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「幼馴染を寝取られた」などと意味不明の供述をしており、ムカつくのでからかってやることにします その二
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前回に引き続き、前半が佳宏視点、後半が有紗視点となります。
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舞音ちゃんとお外デートをした翌日、休み時間に教室で彼女と楽しく話をしていると、性懲りもなく有紗が近寄ってきた。何の用だよ。
「佳宏! クッキー焼いてみたんだけど、一つどうかな?」
有紗がクッキー? 有紗にお菓子作りの趣味があったなんて、これまで聞いたこともないぞ。
彼女が取り出したものを見てみると、案の定、形がいびつだったり焼きムラがあったりする下手くそな出来だ。
こんなもので懐柔しようだなんて、浅はかすぎて笑えてくるな。
「悪いけど、僕は舞音ちゃんが作ってくれたお菓子しか食べないことにしているんだ」
いや、もちろん市販のものも食べるんだけどな。それはまあいいだろう。
実際、舞音ちゃんが焼いてくれたマドレーヌをご馳走になったことがあるけれど、あれは絶品だった。
「そ、そう。残念だなぁ。まあクッキーはともかくさ。あたしたち、以前みたいな関係に戻れないかな?」
ほら来た。やっぱりそれが本題か。でもな。
「以前みたいな関係? ふん、何を言っているのかな。僕には舞音ちゃんていう最高の恋人がいるんだ。いまさらよりを戻そうだなんて言って来ても、もう遅いんだよ!」
はっきりとそう言ってやる。
有紗は、悔しそうに顔を歪めながら横を向いた。ふん、ざまぁ見ろ。
周囲では、成り行きを見守っていたクラスメイトたちが、くすくす忍び笑いをしている。
まったく、とんだ恥さらしだな。
と、そこで僕の背後に隠れるようにしていた舞音ちゃんが、ずいっと前に踏み出してきた。そして、有紗に向かってこう言い放つ。
「他の男の人に股を開いておきながら、いまさら佳宏君に何を求めようって言うんですか? あなたになんか用はありませんから、向こうへ行ってください!」
「まっ!?」
有紗は顔を真っ赤に染めて、口をパクパクし何か反論しかけたようだが、結局そのまま尻尾を巻いて退散していった。まさに負け牝犬だな。
クラスメイトたちからは、忍び笑いに混じってちらほら拍手すら聞こえてくる。
男性恐怖症なだけでなく、相手が女性であっても引っ込み思案なところのあった舞音ちゃんだけど、最近では僕のオタク友達の山田や田中とも多少話をするようになってきたし、少しずつ克服してきているようだ。
彼女いわく、佳宏君と愛し合うようになってから、少しずつ勇気が持てるようになってきたんです、だそうで、彼女を変える手助けになれたのなら嬉しい限りだ。
あ、でも、とその時舞音ちゃんはこう付け加えた。佳宏君以外の男性に目移りすることは絶対ありませんから安心してください、と。
愛され過ぎて怖いくらいだ。
†††††
祐司とのラブホ♡デートから帰って来て、あたしはさっそくクッキー作りに取り掛かった。
彼と付き合い始めてから凝り出したお菓子作り、まだまだ失敗も多いけど、それもご愛敬。今回のクッキーも、綺麗に焼き上がったのは半分以下で、随分と失敗作が出てしまった。
が、それは初めから計算のうち。上手に出来た分は、可愛くラッピングして祐司に上げる用。失敗作――と言っても、見た目が悪いだけで味に問題はない。ちゃんと味見もしたし――はタッパーに入れて、明日使うつもりだ。
でもって翌日。休み時間に、あたしは佳宏に歩み寄った。
相変わらず、人目も憚ることなく遠藤さんといちゃついている。恥ってものを知らないのか、こいつらは。
「佳宏! クッキー焼いてみたんだけど、一つどうかな?」
そう声を掛けたけれど、素直に受け取ってくれることはもちろん期待していない。
「悪いけど、僕は舞音ちゃんが作ってくれたお菓子しか食べないことにしているんだ」
ああ、そうですか。実際あたしより上手なのかもしれないけれど、正直どうでもいい。
いずれはあたしも上手に作れるようになって、祐司に美味しいのを食べさせてあげるつもりだし。
拒絶された失敗作クッキーは、部活の時に皆に配ることにしよう。
「そ、そう。残念だなぁ。まあクッキーはともかくさ。あたしたち、以前みたいな関係に戻れないかな?」
今みたいに顔を合わせるたびにギスギスするような関係じゃなく、以前のようなただの幼馴染の関係に戻らないか、という提案なのだけれど。
「以前みたいな関係? ふん、何を言っているのかな。僕には舞音ちゃんていう最高の恋人がいるんだ。いまさらよりを戻そうだなんて言って来ても、もう遅いんだよ!」
ぷ、くくっ。「もう遅い」いただきました! つーか、「より」って何だよ、「より」って。あんたの中ではあたしとあんたの間にどんな関係があったことになっているのか。一度頭の中を覗いてみたい。
思わず吹き出しそうになったあたしは、顔を歪めて横を向いた。やべ、バレなかったかな?
