はやってるんだ」
ホッと蜂谷がわらう。
しかし姫川の顔は悲壮だった。
「やってるなんてもんじゃねえ、これがまた心臓の痛くなる試合展開なんだよ。D1の試合──明前が怪我して」
「怪我?」
「播磨の球が目に当たったんだ。右目。明前が意固地になって棄権しなかったんだよ、まあここまで続けられてるから大丈夫なんだろうけど。なんかアイツおかしいぜ、ドタマにきたみたい」
「ボールぶつけられてキレたの?」
「そうとしか思えないッスよぉ。明前、マジで気迫怖すぎ」
などと。
彼らがいうのも無理はない。
ゲームは桜爛リードの5-5、ふたたび中津川サーブである。明前のハプニングが起きたあと中津川のプレーに遠慮が出たか、あるいは明前の気迫スイッチがオンになったか──中津川はサービスゲームを落とし、その後の杉山サーバーでも才徳がゲームを獲得。播磨サーバーでふたたび桜爛がリードしたものの、つぎの明前サービスゲームにてまたも追いつくという接戦が繰り広げられていた。
なにより明前の目が、怖い。
この一年ペアを組んできた杉山でさえ、彼のこの血走った目は見たことがない。その目に宿る闘争心のとおり彼のプレーもまたいつもより攻撃的なものに変わっていた。いつもは杉山を遊ばせて明前はゲーム全体を見通してゲームをつくる側だったのだが。
外野から見てもその変化は一目瞭然で、姫川と星丸はいつ明前がぷっつんときて好き勝手なプレーをしやしないかとハラハラしているのだという。
「なるほどな──明前にはあんな一面もあったのか。メモしておかないと」
「いや冷静かよ。でもさっき、明前ボール空ぶったんだ。さっきだけじゃねえ、ポーチのタイミングだってちょっと合ってねえしさ。たぶん右目あんまり見えてねーんじゃねえかな」
「うーん。……」
蜂谷はうなった。
怪我のことはすでに顧問の天谷にも話は通っているが、彼女は明前の意思を尊重したらしい。なぜなら明前が『棄権』ということばをひどく嫌ったからだとか。それを姫川が蜂谷に話すと、となりで聞いていた星丸がうつむいた。
「でも──オレは明前の気持ちわかるッス。……もしオレがおなじ立場だったとしても棄権はぜったい避けます。先輩たちの全国大会最後の試合ですもん、そんなんしたくないに決まってるじゃないスか」
「星丸──」
健気な後輩を前に、蜂谷が困ったように笑む。
が、姫川は目を見ひらいて「はあ?」と吐き捨てた。
「ばっかオメー。そんなんいっしょに組んでるヤツの身にもなってみろや、後輩が怪我してんのにやりづれーことこの上ないだろ」
「でもッ、勝ちたいじゃないスか──先輩と組んでやるの最後になるかもしれないのに」
「えー、最後最後っていうけどさあ。おれら来年度の夏までは引退しねーよな?」
「そういう問題じゃないんだよ、朝陽。おまえはもう少し人の心ってのを考えたほうがいい」
「おれほど人情派な人間はいねーぞ、なに言ってんだ司郎おめー」
「まあいいや──とりあえず、杉山は明前のようすを見て続行可能と判断したわけだろ。それならもうやらせてやるしかない。どんな結果にせよ、やり遂げたことに意味があるんだ」
といって眩しそうに目を細める。
明前の打ったボールがアウトになった。これで中津川のサービスゲームが死守され、桜爛リードの6-5。つぎが桜爛のマッチゲームとなる。
S3試合がどんなものかと観戦するなかで、蜂谷のプレーが自分と対戦したときとまるで違って見えたからである。あのときは今ほど攻撃的ではなかったし、なによりこんなに多彩な技を出されたおぼえもない。
まさか手を抜かれていたのか──と勘繰りたくなるほどに。
「おっ、蜂谷くん。さすがん猛攻ばい!」
ふいにとなりで声がした。
顔を向けると、黒い学校ジャージを羽織った男子生徒がひとり。ジャージに書かれた名前は『黒鋼高校』であった。
「アンタ──黒鋼のS3?」
「うん。きみ、たしか飛天金剛んS3っちゃんね。おれ大友ばい。よろしゅう」
「あ、不破ッス。黒鋼のシングルスいうたら、めっちゃ鬼門ってうわさの──」
「おれも昨日まではそう思うとったんだけどなぁ。けっきょく獅子王もおれも才徳に負けてしもうて、まだまだっちゃ」
「大友さんが、蜂谷さんに。……やっぱり蜂谷さん、なんやプレー変わりましたよね? 自分とやったときはあんなプレーせえへんかったのに」
といって不破はふたたび試合に目を投じる。
気がつけばゲームカウント5-4、蜂谷のマッチゲームとなっている。そうかなあ、と大友は首をかしげた。
「おれとやったときはこげん感じんプレーやったけどね。まあ、たしかに昨日より攻撃的かもしれんけど──どちらにせれ、あん桜爛選手ん手に負えるような選手やなかばい、彼は」
「はあ──」
「たぶんなにか改善点でも見えたんやなかと? なんか昨日よりもずっと気ィ楽そうにテニスしとーばい。あれが本当の彼んテニスたい」
大友はうれしそうにわらう。
