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第四夜
第22話 決死の救出
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さても面倒事は続くものである。
一同の視線が奥座敷に注がれたとき、ふいに恭太郎が大広間の方へ左耳を向けた。
「揉めてる」
「あ?」
つられて森谷は振り向いた。
瞬間、ダカダカとけたたましい音を立てて誰かが駆けてくるではないか。同時に女性たちの焦ったような声。森谷の耳にも届くくらいだから、それなりの声量はある。ましていまは屋敷中に沁みわたるほど雨音が強くなっているのだ。
廊下を覆う暗闇から飛び出してきたのは、淳実だった。意味の分からないことを口走ってこちらに突っ込んでくる。ものすごい勢いに気圧されるも、森谷は警察官という鎧をいま一度着直して、立ち向かった。
「あ、淳実さん。どないしたんですかッ」
「────! ────ッ」
淳実はさけんでいる。
なにを言っているのかよく分からぬ。まるで酩酊した親父の戯言のように、舌が縺れて言葉をなさない。が、かすかに『わらし』という単語は聞き取れた。
「はァ? わらし? 座敷わらしがどうかしたんスか」
「────ッ!」
淳実は絶叫をあげる。
至近距離の爆音にひるんだ森谷は、この乱心者から手を離す。その隙に淳実はふたたび駆け出し、台所に面する通り土間へと駆けていった。
となりで恭太郎が廊下に倒れ込む。なるほど、彼の耳に先ほどの絶叫はさぞ拷問であったろう。続いてふたたび、大広間からパタパタと駆けてくる足音。神那と冬陽、すこし遅れて一花のものだった。
「森谷さんッ、淳美さんが──」
「なにがあったんですか!」
「いえ。大広間は静かなものでした、でも……」
神那が一花を見る。
つられて彼女へ視線を向けると、めずらしく不安げなようすで森谷を見上げてきた。
「『わらしちゃんがいる』って、言っただけなのよう。……」
「わらしちゃん?」
「お葬式で見た子よ。あの子が、あのおじさんのとこにいたから。あたし寝ぼけててつい言っちゃって。そしたらワケわかんないほどビビっちゃって」
「…………」
なるほど。
分からないことが、よく分かった。森谷は苛立ちを払うように首を振り、台所の方へと駆けた。そこには原田と心咲がいるはずだ。気を利かせて足止めなんぞしてくれてやしまいか、なんてわずかばかりの期待を胸に台所へと駆け込むと、呆然と立ち尽くす心咲がひとり、いた。
視線は、通り土間の奥。
いわゆる勝手口の戸板が開け放たれている。横殴りの雨が外の景色を塞ぎ、漏れ入った雨粒が通り土間の半分ほどを濡らす。
上り框に揃えられた自身の革靴を履きながら、森谷は心咲を呼ぶ。
「ふたりどこ行かはった!」
「あ…………う、」
「外か?」
「…………!」
心咲がうなずく。
──マジかよ。
とちいさく舌打ちする。ぐるりと背後に向き直ると、遅れて駆けてきた神那が目に入った。
「カッパ!」
「えっ? か、河童? 川の?」
「なんでやねんアホか! 雨合羽やッ」
乱暴に言い捨てて周囲をさぐる。
すると、さらに駆けつけてきた援軍のひとり、春江が「納戸に!」とさけび、踵を返して取りにゆく。春江が戻るのを待つあいだ、通り土間へすばやく視線をめぐらせる。戸口付近には懐中電灯がひとつかけられ、あちこちに一昔前は使っていたのだろう農具や臼、縄ばしごなどが隅に片付けられている。森谷は懐中電灯と縄ばしごをひっ掴んだ。
同時に、春江が雨合羽を手に駆け戻る。
スーツの上衣を投げ捨てて、雨合羽を着けた。総一郎が眉を下げて森谷の腕を掴む。
「シゲ、無茶だこんな雨で──」
「おお。お前は無理やろな、オレのために熱いお茶入れて待っといてくれや」
「僕もいく!」
「アホかッ。ガキァ引っ込んどれ!」
恭太郎がぐっと閉口する。
いま一度縄ばしごを脇に抱えて、外を見る。雨が横殴る。正直なところ自殺行為である。戦闘ヒーローじゃあるまいし、特別な身体能力もない。が、そうも言ってはいられまい。なぜなら自分は警察官なのである。
シゲさん、と声がした。
一花だった。
いまにも泣きそうな顔でこちらを見つめる。
「……死なないでね」
「アホ。死んでたまるか!」
出る間際、森谷は彼女に笑ってみせた。
とはいえ。
一歩外に出ると、もうえらいことである。ごうごうと地響きのような音が山中に響き渡り、礫を浴びせられているのかと思うほどの雨が全身を襲う。
──どっちに行った?