周囲では、ギャラリーのクラスメイトたちが笑いをこらえている。あらかじめ仲の良い何人かに、メッセージを送っておいたからね。せいぜいショーを楽しんでくれたまえ。
横を向いて笑いを堪えるあたしの視界に、遠藤さんの姿が映った。おや、気の弱い彼女が前に出てきて、何を言ってくれるのやら。
「他の男の人に股を開いておきながら、いまさら佳宏君に何を求めようって言うんですか? あなたになんか用はありませんから、向こうへ行ってください!」
「まっ!?」
な、何てこと言うかな、この女は! 祐司とHしていることを恥ずべきことだなんて欠片も思いはしないけれど、皆の前でそんな言い方をされたら恥ずかしいに決まっている。
多分、今のあたしは耳まで真っ赤になっていることだろう。
股を開いているのはあんたも同じでしょうが、なんて反論した日には、恥の上塗りだ。
癪に障るけど、一時退散。
こら、誰だ。拍手なんかしてるやつは!
教室の入り口付近で、肩をすくめている祐司を見つけ、外へ連れ出した。
「祐司、次はあんたが行って」
「ええ? まだやるのかい?」
祐司はちょっと呆れ顔だけど、そりゃあこのまま終われるもんか。それに、昨日協力してくれるって言ったでしょ。
「自爆して恥を晒してるのはあいつらのはずなのに、本人たちは堪えてなくて、巻き込まれたこっちが一方的に恥ずかしい思いをしている、っていうのが納得いかない。今度は祐司がチャレンジしてよ」
やれやれ、と小さく溜息を吐きながらも、祐司は了承してくれた。
もうすぐ授業が始まるから、次の休み時間にリベンジだ。
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どっちもどっち┐(´д`)┌
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舞音ちゃんとお外デートをした翌日、休み時間に教室で彼女と楽しく話をしていると、性懲りもなく有紗が近寄ってきた。何の用だよ。
「佳宏! クッキー焼いてみたんだけど、一つどうかな?」
有紗がクッキー? 有紗にお菓子作りの趣味があったなんて、これまで聞いたこともないぞ。
彼女が取り出したものを見てみると、案の定、形がいびつだったり焼きムラがあったりする下手くそな出来だ。
こんなもので懐柔しようだなんて、浅はかすぎて笑えてくるな。
「悪いけど、僕は舞音ちゃんが作ってくれたお菓子しか食べないことにしているんだ」
いや、もちろん市販のものも食べるんだけどな。それはまあいいだろう。
実際、舞音ちゃんが焼いてくれたマドレーヌをご馳走になったことがあるけれど、あれは絶品だった。
「そ、そう。残念だなぁ。まあクッキーはともかくさ。あたしたち、以前みたいな関係に戻れないかな?」
ほら来た。やっぱりそれが本題か。でもな。
「以前みたいな関係? ふん、何を言っているのかな。僕には舞音ちゃんていう最高の恋人がいるんだ。いまさらよりを戻そうだなんて言って来ても、もう遅いんだよ!」
はっきりとそう言ってやる。
有紗は、悔しそうに顔を歪めながら横を向いた。ふん、ざまぁ見ろ。
周囲では、成り行きを見守っていたクラスメイトたちが、くすくす忍び笑いをしている。
まったく、とんだ恥さらしだな。
と、そこで僕の背後に隠れるようにしていた舞音ちゃんが、ずいっと前に踏み出してきた。そして、有紗に向かってこう言い放つ。
「他の男の人に股を開いておきながら、いまさら佳宏君に何を求めようって言うんですか? あなたになんか用はありませんから、向こうへ行ってください!」
「まっ!?」
有紗は顔を真っ赤に染めて、口をパクパクし何か反論しかけたようだが、結局そのまま尻尾を巻いて退散していった。まさに負け牝犬だな。
クラスメイトたちからは、忍び笑いに混じってちらほら拍手すら聞こえてくる。
男性恐怖症なだけでなく、相手が女性であっても引っ込み思案なところのあった舞音ちゃんだけど、最近では僕のオタク友達の山田や田中とも多少話をするようになってきたし、少しずつ克服してきているようだ。
