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始まった新生活

業務のための練習※

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「皮膚接触での譲渡はしたことあるか?」

 オリバーさんは僕の手を掴むと僕を椅子から立ち上がらせた。そして、手を引いてソファーに触らせると僕の右隣に座ってきた。

「え、まぁ…授業でしたぐらいです。僕の国では枯渇する前に魔力を補給する習慣があるのて…戦闘でもない限り枯渇なんてあまりありませんから」

「だよなー。俺の国もそう」

 僕は驚いてオリバーさんを見つめると、オリバーさんは正面にある火の付いていない暖炉を眺めながら話した。

「フィレント王国って知ってるか?」

「え?はい。かなり大国ですよね。魔道具も充実してるし、確か平民街でも設備がかなり整ってるとか。でもここよりかなり遠いような…」

「そうだな。転移陣も2、3回使う距離だな。俺はそこの国の出身」

「なぜアイミヤ公国へ?」

 僕が首を傾げて質問すると、オリバーさんはフーッと煙を吐き出して僕を見つめた。

「それはさっきの研究のためってのと、この国の国民性なら協力者が集まりそうだなって思ったからだな」

「なるほど。もしかして〈愛〉とかですか?」

「そうそう、それな。抱きまくれるとか最高だよな」

 オリバーさんは少し茶化すように言ってから僕の右腕を右手で掴んできた。

「ま、そんな話は置いておいて、練習だ。まず俺が流すから感じたら教えてくれ」

 掴んでいた手は僕の手のひらの上に移動して、大きな手が僕の手を包み込んだ。そして、じわじわと何かが僕の体を侵食する感覚を覚えた。

「えと、じわじわきてます」

「お、なかなか鋭い感覚だな。これはどうだ」

 じわじわきていたものが、流れを早くしてドドドっと濁流のように流れ込んできた。

「ぅ…ぁあ…」

「キツイか?」

 押し寄せる濁流に思わず目を瞑ってウンウンと頷いていると、オリバーさんは優しく声をかけてきた。

「じゃあ、きたものを俺に返してこい。まずはゆっくりと」

 濁流はおさまったが、体の中にいつもより多く魔力を含んでいる感覚があった。体が重い気がした。

 僕はさっき感じた感覚を思い出しながらゆっくり体に染みるように魔力を流した。

「お、上手いな。次は強めにやってみろ」

 まだまだ体に有り余っている余分な量を押し込むようにグイグイと魔力を送り込むと、オリバーさんがクスクス笑ってきた。

「激しいな。でも上手い。確かに魔力操作は得意のようだな」

 僕は余分な分を全て返すと、ホッと息をついた。体がいつもの感覚に戻ってきた。オリバーさんは僕の手を包んだまま、左手で僕の顎を掴んで見つめてきた。僕がじっと紫色の瞳を見つめると、瞳が意地悪そうな色に煌めいた。

「じゃ、次は…体液交換しながらできるかだな」

 そう言って、顎から手を離すと僕の口に煙草を差し込んできた。反射的に吸い込んで甘い蜜を味わうと、口に咥えたまま隙間からフーッと煙を吐き出した。

 匂いと甘さの余韻に浸っていると、オリバーさんが煙草をひきぬいた。そして、テーブルの上に置くと、また僕の顎を掴んで見つめてきた。

「いただきます」

 ボーッとしている僕の唇に少し柔らかくてあったかくて、甘いものがくっついた。

「んん…」

 顎を掴んでいた左手で僕の頭を押さえて、オリバーさんは唇を深く密着させた。次に熱いもので唇を撫でられ、少しの隙間からニュルッと中に入ってきた。

「んっ…んん…」

 熱いものはもう1つの閉じた門の周りを優しくなぞってきた。まるで侵入させてくださいと懇願しているようだった。

 なぞられるたびにゾワっとしたものが体を撫でる。知らない感覚に僕は吐息が漏れた。

「ぁふ…んっんん…」

 何度も優しくなぞられ、ゾワゾワとしたものが体を這う。思わず門を開けてしまうと、熱いものは簡単に奥に侵入きてきた。

「んっぁ…ん…んん」

 熱いもの僕の引っ込んだ塊を突いて、まるで遊ぼうっと誘っているようだった。僕は誘われるがまま塊を伸ばすと、熱いものは塊の周りを絡み始めた。絡み合うたびに甘い味が僕を酔わせた。