気が楽そうというのは本当にその通りかもしれない、と不破はおもった。自分と試合をしたときは、平静な表情をしてはいたけれどどこか窮屈そうにプレーをする印象だったからである。対していまはおどろくほどのびのびとボールを打っている。まるでなにかのしがらみから解き放たれたように。
桜爛の咲間も決して実力が劣っているわけではない。が、しかし得てしてスポーツというものには何事も『波』というものがある。端的に言ってしまえば、いま蜂谷は波に乗っているのだろう。彼はマッチゲームをほぼストレートに近いポイントで奪取し、S3試合はゲームカウント6-4で決した。
瞬間、咲間は嗚咽を漏らしてコートに崩れ落ちた。
桜爛のプライドを胸に挑んだ全国大会決勝戦、自身が足を引っ張る結果となったことがくやしくてしようがなく、しばらくは主審に促されてもまともに立ち上がることもできなかった。本来ならば審判台前でネットを挟んで挨拶をするものだが、咲間のようすを見た蜂谷が彼に近寄る。
ぐっと腕を引き、彼を立たせてささやいた。
「桜爛の名が廃るぞ」
と。
それを聞いた咲間はキッと蜂谷をにらみつけた。うるむ瞳のせいでまったく迫力はなかったけれど、彼の桜爛プライドを感じるには十分な目つきだった。蜂谷はほほ笑んでそのまま握手をする。
「たのしい試合だった。ありがとう」
「…………ありがとうございました」
主審、副審へ握手を求め、S3選手はコートをあとにする。
蜂谷を出迎えたのは先に試合を終えたD2のふたりだった。
「司郎! おつかれッ」
「おお、ふたりもお疲れ。惜しかったな」
「いやほんとよかったスよ、これでまた1-1ッスから」
「そうか。まだ上三つの試合はやってるんだ」
ホッと蜂谷がわらう。
しかし姫川の顔は悲壮だった。
「やってるなんてもんじゃねえ、これがまた心臓の痛くなる試合展開なんだよ。D1の試合──明前が怪我して」
「怪我?」
「播磨の球が目に当たったんだ。右目。明前が意固地になって棄権しなかったんだよ、まあここまで続けられてるから大丈夫なんだろうけど。なんかアイツおかしいぜ、ドタマにきたみたい」
「ボールぶつけられてキレたの?」
「そうとしか思えないッスよぉ。明前、マジで気迫怖すぎ」
などと。
彼らがいうのも無理はない。
ゲームは桜爛リードの5-5、ふたたび中津川サーブである。明前のハプニングが起きたあと中津川のプレーに遠慮が出たか、あるいは明前の気迫スイッチがオンになったか──中津川はサービスゲームを落とし、その後の杉山サーバーでも才徳がゲームを獲得。播磨サーバーでふたたび桜爛がリードしたものの、つぎの明前サービスゲームにてまたも追いつくという接戦が繰り広げられていた。
なにより明前の目が、怖い。
この一年ペアを組んできた杉山でさえ、彼のこの血走った目は見たことがない。その目に宿る闘争心のとおり彼のプレーもまたいつもより攻撃的なものに変わっていた。いつもは杉山を遊ばせて明前はゲーム全体を見通してゲームをつくる側だったのだが。
外野から見てもその変化は一目瞭然で、姫川と星丸はいつ明前がぷっつんときて好き勝手なプレーをしやしないかとハラハラしているのだという。
「なるほどな──明前にはあんな一面もあったのか。メモしておかないと」
「いや冷静かよ。でもさっき、明前ボール空ぶったんだ。さっきだけじゃねえ、ポーチのタイミングだってちょっと合ってねえしさ。たぶん右目あんまり見えてねーんじゃねえかな」
「うーん。……」
蜂谷はうなった。
怪我のことはすでに顧問の天谷にも話は通っているが、彼女は明前の意思を尊重したらしい。なぜなら明前が『棄権』ということばをひどく嫌ったからだとか。それを姫川が蜂谷に話すと、となりで聞いていた星丸がうつむいた。
「でも──オレは明前の気持ちわかるッス。……もしオレがおなじ立場だったとしても棄権はぜったい避けます。先輩たちの全国大会最後の試合ですもん、そんなんしたくないに決まってるじゃないスか」
「星丸──」
健気な後輩を前に、蜂谷が困ったように笑む。
が、姫川は目を見ひらいて「はあ?」と吐き捨てた。
「ばっかオメー。そんなんいっしょに組んでるヤツの身にもなってみろや、後輩が怪我してんのにやりづれーことこの上ないだろ」
「でもッ、勝ちたいじゃないスか──先輩と組んでやるの最後になるかもしれないのに」
「えー、最後最後っていうけどさあ。おれら来年度の夏までは引退しねーよな?」
「そういう問題じゃないんだよ、朝陽。おまえはもう少し人の心ってのを考えたほうがいい」
「おれほど人情派な人間はいねーぞ、なに言ってんだ司郎おめー」
「まあいいや──とりあえず、杉山は明前のようすを見て続行可能と判断したわけだろ。それならもうやらせてやるしかない。どんな結果にせよ、やり遂げたことに意味があるんだ」
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