下ったか、登ったか。
正直ここから上に登ったのだとすれば、この天候のなか、森谷に見つけることは不可能だろう。であれば下った先にいることを願うしかない。ついているんだか分からぬ懐中電灯で山中を照らし、原田の名を呼んだ。
革靴はたちまち濡れそぼり、浸水する。周囲に耳を澄ませてみてもこの雨音では滅多な音でなければ捉えることは出来まい。
もう一本先の道から行ってみるか、と光を動かす。と、雨音に紛れて砂利を踏むかすかな音が耳に届いた。
──動物?
ゾッと背筋を凍らせる。
が、それはすぐに杞憂だと気が付いた。目の前から懐中電灯の灯りが見えたのである。灯りはだんだんと大きくなり、ゆっくりと持ち主が姿を現した。
雨合羽をかぶった、背の低い中年の制服警官である。
「あっ」
「おお!」
森谷は、一気に笑顔になる。が、反対に向こうは訝しげな顔でこちらに駆けてきた。来ながらなにか言っているが、雨音にかき消されてよく聞こえない。
ジェスチャーで「もっとでかい声を出せ」と示すと、彼は怒鳴った。
「アンタァ、相良さんとこのかッ!」
「せやで!! 東京の刑事やっとんねんッ!」
森谷も怒鳴り返す。
互いに怒っているわけではない。こうでもしないと声が聞こえないのである。
「東京がら来た警官なハァアンタかァ! 現場案内してけろ!!」
「その前に手伝うてくれッ! 人がふたり外に出てってもうて!」
「外ォ? こんな雨ン中でかァ!!」
「せやからこうして探しに出とんねんッッ」
ぜえ。はあ。
ここで体力を使うのはアホらしい。森谷は、懐中電灯でぐるりと周囲を照らした。隣の警官も目を凝らして光の当たる場所を見る。やがて光が山上に向かう道に向いたとき、動く影を見た。
ハッと構え直すと、影は猛然とこちらに駆けてくるようだった。原田だ。
「原田はんッ」
「ああっ刑事さん、良かった──大変だッ。淳実さんが!」
「どこや!!」
「低い崖下に転落してしまって、動かねえですッ」
もういい。
聞くより見るが早し、と森谷は原田の先導についていく。制服警官も勇ましくうしろをついてきた。
場所は家からそれほど離れてなかった。
三メートルもないくらいの低い崖下に、淳実がうつ伏せの状態で倒れている。見たところ大きな怪我はなさそうだが、ピクリと動く気配はない。森谷はすぐさま、小脇に抱えた縄ばしごを周囲の大木にくくりつけ、強度を確認したのち、降下を試みる。
原田と制服警官は、縄ばしごが切れぬよう、結んだ大木や縄の状態を確認しつつ、しっかりと握っていた。木々が覆い繁ったところは、大木たちが雨足を緩和してくれる。森谷はほどなく崖下に降りると、淳実のそばに膝をついた。
わずかだが喉元が動くのが見える。
生きている。
すぐさま彼の身体をおぶって、縄ばしごに手をかける。意識のない人間はなぜこうも重たいのか。淳実はどちらかというと痩身だというに。
──クソ。
一段、一段と上がるたび、背中が重たくなるのが分かった。原田が目一杯からだを乗り出してこちらに手を伸ばすのが見える。彼は屈強だ。途中まで行けばそのまま淳実を受け渡せるはず。
森谷は、なおも慎重に階段を昇る。
息が切れる。
──煙草やめるかな……。
と苦笑しつつ、縄ばしごの半分まで昇ったところで、原田が淳実の襟首を掴むことに成功。森谷への負担が軽くなり、森谷はそのまま一気にはしごを昇りきり、地面に這いつくばった。
「ッハ、ハァッ……ハ、」
「若ェのにあんたアッパレだァ! 相良さんちはこっがら近ェだろ?」
「儂が、道分かります。ついてきてくだせえ!」
と、淳実を背負った原田が駆け出した。
そのあとを制服警官がつづく。森谷は、安堵と疲労により鉛になった手足を無理やり動かし、足を引きずるように彼らの後を追った。
一同の視線が奥座敷に注がれたとき、ふいに恭太郎が大広間の方へ左耳を向けた。
「揉めてる」
「あ?」
つられて森谷は振り向いた。