「ぁふ…んんんん…ぁ」

 横に絡んできたり、少し斜めに絡んできたり、少しザラザラしている熱いものは僕にゾワゾワを更に与えた。だんだんゾワゾワしたものが僕の中心に集まってくる。僕の頭の中はそれを出すことに意識が向いた。

「んっぁ…んん…んっ」

 熱いものは時折天井を撫でてくる。その刺激もまたゾワゾワが増えていった。無意識的に握り合っている右手を強く握ってしまうと、オリバーさんは握り返してきた。

「んっんっ…ぁふ…んん」

 塊は熱いものと同じように動くことに慣れた。そして形が同じになって、仲良く擦り合いはじめた。時折、熱いものは逃げていく。僕はそれを追っていくと、チュッと吸われた。びっくりして引っ込めてしまうと、熱いものが迎えにくる。どっちで遊びあっても甘かった。

 お互いの口のなかで交互に場所を移動しながら絡み合っていると、ジワジワと何かが僕になだれこんできた。

「んんって…んんん…んん…ぁふ」

 ジワジワと染み込んでくるものが、僕のゾワゾワを増やした。その感覚に浸っていると、急に沢山のものを押し込まれた。

「んん!んん!…んっんん!」

 僕は流れてくるものと熱いものから受ける刺激を受け止めようとするが、あまりに刺激が強い。与えられるものを溜め込んでいることも辛い。早く出したい。それだけが頭を支配した。

「んんんん!」

 じんわりと股間が湿っていくのを感じた。それと共に体になだれ込んでいたものが半分減った感覚を覚えた。出したいという支配はなくなって、ただ甘いものを食べたくなった。

「…呑み込みが早いから、教えがいがあるな。それに手をかけてやりたくなる可愛さもあって、なかなかいい」

 チュッと音を立てて唇を離したオリバーさんはハァハァと息を切らしている僕の顔を妖美に笑って見つめてから…僕の股間に目を向けた後にまた僕を見つめた。

「次は俺に返してくれる番だろう?」

 僕はボーッとしながらオリバーさんの唇を眺めた。そして、左腕でオリバーさんの頭を抱えて引き寄せるとお互いの唇を合わせた。

 門の開け方も熱いものを絡めるのも、天井を撫でるのもさっき教えてもらった僕はすぐに覚えた。

 オリバーさんの口の中に刺激を送りながらジワジワと魔力を送った。瞑っていた目を開けてオリバーさんを見つめると、紫の瞳が熱を帯びて僕を見つめていた。

「んっふ…ん…」

 目を瞑ると一度魔力を流すのをやめて、お互いに刺激し合いながら絡んで遊んだ。しばらく刺激し合ってから僕はググッと強めに魔力を押し込んだ。

 オリバーさんはビクっと体を震わせて、僕の刺激と押し込むものを受け入れた。体に残っていた半分を渡し終わると僕は唇を離した。

「はぁ…はぁ…足りないぞ?」

「ハァハァ…体には余分なのないです…」

 オリバーさんはニヤッと笑うと僕のローブをめくって濡れているズボンを見つけた。

「おい、半分漏らしたな」

「…っ……」

「しゃーねーな」

 オリバーさんはニヤニヤ笑って僕の右手から手を離すと立ち上がって、僕の股の間にしゃがみ込んだ。

 僕はボーッとしながらオリバーさんを見つめた。オリバーさんはズボンからまだ少しだけ硬さが残っているモノを取り出すと、ペロっと舐めはじめた。

「ぁっ…」

「ここの味も甘いのか。出た時も甘い匂いがしたんだ」

 ペロペロと僕のモノについている残りを舐められる度に体が震えた。そして、ゾワゾワが真ん中に集まってきた。

「男のなんて初めてやるが、これはいけるな」

 オリバーさんは呟くと、僕のモノをすっぽりと口に覆ってしまった。

「あああ!」

 初めての刺激にビクビクっと体が震える。オリバーさんは僕の様子を時折上目遣いで見つめながら、頭を動かし始めた。僕は吐息を漏らしながら、オリバーさんを見つめ続けた。

「はぅ…ぁっ…ぁぁ…だめです…だめ…あっぁあ」

 僕のモノは悦んだ。待ち望んでいた刺激だと言わんばかりだった。チュッと吸い上げて動かれると体をアレも震えた。

 何て強い刺激なんだ!こんなの知らない!