彼女いわく、佳宏君と愛し合うようになってから、少しずつ勇気が持てるようになってきたんです、だそうで、彼女を変える手助けになれたのなら嬉しい限りだ。
あ、でも、とその時舞音ちゃんはこう付け加えた。佳宏君以外の男性に目移りすることは絶対ありませんから安心してください、と。
愛され過ぎて怖いくらいだ。
†††††
祐司とのラブホ♡デートから帰って来て、あたしはさっそくクッキー作りに取り掛かった。
彼と付き合い始めてから凝り出したお菓子作り、まだまだ失敗も多いけど、それもご愛敬。今回のクッキーも、綺麗に焼き上がったのは半分以下で、随分と失敗作が出てしまった。
が、それは初めから計算のうち。上手に出来た分は、可愛くラッピングして祐司に上げる用。失敗作――と言っても、見た目が悪いだけで味に問題はない。ちゃんと味見もしたし――はタッパーに入れて、明日使うつもりだ。
でもって翌日。休み時間に、あたしは佳宏に歩み寄った。
相変わらず、人目も憚ることなく遠藤さんといちゃついている。恥ってものを知らないのか、こいつらは。
「佳宏! クッキー焼いてみたんだけど、一つどうかな?」
そう声を掛けたけれど、素直に受け取ってくれることはもちろん期待していない。
「悪いけど、僕は舞音ちゃんが作ってくれたお菓子しか食べないことにしているんだ」
ああ、そうですか。実際あたしより上手なのかもしれないけれど、正直どうでもいい。
いずれはあたしも上手に作れるようになって、祐司に美味しいのを食べさせてあげるつもりだし。
拒絶された失敗作クッキーは、部活の時に皆に配ることにしよう。
「そ、そう。残念だなぁ。まあクッキーはともかくさ。あたしたち、以前みたいな関係に戻れないかな?」
今みたいに顔を合わせるたびにギスギスするような関係じゃなく、以前のようなただの幼馴染の関係に戻らないか、という提案なのだけれど。
「以前みたいな関係? ふん、何を言っているのかな。僕には舞音ちゃんていう最高の恋人がいるんだ。いまさらよりを戻そうだなんて言って来ても、もう遅いんだよ!」
ぷ、くくっ。「もう遅い」いただきました! つーか、「より」って何だよ、「より」って。あんたの中ではあたしとあんたの間にどんな関係があったことになっているのか。一度頭の中を覗いてみたい。
思わず吹き出しそうになったあたしは、顔を歪めて横を向いた。やべ、バレなかったかな?
周囲では、ギャラリーのクラスメイトたちが笑いをこらえている。あらかじめ仲の良い何人かに、メッセージを送っておいたからね。せいぜいショーを楽しんでくれたまえ。
横を向いて笑いを堪えるあたしの視界に、遠藤さんの姿が映った。おや、気の弱い彼女が前に出てきて、何を言ってくれるのやら。
「他の男の人に股を開いておきながら、いまさら佳宏君に何を求めようって言うんですか? あなたになんか用はありませんから、向こうへ行ってください!」
「まっ!?」
な、何てこと言うかな、この女は! 祐司とHしていることを恥ずべきことだなんて欠片も思いはしないけれど、皆の前でそんな言い方をされたら恥ずかしいに決まっている。
多分、今のあたしは耳まで真っ赤になっていることだろう。
股を開いているのはあんたも同じでしょうが、なんて反論した日には、恥の上塗りだ。
癪に障るけど、一時退散。
こら、誰だ。拍手なんかしてるやつは!
教室の入り口付近で、肩をすくめている祐司を見つけ、外へ連れ出した。
「祐司、次はあんたが行って」
「ええ? まだやるのかい?」
祐司はちょっと呆れ顔だけど、そりゃあこのまま終われるもんか。それに、昨日協力してくれるって言ったでしょ。
「自爆して恥を晒してるのはあいつらのはずなのに、本人たちは堪えてなくて、巻き込まれたこっちが一方的に恥ずかしい思いをしている、っていうのが納得いかない。今度は祐司がチャレンジしてよ」
やれやれ、と小さく溜息を吐きながらも、祐司は了承してくれた。
もうすぐ授業が始まるから、次の休み時間にリベンジだ。
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