瞬間、ダカダカとけたたましい音を立てて誰かが駆けてくるではないか。同時に女性たちの焦ったような声。森谷の耳にも届くくらいだから、それなりの声量はある。ましていまは屋敷中に沁みわたるほど雨音が強くなっているのだ。
廊下を覆う暗闇から飛び出してきたのは、淳実だった。意味の分からないことを口走ってこちらに突っ込んでくる。ものすごい勢いに気圧されるも、森谷は警察官という鎧をいま一度着直して、立ち向かった。
「あ、淳実さん。どないしたんですかッ」
「────! ────ッ」
淳実はさけんでいる。
なにを言っているのかよく分からぬ。まるで酩酊した親父の戯言のように、舌が縺れて言葉をなさない。が、かすかに『わらし』という単語は聞き取れた。
「はァ? わらし? 座敷わらしがどうかしたんスか」
「────ッ!」
淳実は絶叫をあげる。
至近距離の爆音にひるんだ森谷は、この乱心者から手を離す。その隙に淳実はふたたび駆け出し、台所に面する通り土間へと駆けていった。
となりで恭太郎が廊下に倒れ込む。なるほど、彼の耳に先ほどの絶叫はさぞ拷問であったろう。続いてふたたび、大広間からパタパタと駆けてくる足音。神那と冬陽、すこし遅れて一花のものだった。
「森谷さんッ、淳美さんが──」
「なにがあったんですか!」
「いえ。大広間は静かなものでした、でも……」
神那が一花を見る。
つられて彼女へ視線を向けると、めずらしく不安げなようすで森谷を見上げてきた。
「『わらしちゃんがいる』って、言っただけなのよう。……」
「わらしちゃん?」
「お葬式で見た子よ。あの子が、あのおじさんのとこにいたから。あたし寝ぼけててつい言っちゃって。そしたらワケわかんないほどビビっちゃって」
「…………」
なるほど。
分からないことが、よく分かった。森谷は苛立ちを払うように首を振り、台所の方へと駆けた。そこには原田と心咲がいるはずだ。気を利かせて足止めなんぞしてくれてやしまいか、なんてわずかばかりの期待を胸に台所へと駆け込むと、呆然と立ち尽くす心咲がひとり、いた。
視線は、通り土間の奥。
いわゆる勝手口の戸板が開け放たれている。横殴りの雨が外の景色を塞ぎ、漏れ入った雨粒が通り土間の半分ほどを濡らす。
上り框に揃えられた自身の革靴を履きながら、森谷は心咲を呼ぶ。
「ふたりどこ行かはった!」
「あ…………う、」
「外か?」
「…………!」
心咲がうなずく。
──マジかよ。
とちいさく舌打ちする。ぐるりと背後に向き直ると、遅れて駆けてきた神那が目に入った。
「カッパ!」
「えっ? か、河童? 川の?」
「なんでやねんアホか! 雨合羽やッ」
乱暴に言い捨てて周囲をさぐる。
すると、さらに駆けつけてきた援軍のひとり、春江が「納戸に!」とさけび、踵を返して取りにゆく。春江が戻るのを待つあいだ、通り土間へすばやく視線をめぐらせる。戸口付近には懐中電灯がひとつかけられ、あちこちに一昔前は使っていたのだろう農具や臼、縄ばしごなどが隅に片付けられている。森谷は懐中電灯と縄ばしごをひっ掴んだ。
同時に、春江が雨合羽を手に駆け戻る。
スーツの上衣を投げ捨てて、雨合羽を着けた。総一郎が眉を下げて森谷の腕を掴む。
「シゲ、無茶だこんな雨で──」
「おお。お前は無理やろな、オレのために熱いお茶入れて待っといてくれや」
「僕もいく!」
「アホかッ。ガキァ引っ込んどれ!」
恭太郎がぐっと閉口する。
いま一度縄ばしごを脇に抱えて、外を見る。雨が横殴る。正直なところ自殺行為である。戦闘ヒーローじゃあるまいし、特別な身体能力もない。が、そうも言ってはいられまい。なぜなら自分は警察官なのである。
シゲさん、と声がした。
一花だった。
いまにも泣きそうな顔でこちらを見つめる。
「……死なないでね」
「アホ。死んでたまるか!」
出る間際、森谷は彼女に笑ってみせた。
とはいえ。
一歩外に出ると、もうえらいことである。ごうごうと地響きのような音が山中に響き渡り、礫を浴びせられているのかと思うほどの雨が全身を襲う。
──どっちに行った?