 僕は今まで出した事がないような声を吐息が漏れ始めた。そして、どんどんどこか上に向かって何かが波になったように、押し寄せてくるのを感じた。1人でしている時よりも、大きな波に僕は耐えられなかった。

「ぁぁぁ!でま…だめ…だめ…だめ…あ…だめ!ああああ!」

 荒波が海岸の石にぶつかった瞬間のように、押し寄せた何かの波が高みにのぼった瞬間にドクンっと僕のモノは飛び跳ねて、ドクドクとオリバーさんの口の中に熱い精を放った。

「んっ…あっま」

 オリバーさんは口からモノを引き抜くとゴクンと喉を鳴らして飲み干した。僕はその様子を肩で息をしながら眺めていた。

「ハァハァ…もう、本当に余分なの…ないです」

「ああ、わかってる。染み込んでて取り戻しできたのはほんのちょっぴりだ。でも、ちゃんと俺にくれただろ?足りない分きっちりと」

「ハァハァ…え?…」

 体の感覚を探ってみると、体が少しだけ軽く感じた。僕はボーッとしながらオリバーさんを見下ろすと、オリバーさんは僕を見上げてニヤッと微笑んだ。

「お前、無意識に足りない分だけ体液に出したのか?ある意味才能だな。相手に与えないといけない分だけ渡せれるなら、女も男も舐めさせたほうがいいんじゃないか?」

「っ!…い、いやです。なんだか…はしたないです」

 呪文を唱え、股間に洗浄魔法をかけて綺麗にすると、出ていたモノをズボンの中に押し込んだ。

「そっちも小さいかと思ったが、案外ものは立派だな。まっ、俺より小さいけどな。それに色が可愛いのが、またいい。俺の口にちょうどいいサイズでやりやすかったぞ。男のなんて咥えたの初めてだったが、お前のならいくらでも出来そうだ」

「な!変なこと…言わないでください!!」

 欲を吐き出したことで変に頭がスッキリした僕は、だんだんやるせない気持ちになっていった。

「まさか、男性の口の中に入れられるなんて、思ってもいませんでした…ハァ…」

「初めてか?俺は舐めたのは初めてだが、譲渡では男にも舐めてもらう時があるな。口でやる暇がない時とかな」

「………」

 僕は返答したくなくて、スッと無表情になって無言になると、オリバーさんは僕の口に煙草を差し込んできた。スーッと甘いのを食べて、ハーっと甘い香りを吐き出すとオリバーさんに煙草を返した。

「この香りって参考にしたものはあるんですか?」

 甘いもので機嫌が治った僕は、昨日の香油の匂いを思い出して質問した。

「ああ。ラベンダーだな。身内が俺の色だとか、言葉だとかなんとか言って決められた」

「そうなんですね。やっぱり…」

 甘い匂いを嗅ぎながら余韻に浸っていると、オリバーさんが不思議そうにこちらを眺めていた。僕は慌てて説明を始めた。

「あ、僕の部屋にある香油と同じ匂いだったんです。偶然にも。僕、花とか詳しくないから、イーサンに花の種類を聞いたらラベンダーって言ってたんで。あっちはもう少し爽やかな甘さですけどね」

「匂いなんてもんはあくまで参考で作ったからな。多少違うのは仕方がない。そういえば興奮して忘れていたが、魔道具を通してなくても、体液が甘かったな…それは身内とは試してなかった。ふむ」

 ぶつぶつと呟いたオリバーさんはどこか自分の世界に浸ってしまった。立ち上がって煙草を咥えるとデスクの方向に歩いていった。椅子に座ってデスクに向かうとカリカリと何かを書き始めた。僕はその様子を振り返りながら眺めると、コテンっとソファーに寝転がった。

 発散しただるさと、初めての快感を覚えた余韻と、甘い匂いと味と紫色に浸りながらスッと眠りに落ちた。
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