下ったか、登ったか。
正直ここから上に登ったのだとすれば、この天候のなか、森谷に見つけることは不可能だろう。であれば下った先にいることを願うしかない。ついているんだか分からぬ懐中電灯で山中を照らし、原田の名を呼んだ。
革靴はたちまち濡れそぼり、浸水する。周囲に耳を澄ませてみてもこの雨音では滅多な音でなければ捉えることは出来まい。
もう一本先の道から行ってみるか、と光を動かす。と、雨音に紛れて砂利を踏むかすかな音が耳に届いた。
──動物?
ゾッと背筋を凍らせる。
が、それはすぐに杞憂だと気が付いた。目の前から懐中電灯の灯りが見えたのである。灯りはだんだんと大きくなり、ゆっくりと持ち主が姿を現した。
雨合羽をかぶった、背の低い中年の制服警官である。
「あっ」
「おお!」
森谷は、一気に笑顔になる。が、反対に向こうは訝しげな顔でこちらに駆けてきた。来ながらなにか言っているが、雨音にかき消されてよく聞こえない。
ジェスチャーで「もっとでかい声を出せ」と示すと、彼は怒鳴った。
「アンタァ、相良さんとこのかッ!」
「せやで!! 東京の刑事やっとんねんッ!」
森谷も怒鳴り返す。
互いに怒っているわけではない。こうでもしないと声が聞こえないのである。
「東京がら来た警官なハァアンタかァ! 現場案内してけろ!!」
「その前に手伝うてくれッ! 人がふたり外に出てってもうて!」
「外ォ? こんな雨ン中でかァ!!」
「せやからこうして探しに出とんねんッッ」
ぜえ。はあ。
ここで体力を使うのはアホらしい。森谷は、懐中電灯でぐるりと周囲を照らした。隣の警官も目を凝らして光の当たる場所を見る。やがて光が山上に向かう道に向いたとき、動く影を見た。
ハッと構え直すと、影は猛然とこちらに駆けてくるようだった。原田だ。
「原田はんッ」
「ああっ刑事さん、良かった──大変だッ。淳実さんが!」
「どこや!!」
「低い崖下に転落してしまって、動かねえですッ」
もういい。
聞くより見るが早し、と森谷は原田の先導についていく。制服警官も勇ましくうしろをついてきた。
場所は家からそれほど離れてなかった。
三メートルもないくらいの低い崖下に、淳実がうつ伏せの状態で倒れている。見たところ大きな怪我はなさそうだが、ピクリと動く気配はない。森谷はすぐさま、小脇に抱えた縄ばしごを周囲の大木にくくりつけ、強度を確認したのち、降下を試みる。
原田と制服警官は、縄ばしごが切れぬよう、結んだ大木や縄の状態を確認しつつ、しっかりと握っていた。木々が覆い繁ったところは、大木たちが雨足を緩和してくれる。森谷はほどなく崖下に降りると、淳実のそばに膝をついた。
わずかだが喉元が動くのが見える。
生きている。
すぐさま彼の身体をおぶって、縄ばしごに手をかける。意識のない人間はなぜこうも重たいのか。淳実はどちらかというと痩身だというに。
──クソ。
一段、一段と上がるたび、背中が重たくなるのが分かった。原田が目一杯からだを乗り出してこちらに手を伸ばすのが見える。彼は屈強だ。途中まで行けばそのまま淳実を受け渡せるはず。
森谷は、なおも慎重に階段を昇る。
息が切れる。
──煙草やめるかな……。
と苦笑しつつ、縄ばしごの半分まで昇ったところで、原田が淳実の襟首を掴むことに成功。森谷への負担が軽くなり、森谷はそのまま一気にはしごを昇りきり、地面に這いつくばった。
「ッハ、ハァッ……ハ、」
「若ェのにあんたアッパレだァ! 相良さんちはこっがら近ェだろ?」
「儂が、道分かります。ついてきてくだせえ!」
と、淳実を背負った原田が駆け出した。
そのあとを制服警官がつづく。森谷は、安堵と疲労により鉛になった手足を無理やり動かし、足を引きずるように彼らの後を追った。
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